心の鼓動


深夜にバイクに跨った。
キーを回しエンジンをかけると、ドッドッドッ・・・
静かに、そして重く闇夜を切り裂く音・・・・
この音に今までどれ程癒されてきたか・・・


しかし、ツーリングとは違う。
楽しむためではなく、どうしようもない自分に喝を入れるため。全ての感覚を研ぎ澄まし、目の前にある壁を見極めるため・・・・・。

恐らく出すだろう答えはわかっている。
ただ、その答えが心の底から搾り出したものではないとわかっているから・・・
立ち止まってしまう・・・


併走して走る車の間をかなりの速度差で抜いてゆく。
120km/hも出せばエンジンが悲鳴をあげはじめる。
それでも搾り出すようにアクセルを捻る・・・
いつものように、ただ前の車だけを見て走る。
何かに追われるかのように。


気がつけば見慣れた海沿いの道を走っていた。
車の姿も当然人影もなく・・・速度を落として止まる。
寝転がって星空をボーと眺め、一服後再び跨った。

今度はゆっくり流す。自分のペースを守りながらゆっくり。
そう、それでいいんだ。
そのペースでいいんだ。
周りばかり見てあせって、自分を見失っていた。
全てはお前の糧となりお前に返ってくる・・・
じっくり見極めろ・・・・

シートの下から吹け上がる鼓動が心地よい・・・・
また世話になってしまった、相棒に・・・。



© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: