自由な小説部屋

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「まぁ座って待っといてな」弁当を温め始め茶を蒸らす。

一度コンビニで温め貰ったので少し温めるだけだ。

茶を二人分運ぶときには電子レンジが機械音をあけ呼んでいる。

弁当と箸を少女のまえに出す。

「?」

「不思議そうにしてるんじゃあない、食べろよお腹空いてるんだろ」

少女は少し間を開け箸をとり食べ始めた。ちなみにチキン南蛮弁当。

あえていうなら雪菜の大好物

小さな口でもぐもぐと食べてる姿はなんというか……まぁその可愛いな。

ズズズとお茶を飲む、実はかなりお腹減っているが紳士として女性に食べさせた。

とはいってもお腹は減るわ、今から作れるのもないなのでお茶で我慢するしかないのだ。

女の子だから全部食べきれないから残りを食べようという考えは甘かった。




「よほどお腹空いてたんだな…キレイにまぁ」

「美味しかったです…」

お粗末さまでした、弁当を袋に入れ縛ってゴミ箱に入れる。

二人で机の向かい側に座る形で本題に入ることにする

「えっとどこから話たらいいかな…まずは君の名前からだ」


沈黙


小鳥が少し飛び回るくらいの空白が開いた。

夜だから実際には飛んでるか分からないけど

やがて口を開き言う。「名前……はありません」
「無いのか?忘れたのか?記憶喪失?」

この子には普通、常識当たり前なことが通じないな。

まるで鳥の雛みたいな感じがする。

「ない……」

「とりあえず名前ないと困るね……なんて呼ぶかな」

「?」

うむ、と思考モード

「ツキ……なんてどうだ?」

「ツキ…」

「とりあえずね、もし記憶喪失だったら記憶が戻るまでの名前、嫌かい?」

そんなことは無いと言わんばかりに首を振る

「とりあえず…ツキ、持ち物ない?財布とかあれば身分証明書出てくるかも」

「ない……」と残念そうに首をふる

「まー予想はしてた。どーすっかなー」

「後は警察かな……」ふぅ…とため息をする。

警察とかなら捜索願いとか身柄を引き渡すことが出来るはずだ

「明日警察のとこに行こうな、なにか分かるかもしれない」

ツキはなにが起こるか分からない顔をしていた。
まるで自分の顔色を伺うかのような目でこちらを見る。

ドキン、と来た。可愛いこうなにか心奪われるような

「今は遅いから今晩は泊まりな、親はいないし」
「ありがとう」ツキは小さな声で頬赤くして呟く。
「ああ」とこっちは恥ずかしくなる。

恥ずかしさ紛れに布団を二人分出しに行こうとすると呼び止められた。

なんだ?と振り向いた直後、唇が二つ触れ合った。

んー!?!?

そんな訳分からない声をあげツキを見る。

刹那、ツキの周りに光か見えた。

「刷り込み完了」と呟くとフッと光が消える。

「………」呆けるしかないしかし脳は

なに?なにが起こってんの!?意味分からないと騒いでいる。

「御主人様改めて紹介させて貰います、下僕のツキでございます」

なにやらとんでもないことに巻き込まれたようだ。

さらば俺の平和。


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