renard no hitorigoto

2012.03.30
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20120330


先日家に帰ってくると

「今度、富岡町に行ってくる」と言った慎ちゃん。


「富岡町? そこに行くの?」とちょっと驚いた私。


富岡町は、福島第1原発から20キロ圏内にあります。
第2原発もすぐそばです。

聞けば、以前、富岡町に彼の会社でお家を建てたそうで・・・
そこにお住まいのかたが震災で須賀川市に引っ越してきているそうです。

「建てて1年しかたっていないから本当にお気の毒で」と慎ちゃん。

先日、一時帰宅の許可が出て家に帰ると、なんと空き巣に入られていたそうです。




今の福島では空き巣事件は珍しくありません。
泣く泣く家を置いて避難しているのに、留守宅を狙って物をとるなんて・・・

ばちが当たってしまえ!と思います。


そして、昨日・・・慎ちゃんは、建て主さんとサッシ屋さんと富岡町に入りました。

途中「防護服着たよ」と写メを送ってきた慎ちゃん。
上から足まで真っ白い紙製の服とマスク。私まで緊張します。

この地域にいられる時間は4時間。時間内にサッシを無事とりつけて帰宅。

「家の中がね。地震が来た時のままなんだよ。片づけもできないまま避難したからね。
 庭には牛のウンチがあちこちにあってね。道路にもいっぱい牛がうろうろしていたよ。
 ほんと・・・・牛や犬しかいないんだよ。町はあるんだけど人がいなくて・・・・
 すごく静かでね。こんな残酷なことがあるんだな・・・って」



「家に帰りたい」と大粒の涙をこぼす男の子や「置いてきたネコを早く探したい」と
泣きながら話す女の子の事を思い出しました。
一時帰宅を許可されるのは大人だけです、子供たちはあれから1度も家を見ていないのです。
どれほど我が家が恋しいか、考えるだけで切なくなります。


「町に入る関所見たいなところにはね。

  一生懸命働いてたよ。被ばくの検査とかもしてもらったよ。ありがたいね・・・」


福島では、県外から出向で来ているたくさんの警察官の皆さんと
東京電力の皆さんがこうしてがんばって働いてくれている事を身近で実感できます。
今、東京電力はいろいろニュースが報道されていますが、
私は、福島で一生懸命がんばっている東京電力のみなさんを応援せずにはいられません。

去年の震災後のニュースで避難所で土下座して謝る顔見知りの東京電力の人に
「○○さん、あんたのせいじゃない。そんなことするな」と声をかける地元の人の姿に
福島県民の強さと優しさを感じました。
そして福島で働いてきた東京電力のみなさんも福島に愛着を持って暮らしてきたんだと。



今日は、慎ちゃんいわき市へ♪ 津波被害のあった場所で新築の打ち合わせ。
海がすぐ見える場所です。
話を聞いた時は、「同じ場所に?」と少し驚きましたが、
長い間暮らしてきた故郷は、それほど住む人にとって大切なものなのですね。
丈夫で良い家になりますように♪






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最終更新日  2012.03.30 19:13:29


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