Romance夢紀行

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DREAMS OF A DARK WARRIOR クレスリー・コール あらすじ

※ ※ ※  ネタバレ あります ※ ※ ※ 
辞書で確認せず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、内容が間違っていても 笑って読み流せる方 だけ読んでくださいね

序章1 レギンは全身が覆われるマントをまとって輝く肌を隠し、フードを目深にかぶり、娼婦たちとふざけ合ったりくつろぐ狂戦士たちの戦場の最前線にほどちかい宿営地へやってきました。レギンが信用できないと感じる男とヴァルハラを出奔してしまった姉妹のルチアを追って、彼女自身も出たら二度と戻れないと知りながら、大切な姉を心配して追跡中です。彼女は12歳でまだ不死にはなっておらず、まだ成長のために食料が必要で、お腹が空いていて、更には協力を求められたら、馬と助けになる戦士を借りられたらと内心願っています。

何しに来た少年、と戦士のひとりに声をかけられて、返事をするとリーダーと思しき狂戦士がビクっと反応し、そばに寄ってきていた女性を無造作に押しやり、彼女のほうに視線を向けます。彼女は昼間の戦いを観察していましたが、将軍のそばにいる戦士には弱点があると思ったので、その場で指摘すると、喧嘩になりかけ、フードがはだけて彼女がヴァルキュリーで、レギンだということがばれてしまいます。狂戦士たちは彼女の父オーディンに仕えているため、レギンの名前を知ってはいたようです。やんわりと将軍が割って入り、もう少し話を聞かせてほしいと彼女を自身のテントへ促します。

何を求めてきたんだと聞かれ、姉妹のルチアを探しているというと、将軍のエイダンはあっさりわかった、俺が助けに行こうと言います。なんで助けてくれるのかと聞かれて、エイダンは口を押えて、言いにくいことなんだが、お前は将来俺の妻になる女性だからだ、お互いに助け合わないとと告げます。12歳のレギンにはまったく冗談にしか思えない話でしたが、狂戦士は200勝するとオーディンから不死の身にしてもらえる、お前は俺の親のキャンプに5年ほどいてほしい、姉を連れて戻るからと言います。レギンが自分を連れて行かないとヴァルキュリーの絆で感じ取るつもりのルチアの所在はわからないというと、不死になっていないお前を旅に連れていくことは絶対に出来ないといいます。

美味しい食事を振舞われ、お前の話を聞かせてほしいと言われて、レギンは内心驚きます。大抵の場合、姉妹たちには口を閉じててとキツくいわれるのに。レギンが促されるままにヴァルハラや半神のことなどを面白可笑しく話すと、エイダンは本当に楽しそうに耳を傾けてくれ、彼女自身も楽しく過ごせます。普段は彼女のユーモアは周りをぎょっとされることが多いのに。エイダンはこんなに笑ったのは初めてだ、お前の流儀が気に入った。人生はユーモア抜きでは長すぎる。まさか幼い伴侶に巡り合うとは思っていなかったが、自分のなかの獣がお前が伴侶だと教えてくれている。俺たちはお似合いだよ、小さい奥さん。それにヴァルキュリーでさえも、不死の身体になるときには男を必要とする。その数か月間は絶対にお前は俺にそばにいてほしいはずだ。でも、もうお前は寝る時間だ。レギンはその時何をするの、教えてと食い下がりますが、エイダンはくっくと笑うばかりです。俺がお前のキスの相手になる理由は、過去最高の狂戦士の俺がお前の夫にふさわしいというだけでなく、もっと大事なのは俺がお前を愛することになるからだと言います。レギンはなんで未来のことにそんなに確信を持てるのと言いますが、12歳の今でさえ、ウィットと勇気、姉への忠誠心で俺を感心させていると説明します。彼の確信と彼女の自由を奪う権利が自分にあると信じている様子が癪にさわり、カっとなって、もしも私が伴侶だというなら、あなたが女性に何かしたら同じことを私も男性にするというと、エイダンは少し獣を抑える様子を見せますが自制心を取り戻し、わかった。それなら俺も他人には触れないと誓う。俺とお前は今夜結婚したと思っていい、お前にはほかの男は存在しないと宣言します。お前が大人になるまでの年月はとても長く感じられるだろうといって、蝋燭を吹き消すエイダン。毎晩、成長したお前の姿を夢に見ることにするよ。レギンは内心思います。人間のお前は成長した私の姿を見ることはできないでしょう、でも私に優しくしてくれた頑固な将軍のことを時折思い出すかも。

序章2 ~ 9年後 ~ レギンはエイダンに会うために身支度をしています。同じ館で同居しているルチアには本当のことをいうか迷いますが、彼にあってくると伝えます。彼女は不死に近づいていて、男性の彼が必要です。彼女が成人に近づくにつれ、沢山の男性が現れましたが、彼女自身を認めてくれると感じた人はエイダンのほかにはいませんでした。彼の宿営地にマントをかぶってそっと忍び寄ると、女性を膝にのせた部下の戦士に、ヴァルキュリーがなんだっていうんです、今夜の寝床を温めてくれる女は沢山いますよ、といわれていますが、エイダンは相手にしません。その場を離れたエイダンについていくと、石碑のところにひざまずき、オーディンにレギンにあわせてほしい、と懇願し、手を石に打ちつけています。手を血だらけにして苦悩する姿をみて、レギンは彼女の不在がそれほど彼を痛めつけていたことを知り驚きます。姿を現したレギンをみてエイダンは驚き、喜び、美しくなったレギンをみて感動してしますが、レギンが不死になる前の熱をあなたに冷ましてほしくてきたと言われ、彼は永遠に彼女と一緒にいたい、父神オーディンに認めてもらえるように、自分が200勝あげて不死になるまでレギンのことは娶らないと決めます。200勝まであと70勝弱、数年で到達できる見込みです。

それなら一緒に戦場に行く、とレギンが言うと俺がいいと言うまで駄目だ、お前はまだ以前背負っていた長剣を使っているのか。小柄で、細身のお前の得物には短剣が向いている。俺が教えてやる。スキルをチェックして大丈夫だというまでは戦場には出さない。

序章3 ~ 11か月後 ~ レギンは不死の身体に変化していました。最後の一線は越えていないものの、肉体はすっかりエイダンの虜です。エイダンはヴァンパイアとの最前線で戦っていて、レギンは彼のことをテントで待っていますが、不安でたまりません。そこに獣化したエイダンが突然現れました。お前は俺のものだ、エイダンであってエイダンではない彼に、やめてと抵抗しますが、力では抵抗しきれません。二人のベッドで数時間熱狂の時間を過ごし、抱き合っていると、突然胸に痛みがきました。エイダンの背中をテント内に現れたヴァンパイアが突き刺していました。戦場からエイダンのことを追跡してきたようです。部下の戦士がヴァンパイアを始末します。息をするのも苦しそうなエイダンが愛しているというと、レギンも私も愛してると言いますが、いやお前の頃はまだ自分自身のものだ。愛してもらうにはもう少し時間が必要だった。時間さえあればとエイダンは目を閉じます。「駄目よ、エイダン。戻ってきて!」 「愛する人、どうにかして俺は必ず君を見つける」

そしてエイダンは約束を守りました。1000年もの間、レギンを探して何度も、なんども、過去の記憶なしに生まれ変わりましたが、そのたびに悲劇的な最後を遂げていました。運命によって結び付けられ呪われた恋人たち。・・・そしてエイダンはふたたび戻ってきました。

1 ニューオリンズ郊外 現在
デクラン・チェイスは今回の仕事のターゲットの一人、光輝のレギンを確保するため、密かにヴァルキュリーの館に忍び寄っていました。館は頻繁に稲妻が走り、幽霊たちが揺らめき、魔女たちの魔法にも守られているようです。部下たちを近くに待機させているものの、館に忍び込むのはこちらの被害が大きくなりすぎると判断し、彼女が同族から離れ、一人になったところを狙おうと判断し、彼女のものと思える車に追跡装置をこっそりつけ、様子をうかがいます。さっさと仕事をすませて、彼の聖域に戻りたい。

彼はレギンについて調査したものの、外見を写したものはなく、ただ肌が輝いているということだけがわかっていましたが、館から声がしてきて、女性が現れます。腰までの金髪、光り輝く肌、あれがレギンか。彼女の美しさに衝撃を受けます。たしかにローアの女性は美しいものと相場が決まっていて、その美しさを武器にすることもあるほどだ。ただ彼女の美しさは、俺にとっては比類がなく素晴らしい・・・。観察していると、予言者と呼ばれるヴァルキュリーのニクスと連れ立って、車に乗り込み、二人は出かけます。デクランは、潜んでいる彼に向かってニクスが視線をとどめ、「もう遅いわ」と告げたように感じます。

レギンは何かが後をつけてくる気配を感じていますが、アマゾンにいるルチアを助けるため、いまは付き合っている時間はありません。ニクスはペットの蝙蝠を撫でながら、ルチアに電話しています。ルチアをそそのかしてヴァルハラを抜け出させた犠牲の神クロムクロウチは、500年ごとに力を増し、牢獄を抜け出そうとしますが、そのたびにレギンはルチアに協力して、封じ込めてきました。ところがガレスが現れ、彼女に付きまとうようになると・・・この1000年離れたことがなかった姉妹はレギンを去年の古着のように捨て、逃げていってしまったのです。

レギンは、ルチアの居場所を教えてくれると約束したでしょう、ニクスの部屋を掃除し、あなたの車のベントレーも店に修理に持っていったのに! エイダンはじきに戻ってくるから、動き回らずにはいられないの!とニクスに訴えます。レギンは自分と出会わなければ、彼は幸せな人生を歩めるのではないかと考え始めていますが、ニクスは彼と幸せになる道を諦めるの?といわれて希望はあるのかと思いアドバイスを求めると、言えるとしたら、あなたの狂戦士を見つけてヤリなさいということかな。もう4回も試したのに。4回とも、彼女と愛を交わした途端、彼は死んでいました。もうこれ以上耐えられない。罪悪感は輪廻を重ねるごとに強まっていました。この呪いを打ち破るためならなんでもする。ニクスはルチアの居場所は教えてくれなかったものの、マクリーブと一緒にいるからいまのところ見つけられたいと思っていないと思うと告げます。ルチアの射手としての力は処女性にあるため、レギンは心配になります。ニクスは「心配しなくても、あなたは今晩飛ぶことになるから」と蝙蝠に話しかけているようです。

2~4 デクランはレギンたちを見失いますが、部下からヴァルキュリーに襲われています!という報告が電話にあり、現地に駆けつけると、レギンは喜々として背中に下げていた短剣二本を振るい、雷が彼女の身体を走り、活き活きと、容赦なく戦っていました。魅了されるのを感じますが、彼はレギンに忍び寄ると、彼女にナイフを突き刺し、動きを止めて捕獲に成功します。彼女の捕獲のために10人の部下が犠牲になりました。

デクランはもう一人、魔女のターゲットを手中に収め、本部に帰還し、捕虜を引き渡します。担当に確認すると、彼女はローアと人間のハーフの男と、妖精の女と一緒の牢に入れられることになったようです。自室に戻ると、彼女にナイフを突き刺した途端、自分の自制心が前触れなく吹き飛びそうになったことを思い出しながら、彼女の牢の監視カメラをonにします。彼女の傷は癒えているようです。

ローアの民の特殊能力を研究している本部には科学者や医療者がいて、デクランの問題を抑制する薬をくれる医療研究者が部屋にやってきました。このところ薬が効いていないから、倍量欲しい、と頼むとすでに普通の人間なら昏倒するほどの量なのだから、身体によくない影響があるかもしれない。私が自分で検査していなければ、あなたをローアの民だと思うところよと言われます。デクランは自分にはローアの特殊能力に近い夜目が効いたり、回復力があったりすることは医療者には話していませんが、もらった薬の効き目が悪いのは、医療者がわざと混ぜ物をして薬の濃度を減らしているのではと疑っていて、ちゃんとした薬をよこせと要求します。

レギンは自分を攫ったのがエイダンの生まれ変わりだと気付きました。彼自身は狂戦士の生まれ変わりだと知らないとしても、その能力はそのまま。過去の生まれ変わりのときには、彼の記憶をよみがえらせようと努力したけれど、毎回上手くいかなかったため、今度は思い出させるようなことはしたくありませんが彼に傷つけられて内心ショックを受けています。果たしてこの厳しい状況で、生きてこの場を逃げられるだろうか。

5~6 レギンは誰かに蹴られて牢のなかで目覚めます。同部屋はフェイと種族がはっきりしない10代後半の男の子で、男の子は牢の壁に頭をぶつけ続けています。レギンを蹴ったのはフェイで、威嚇しあいますが、フェイのつけている首輪がローアの民の魔法や特殊能力を封じていて、牢から出られるのは、拷問されるか、尋問されるか、処刑されるときだけ、と聞かされ、ニクスはなぜ自分をここに送り込む運命をとめてくれなかったのかと疑問に思います。他にもライキーのユイリームや魔法使い、魔女のキャロウが捉えられていると聞き、そしてヴァンパイアのロテールが血まみれで運ばれていくのが見えました。

レギンはフェイと古い言語を使って会話しているため、監視カメラでみているデクランには途中から何を話しているかわからなくなってしまいました。どんな言語も理解できるというフェイを捕まえてこなくては・・・。

デクランの部屋の電話がなりました。彼は友達も家族もなく、電話をかけてくるのは秘密結社のリーダーのウェブだけです。彼とは数年前の悲劇で家族を亡くしたという共通点があり、彼はデクランのことを息子のように扱っています。

標的を漏らさずとらえてきたデクランを褒め、ヴァルキュリーの秘密を暴けと命じます。特にヴァルキュリーは雷をエネルギーにしているようだ。そのエネルギーを利用して、ヴァルキュリーを退治してやろうといい、本来だったら来月に予定されている尋問を前倒しにしろと命じます。またヴァンパイアの指輪の秘密も解き明かすようにと命じます。デクランは彼女のことを考えると罪悪感のようなものが沸いてくるのを感じますが、ウェブにローアの生き物の美しさは罪だと言われ、必ず秘密を暴きますと言います。ローアの者は口が堅く、拷問にたけたデクランでも手こずりますが、彼らの愛するものか、伴侶を痛めつければ口を開かせることができることがわかっていました。ただしデクランはレギンにもロテールにもその手を使うつもりはありませんでした。

7~16 下着姿で水浴びしていたレギンは、ガラスの窓から同盟を結んだライキーの一員でもあり、厳密に言うと姪のエマを通じて遠い親戚になったユイリーム・マクリーブが牢に戻されてくるのを見かけます。うなだれているものの、まだ四肢に力が残っているのをみてとったレギンは、下着姿で看守たちの目を引き、ねぇ、手伝ってくれない?と連行する彼らに声をかけ注意を惹きつけると、ユイリームが暴れだします。二人の男を爪と牙で殺害しますが、能力を封じる首輪をつけられているのと、拷問で痛めつけられていたこともあり、駆け付けてきたチェイスと激しい殴り合いになり、応援部隊に押さえつけられてつれていかれてしまいました。

チェイスはロテールを牢から引き出させ、まずヴァルキュリーはどういう存在なのかと聞きますが、ヴァルキュリーの射手を緑の地獄で首を絞めて殺してやった。えもいわれぬ快感だったといいます。次に指輪の秘密を聞き出そうとします。ロテールはマスターの命令でその指輪を彼女のところへ持ち帰ることになっていましたが、もしも彼が戻らなかった彼女がやってくる。彼のポケットには彼女のかけらがある。チェイスに指輪を持ち帰りに彼女が悪を連れてやってくるぞ、と警告しますが、チェイスは脅しと判断して聞き流し、部屋に太陽光線を人工的に照射させ、ロテールを燃やし始めます。「彼女がやってくる!」

チェイスは、自分のことを惹きつける力のあるレギンが疎ましくてなりません。人間社会に蔓延ろうとするローアのやつらは抹殺しないとならないのに。牢から彼女を引き出させると、点滴を装着させます。そこには魔術師の苦悩の女王から採取された毒が入っていて、チェイスの手元のスイッチでレギンに流れるようになっています。

レギンはここから逃げ出すためには、チェイスに過去を思い出させ、死んでもらうしかないのではと思いつつ、葛藤しています。チェイスはヴァルキュリーの弱点や指輪について聞きますが、答えようとしないレギンに、毒を使います。一度、二度、三度、レギンは毒が身体に入ってくると身体をかきむしり、身をよじり、このままでは死んでしまうとある決意を固め、もっと話をしたいなら、明日オフィスでおしゃべりしましょう、と言って昏倒します。

チェイスは自室に戻ると、まるで自分が毒をくらったように吐きまくります。ロテールを拷問したときも、他のローアの種族を拷問したときも物足りないくらいだったのに、なぜレギンは違うのか。彼女は不可思議な力を自分に及ぼしている。でも絶対に俺は屈しない。翌日、チェイスは何かの罠なのではないかと思いつつ、ウェブから尋問の進捗状況について報告をせかされ、あえて彼女と話すことにします。

レギンは再度牢から連れ出されると、みかけたユイリームは腹を首から下まで切り裂かれて傷をホチキス止めされていて、目には生気がなく、看守たちに引きずられていき、別の牢に習慣されているベルセルクも、デクランを不安にしたという理由で同じように身体を切り裂かれていました。レギンは、親友で、彼に絶対の忠誠を捧げるベルクに対してもこの仕打ちをするなら、自分にだって同じ仕打ちをするだろうとわかります。

オフィスに通された彼女は、あなたに情報を伝える代わりに、私や同じ牢にいるフェイや男の子、そしてユイリームと魔女のキャロウには手出しをしないでほしいと取引を申し出ます。彼女はキスをするか、彼の中のベルセルクの怒りをかきたてることができれば、記憶は戻るはずと考え、なんとか身体の関係に持ち込むか、戦いにならないかと思っています。

レギンは取引のため、彼はベルセルクの生まれ変わりだということ、人間の村をベルセルクのリーダーとしてヴァンパイアから守っていたこと、死ぬときに、親友のベルクに不死となって彼女を守るようにと誓わせたこと、ベルセルクの特徴、そしてヴァルキュリーは神々の娘であり、彼女自身はルシアのためにヴァルハラを出たことなどを話します。

本気にしていないか、騙されているのではという疑いも持ちながら話を聞くチェイスでしたが、自分の生理反応などは思い当たる節もあるらしく、動揺します。レギンの双剣ははじめての日に彼からもらったのと教えられ、強い嫉妬を覚えます。そんなものは部下かバンパイアにくれてやるというと、レギンが怒り、彼の急所を攻撃したことから取っ組み合いの喧嘩になります。

チェイスがレギンを組み伏せ、奪いそうになりますが、家族が殺された夜のことが蘇り、彼女から急いで離れ、彼女を牢に戻させます。冷めやらない興奮は、薬を打って鎮めることにし、ほどなく夢にすべりこみました。

17~23章 エイダンはレギンに会いたい気持ちが抑えきれず、戦場から戻ってきました。嬉しそうに出迎えるレギンに双剣をプレゼントします。レギンが贈物に弱いことには気づいていました。大喜びして、ヴァルキュリーの優雅さと素早さで剣を振るレギンの様子をみて、いつか最高の剣士になるだろうと予感します。睦みあっていると、エイダンは初めての経験で嫌な思いをすれば、それが彼女のその後の行為へのイメージに影響すると思い、決して要求しようとはおもっていませんでしたが、レギンが彼のことを口で愛したいと言ってくれ、感激します。

夢から覚めたチェイスは、まるで実際に彼女の肌をさわったような気すらして、レギンが自分にどんな魔法をかけたのだと疑います。レギンは私は夢見の魔法はないけれど、あったとしても能力は首輪で封じられているはずと否定します。

レギンは裸の自分を見つめたことのある男性の目つきをしているチェイスをみて、彼が思い出し始めたことを悟ります。普段なら、終わりへ近づく合図と思い半狂乱になるところですが、いまは覚醒を促さないとなりません。キスをしたら、記憶が完全に戻ることになる。チェイス、お願い。あなたの部屋へ連れて行って、私をお風呂に入れさせて。そしてキスをして。あなたは私たちの側に来るべきよ。チェイスは一気に態度を硬化させ、レギンを牢へ追い返しします。

チェイスの初めての転生はシャルルマーニュに仕えるトラヴィスという騎士だったようです。レギンとルチアは、ヴァルキュリーを信仰している一族の城を守っていたところ、そこへトラヴィスが軍団を率いて攻めてきました。レギンは輝きを隠すため全身を覆うマントをかぶって、城壁から攻撃をしかけましたが、トラヴィスは彼女を差し出せばこの城は見逃すと宣言します。彼女の声をきいたとたん、トラヴィスは毎夜夢にみている女性が彼女だと確信し、王の命令に背いた結果は甘んじて受けると決意します。それにもしも面倒なことになったら、シャルルを倒してもよいと思っています。レギンはそこまでチェイスに語りましたが、その後の話はしませんでした。王は彼が命令に背いたら殺すようにと指令を送っていて、彼女と過ごしたその夜に毒殺されてしまったのです。最後の瞬間にブランドルがかけつけてきました。

ウェブから、尋問の進捗状況の報告があがっていないぞと叱責があり、来週様子を見にいく、と言われチェイスは焦ります。

部下のひとりから、盗聴器の録音内容にあなた宛てだと思えるメッセージがありますと言われ、チェイスが自室できいてみると、予言者ニクスからでした。チェイス、なぞなぞよ。美しくて、恐ろしくて、長くて鋭い牙のあるもの、嘘がつけない生き物はなーんだ。そう、その通り。仇敵はあなたにとっては便利な代物かも。すぐに利用したら。アデュー。でも心配しないで。私たちすぐに会うことになるから。だーれがミイラ発見機? あなたよ! 

チェイスはロテールを連れてこさせると、彼は血を飲まされていないため、まだ灰になった部分が再生されていません。ロテールは生きた敵から血を飲むことで、沢山の秘密を知っていました。ロテールは指輪がないと逃げるに逃げられません。生き延びるためチェイスに取引を申し出ます。自分や指輪について以外なら、質問に答えるというと、チェイスは輪廻転生はあるのか、と尋ねます。ロテールは数は少ないが存在するといい、違う答えを期待していたチェイスは衝撃を受けます。そしてロテールはその質問をうけたことで、わかったようです。そうか、光輝のレギンと輪廻転生で運命づけられている伝説の狂戦士エイダンがお前なのか。なんて皮肉なんだ、ようこそローアへ。

俺はローアの民なんかじゃない。ただしロテールは嘘がつけない。俺が狂戦士なら、いままでやってきたことは? エイダンに自分自身を侵食されていく気がする。それにウェブに嘘はつけない。レギンはキスをしたら過去を思い出すと言っていた、それなら思い出すまでだ。

話をするかわりに友人たちを拷問しないでほしいと頼んだのに、魔女のキャロウは母親を殺されて孤児になった姪のルビーの命を助けるという約束のかわりに別の惑星へ送られ、同室のヴァンパイアのハーフらしいタッドは看守たちに連れられていき、怯え切って戻され、さらには別の牢獄に収監されてしまいました。ルビーの母親を殺したグループにチェイスはいたのかしら? レギンは内心激怒していました。チェイスに腕をつかまれ、牢から強引に連れ出されますが、一生に一度でいいから自分を抑えないとと言い聞かせ、彼を誘惑しようとしますが、ついなんで約束を守ってくれなかったのと言ってしまいます。チェイスは厳密には拷問にはかけていないと釈明し、お前のしてくれた話の交換条件の風呂は準備しよう、といい風呂場へ案内してくれます。

24~30章 チェイスはレギンを奪いたくなる気持ちを内心固く抑えつけながら、レギンが久しぶりの泡ぶろを楽しむのを見守ります。泡で隠れたレギンの胸を凝視していると、レギンは次のお話をしましょうか、トレヴィスの次の輪廻はスペインの私掠船の海賊だったわと話しかけると、その話は聞かなくていい、むしろ俺が次の輪廻したやつにどんな風に説明されるのか聞きたいと遮られます。

レギンと話していると、彼女にからかわれ、自分もからかい返してよいのだと思え、居心地よく感じています。どうして彼女に手を出してはいけないのか考えるのがどんどん難しくなっていきました。ただ彼女に触れるには傷を隠している手袋を外す必要がある。彼女はこんな状態の手に触れられたいとは思えないだろう。チェイスはネクタイを持ってくると彼女に目隠しをし、身体を探りはじめ、レギンも敏感に応えます。チェイスがくちづけをしようとすると、レギンが身もだえ、「だめ、やっぱり私にはできない!」と言い出すと、チェイスは何故だ、と口づけしようとしますが、誰か来たわとレギンが遮ります。

今までの人生で最高に幸せだった時間を邪魔したヤツは殺してやると息巻いて対応すると、ドアの外にいたのはウェブでした。チェイスは慌ててレギンにタオルを放り、彼女を自分の身体でかばいます。彼女の魔法にかかってしまったのか、だから言っただろう。お前は家族を誰に殺されたのか忘れたのか。チェイスは、彼女は俺のものだ。古い施設に彼女を移して俺だけが会えるようにしたいと主張すると、ウェブは
私の独自の情報源によると、お前にキスさせることで、そいつの魔法が発動してお前が死ぬことになる呪いにかかると、そいつはお前を殺すつもりだったんだぞ。それでもその生き物をかばうのかと責められます。チェイスはレギンに真偽をただすと、レギンは否定できません。傷ついたチェイスは彼女をすぐに牢へ送り返します。

ウェブにデンパイアのマルコム・スレインの回収と、両親の仇のローアの種族の巣をオーストラリアで見つけたんだが、彼らの駆除を提案されますが、今のお前には難しいのではないかと言われ、出来ますといってチェイスは出かけていきます。

姪のルビーを助けるため伴侶のマルコムを罠にかけたキャロウでしたが、チェイスに希望を打ち砕かれ、牢に戻ってきていました。マルコムを捕まえたチェイスはさらに狩りへ出かけ数日間不在でしたが、レギンはもう助かる希望が消え、いつ拷問に引き出されてもおかしくないと思って牢で過ごしていました。

チェイスは不眠不休の狩りを終え、帰宅するとディクソンが指示通り前よりも強い薬よ、と薬を持ってきます。レギンに会いたいと思いながら、そんな自分の気持ちを忘れてしまいたく、腕に注射針を突き刺しますが、眠る最後の瞬間に思い出したのは、怒りのあまり吹き飛んでいた記憶で、彼が口づけしようとするのを避けていたレギンの態度でした。

レギンは目覚めるとディクソンがいて、手足が拘束され、メスや医療用具が用意されています。とうとう切り裂かれてしまうのだ、カメラからチェイスは見ているんだろうと思います。

牢に戻されたレギンの肌からは光が消え、息も絶え絶えで、切り裂かれた傷跡はホチキスでとめられています。ナタリアが辛いなら涙を流せばストレスも流れるのよとぎこちなく撫でながら慰めてくれます。痛みも酷いものでしたが、誇り高いヴァルキュリーの自分が、人間に助けてほしいと懇願したことが屈辱でした。今までの自分が変わってしまったようです。拷問をしたディクソン、からかってきたフィグリー、そして指示をしたチェイスは絶対に許さない。殺してやる。ナタリアとふたりで復讐を誓い、キャロウには、私の拷問を指示したのはチェイスよ、呪って頂戴と伝えます。

牢番のひとりにレギンを見守って欲しいと頼んであったチェイスですが、その彼がチェイスの私室のドアをたたいています。チェイスは身支度をして数分で行くといって出ていくと、ウェブがそこへやってきて、牢番を軽く追い払いデンパイアの調査はどうなっているといって、マルコムの拷問を行うことにします。キャロウに罠にかけられて捕まったにも関わらず、まだ彼女のことを信じているマルコムの様子を哀れにも思い、ただし彼女の命をちらつかせたらマルコムも屈するだろうと予想できますが、自分だったらどうだろうか、自分もレギンを失うことは耐えられないだろうと思います。

部屋に戻ってきて、我慢できなくなりレギンの部屋の様子を映すとレギンは丸まっていてなんだか皮膚の色が暗く、同部屋の女が話しかけているようです。そこへまたウェブがやってきて話しかけてきますが、辛そうに身動きするレギンの身体に傷があるのを見つけ、チェイスは彼女が拷問されたことに気づきます。そして彼女の拷問を邪魔しないために、彼の薬を強いものを投薬されたことも。なぜですか、というとそれはお前がベルセルクだからだとウェブが言います。お前はもう一人のベルセルクと共通の因子があることが確認された。いつからわかっていたんですかというと、両親が殺されたときに17歳の男の子がバットでローアの種族を2人も殺せたということから疑いを持っていたと言います。チェイスは自分が薬を与えられ、洗脳されて、利用されていたことに気づきます。狩っていたのは、自分の種族だったのか。

記録を見返すと、レギンが麻酔薬もないままメスで自分の身体を切り裂かれ、あばらを折られて内臓を取り出される間、泣き叫びながら自分を呼び、自分に許しを請うているところをフィグリーにお前の拷問を命じたのは誰だと思うとからかわれているのが確認できました。

俺がベルセルクだとするならば、命に代えてもおしくない伴侶がいるはず。俺にとっては彼女がそうなんだと悟ります。怒りでウェブを締め上げますが、どうしても殺せず、この施設を出て二度と顔を見せるなと言います。そこに部下から緊急通信があり、何かから攻撃を受けています、指示をお願いします!と連絡があります。「ゆびわーーーーーーーー」どうやらロテールの話していたヴァンパイアの指輪を追い求めてくる悪の存在というのは本当にいたようだと思い、チェイスは迅速に武装します。ウェブはこの施設にはお前を殺したいと思う存在しかいない、気を付けるんだなといって出ていきます。

31~39章 チェイスは能力を封じる首輪がはめられたままで牢に閉じ込められ、逃げられないでいるレギンを助け出さねばと部屋を飛び出しますが、指輪を取り返しに侵入してきた悪の女王エル・ドラータの騒ぎに便乗して自由になった炎の女王と石の女王がこの島を破壊し始め、施設は足元から盛り上がり、突然亀裂が走り、大きく揺れ、あちこちで炎が上がり始め、彼女たちに遭遇したチェイスは炎で吹き飛ばされます。

レギンはナタリアと共に、ガラス越しに女王たちにここから出してと声をかけますが無視されます。ユイリーム・マクリーヴが淫魔の女性たちに取り囲まれ、押し倒されているのがガラス越しに見えます。ユイリームは首輪がはめられたままですが、淫魔たちは女王に首輪を外してもらったようで、本来だったら肉体的には叶うはずもない人狼を好きにしようとしています。激しく抵抗するユイリームをみてナタリアは、男ならあの魔法には抵抗し難いもの。たぶん伴侶と出会っているんだ。レギンはそれなら無理じいされたら彼は立ち直れないと思い、まだ再生途中の痛む身体で立ち上がり、壊れ始めてヒビのはいった窓を破りましょう、といって二人で体当たりして窓を破り、ユイリームを助けます。二人は同室だったタッドを助けに向かいます。

指輪を探し求めるエル・ドラータは、ウェンディーゴの群れをお供にロテールのところまでやってきました。閉じ込められ、血も与えられていなかったため、まだ再生も終わっておらず、本来の彼の状態ではありません。どんどんとウェンディーゴが襲い掛かってきますが、チェイスとの取引で得た塩を利用して、ウェンディーゴに降りかけ、無力化させ、なんとか力のでない身体で爪と牙から身を守っています。それでもエル・ドラータに襲われ、もうおしまいかと思いますが、彼のことを信頼して見上げてくる無垢な瞳の少女のことを思い出すと死ねないと思うのでした。突如そばに現れた亀裂にウェンディーゴが落ちていきます。ロテールはエル・ドラータにとびかかり、彼女の脚をひっぱって亀裂にひっぱりこむと、彼女の悲鳴がどこまでも下へ落ちていき、声が消えました。彼自身は亀裂のヘリに手をかけ、なんとかぶら下がります。ここまでかと思いますが、若い男が上からのぞきこみ、見ていましたよ、あなたはすごいですね、お手伝いしましょうかと声をかけてきたので、引き揚げてもらいます。彼はちを飲むと相手の記憶も得てしまうため、慎重に相手を選ぶ必要がありますが、どうやら相手は若い様子のため、命の借りついでに、血の借りも与えようといって飢えたロテールはタッドの首に噛みつきますが、すぐに離れると血を吐き出します。彼は同族からは飲まないのでした。おそらくヴァンパイアと、他の興味深い混合のようだ・・・。あなたについていってもいいですかと言われて、借りもあるため、婉曲的に許すロテール。彼は指輪を取り返しにチェイスを探さないとなりません。途中、レギンとナタリアがナタリアの仇敵であるボボ相手に苦戦しているのをタッドが見つけ、彼女たちを助けてください、僕に優しくしてくれた人たちなんです。僕に命の借りがあるってさっきおっしゃっていたでしょう、というとロテールはしぶしぶボボを倒してくれます。

ロテールが助けてくれたとは長く敵対関係だったレギンとナタリアはにわかには信じられませんが、彼がチェイスを見つけに行くというので、レギンは一緒に行くことにします。そこにヴァンパイアたちが現れ、レギンは囲まれてリンチを受け、壁に投げつけられると気絶してしまいます。遠くからレギンの悲鳴を聞きつけたチェイスは生まれて初めてベルセルク化し、自分自身を解き放ちます。ヴァンパイアは始末し、彼女を抱き上げると、すぐに非難するため古いセスナを格納してある外の倉庫へ向かいます。追いついてきたロテールは指輪はどこだ、と聞きますが、盗まれてしまってなくなっていたとチェイスは話します。首輪を外せと要求されますが、彼の手は拷問のためズタズタになっていて、指紋が潰れているため首輪を外すことはできません。フィグリーーのところへ行け、と言いますが、フィグリーは首輪を外すため腕を切り落とされたあと、女王の炎に焼かれてすでに殺されていました。

チェイスはレギンを抱き、倉庫へたどり着きますが、そこにはブランデルもいて、レギンを渡せと言われますが、死んでも他人に渡さないと突っぱねます。二人にウェンディーゴが襲い掛かってきたため、意識のないレギンを守りながら共闘します。不思議と息の合った戦闘となります。そこへナタリアとタッド、ロテールもやってきます。施設が沈む前に逃げ出そうといって、ロテール以外はセスナに乗り込みます。レギンは意識を取り戻さないままです。なんとか飛び立ちますが、翼のあるデーモンたちにセスナを攻撃され、レギンはブランデルに任せ、チェイスは着陸を試みます。

ロテールは指輪の場所と、避難の経路を聞き出すまではチェイスを殺せないと考え、自分を悪の化身のように畏怖している翼のあるデーモンに指示してセスナを墜落させたのでした。チェイスはかろうじて生きていましたが、両足をセスナの部品に挟まれ、身動きできない状態です。ロテールはチェイスに自分の監禁と略奪、拷問の賠償と取引を求めます。チェイスはこれから6日後にはオーダーがこの島を爆破するぞ。逃げるためには、ここから森を抜けて3日の距離にある港に泊めてある船だけが唯一の脱出経路だと教えます。ロテールは案内のためと血の確保のため彼を生かして捕虜にしておくことにします。チェイスは血を与えることに強い拒絶感をしめしますが、ロテールにそれならお前をこのままセスナに置いておいて、レギンに代償を支払わせることにするというとチェイスは条件を飲みます。

残りのメンバーを探しに行くと、レギンは気絶したままでしたが、他のメンバーは怪我はしているものの無事でした。ロテールは彼らに島を出るまでの同盟を誓わせ、同行することにします。チェイスは血を飲んですっかり回復したロテールに両手を縛られてしまったため、ブランドルがレギンを抱き上げ、チェイスの道案内でひとまず安全だと思われる旧施設へ向かいます。途中ウェンディーゴに襲われますが、ロテールが追い払い、彼らが施設に落ち着いたあと、ロテールも追いついてきます。

レギンのためなら自分の命も惜しくないと感じているチェイスですが、レギンが目覚めて、この島を出たら、二度と会うことはできないかもしれないと思い、寝かせられたレギンのそばに寄り添うチェイス。

目が覚めたレギンはそばにチェイスがいて、彼にとびかかり首を絞めますが、チェイスは抵抗しません。ブランドルが止めにはいると、レギンは身体から血を流し、明らかに様子がおかしいです。ブランドルが可哀そうだが傷口からホチキスの針を抜かなくてはと言います。俺は自分でやるしかなかったが、少なくともレギンはやってくれる相手がいる。チェイスは助けたくてしょうがありませんでしたが、レギンが触らないで!と拒否するため、ブランドルが小部屋で処置することにしました。チェイスが扉を閉じられた部屋の前で行ったり来たりしています。ブランドルはレギンにできるだけリラックスしろ、稲妻が落ちるとお前の居場所がばれてしまう、といいますが、次第に稲妻が落ち、部屋の外まで彼女の悲鳴が聞こえてきます。顔色の悪いブランドルが出てきて、ナタリアに手伝ってくれ、レギンが動かないように押さえてほしいと頼みます。心臓部分を閉じ合わせたワイヤーが雑な作業で絡まっていて、切らないと抜けそうにないが、本当に心臓の中心部分なんだ。チェイスはそれなら俺が押さえているといって、部屋に入ります。上半身裸で、血まみれのレギンの身体は切り開かれていて、凄まじい様子にチェイスは吐きそうでした。彼女は再生する、と何度も自分に言い聞かせ、チェイスはブランドルが怪物を見るような目で自分を見つめているのを無視して、レギンの口を手でふさぎ気絶させます。すぐに処置しろ! ブランドルは手を動かしますが、心臓を通ったワイヤーをきるとレギンの心臓は止まってしまいました。レギン! しばらくするとまた呼吸が戻り、意識がないままでしたが、作業は終了しました。ここには傷口を縛るものも止めるものもないとブランドルがいうと、チェイスは彼女の意識が戻るまで俺が傷口を開かないように押さえておくといって、壁によりかかった自分のからだにレギンの小さな身体をそっと抱き寄せました。

40~46章 レギンの肌の輝きが褪せてしまっていることをチェイスは心配していて、必ずあの輝きを取り戻すと誓っています。なんとか彼女のそばにいたいと思いますが、いいアイディアが浮かばず、ブランドルに相談すると、エイダンのふりをしたらいいんじゃないかと言われます。チェイスはエイダンに自分が乗っ取られてしまうのではという気がするのと、金髪碧眼で部下たちにも慕われていたリーダーの鏡であるエイダンと、黒髪で天涯孤独、部下からは怖がられているか嫌われているリーダーで、身体も傷だらけの自分ではくらべものにならず、劣等感を刺激され、どうやって真似すればよいかもわかりません。その話を聞いていたロテールがそんなやり方ではだめだ、と口を出します。彼女は正義感が強く、物事を正したいという気持ちが原動力だ。だからお前を治してやりたいと思わせることが重要だ。まずはレギンを無視しろ、そして好奇心を刺激して、お前に興味を抱かせて力づくでいけ、と言います。チェイスはロテールに同意することがあるとは思えませんでしたが、なんだか有効に思えてきました。ブランドルが、こいつのいうことだから、裏があるのかもしれない、耳を貸すな、というのでロテールがもしこの方法をとって上手くいかなければ、私との取引の一つを取り消そうと言います。それでチェイスは試すことにします。タッドは、おばあちゃんは男がいつも忘れがちだけど、失敗したら謝れっていってたと言います。レギンにきちんと謝ったらいいよと助言します。

次の日、レギンはチェイスがなぜか冷たくなったように思え、気になって仕方がありません。でも強いて気にしないようにしていますが、彼女が夜になって近くの小川で水浴びをしつつ乱れた心でいると、チェイスが現れ、内心緊張しながらストリップをして自分自身を晒し、これからずっと一緒にいてほしいと頼みます。彼女は誘惑を受け入れると見せかけて、今までの鬱憤をビンタで晴らします。彼女が叩くたびに彼はいろいろなところへキスをして、次第に抵抗が薄くなり、熱く絡み合います。

自分がやられたことはともかく、友人にやられたことが許せない、そしてはぐれてしまったキャロウやユイリームのことも心配で、本来なら私はルチアがクラウチと対決するときには助太刀する予定だったのに牢に囚われてしまっていて、もしも彼女に何かあったらあなたを絶対に許せないと言うと、チェイスは君にやってしまったことは本当に申し訳なかったと思っていると真摯に謝ります。そしてはぐれた友人たちは自分が見つけて安全なところへ逃がす、ローアの生き物を見つけるのは得意だ、それにルチアの戦いも協力する、心配なのはわかるが1千年生き延びてきたのだから、数週間はレギンがいなくても生き延びているだろうと話します。ウェブが彼女の解剖を命じたことを知り、半殺しにしたと言い、彼の過去の話をします。そして自分は君が愛していたエイダンになりたいとは思っていないことをレギンに伝えます。

レギンは、私はエイダンを愛してはいなかったと教えます。ヴァルキュリーは本当に愛したひとの腕に飛び込むものだから。飛び込みそうになる自分をずっと抑えていた気がする。チェイスは唇の端を上げ、俺が君の心を勝ち取ると宣言し、彼の胸に抱き寄せ、レギンは胸の中でくつろぎます。

47章~最後 レギンの輝きが戻ってきました。最後の一線は越えていないものの、日中の移動ではレギンを手助けしたり、ちょっとした休憩時に会話をしたり、受け入れてもらい、チェイスは有頂天です。

そしてレギンが彼のことを好きにならないでいようとおもう一番の理由は呪いです。チェイスは自分が呪がかかっているような気がしないから大丈夫、と言いますが、レギンは今までも今度こそ大丈夫と思った次の瞬間に彼を失っていたため信じられません。でもふと思います。彼が亡くなって、残されて悲しむのは私、ひょっとしたら呪いがかかっているのは彼ではなく私なのかも・・・。チェイスはレギンが呪いのことを詳しく教えてくれないため、ブランドルに助けを求めますが、彼もよく知らないが、とにかく記憶を取り戻して彼女と寝たとたんに命を失うことになっていると説明します。だからできれば彼女には手を出さないまま島を脱出し、不死になってから彼女と関係するのがいいと。例えばヴァンパイアになるか、彼女と仲のいい魔女に頼んで不死にしてもらうのはどうだろうかと提案しますが、彼のやったことを考えると協力してもらえるか難しく、人狼はリスクが高く、生き残れたとしても安定するまでに時間がかかります。レギンの親族はヴァンパイアに皆殺しにされているためヴァンパイアを毛嫌いしているレギンのことを考えるとチェイスは嫌だと思います。

ロテールが契約したように、血を飲ませてもらいたいと言う為、嫌々チェイスは受け入れます。ブランドルはレギンに見られないよう、彼女のことを近くに寄らせないよう、その場から引き離しますが、ロテールに首から血を吸われているところ、遠くからレギンの怒声が聞こえ、飛んできます。彼女はなにかおかしいと感じて、ブランドルの監視をすり抜け戻ってきていました。レギンはたくさんのことをチェイスと話していて、チェイスの記憶を通して、彼との密会や、ヴァルキュリーの秘密が漏れてしまうことを心配し激怒しています。ロテールに女王をどこに隠したの!と喧嘩を売ると、彼は彼女がどこにいるか知らないと言い張り、王が言ったことだというと彼はおかしくなっていたと譲りません。喧嘩をしていると、敵側の斥候が現れ、遠くから地鳴りが聞こえてきます。脱出のための船つきばまで到着するには、二手に分かれたほうがいい、とロテールが言い、レギンは一緒に戦いたいと反論しますが、チェイスにタッドとナタリアを守るものがいなくなると説得され、反論できず、しぶしぶ同意し、ブランドルがレギンの身を守ることを改めてチェイスに誓います。

ロテールとチェイスは山のなかで、城塞化された敵の城を発見しますが、敵のなかへ潜入したところでヴァンパイアたちに取り囲まれます。ロテールはソーサリーたちと取引をし、チェイスを引き渡すことでロテールの魔力を封じている首輪を外す鍵になっているフィグリーの手を渡すことになっていたようです。チェイスが罵るなか、ロテールは女王から変色した腕を放られ、首輪に押し当てますがなにも起こりません。女王たちは時間が経ってしまって腐食してしまったようだが、有効かどうかは取引に入っていないといいロテールをあざ笑います。ロテールは、部下のヴァンパイアかデーモンに自分を島の外にテレポートさせてくれたら、ヴァルキュリーを進呈しようと持ち掛けます。横で聞いていたチェイスは怒り狂いますが、拘束されてしまっていて、どうにもなりません。レギン、ロテールを信用するな・・・!

先に船着き場についた4人はチェイスたちを待ちます。そこにロテールが単身で現れ、レギンはチェイスはどうなったのと激怒します。

レギンを連れて現れたロテールをみて、チェイスは激怒していますが、ベルセルク化するにはほんの少しパワーが足りません。ロテールに血液を取られ過ぎたせいか。そこから裏切りを計画していたのか。レギンは掴まっているチェイスにもの言いたげな眼差しですが、ロテールに後ろから首を掴まれ、チェイスが叫ぶ中、首を折られて絶命してしまいます。怒りの咆哮をあげたチェイスはベルセルク化し、拘束する綱を引きちぎり、敵側が女王の名前を連呼し、興奮が高まるなか、密かにレギンの死体に忍び寄ります。誰も俺と彼女を引き離すことはできない。

力が戻ってきたレギンは、3,2,1と心のなかでカウントすると、ソーサリーの女王の足首をつかみ、引き倒します。タッド、ナタリア、ブランドルもこの瞬間を狙って、敵陣に攻め込み、ロテールも近くのデーモンを切り捨てます。ロテールの作戦は機能している、殺さないですませてもいいかも。縛られたふりをしていた手首の縄を手首から落とすと、チェイスが狂おしい瞳で彼女を見つめていて、そばまでやってきていました。こんなに巨大化した彼をレギンは見たことがありませんでした。

「ヴァルキュリー!」襲ってきたソーサリーの女王アンバーの腕をレギンが切り落とすと、切り口から炎が流れ出ます。怒って攻撃してきたもう一人の女王ポーシャがぶつけてきた岩をすんでのところで身をかわし、岩はアンバーを押しつぶします。

ロテールの裏切りに気づいたポーシャはアンバーの髪をひっつかみ、まわりにいたデーモンたちのパワーでその場から逃げ出します。

レギンがチェイスをみつけると背後には首を落とされた死体が累々と築かれ、残っているのは仲間の6人だけでした。チェイスは彼女のほうへ猛烈に駆けてきます。チェイス! レギンは彼に抱きしめられると、全力で彼に抱きつき、私、彼の胸に飛びこんだわと気がつきます。私の永遠の伴侶。もう私の心は取り返せないわ。

チェイスは君から俺を引き離すものは何もない、といい強引にキスしてきます。レギンは彼のことを蹴って抵抗しますが、なかなか離しません。彼を止めて!と言われたタッドやナタリア、ブランドルも、チェイスに威嚇されて、二人で解決してくれといって船着き場へ行ってしまいます。

逃げるレギンを追いかけながら、チェイスはどんどん記憶を取り戻していきます。でも不思議と彼女と過ごし語り合った直近の5日間の記憶が一番鮮やかで、彼は彼自身のままでした。森の中でレギンを追いつめます。チェイスが彼女にキスをすると、彼女は本気で殴りますが、チェイスは一瞬混乱します。彼は今まで一番強くなっているようでした。そしてまだレギンは首輪を外せないでいます。

エイダン、落ち着いて。俺はエイダンじゃない! レギンは混乱します。もう過去のしがらみはない、と言われ、本能に導かれるまま二人は愛を交わします。翌朝、レギンは彼が亡くなってしまったらと考えると憂鬱でしかありません。二度と輪廻してこないで、もう失いたくないからと頼みます。俺がエイダンじゃないからかと聞かれると、あなたほどエイダンを愛したことはないと告白します。仲間たちに追いつくと、船は盗まれてしまっていました。

騒いでいると、エイダンは突然背後から刺されます。デンパイアのマルコム・スレインでした。伴侶のキャロウと自分を苦しめた拷問官に復讐に現れたのです。悲しむレギンをみて、そばにいたキャロウは混乱します。だってあなたが拷問した彼を殺してと頼んだのに・・・。あれからいろいろあったの。

チェイスは苦しい息の下でこんなことになってすまない。もう君の元には戻らないと謝ります。レギンは泣きながら、そういう意味じゃなかったの。戻ってきてと叫びますが、他の不死の男を探せとチェイスは言います。

レギンはキャロウに首輪を外してもらいます。レギンと仲間たちは彼を何とか助けようと相談し、ロテールに彼をヴァンパイア化するように頼みます。ロテールは血の代償を求めますが、レギンは首輪を外して、この島を出してあげることを条件にして引き受けさせます。チェイスは抵抗しますが、押し切られ、ロテールの血を飲みこみます。

そこにニクスが現れ、レギンは「彼は助かる?」と聞きますが、運命に従うしかないと言われてしまいます。ニクスからルチアがクラウチをガレスと一緒に滅ぼしたこと、彼らがロテールを追いかけてやってくること。ロテールはキャロウに首輪を外してもらうとニクスに近づきます。大決戦は盛り上がっているな。昔通りに。ラ・ドラータは復活したらあなたを追いかけてくるわよ。お前はこの場面を予見していたんだな。教えてくれ、我々はいま戦っているのか、過去そうだったように? あなたは予知を否定していたと思っていたけど。公平というものだろう、フェニックスよ。あなたの先読み能力は何と言っているの? 白の女王は黒の王を決して倒せない。ロテールは丁寧にお辞儀をすると次の戦いで会おうといって消えていきました。そこにルチアがガレスと共に現れます。膝に抱かれたチェイスをみてルチアは驚き、ガレスは拷問をしたやつだと復讐を求めますが、マルコムは俺も拷問されたが、復讐よりも代償を求めたいと言い、彼らはいったんヴァルホールへ戻ることになります。

チェイスはヴァルホールのレギンの個室で眠り続けていました。レギンはずっと離れず付き添っていましたが、ブランドルに付き添いを頼み、館を抜け出します。館の外にはチェイスに復讐を求めるローアの人々が沢山集まっているためレギンは煩わしく思っています。彼女はオーディンの碑の前で彼を生かしてもらうよう懇願します。

ルチアがレギンを心配して現れます。彼が生き延びたとしても、ローア中から恨まれていて大変だと指摘され、少なくともライキーに関してはあなたの立場を利用して彼に手を出さないよう釘をさしてと頼みます。でないと、殺すわよ? ルチアは頼みを引き受けます。

チェイスは目覚めると知らない場所でしたが、放置されたゲーム機や部屋に張り巡らされた牙などのインテリアからレギンの部屋だとわかります。ヴァンパイアになってしまったんだな。ブランドルは、お前は不死になったんだ、それが重要だろうと指摘します。外で気勢をあげている声をきくと、自分で蒔いた種は自分で刈り取ると言い、お前が俺に立ててくれた誓いから解放する。これからは自分でレギンを守る。おまえは本当の友だ。永遠に感謝する。

外からレギンの怒りの声が聞こえてきて、明るい日差しの中、チェイスはポーチを飛び出します。館のバリアを腕ずくで破り、レギンの元に駆けつけます。生還を喜ぶレギン。君は俺の戦いを身代わりにしなくてもいい。俺が解決する。俺が犯した過ちは自分で償わなくては。ニクスが咳ばらいをして近寄ってきます。誰も犠牲を払うことにはならないわ。

獰猛なチェイスは私の保護下にある。誰であれ、彼に危害を加えるものは私が許さない、と宣言します。そしてレギンは陽射しのなかにいるチェイスに気づきます。あなたの牙はどこ? なぜ怪我が治っているの? ニクスは彼は死んでいなかったからヴァンパイア化しなかったと教えてくれます。ブランドルが、オーディンとの約束の200戦の数がソーサリーの女王たちとの戦いの間に満たされていて、不死になっていたのではと言います。疑問に思うことは多かったものの、レギンが神の恩寵に疑問を投げかけるのはやめましょう、あなたは不死で、狂戦士になったの。オーディン、ありがとうございます。ありがとうございます・・・。

チェイスはしばらく黙ったあと、唇の端をあげ、息が止まるような微笑をうかべレギンの胸を高鳴らせると宣言します。俺は彼女のものだ。(終)
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​それぞれの種族が否応なく巻き込まれ、種族の滅亡がかかる争いとなる大決戦が近づいている!? ローアを舞台にしたこの一連のシリーズをもっと読みたいですね!
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