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2015.09.20
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カテゴリ: 雑感
イマヌエル・カントは1724年生まれ。音楽史家チャールズ・バーニーとほぼ同時代人です。亭主の世代あたりまでは「デカンショ」のひとりとして名前ぐらいは知っていましたが、いまやバーニーと同じく歴史上の人物となってしまった感があります。

1685年組が活躍する18世紀は、最後の宗教戦争と呼ばれる30年戦争が終わって半世紀(1700年はおよそ戦後50年)、この間ヨーロッパは相対的に平和だったおかげで経済が発展し、富を蓄積した市民(商人)階級が没落し始めた貴族や教会に代わって音楽の新たなパトロンとなりゆく時代です。(バーニーの父親が音楽家兼絵描きという職人だったように、カントの父親も馬具職人だったとか。商才に長けた職人はやはり商人として財をなしたに違いありません。)

ところで、もうあまりに昔のことで記憶が定かでありませんが、以下は亭主が高校の倫理・社会の時間に教科書で読んだと思しきエピソードです。
あるとき、哲学者カントのところにひとりの女性が相談に訪れました。(相談の内容は失念しましたが、それは知人の言説についてそれが正しいかどうかの判断を仰ぐものだったと記憶します。)するとカントは、その言説の内容には立ち入らず、以下のように助言しました。「ものごとが正しいかどうかは、その目的が正しいかどうかではなく、それを実現しようとする手段が正しいかどうかで判断しなさい。」
十代の純真無垢な亭主には、この助言が全く腑に落ちませんでしたが、ある程度年を重ねるうちにこの助言の意味が身に沁みてよくわかるようになりました。

この世の中、善悪・正邪といったものは所詮相対的なもので、ある立場での正義は、他の立場からは不正義ともなり、善かれと考えて行ったことが罪悪を生むこともあります。では何をもって判断するか?

上記の不確かなエピソードからは、カントは「正義という目的そのものではなく、それを実現しようとする手段が正しいかどうかで判断せよ」と諭しているように思えます。

昨今の世の中の動きを見聞きするにつけ、250年前のカントの知恵が光輪を増しているように感じられるのは亭主だけでしょうか。





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最終更新日  2015.09.20 22:31:06
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