ラルフとあるく。

『祝婚歌』


大正時代の詩人:吉野 弘 という人の詩だった。

あったかくてジン-ときた。

『祝婚歌』

二人が睦まじくいるためには、愚かでいる方がいい

立派すぎない方がいい

立派すぎることは、長持ちしないことだと気付いてる方がいい

完璧を目指さない方がいい

完璧なんて不自然なことだとうそぶいてる方がいい

二人のうちどちらかが、ふざけている方がいい

ずっこけてる方がいい

互いに非難することがあっても、非難できる資格が自分に

あったかどうか、あとで疑わしくなる方がいい

正しいことを言うときは少し控えめにする方がいい

正しいことを言うときは、相手を傷つけやすいものだと

気付いてる方がいい

立派でありたいとか、正しくありたいとか、無理な緊張には

色目をつかわず、ゆったり、ゆたかに、光を浴びてる方がいい

健康で、風に吹かれながら、いきていることの懐かしさにふと胸が熱くなる、

そんな日があってもいい

そして、なぜ胸が熱くなるのか、黙っていても二人には分かる

のであって欲しい。



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