”ぷろぺら”の,「一日は誰にもやっぱり一日」

”ぷろぺら”の,「一日は誰にもやっぱり一日」

出会い



 「ウサギが空を飛ぶという歌をうたう歌手がいる」

 と、おしえてくれた。最初はあまり興味がわかなかったけど、

 一本のテープを貸してもらった。


 「ある朝高野の交差点近くをウサギが飛んだ」通称「ウサギ」

 の歌は最初の方に語りがあるんだけど正直言って

 あんまりピンとこなかった。

 歌に入ってからはドンドン引き込まれていった。

「朝の光の中で俺はウサギになろう 完全な痛みを求めた時は

 すでに去ったっけれど まるで将軍の手下のように悪く思われるのが

 いやで 両手でふざけて見せるくせがついたけれど・・・・・・」



 聞いたことない種類の歌だった。

 誰が好きとか 嫌いとか、あなたは優しいとか優しくないとか、

 そんな歌ではなかった。でもとても俺にはとても優しかった。



 しかし、それ以上に俺を引き込んだのは「行方不知」(ゆくえしれず)

  という曲だった。『残り火には水が打たれ、何もかもが終わったの 

 に、まだ物ほしそうな顔で何かを待っている俺・・・』 

「物ほしそうな顔で何かを待っている俺・・・。

 物ほしそうな顔で何かを待っている俺・・・・。」

 自然とつぶやいていた。

 何回も何回も聞いた。

 豊田勇造の世界に入っていくことに時間はかからなかった。


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