ポピーさん

８月４日。ポピーさんの命日。「ポピーさん」前の飼い主さんが呼んでた名前。すーたん。今の会社入って間もない頃・・・「うちでバイトしてみない？」動物病院の先生に言われ、一時期バイトしてました。ある日、すーたんが出勤すると・・・檻の中に、静かに伏せているワンコが居ました。あまりに静かだったので・・最初気付きませんでした。そのコが、ここに居る事情・・知った時にはただただショックで、その日は仕事してられる精神状態ではなかった・・「安楽死」飼い主さんが、頼んだそうです。１０何年も一緒に居た子を、殺してくれと。その事を考えると、今でも腸が煮えくり返ります。私は「絶対そんな事させない！させたくない！！！」その日は涙をこらえるので必死でした。バイト終わる時間。親が迎えに来てました。こらえ切れずに泣いて、話しました。親には今でも感謝している。ポピーさんをウチに引き取る事を許してくれました。「良かった・・良かった・・」ポピーさんが、ウチに引き取られるコトが幸せなのかどうかなんて、そんなコトは考えられなかったけれど、今ある命を無くさなくて良かった・・・と思うばかりでした・・そのコは、もうおばあさんでした。前足１本ありません。子供の頃、事故で無くしたそうです。それでも今まで一生懸命生きてきたのに・・未だに悔しくて仕方が無い！元飼い主さんがした事が！元飼い主さん。悩んで悩んだ挙句に決めたコトだと、聞きました。先生が、すーたん家に引き取られる事を元飼い主さんに話しました。引き取る日。初めて元飼い主に会いました。怒りを抑えて会いました。泣きながら私に感謝していた。・・・・・自分の気持ちをその時、訴える事が出来なかった・・どれだけ、ひどいコトをしているのかを！！ポピーさんの置かれている状況が・・・あまりに悲しくて・・切ない・・人間の寿命に比べたら、犬の寿命は短い。人間の都合で、安楽死。人間に、なんでその子の人生を絶たせる権利まであるのかわからない。ポピーさんは・・ウチに来てから、寂しそうに鳴いていた少し痴呆もあった。その姿を見るたび、悲しい気持ちだった。きっと、そのまま元飼い主さんの所に居られれば安心して、ゆったりした気持ちで居られただろうと、いつも思っていた。元飼い主さん。何度か連絡があった。そのたび、状況を話した。「寂しそうに鳴いている」と・・・。どれだけ「酷」なコトをしたのか、解らせる為に・・だけど・・・酷なコトをしたのは、私なのか？とも思った・・・私の最後の願いが通じたのか・・元飼い主さんは「引き取ります」そう言ったポピーさん。心休まるかと、期待した・・別れるコトの悲しさで涙が止まらなかった。引き取るコトが出来るなら、なぜはじめからそうしてくれなかったのか、と憤りを感じた。預ける事を、やめようとも思った・・・けれど・・・ホントに寂しいまま、過ごして欲しくなかった・・すーたんの傍に居ても「心」がそこに無い事、知っていた・・だから返すコトにした。元飼い主さんに引き取られその数ヶ月後安心したのか、息を引き取ったそうです・・元飼い主さんの所に戻った。見守られて亡くなった。最後は元飼い主さんの下で・・と思っていたのに・・なのに・・・なのに、絶望感のような悲しみに襲われるのは・・・「安楽死をさせようとした事実があるからだ！！！！！」ポピーさん。忘れちゃいけない存在。だけど・・・すーたんが感情的になってしまう、その名前はすーたんの中でタブーになってもいる・・ポピーさん・・今はただ安らかに眠って欲しい・・お願いだから・・・事実は・・・・・知らないで欲しい・・