番外編~家族の反応~

突然だが私には姉がいる。
年が離れているので幼少の頃は
喧嘩ばかりでちっとも仲もよくなかったが
私が成人してからは一緒に東京で遊んだりする
なかなかほほえましい姉妹なのである。

そんな姉は意外にも私の以前の恋人が気に入っていたようだ。
初めて羊さんの話を持ち出したときは、
さすがに彼女も冗談だと思ったのだろうか。

私がドイツに行くことになったとき、

「あれ~前の彼はどうしたの~?」

なんて言われてしまった。

「うん、あれはね、さようならしたんだ。」

「えーっ!あの気の弱そうな彼をふっちゃったの~。カワイソウ!」

気が弱いんじゃなくて、せめてシャイと言って・・。
そう、私は昔の恋人を跳ね除けてまで
会ったことのない羊さんを選んだのだ。

「でも眉毛つながってな~い、この人?」

彼女のコメントはそれだけだった。
余計なお世話です!!

一方母の反応はどうだったかというと。

「あ~やっと別れてくれたのね~!」

何を隠そう母は私の元恋人が嫌いだった。
何が嫌だったのか、娘を案じてのことだったのだろう。
彼と私は不釣合いだと感じていたようだし、
私がやたら泣いているのも心配だったのだろう。

でもその厄介男(?)と別れたと思ったら
ドイツに飛んでいってしまうのだから
私ってばやることが極端だわ。

父はどうだったかと言うと。

彼は私が付き合う男性が誰であっても関心なし。
本当に彼は私の父か?と疑うほどの無関心さである。

「俺が付き合うんじゃないんだー
俺の人生じゃないんだー
お前がその男と付き合うんだー
自分で責任は取るんだぞー。」


昔からの口癖です。

羊さんと付き合いだしても、

「好きにしてくれぃ、ガハハ!」

と心配の様子もなし。


私はばあちゃんと仲がいい。
私が高校生の頃から、好きな人や彼氏ができるたびに、
ばあちゃんには報告していた。
したがって彼女は私の好みを把握していることだろう。

札幌に私が行ったり、彼女が神奈川に来たりするたびに
私の恋話で盛り上がったのだ。

「ところで、前行ってたXXX君は元気かね?」

「あ、あれね、もうやめちゃった。
今はね~新しい人なんだよ~!」

「ええ、今度は誰なの?」

こんな会話を何度も繰り返してきた。
会うたびに新しい面白話を聞けるので
ばあちゃんも興味津々である。

おしゃべりな私は、会う前から羊さんの話もした。
するとばあちゃん、

「私のお友達の娘さんもね、
ドイツ人と結婚したんだよ!」


ばあちゃん、「私のお友達の娘さんも」って、
私はまだ結婚していないんだよ。
大丈夫かな、ばあちゃん。

でもこんな感じに誰一人として反対する人無し。
けっこうあっさりしていたわさ。

なんだ、つまんないな。
だれか反対してくれれば劇的だったのに。











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