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加爾基 精液 栗ノ花
加爾基 精液 栗ノ花
01 宗教
02 ドッペルゲンガー
03 迷彩
04 おだいじに
05 やっつけ仕事
06 茎
07 とりこし苦労
08 おこのみで
09 意識
10 ポルターガイスト
11 葬列
12 映日紅の花(初回限定)
01 宗教
誰か僕に巧いお菓子を
毒で本望 嘘で元々さ
可成なら甘いものが善い
湯呑勘定 蟲歯も厭はない
「立て」「撃て」「切り裂いても敬ひ去れ」「歇(や)むな」「惡(にく)むな」
「吐け」「出せ」「引き摺つても歩き行け」「振り向くべからず」
色彩
丁度好い洋杯が何処に行つても見付からないのだ 如何して
こんなにビルも道路も 増えて居るのに
飲むでも飲み切れぬ壜で不條理を凝視せよ
季節は廻つて急ぎ足
花は咲いた 蜂を呼寄せた
幾度も繰り還しをする
寛る様で 枯れるのが常と
「待て」「伏せ」「不可解でも崇め逝け」「病むな」「憎むな」
「視ろ」「嗅げ」「不愉快でも味わひ識れ」「覚悟を極めろ」
芳醇
長嘉の勝訴が何時になつても見當たらないのだ 如何して
品位が麗しいのは事実なのに
泣いて負けを認むる獣の條理を諷刺せよ
あ、通り雨 憂ひ菩薩 雲 行きて また 晴れて
配置されし 僕の記号 期待すれば氣付いてしまふ
模範だらけ 模倣だらけ 續いて 往く 此の 営み
02 ドッペルゲンガー
今日は 然様なら
愛してゐる 大嫌ひ
夕暮 泪雨
懇 赤の他人
見えてしまつたよ 慾を掌つた過去形
まう罷めるよ ほらすぐ此処に示して
楽にしてあげる
今日は 御休み
前のめり 淑
夕暮 波久礼雲
苗床 赤の他人
消えてしまつたよ 己を能く模した騒霊
まう決めたよ ほら災ひを起こして
取り憑いてあげる
見えてしまつたよ 美意識を孕むだ愛憎
まう辭めたよ ほら須く示して
其処は天國
03 迷彩
「ねえ一層遠く知らない街に隠居して
沈黙しませぬこと?
きおんな日々には厭きたのさ
ねえだうぞ攫つて行つて」
逃げ延びて水密桃に未練
砂みたいな意識と云ふ次元で
逃げ延びた暑さよ何邊へ
揺れが生じ
其の儘 怠惰に委ねた
最後の青さ
もう還らないと知つた温度も
超へられぬ夜の恐怖色
境界に澱むでゐた決心の甘さ
たうに喪つた岸壁打つは
引いてくれぬ後悔と濤の色
待ち侘びて凍る馨は混凝土
砂みたいな意識と云ふ器官で
待ち侘びた寒さよ何邊へ
揺れに動じ
此の儘 愛情に模した
修正ペンの白さ
現状を必死で繕つては
剥いだ素肌に恐怖色
傍観に徹してゐた感慨の淡さ
たうに喪つた雷雨仰ぐは
泣いてくれぬ残忍な雲の色
最後の青さ
04 おだいじに
氣持ちは晴れ 身体も未だ自由が利く
眼に映る良さ 映らぬ善さ
隣の芝 青く見えたら出来るだけ睡るのさ
肌を包むガーゼは白い嘘 甘い羂
自ら裏切るなら楽をするに限るさ
大人だから小さく唄ふ位 笑ふ位許してね
息が出来る頃迄
氣の果てまで同じ風が馨つたら善い
手にする貴さ 出来ぬ尊さ
覚えた儘 内緒の地圖で雨の中を出掛けやう
背中を湿らすのは赤い疑念 辛い罰
憂き世に居た堪れない悲劇が溢れたとしやう
大人だから今日はまう唄ふ位 笑う位許してね
守るものは護るさ
05 やっつけ仕事
毎日 襲来する強敵 電話の電鈴
追つては平穏なる感度を慾するのさ
高速 渋滞とは云つても低速だらう
真理と 相反する條理に従服姿勢
何も善いと思へない 余り憤慨もしない
今日は何曜日だつた?然して問題ぢやないか
・・・嗚呼 痛い思ひをしたいのに
興味や関心を奪ふ程 合ふ辻褄
或いは交ひを以て営むで・・・なんて目論むでゐないか
統御して頂戴 退屈が忌々ましい
銀座線終電何時?然して問題ぢや無いか
・・・嗚呼 機械になつちやひたいのに
ねぇ好きつて何だつけ
思ひ出せないよ
06 茎
此の扉なら破れない
其の塔なら崩れない
彼の天なら潰れない
何れも嘘らしく馨つてゐます
喩へ蒔いても育つても仙人草
咲いても強く色付かうとも
瞬時に黙つて堕ちて逝きます
如何して? 何故 哀しくなつたの
現実の夢
此の肺なら破れない
其の顔なら崩れない
彼の天なら限りない
何れも赤色に匂つてゐます
斯くて哭いては惑つては生りませぬ
立つたら強く進まなくては
やつとで呼吸に成つて来ました
如何して? 何故 魘されてゐるの
現実が夢
今日からは生えても芽吹いても仙人草
咲いても悦び過ぎないから
大事な生命 壱ツだけ だうか持つて行かれませぬ様に
哭いたり惑つたり致しませぬ 立つたら弐度と倒れないから
何も要らない 壱ツだけ だうか 誰か 嗚呼
エントリー番号壱
07 とりこし苦労
えゝい儘よ 恥ぢも棄て去らむ
あんた程の 男等居らぬ
燃盛る様 爪 熔けにけり
あんただけは 奪はれたくない
お願ひ 何處にも行かないでよ
ねえ 後生だから傍に置いてよ
えゝい儘よ 髪 伸びにけり
あんた故の 乙女心さ
如何でも宜し 詰まる処は
あんたの眼で 奪はれたのさ
お願ひ 誰にも云はないでよ
ねえ 後生だから秘密にしてよ
どんな科白の効力に参つたつもりも無いわ
女の私を信じたきや黙つて「ついて」来い
えゝい儘よ 廻り諄いぞなもし
こんなことにまう 口は使わぬ
08 おこのみで
指と謂う指を貴方に委ね疎通
夢を見てゐる金色エナメルが伍本揃ふ
其処で 鳥渡だけ 休憩を お口に合ひますか
さあだうぞ 唯濃密な接吻を お口に合ひますか
生命さへ怪しき瞬きに過呼吸
貴方に塗つて戴いた金色エナメルが壱拾本揃ふ
此処で やつとこさ 完成品 お眼鏡は如何
さあだうぞ 唯従服の快感を お眼鏡は如何
「愛したひとは貴方だけ」善くも平氣で濡れし此の色目よ
似合ふのは さう 興味本位な 金色の爪
そして燃ゆる頬令今宵は果実色に 無言の意圖か熟れゆく鎖骨のお皿
注いで 銘酒の内の取つて置きなら
処變はればお相手も變はつて往きます
虚構みたいに真赤のエナメル弐拾本揃ふ
此処でも 矢張り 同様に 御顔色を窺ひつ
さあだうぞ 唯恍惚と心中を 御顔色を窺ひつ
「愛と謂う言葉が嫌ひです」善くも平氣で抜かす此の色目よ
似合ふのは さう 鋭利で気丈な真赤の爪
そして燃ゆる頬血液に似た色に 日向の意圖か熟れゆく羞恥心のお庭
注いで 銘酒の内の取つて置きなら
だつて明日は如何生る身露知れず 果てはたつた一時先の未来
其れすら確かぢや無いもの 端かぢやないでせう
「愛するひとは貴方だけ」是がたつた一時の真事で痛くもない
剥いではまた塗つて戴く爪
「愛と謂う言葉は不要です」いとも容易に濡れし此の色目を
新しく演出して さあ何方でも
・・・お好きな様に
09 意識
頭が有れば要は簡単に片付いて
子供と呼べば汚されないで済むのさ
僕に少しの光合成 君に似合ふ遺伝子を
ヒトは仕様の無いことが好きなのだらう
「嘘ヲ吐クナヨ」
泣いたら何だつて
此の白い手に入りさうで
答へなら純粋だ
惹かれ合つてゐる
こんな風に君を愛する 多分
幾つに成れば淋しさや恐怖は消へ得る
子供を持てばやがて苦痛も失せるのか
君が慕ふ思春期と 僕が用ゐる反抗期
最早語呂を合はすことが
好きなのだらう
「嘘ヲ吐クナヨ」
泣いたらどんな法も覆して願望通り
答へなら残忍だ 騙し合つてゐる
こんな風に君は愛する 多分
「嘘ヲ吐クナヨ」
もう是以上知つて
眠らない夜と心中未遂
思ひ出に酸化した此の含嗽薬
迷彩
無い物 頂戴なんて
憤つてゐる幼児同様
お母様 混紡の僕を
恥ぢてゐらつしやいますか
君が愛した 僕
10 ポルターガイスト
もつと澤山逢いにゐらして下さい・・・さう口走つた君。
僕は愛ほしく思ひ、大層動じたので、前髪の成す造形に神経を奪はれて、
鍵も持たず家を出たのです。
斯くして、麗しき君の許へ超へていく想ひ、抑へました。
「今日は電車で!」壱度乗り換へた頃、高まつていく時めきに
負けさうになつてゐることに氣付き始めました。
真実は最初で最後なのです・・・さう口走つた君。
僕は思ひ出しつつ、聡明な生き方を鳥渡真似たいと感じ颯爽と歩いては、
キツと厳しい表情(かほ)をしたのです。
君を笑はす為に、微笑むでゐやうと思ひ、鍛へました。
「扉の前にて!」若しも、此の部屋も無く、連なつてゐる輝きが
まやかしであらうとも僕に恐れなどはないです。
君はひと足先に微笑むで、幻視を與へました。
「こんな僕に!」徐ら、見境も無く慾しくなるまぼろしは孰れ衰へても
僕には美しく見えます。
君だけに是を唄ひます。
11 葬列
今朝は妙なメイルを拝受しました。
其処に「出生の意志」が載つて居り、現在は、酸素を押し返さうと必死です。
まう亡骸は消去完了・・・・何處にも桃源郷は無いと云ひます。
僕は、両の肢から認知しました。
此処に「半分の意味」を見出して、現在は、酸素を吸ひ切つてしまふ準備中です。
亡骸に弁護は不要・・・・何處にも桃源郷が無いのなら、お造り致しませう。
・生むで廃棄する勇氣
・空を斬つてゆく庖丁
・今日、胎盤、明日
僕を食しても植わらない理由は「渾て獨りぼつちだから」。
偖は、こんな輪廻と交際をする業が、お嫌ひなのでせう、当然です。
未だ何の「建設も着工」してゐない、白紙に還す予定です。
お顔を。
さあ、拝見させて下さい。
12 映日紅の花
「もしもし そろそろ逢ひたいな」
庭には 花菱草
何時何時 出やる 後ろの正面
振り返つて
振り返つて
彼の子は未だだよと
「もしもし お変わり無いですか」
庭には夏が帰さう
何時何時 出やる 後ろの正面
待ち望むで
待ち望むで
彼の子にまう良いかいと
鳥渡仰いで
戸惑ひは太陽を隠す雲
置いて行かないで
空は金と朱色 互ひ違ひ
実の無い花は
枯れても永遠に愛でらるる無実の罪
蕾に成つて魅せてくれ
さあ 今日と明日を結べ
急度祈つて
恥ぢらひが陶酔に負ける風
付いて来ないで
我は綿の混紡 互ひ違ひ
花の咲かない実は
朽ち永遠に忘らるる無骨な罰
貳ツに割つて召し上がれ
さあ 今日も明日も 御覧
実の無い花が
枯れゆき永遠の名を貰ふよ
膨らむでゆく
衣纏ひし此の子は誰?
妙に甘く鮮やかな実
嗚呼
哀しみ携えし子よ 眠れ
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