カエルぴょこぴょこ

カエルぴょこぴょこ

3 太鼓岩

shiratani 9


恐るべし,白谷パワー☆

泣いたり笑ったり沈黙したりしながらのハイキングはずっと続いている。

森の中を歩いている間はずっとけぶっていたから,「上にあがっても何も見えないだろう」とEちゃんが。

内心そんなことはないと思っていた海だが,案の定,森の中にいたときでさえも光が差し込んできた。

「雲水郷は雨」と何度も繰り返す彼女。

実際降りそぼる雨はなかったものの,霧雨のようなしっとりした空気。


森の空気に感化されてか,話の内容はさっきからずっと精神世界系。



辻峠を越した後に,太鼓岩へ向かう。

これまた熊父さんからの裏技を駆使し,道なき道を天辺へ向かう。


ぜぃぜぃ。 (でもその間もずっと口は動いているのだ☆)  ε= (*^o^*)


つきました!


真っ白でした・・・。 しーん (・・)

風が強くて,雲は一寸先も見えないほど分厚く。


過去3回ここに上ってきて,全てを見渡せたのは一回だけだとEちゃんが言う。


ふーん。  

そんなの海には通じないよ~ん! (だ,誰との会話・・・!?)



ちょっとお願いをしてみよう・・・と,忍者ハットリ君のように「にんにん」とやる。

絶対にこの雲が晴れてくれると,みょ~な確信がある。



疲れて隣で横になるEちゃん。

海:「にんにん」

Eちゃん:「☆○×▼★◇」 (何か言ってるけれど聞こえてない。)

海:「にんにん」


数分経つと,雲の層が薄くなってるのを感じて目を開ける。

しめしめ。 ( ̄ー ̄)ニヤリ


まだ景色が見えるほどではないからまた「にんにん」

Eちゃんも参加しだした。  一緒に「にんにん」


さらに10分ほど。

風の流れが変わり,雲が千切れる。

しかも私達の目の前だけで♪


「きたよきたよ!」

嬉しくて,お互いに静かな歓声を上げる。


下の森の色とりどりの緑が,目に鮮やかだ。


景色が見え出してから,Eちゃんが,「全部見えるときはね,この真ん中あたりに川が見えるんだよ,それがここから見える島の中心でね・・・」


今一情景がよくわからない海は,「もう少し見せてください,にんにん」 
(≧∇≦)/ ハハハ


そしたら,さらに風が動いて雲が切れ,話題の川までが見えました。


2人で大歓声!


「わー,すごい,全部見えたよー!!  ありがとー!!!!」  \(*T▽T*)/ワーイ


そして呆けること数分,幕を引くようにまた,雲が垂れ込めた。


Eちゃんの言うことがふるってる。

「喩えは悪いけどさ,『ちょっとだけよ~ん』って感じで見せてくれたね! 私も少しだけでいいから見せてくださいってお願いしてたんだよ!」

だって☆  


ちょ,ちょっとだけよ~んって,例のあの「かとチャンぺ」のですな~?!


(≧∇≦)ぶぁっはっはっ!!



そんな馬鹿を言いながらも,その場の神聖さと荘厳さにはしっかり打たれたのでした。


後から聞くに,太鼓岩は,地元の人達にとっても特別な場所だそうだ。


うん,それわかる。


あそこ,空気がさらに違う!



続く・・・☆


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: