リアルに小説読んでみた。

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第零話プロローグ


しかし完全な闇は消えたが、完全な光が訪れた訳でも無く、ミッドガルド含む全ての大陸各地に残されたモンスター生成システム(mqs)などが姿を変えずに存在していた。システムと言っても、パソコンよろしくとばかりに置いてある訳でも無く、空間そのものをシステムとして使用していた。
ミッドガルド国研究社がいくら調べても結局改善策は出ることは無く、そのシステムが在住している主な位置、俗に言う【ダンジョン】というやつも形そのままで今もモンスターを生み出している
主を失ったモンスター達は、鎮静の場をしばらくの間続けていたのは最近より前のこと
そして最近、以前よりも光と闇が混雑した時代になった
通夜のように活気を失っていたモンスター達が、突然その住みかからある程度の範囲で飛び出し始めたのだ
初期の頃は重要視するほどでは無かった。ダンジョンの近くをウロウロして、再びそこに潜っていくと、いうなんとも猫のような行動だったからだ
ところがある日、ニブルヘイムという街が、大量のモンスターの奇襲によりほぼ壊滅状態になるという事件が発生したことで事態は180度回頭することになる

このような事件を二度と起こすまいとミッドガルド政府は、何回かに分けて大陸会議を開き二つの対策案を候補に挙げた

一つめはトレジャーハンターという非公式職を、一つの完全な職業への確立化。
ダンジョンからのモンスターに少なからずの懸賞金をかけ、腕に自信のある者達に退治させようという思案がそこにはあった。
しかしトレジャーハンターなる存在を深く理解をしていなかった政府は、後に痛い目を見ることになった。彼らは自由で、あまりモンスター退治をしなかった。
二ヶ月たった時には政府の期待していた退治数の半分にも満たないという結果になった。彼らは不定期にモンスターを退治し、モンスターもまた不定期に現れる。
そんな二者の歯車が噛み合う訳もなく、モンスターは前とさほど変わりなくダンジョンの近くを徘徊しているのだ。役に立たない職業の確立化と、モンスター
の変わらない状態という問題点を残したままこの案は惨敗したのである

もうひとつの案は、戦闘部隊の配置
後々に考えてみるとこれが一番適切だったのかもしれない…と多くの議員は異口同音に言っていた。
各街またはダンジョン付近に対モンスター用の戦闘部隊を置くことにより、街への被害を無くし、モンスターを出来る限り減らす…というのがこの案だった。
これは成功した
配置された部隊は各々功績を上げ、確実にモンスターをダンジョン内部だけに押さえ付けていたのである。特にニブルヘイム部隊は数々の奇襲を凌ぎ、向こうを壊滅状態にさえするといった戦果をあげた。
しかし、この際の作戦にあたっていた部隊長リキは最後の奇襲戦で崖から攻防の末に落下、のちに崖下からは無数の敵残骸と折れたカタールを両の手にはめ力尽
きているリキが発見された。部隊長は様々な軍隊評議の結果、同部隊のバーネット、またはレンハーツにその座を渡そうとした。その評議の結果書とは裏腹に、ニブルヘイム部隊からはリキの息子リキシンが適役だという報告と部隊長申請表がトンボ帰りで送られて来た。弱冠15才という異例の部隊長に軍部は戸惑うが、戦歴を確認したところ申し分の無い能力だった為に了承のサインを出した。
これを皮切りに、この隊では死者がまったく出なくなるという伝説が始まった。
ニブルヘイムにも人々が少しづつではあるがその数を増やし、壊滅状態だった家や店などもチラホラと見かけるようになりはじめた。
最も危険、だが最も安全。こんな街のキャッチフレーズも出来、部隊を中心に復興の兆しを見せ始めていた

リキシン、バーネット、レンハーツ率いる部隊は今も最強部隊の名を欲しいままにしている。

ニブルヘイム部隊新隊長就任から五年が過ぎ
何はともあれ、天秤の上ではなんとか平らを保ち始めた頃…
ようやくではあるが、平穏真っ只中にある街【プロンテラ】にも部隊が設立されようとしていた。


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