本編～１章～
全校生徒６０人という、神戸にいた俺としては、
考えられない人数だ。
「はじめまして、水島 海里です。お願いします。」
みんな、真っ黒でどれも同じ顔に見えた（笑）
「よろしく～。」
口々にそう答える、生徒の中に一人気になるヤツ・・・
ってか、クラスの大将みたいなヤツが、俺にガンを
飛ばしてきた。んだよ、てめぇ・・・。
「先生、俺はどこ座ったらええん？？」
「あぁ、あそこだよ。あの空いてる席だよ。」
って、大将の隣かよ・・・。
「おい、お前さぁどこから来た？？肌の色白いなぁ。」
早速声かけてきたよ。
「神戸や。肌の色白いんあたり前や。お前らが黒すぎんねん。」
俺も、負けじと答えた。
「ほお～。なにもスポーツやらん、ガリ勉か？お前。」
「なにゆうとんの？？俺はサッカーが、メチャ上手かったんだぞ？そこら
辺にころがっとる、お前らとちゃうねん。」
我ながらチャレンジャーだと思った。
「そんな、できるんなら見せろよ。」
「いいよ？俺は文句ないよ？」
「じゃあ、勝負！！」
～勝負中～
俺は、見事全勝！！内容は秘密ｗｗ
「こん、俺が負けるとは・・・。」
「だから、ゆうたやん。勝つってさ。」
ここから、始まったんだ。俺達の夏は・・・！！
って、なんかかっこいい言い方だけど、俺達は普通に過ごしたけど。
俺達は、それから仲良くなった。
そいつの名前は「佐伯 健悟」めずらしいのか、そうでないかは
俺にはわからないけど。
とりあえず、そいつは傲慢で、自己中で、勝手で・・・
数えたらいくつ嫌な所があるか分からない。
だけど、健悟は「嫌なことは忘れる」という
まあ、自己中って言えば自己中だけど俺はそういう
奴とは気が合う。なんせ、俺といるやつは嫌な目
に合う事が多いからね。
その理由は内緒ｗｗ
夏休みに入り、遊びまくった。
今日は健悟の家でＴＶゲームをした。
ふと、健悟がこんなことを言い出した。
「なァ海里、１つ聞いていいか？」
「何？」
「俺さァ、お前が笑った所見たことないさ。そんなつまらんっちゃ？」
俺は一瞬戸惑った。どう答えればいいかわからなかったからだ。
「・・・。まァ気にすんな。いろいろあんだよ。」
「それは答えになってないさ？真面目に聞いてるから
海里も真面目に答えて。」
「無理。てかお前に関係ないことやねん。」
「は？何さその態度。関係ないとか、なんでそんなこと
海里にわかる？」
「なんで、お前に言われなあかんの？」
「俺は、お前がわらわんで嫌なんじゃ。友達なんだから
悩みとかあるんだったら、相談しろや。」
「そんな簡単なもんやない。俺が抱えてるもんは
そんな軽いもんとちゃう。」
「でも、俺は海里の事知りたい！！なら、俺が海里の支えに
なる！！だから、話してくれんか？」
「断る。そんな、友情ごっこできるような話じゃない、
ゆうてるやろ？」
「・・・ッ！友情ごっこ？そんなこと俺は言ってないさ？！
それにこれは本気じゃ！」
「同じ意味じゃない？てか、ウザイ。目障りなんだけど。」
さすがに、これは言い過ぎたと思った。
でも、回りだした歯車は止まらなかった。
「もういいっちゃ。俺じゃあ、お前を助けることは
本当に無理なんか・・・。
でも、もし俺にできることができたらすぐに
言ってや。」
俺は、そこで「わかった」ということが
できなかった。
「考えとく。」
「・・・そや！明日釣りにいかんか？！
いいぞ、海の釣りは格別じゃ」
「海で釣りね～。てか、釣りしたこと
ないんだけど。」
「は？！お前それホントか？」
「ホントやけど。」
「うわァ～初めて聞いたわ。釣り
したことないっちゅう奴。」
「いいやろ？なんでも。魚キモいやん。」
「魚キモいとか、お前普段食べてるんじゃろ？」
「触るのあかんねん。ぬるぬるするし。」
「お前以外にかわええとこあるなァ(笑）」
「うっせー。」
「ははは～！！いいんじゃよ。それでこそ
海里じゃ。」
そういうと、奴はやわらかい笑顔をみせた。
こいつになら、話せるかもしれない。
不覚にも俺は思ってしまった。
二度とかたらないと決めたのに・・・。
お願いだから、俺のものに触らないでくれ。
これ以上思い出させないでくれ。
「壊れちゃうよ・・・。」
「え？なんかいったか？海里？」
うわ、俺声に出てるじゃん。最悪。
「いや、なんでもない。」
「そ、ならいいっちゃ。」
いつかは話さなくてはならない。
でも、慎重に人を選んで話したい。
欲張りだろうけど、それほど俺にとっては
重要なのだ。
俺の鎖をほどいてくれる人はいるのだろうか。
俺の過去に耐えれるのだろうか。
それを考えるたび、思い出す過去。
思い出すだけで、ものすごい頭痛に襲われる。
誰か、助けてくれ・・・。
第１章～完～
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