ライターかあさんと一病息災家族 

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2011年08月30日
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第2クールも大きな副作用はなく


と、入院生活にも慣れてきたころ

同室の子が急変した



私は帰った後だったから
夜9時半とか10時過ぎとかだったと思う

その子は、慢性骨髄性白血病で当時小学校2年生の女の子
骨髄移植を乗り越えて、白血病は寛解=治っている状態だった

けれど、移植後の慢性GVHDで




GVHDとは、
移植ドナーの細胞がレシピエント(病人本人)の細胞を
敵とみなし攻撃すること
それにより、レシピエントは体に不調をきたす

レシピエントにとっては
下痢が続いたり肝臓が弱ったり
苦しいのだが

反面、
白血病自体もやっつけてくれるGVO効果も表裏一体といわれ

移植計画のなかでは
GVHDを軽めに誘発し、GVO効果を期待することが多い





移植後100日すぎてから起こってくる慢性GVHDがあるが


彼女は
お姉さんがドナーとなって移植し、成功
もうそろそろ退院というころになって
呼吸が苦しくなり



娘が入院した頃にはすでに
その状態で、ずっと酸素カニューラをつけていた(酸素チューブを鼻につけていた)





病気は人を変えてしまう

どれほど明るく天真爛漫な子でも
入院中、ずっと天真爛漫でい続けることはできないと思う。

実際、娘も
積極的で自信たっぷりの子だったが
最後の方は、とても臆病な一面が出てきた。


その子も
何秒もじっとしてられないくらい元気な明るい幼稚園児だったらしいが
私たちと会った時は

言葉も少なく
じっと座っていて
思い切り人見知りの
どちらかと言えば気むずかしい子だった。



その子がなぜか、娘になついてくれ
娘には自分から話しかけてくれていた

娘も、妹のようにかわいがっていたのだ。





その子が、その夜

寝静まった病室から慌ただしく個室へと移動になったらしい。


看護師さんがバタバタし
ドクターが駆け付け

「人工呼吸」という言葉さえ聞こえたという。


私は翌日、娘からこの話を聞いた。



「大丈夫かな???」

娘はあまり寝付けなかったという。




2,3日して
その子のママが娘にメモを置いて行ってくれた

「心配かけてごめんね
 やっと回復してきたから
 もうすぐ大部屋に戻れると思う」


私たちは大きく安心した。。。。





でも、その子は大部屋には戻ってこなかった。


病状は悪くなる一方で

そのまま旅立ってしまったのだ。




その子の誕生日は、
人工呼吸器のお世話になっていたけれど
ちゃんとがんばって

ママたちは病室で誕生日を祝ったらしい


娘はビーズで作ったマリーちゃんをプレゼントした


その子は
マリーちゃんを見ることはできなかったけれど






病院で誰かが亡くなっても

他の母たちはできるだけわが子に影響を与えないように

何事もなかったかのようにふるまう。

看護師さんも

明るく、努めて普通にふるまう。



でも、


あの急変の夜から知っている娘に
高校生の娘に

ウソはつけない……





担当医と担当の看護師さんと相談した結果

話そうということになった


ウソはつかない、これが約束だったから







それからも

友人が何人も旅立った


今ごろ、みんなで笑っているかもしれない



元々の天真爛漫な子たちに戻って

じっとしてられず

遊びまわっていることだろう。









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Last updated  2011年08月30日 15時12分18秒


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