Romance夢紀行

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LOTHAIRE クレスリー・コール あらすじ

※ ※ ※  ネタバレ あります ※ ※ ※ 
辞書で確認せず、記憶に頼っててきとーに書きなぐっていますので、内容が間違っていても 笑って読み流せる方 だけ読んでくださいね


プロローグ

ロテールはヴァンパイアの王の庶子のひとりとして生まれました。母はダシアン一族の王女です。父からは重要視されておらず、あるとき父から母へ呼び出しがあり、食堂へ向かうと、新しい側室を迎えたからという通告でした。母は人間如き、一緒の場所にいるのも汚らわしいというと、王は激怒し、側室を尊重できないなら、この城を出ていけと言われます。母は高いプライドから謝ることも側室に膝を屈することもできず、真冬に母子二人で城を追い出されます。

ダシアン一族の領地は隠されていました。そこには数少なくなったヴァンパイアの女性もまだ生きているから、今後伴侶が見つかったら、伴侶と私の父しか信用しないで、復讐を遂げ、ヴァンパイアの王となりなさいとロテールは母から言い聞かれます。定かではない記憶をたどりながら、母は人間を狩って血液を奪い、凍えながら真冬の道を進みますが、激怒した村人たちに執拗に狩りたてられます。ようやく一族の領地の入口までやってきましたが、母が声をあげても門は開かれませんでした。ダシアンの父王は、追っ手をつれてきてしまったことで、人間へ自分たちの存在を明かしてはならないというルールを破った見せしめとして、彼女たちを見殺しにするという判断をしたのです。母はロテールに自分に何があっても、この場所を動いてはならないという誓いをローアに立てさせ、今後は信じられるのは伴侶のみと言い聞かせます。人間たちに掴まった母は嬲られ、城でも聞こえていた音が聞こえてきて、母の悲鳴が聞こえてきます。母は生きたまま火に燃やされ、絶叫を聞きながら、ロテールは誓いのため動くことができず、固く心に復讐を誓います。

ロテールは人間の女性エリザベスという女性のなかに、サロヤという古代の女神を見つけ、自分の肉体に再び血が廻るのを感じ、彼女こそ我が花嫁と思います。エリザベス(エリー)は彼女の意識を乗っ取った女神が犯した殺人のせいで村人から魔女として追われ、一度は窮地をロテールに救われますが、また彼は消えてしまいます。数年後、自分のなかの悪魔に怯えたエリザベスは自分自身をこの世から消し去ろうと決意し、魔女として殺害される決意をし、処刑を待っていました。

ロテールは、チェイスに捕まっていましたが、なんとか奸智で抜け出し(※DREAMS OF A DARK WARRIOR参照)、すんでのところで彼女を救い出すことに成功しますが、人間如きの彼女が自分の花嫁を殺そうとしたことには激怒します。ひとまずニューヨークの自分の安全な場所へ移します。ロテールが凄まじい能力で人間たちを殺した様子をみて、エリザベスは彼が人間ではないことを悟っています。

ロテールの目標は、ドラータの黄金の指輪の力で、エリザベスの身体からエリザベスの魂を抹殺し、花嫁サロヤを全きバンパイアの女性として変化させること、また過去の借りを回収して、彼自身がヴァンパイアの王となり、母を見殺しにしたダミアンの土地を見つけ出し、征服し復讐を遂げることでした。

(ヴァンパイアの女性は、生まれ持ってのヴァンパイアしかおらず、人間を変化させようとしても、死んでしまうようです)

ソラヤは殺人に快楽を覚えるタチで、人間の女性の身体と意思に妨げられることにうんざりしていました。ロテールが自分の宿主の女性の身体に惹かれている様子で、魂を殺してソラヤを自由にしてくれると申し出てくれたため、彼を利用するつもりです。ただし彼女は男性との性的な接触には興味がなく、花嫁として求めてくるロテールをかわすため、あなたにふさわしく着飾りたいといって山のような宝石や洋服を部屋に取り寄せさせ、美容師たちに自分を磨かせ時間を稼ぎます。それでもロテールが求めてきたため、彼との身体の関係は宿主に押し付けてしまおうと、精神のなかで眠りについてしまいます。

自分に抵抗するエリーに、ロテールはお前が抵抗すれば、故郷に残るお前の母と弟を殺してやると脅しますが、彼女は自分がその気になればソラヤを邪魔することはできると取引を持ち掛けます。サロヤに殺させないでと。ロテールは、自分の命令にはすぐ従うこと、従わなかったときには家族の命をもらうこと、またサロヤが起きてこようとしたら邪魔しないことを約束させ、了承します。エリーは、私が協力する限りは、自分の家族があなたやあなたの協力者からも安全であることを約束してと付け加えると驚いた顔を見せますが了承します。

ロテールはついエリーの小傷から流れた血をなめてしまいます。彼女の身体に牙を突き立てたい、絡み合いたいと思うものの、初めてのときは正しい相手のソラヤでなければと信じ、必死で自分を抑えています。ただエリーと話していると少し狂気が遠ざかる気がします。

チェイスに誘拐されたときに取り上げられ、その上官がおそらく保管していると睨んでいる指輪の行方を、おそらくチェイスは知っているか、その保管場所に行ったことがあることから記憶を得られればトレースできると踏んで、チェイスの記憶を夢で見ることにします。しかしこれは上手くいかず、ヴァルキュリーの館で治療していると思われるチェイスのそばまでいけば読み取れるかと忍び寄りますが、なぜか彼の思考が読み取れず、血族にしたものが死んでしまったかもしれないという残念さと、この方法で指輪を追跡できない事実にショックを受けます。

部屋に戻るとサロヤに買い与えて当たり前のような顔で受け取られた贅沢な洋服や宝石の山、部屋のシャンデリアを、エリーが自分のものではなくとも無邪気に喜び、嬉しがる様子をこっそり影から観察しています。エリーがロテールの弱みを握ろうと自分の寝室の鍵を開けて探りはじめたため怒りますが、彼が部屋に残していた高難度のパズルや多言語の手紙、いままでの言動から、彼を二か国語を操り、小さい頃から一緒に遊ぶ友達がいないナルシストと分析してみせます。ロテールはたかが学のない田舎娘と思っていたため、内心感心させられるものの、肉体は傷つけないと言ってあるため、ことあるごとに苛立たせて自分をサロヤごと殺させようとしてくるエリーには激怒していて、彼女に欲情する自分にも苛立たしく思います。ただどうせエリーは死ぬのだからという思いもあり、なぜか誰かに自分のなしえてきたことを説明したい気分になり、大切な掛け帳を見せ、自分はこの貸しを回収して失った王位を回復し、復讐を遂げると説明します。

指輪の奪還が難しくなったので、大切な最終計画に関係していて、ロテールの伴侶の出現と場所を予言した魔女のところへエリーをつれてトレースします。ロテールは状況を説明し、苛立ちが酷過ぎるから、抑える毒薬が欲しいと依頼します。魔女は、目の前で言いあう二人をみて、エリーは本当にあなたの花嫁じゃないのかしらと言いますが、これから永遠に続くはずのこれから打ち立てる自分の王国の王妃がたかが人間であるはずがない。それにお前に言われて彼女を見に行った14歳のころには身体が反応しなかったが、ソラヤが宿った身体に会った時に自分の身体に血が通ったことは話しただろう、自分の王妃には女神こそふさわしい、二度とそんなことは言うなと告げます。おそらくニクスのせいで自分が伴侶を見つけたことはローアにバレただろう。指輪を奪われて怒り心頭の女魔術師エル・ドラータは、指輪で始末するつもりだったが、思ったより指輪の入手が難しくなりそうで、指輪なしで果たして対抗できるのか、魔女とロテールはどちらを優先するか相談しています。

エリーも肉体的には金髪でハンサムなロテールに怖いほど惹かれていますが、ロテールがサロヤとの間に沢山子供が欲しいと言ってるのを聞いて、あの悪魔に私の子供を育てさせるなんてありえない、あなたとは絶対に身体の関係にはなりたくないと拒絶します。

ロテールは、魔女に自分の怒りを鎮める薬を頼むと、その薬に必要だと言われた材料を集めにその場からトレースして出かけていきます。ロテールがいない間に、なんとかロテールやローアのことを知り、家族に危険が迫っているから自宅には絶対に戻らないようにと伝えるために電話したいと、エリザベスは魔女の小屋をさり気なく歩き回ります。トイレに入ると、そこの鏡から手が付きだしてきて、手招きしてきます。恐怖を感じたエリーはそこを飛び出し、魔女に伝えると、彼女は鉈を手に持ち、何もなかったように戻って相手をおびき出すように指示します。エリーが戻るとまたこっちにいらっしゃいと声が聞こえて手が突き出てきたところを、魔女が鉈で切り落とし、すごい悲鳴と復讐を誓う声が鏡ごしに聞こえてきます。相手は鏡の魔女マリキータだったようです。

ロテールに、敵方にロテールの花嫁であるエリザベスの存在を知られ、場所も捉えられてしまった不始末を知られたら、殺されてしまうと怯える魔女に、エリザベスは取引を持ち掛けます。あなたがローアのことを教えてくれたら、このことをロテールには黙っていると。急いで飛び散った血をふき取ったところにロテールがトレースで戻ってきます。何かおかしいとは感じたものの、なんとかその場はごまかせました。

薬の材料は手に入らず、ロテールは夢で指輪の行方を捜そうとしますが、眠りながらあちこちにトレースして、戦い、また戻ってきます。

魔女に預けられたエリーは、ローアに関する書籍を貸してもらい、知識を得ます。また魔女とは少し友達のような関係になってきて、過去に魔女が絶体絶命のときにロテールに助けてもらうという取引をして彼を裏切れないことなど、おしゃべりします。ロテールが願いを叶えてくれる指輪を探していて、その指輪でエリザベスの精神を消してしまうつもりでいますが、サロヤの存在を消し去ることもできるのではないか、消してもらえたら自分は生きられると初めて自分の未来に希望を持ちます。ただそのためにはロテールがサロヤより自分のことを好ましく思ってくれないとならないと気付き、彼を誘惑することに決めます。

ロテールは目的の成就が近づいた今になって自分のなかの狂気が高まっていることにも気づかされています。母が殺された場所に寝ている間にトレースしてしまい、戻ってきたロテールはぼんやりした様子で、母が目の前で複数の人間に強◎され、生きながら燃やされたために、見殺しにした祖父に復讐を誓っていることなど話し、エリザベスは自分の欲しい情報をおしゃべりしながら引き出し、ラップダンスで誘惑し、お互いに夢中になります。

欲望が高まっているのに姿を現さないサロヤにロテールは怒り心頭です。指輪の情報を求め、チェイスのところに行きますが、彼は不死の戦士に自分で走らずに変化していたため心のなかに入れず、ニクスのせいでレギンが固くチェイスのことを守っていて片時も離れず、そちらの手掛かりからは見つけるのが難しそうです。

寝室で悪夢をみたロテールは大切にしていたパズルをめちゃくちゃにして暴れますが、エリザベスが気づいて慰めにいき、怒りのおさまらないロテールはエリザベスに苛立ちをぶつけます。エリザベスもロテールに性的に強く惹かれていて、二人は絡み合い、ロテールは最後の一線は越えないものの、我慢できずに彼女の身体のうえに放ちます。エリザベスは彼も少し自分に対して気持ちを持ってくれたかと思いますが、ロテールはお前はたかが人間のお前が、女神のサロヤより選んでもらえると思っているのかと言われ、深く傷つき、サロヤはおそらく汚された身体に嫌悪感を抱くだろうと確信しながら、自分も死体を見せられて嫌な気分になったことを思い出して、おあいこだわ、いい気味と思いながら初めてサロヤが意識に上がってくることに抵抗せずに交代します。

体液で汚れた自分に怖気を振るったサロヤはすぐに身ぎれいにして、ロテールのところにいきます。ロテールは手ごたえのあるエリザベスとの会話を思い出し、自分に何か話せといいますが、サロヤは特段話したいことはなく、今まで楽しかったことを話すよう言われます。絆で結ばれたある夫婦が子供を守るために、サロヤは夫のヴァンパイアに妻の全身を噛むようにローアに誓わせ、妻は何度も再生する生命力で痛みにずっと苦しみ、夫も自分が妻に痛みを与えていることに苦しむという姿を見て爽快だったと話します。ロテールは困惑し、自分も殺しはするが、王位のため、戦いのためであって、殺し自体を楽しいと思ったことはない。この女は自分の子供のどんな母親になるのだろうかと、内心嫌な気分になります。

サロヤは2週間後にまた会うことに合意して沈んでしまい、ロテールはそれまでどう過ごそうか悩みます。エリザベスへの否定できない欲望を回避したいものの、花嫁のそばにいないことは正気に影響していることがわかってきました。寝ている間のトレース、絶え間なく襲ってくる怒り、狩りの途中にもある意識喪失。指輪の行方以外では、忘れたと思っていた彼自身の思い出もいくつか戻ってきました。自分のほうに手を伸ばす金髪の赤ん坊、大きなお腹を抱え、夫を悲しみをたたえた目でみつめたヴァルキュリーのヘレン、あなたの忍耐力はどこへ行ったのというニクス・・・。そしてダーシ一族の誰かがアパートのそばから観察している視線に気づいていました。想像だろうか? 

ニクスと初めて知り合ったときから長い時間が過ぎています。母が死んで1か月ほどのころ、ロテールはトレースできない鎖をかけられて身動きできないところをヴァルキュリーたちに囲まれてしまいます。殺そうとしたヴァルキュリーに、「ヘレン、彼はあなたの人生に関わることになるから殺しては駄目」と声がかかり、フェニックスあなたがそういうならといって剣をひき、姉妹たちはその場から去ります。ニクスは他の姉妹に気づかれないようにコインを地面に落としていってくれました。

ロテールはサロヤに自分と性的な関係を持つつもりがないだろうと問い詰め、ひょっとしたら花嫁はエリザベスなのではという疑いが芽生え始めます。サロヤは女神の自分が伴侶でなければ、ヴァンパイアの王座は安定せず、反乱が絶えないことになるだろうし、ヴァンパイアの王としての力がなければダーシ一族を征服するのも難しいはずとロテールの権力欲を煽ろうとします。そして、ロテールお前はエリザベスの身体から魂を追い出すことに全力を注ぐと、私たちが出会った時にローアに誓ったでしょう! ロテールは愕然とします。

サロヤはまた眠ってしまい、ロテールは人間ごときが花嫁とは信じられず、ただ欲望の解消をしてもらうならいいだろうと自分自身を納得させ、エリザベスに服を脱いでここへこいと呼びます。あなたは私のことを無知な農民だとさげずむけれど、幸せを感じたことはある? 一生のうち、かなりの部分を牢で過ごした貧しい私でも温かい記憶がある。反抗的なエリザベスにロテールは怒り、喧嘩になりますが、熱く絡み合うことになり、ロテールはエリザベスに絶頂を与えます。二人で脱力したあと、エリザベスはこれで二人の関係が少しは変わったのではないかと期待しますが、冷たい視線を向けられ深く傷つきます。

エリザベスは横で眠っているロテールが、悪夢にうなされている声で目覚めました。自分に酷いことをたくさん言い、やってきた相手を助けるなんてと思い、一度は自分の寝室に引き上げますが、どうしても見捨てられず、戻ってきて声をかけますが目覚めません。身体が消えそうになっているので、トレースしてしまうと引き止めようと身体に触れると、一緒にトレースされてしまいます。

ロテールは父王を暗殺しようとしたあと、罰として父に埋められたヘルヴィタにある血の森ににトレースしていました。友人だと思っていた人物に裏切られて復讐に失敗したいま、自分を助けるものは誰もいないと思いながら、自分の身体と血をむさぼりつくす木と共に地下に埋められていました。600年後に、叔父が現れ、自分が王座につくことに反対せず、支持者になれば、後継者にはお前を指名してやるという取引で、牢を出してもらいます。暗澹たる思いでいると、敵のグループが現れ、一緒にトレースしていたとは気づいていなかったエリザベスが囚われてしまいます。人質に取られて、思うように反撃できませんが、さらにそこにダーシ一族たちが現れ、敵のグループに攻撃を始めます。もしもダーシにトレースされてしまえば、エリザベスと二度と会えなくなってしまう、と必死に戦い、エリザベスを取り戻します。敵を制圧したところで、ダーシはとまり、ダーシのリーダーはいとこ殿、とロテールに呼びかけていました。

ロテールは、エリザベスが花嫁だと確信しますが、ローアの殺し合いを目の当たりにしたエリザベスは心が麻痺してしまいました。魔女のところへ連れていきますが、薬を作るには海神ネメウスのもっているものが必要だと言われ、彼の跡継ぎの命を救った借りがあるから、それで取引すると決め、また自分を友達と慕うヴァンパイアとファントムのハーフのテッドもローアの世界に放り込まれてしまって同じように呆然としていたことを思い出し、彼女の助けになってくれたらとヴァルキュリーの館に迎えに行き、連れてきます。

テッドが、自分のときのことを思い出しながら、エリザベスのことを友達の大切な人だからといって、ここはもう安全だよと様々なことを優しく語りかけると、エリザベスは現実にもどってきます。

ロテールがネメウスと取引後に魔女のところへ戻ってきて、姿を消して3人の様子をうかがうと、水着姿で楽しくテキーラ越しに会話をしていて、のけものになった気分でした。

エリザベスは自分がロテールの花嫁なのではないかと魔女に聞きますが、女神のサロヤなら庶子の彼にヴァンパイアとダーシの二つの王座を与えられる、人間の伴侶では絶え間ない反乱に悩まないとならない、ロテールがどう考えているのかわからないと言われます。それでも自分を傷つける彼にどうしても惹かれるものがあり、自分の心を危険にさらしてでも彼を自分のものにしようと決めます。

自宅に戻ったロテールはエリザベスが花嫁だと認め、彼女を守るから信じてほしいと伝えます。エリザベスは今後、あなたやあなたの部下にも家族を傷つけないと約束して欲しいと要求すると、ロテールは今後3週間は二人のためを思って下す自分の判断に完全に従ってほしいと条件を提示して、合意します。エリザベスは契ることでこの約束を固めたいと決意して、ロテールを誘います。ロテールは脆い人間を、本能に任せた生まれながらのヴァンパイアが抱いたら壊してしまうと最後の一線を越えることを怖がっていますが、エリザベスはあなたが私のことを壊したりしないと言って、欲望は高まるばかりで、とうとうロテールは自分の上にエリザベスがまたがって自分は手を動かさないことで、彼女を傷つけないようにします。動き始めると、欲望が高まり、ロテールは理性が飛んで体勢を入れ替え、激しく愛し、放ちます。

契った瞬間に、彼女はロテールの伴侶となり、彼のあたまのなかで名前はエリザベス・ダシアーノと変化したようです。彼はエリザベスのことをリザベッタやエリザベッタと呼び、エリザベスはロテールのことをレオ(古き敵ロテールの略)と二人だけの呼び方で呼ぶようになっています。ロテールはエリザベスをヴァンパイア化して、永遠に一緒にいることを計画しているようです。跡継ぎが人間とのハーフとなることは避けたいようで、避妊薬を飲むようにと言われて、エリザベスが傷ついています。

ロテールはエリザベスを甘やかすため、彼女の行きたいといった世界中の場所へトレースで連れていき、彼女のための宝石を買い与え、甘いハネムーンを過ごしていますが、今となっては彼が彼女の唯一の家族のはずなのに、いつまでも過去の家族のことを気にしているエリザベスのことをイライラしたりするものの、彼女と一緒に過ごし、彼女の視点を通して世界を見ることで、彼は若く、生きている実感がありました。

ドラータがニューオリンズのローアのバー エロールに現れたと聞いて、ロテールは現地にトレースします。

ニューオリンズではドラータの気配を感じるものの、ロテールは見つけることはできず帰宅します。

エリーは、ロテールになぜそんなに指輪を必要とするのかと問い詰め、自分がローアに誓ってエリザベッタの心を身体から追い出して、サロヤを不死にすることに全力を注ぐと言ってしまったと知り、自分がサロヤよりもロテールに選ばれるだけではダメなことを悟ります。

そこにドラータが現れ、ロテールはドラータに身動きが出来なくさせられ、逃げろ!といわれて走るエリザベッタはウェンディゴに足止めされてしまいます。サロヤは自分を殺すと予言されたためドラータに暗殺者を送りこんでアマゾンの奥地の洞窟へ閉じ込めていて、ドラータはサロヤを深く恨んでおり、またロテールはアマゾンの洞窟で彼女がはめている指輪を指ごと奪ったことから罰してやりたいと思っています。サロヤがロテールの花嫁だとしたら二重によいと思っています。サロヤがお前の花嫁なのか、と聞かれ、ロテールはドラータに止めてください!と懇願し、サロヤは私は違う!と反論するもののドラータはサロヤの意識を消し去ります。ロテールについては、身体の革をはいでウェンディゴの服にしてやろうといって、切り刻みはじめますが、エリーが待ってください!と必死に頭を働かせます。ロテールは長い一生の間、不死の者たち相手にため込んだ貸しの掛け帳があります。その半分を彼の命と交換できませんかとドラータに持ち掛けます。彼が望んで掛け帳を譲らない限り、貸し相手からの回収の交渉が難しくなるとエリーが苦し紛れに説明し、ロテールをちらっとみると、彼は素晴らしい思い付きだという顔でエリーを見ていました。ドラータは、お前のその掛け帳は存在するのか、と聞かれて、あると答えます。ロテールは掛け帳を丸ごとやるから、指輪を明日の深夜まで貸してくれないかと持ち掛け、ドラータは了承し、その場を去ります。

ロテールは自分のなかの優先順位が変わったことがわかります。まずはエリザベッタを不死にする、そして次が王位奪還だ。指輪を使おうとするとエリザベッタは抗います。自分がヴァンパイアになりたいかどうかもわからないのに、お願いだから、今晩は人間のままの私と過ごしてほしいと懇願しますが、お前にとって、二人にとって何が正しいかは私が判断すると約束しただろう、と言って逃げ出したエリザベッタの後ろで指輪に願いをかけると、エリザベッタはヴァンパイアに変化します。

エリザベッタは目の色が変わり、牙が尖り、感覚が鋭敏になったのを感じます。またロテールが欲しくてたまらなくなり、あなたが欲しいというとロテールはヴァンパイアになったことを後悔させない、むしろよかったと思わせたいと思い、人間であれば暴力的なまでに情熱的に何度も交わり、おたがいの血を飲みあいます。

腕の中で眠るエリザベッタの顔を見て、心が凪ぐのを感じ、初めて幸せというものを実感するロテール。

眠りから目覚めると、エリザベッタはロテールに強い怒りを感じます。話し合いましょう、これから先は私たちの立場は平等でしょう、今後私にとって大事な選択の場面がきたら、私自身に判断させてほしいといいますが、ロテールは自分は1000年以上の経験と知恵があり、二人にとってよい判断ができるのは自分だから、そんなことは約束できないと一蹴します。サロヤから自由になり、これで牢獄から解放されると思ったのに、また新しい牢獄、それも永遠に続く牢獄に入っただけなのかしらとエリザベッタは絶望します。私はあなたの犬やペットじゃない! と爆発し、あなたは私のことを精神を抹殺しようとし、牢に入れて置き去りにし、何度もひどい目にあわされたのに、それでもあなたのことが好きだと思っているの? ロテールは君は過去を忘れると約束してくだじゃないかというと、あんなの嘘よとエリザベッタが言い放ち、家の中の家具をロテールに投げつけ、壁に賭けてあった剣を振り回します。ロテールは自分を愛している花嫁が自分を傷つけられるはずがないと高をくくっていますが、次の瞬間、エリザベッタの剣がロテールの首を飛ばします。

エリザベッタは自分が何をしてしまったのか呆然としてしまいますが、そこにヴァルキュリーのカーラとデーモンのデシャーザーが現れ、彼女はその場からトレースで攫われてしまいます。

ロテールが目覚めると、そこは知らない城の中で、血の森で出会ったダーシ一族の男たちがいました。彼らはロテールのいとこにあたる存在でダーシ一族の公子、公女たちでした。ロテールが王位にふさわしいか遠くから見定めていて、以前は狂気でとてもその任に堪えないと感じていたが、花嫁を得て安定したため、迎えにいったということでした。ロテールは王位を得るための行為を特段していないがというと、彼の母が彼らダーシ一族を呪い、ロテールが王位につくまでは死ぬまで一族内で争うと言ったことで、実際ロテールの仇のセルゲイやその他の親族も皆死亡していて、ほぼ全員一致でロテールを王位に迎えることになったと説明されます。仇として付け狙っていたセルゲイが1000年も前に死んでいたと知って呆然とするロテール。窓の外は、城を取り囲むように血の泉があって、自分が統治することになるダーシ一族の領土が広がっていました。

王妃のエリザベッタはヴァルキュリーのコヴンに囚われていますが、なんとか助け出しましょう、と公女のコルミアが言いますが、ロテールはエリザベッタにあなたを憎むわ、と言われて殺されたことで根に持っていて、彼女の気持ちは嘘だったのかと絶望し、幸せが手から離れてしまったことを感じ、あの恐怖の館なら彼女はさぞ怖がっているだろうと内心思い、彼女のことは助けない。彼女の名前を出したものは殺す、と宣言します。誰かにフューリーの居場所を聞かれた時にわからないと言っていたのは誇張ではありませんでした。身柄を女王の居場所の情報と交換すると言われても、彼自身、魔女に居場所を占わせているくらいで、彼女の場所を見失っていました。

エリザベッタは、怒りは収まらないものの、ロテールが死んでしまったのではないかと死ぬほど心配していますが、ヴァルキュリーの恐怖の館に囚われの身になっています。ヴァルキュリーのカーラは女王フューリーの双子の妹で、ロテールが管轄している海の牢獄の場所を聞き出して、助け出そうと思い、人質にとったようです。ヴァルキュリーたちとロテールの間には数々の因縁があり、エリザベッタはそのロテールの首を落としたということで、ローアでは手を出してはならない人物と認定され、館を出れない不自由さはあるものの、レギンとはゲーム友達になり、普通に過ごしています。あれから2週間たつのになぜロテールは迎えに来てくれないのかと思っています。

ロテールは首の傷が治ると即位しました。密かに毎晩家に戻ってエリザベスの寝巻の匂いを嗅ぎ、ポケットに彼女の下着を忍ばせ、なんとか正気を保っている状態です。

ロテールのいとこにあたるダーシの王族は5人。長男のステリアンはリーダー格でダーシの領土を周囲から隠している霧を維持、コントールし、出入国を管理しています。次男のヴィクトールは一族の警備隊長で、戦闘好き。ホルドへの戦闘の号令がかかるのを楽しみにしています。この二人は心臓の音を隠す魔法を使っていて、ロテールには花嫁ともうあっているかどうかはわかりません。3男はトレハン暗殺者のリーダーです。兄弟の中では一番ダーシらしさをもった人物で、心臓の音が聞こえているため花嫁には会っていることがわかります。4男はミルセオ、30歳でそろそろ血が通わなくなる年齢で、領土内の手あたり次第の女性と関係を持っているようです。長女は20歳でコスミナ(ミーナ)、兄たちに過保護に育てられ、疫病にかからないよう領土から出ることを許されておらず、純粋無垢ですぐに顔を赤らめたり、露骨な発言や振る舞いがあるとその場から逃げ出したりいていますが暗殺者の技量は一流のようです。やはり王妃を救わないとと言い出したヴィクトールを激しく殴打して自分は血族かもしれないが王として敬うようにと罰し、周囲はおののきます。

エリザベスのいるヴァルホールに荷物が届いたと言われてとりにいくと、ロテールからでした。楽しみに開封すると、中身は切り取られた心臓と、地獄で朽ち果てろと書かれた絶縁状でした。怒り心頭のエリザベスは、そばにいたカーラに剣を頼むと、自分の中指を切り落とし、ニクスに彼に届けてほしいと頼みます。周りのヴァルキュリーたちは拍手喝采でした。

ヴァルキュリーのカーラは、数週間たつのにロテールが妻を取り返しにくる様子もないので、もうエリザベスはここにはいらないと言い出します。カーラ以外のヴァルキュリーたちは名残を惜しんでくれましたが、エリザベス自身はどこで血を調達すればよいかわからず、着たきり雀で、有り金もなく、荷物は手に下げたスーパーの袋ひとつだけ。ローアではロテールの王妃として懸賞金がかけられ、ニクスが彼女はロテールの首を落とす危険な存在だと噂を流してくれると約束してくれましたが、身の安全は保障されません。ヴァルホールの玄関前で途方にくれますが、遠くからでも家族の様子を確認したいと思い立ち、エマラインに教えてもらってマスターしたトレースで懐かしい実家のトレーラーハウスに向かいます。

エリザベスが家の様子をうかがって涙を流していると、叔父に見つかってしまい、まさかお前なのか!目に怪我をしている、どうしたんだ、エリーが帰ってきたぞと騒いでエリザベスは母と叔父と3人で家に入り、自分がヴァンパイアになってしまったこと、そしてロテールやこれまでのことを話します。

ロテールのところにニクスが現れ騒ぎになりますが、ロテールは人払いをして古なじみの彼女と話し合います。エリザベッタの指をみてショックを受けます。ロテールは、友人だと思っていたのになぜ自分を裏切って父に自分のクーデターを密告して罰を受けさせたんだ、ドラータを自分の自宅に送り込んだのもお前の仕業だろうと聞くと、ドラータにサロヤを消してもらって大成功じゃない! それにあなたは私の言うことを無視したでしょう。時期尚早だから、何度も駄目だと止めたのにとニクスに言われます。どうして拷問されるままにしていたんだと更に聞くと、そうすることでエリザベスと出会う運命を歪めたくなかったからと言われます。本当はエリザベスは実家の近所で死んでしまう運命だったの。あなたたち二人が出会えるように私は骨を折ってきたのと説明されます。あなた自身の運命を私は見ることはできないんだけれど、ヘレンに関わることで見えることもあったからと。髪も乱れ、疲労困憊といった様子のニクスに、いつから寝てないんだとロテールが言うと、あなたと島で会った時と言われます。周囲から助けを求める声が聞こえてきて、操らなければならない運命が数えきれないほどあって、休めないというニクスに、今夜だけはここで眠ったらいいと言います。ニクスは、エリザベスの気持ちを知りたいというロテールに彼女の記憶を見たらいいと助言します。

眠りについたニクスを見てすぐにロテールも眠りに落ちエリザベスの過去を追体験します。父を亡くしてから彼女が必死で支えてきた母、見守ってきた弟のこと。ひとつの大きな家族のような結束をもつ炭鉱の親せき、仲間たち。恐ろしかった牢生活、迫ってくる処刑日。自分が彼女の心を殺して、サロヤを花嫁にしようとしていたこと。嘲って、見下していたこと。死ぬしかないと思っていたのに、一度は助かると思わせて、また絶望させてしまったこと。彼女の希望を無視してヴァンパイア化したこと。家族のことは忘れ、自分だけが今後彼女の家族だと言えと強制したこと。エリザベスの立場にたって追体験すると、自分の傲慢さ、身勝手さに気づき、どうして彼女が自分のことを好きでいてくれるだろうかと、絶望します。自由意志を無視して大切な家族を奪うとは、父親がやったことそのものじゃないかと気づきます。それでも彼が悪夢でうなされた夜、彼女が優しい表情で顔にかかる髪の毛をかき上げてくれる場面をみて、彼女の愛情を信じます。目覚めると、すぐにステリアンを大声で呼び、王妃の実家のある炭鉱の山を殺しても騙しても何をしてもいいから仲買人から買い取るようにというと、すでに手配済ですと言われ、それならその隣の山も念のため入手しろと言われてすぐ手配します。王妃を取り戻すための取引材料をそろえる言い頃合いですと冷やかされて、黙って出ていけと追い出します。ニクスにエリザベスが暗いところで血だらけだと警告され、慌ててトレースします。

炭鉱が爆発し、エリザベスは作業員たちを救出しようとしていましたが、彼女は一度に一人しか運べません。二度目に戻った時には、再度の爆発で吹き飛ばされ、耳のなかに泥がつまり耳が聞こえなくなってしまいました。ロテールはそんなところからエリザベスを安全な場所へトレースします。ロテールにとって、地下で圧死するかもしれないという状況は過去の血の森の拷問が思い出され、辛い状況ですが、ニクスに彼女を取り戻すためならもう一度拷問されても構わないといったことが現実になったのです。血が飲めなくてやつれた状態のうえに怪我をしたエリザベスに血を与え、回復させると、すぐに救出に戻ろうとする彼女を引き止め、自分を信じてほしいと言って彼女の記憶から救出するべきメンバーの顔を読み取り、炭坑内に戻ります。彼女の記憶から、彼女が一番心配しているのは叔父だとわかっていましたが、すすと泥で汚れた作業員たちは顔が判別できず、倒れたり怪我したりした者たちをまとめて何人かずつトレースして移動させます。最後のグループに叔父を見つけ助け出したものの、あと一人遠いいとこが見つけられておらず、ロテールは言わなければわからないと思ったものの、エリザベスと約束したからと思い、更に深い場所へと捜索へ向かいます。エリザベスは、自分が炭坑内にいると思っていたいとこがきれいな顔で救助をしているのを見て、ロテールが自分の誤った情報で捜索を続けていることに気づきます。自分のなかの彼の存在を意識して、彼のいる方向へトレースしていくと、大きな火のついた岩に押しつぶされ、気絶しているロテールを見つけました。

ロテールはエリザベッタの家に寝かされ、手厚く看病されていました。彼がヴァンパイアであることは家族内の秘密ですが、炭鉱の救世主となったため、妖精のようなものだと曖昧に説明され、仲間たちからも食べきれないほどお見舞いのキャセロールが届き、娘を苦しめたと彼に批判的だったエリザベスの母も完全に意見が変わり彼の味方になっています。仲間のことには口が堅いため、秘密が漏れることはなさそうです。

意識が戻ったロテールは、自分が悪かったと謝り、一緒に帰ってくれないかと頼みます。エリザベスは城に住むのは気が進まなかったため、すぐに一緒に帰るとは返事をしませんでした。ロテールに、これからはお前の意見を聞くようにする、むしろ自分に幸せを教えてくれた君から教えを乞いたい、間違ったことをすれば首を斬られると学んだと言われます。ロテールを困らせるためにここに住みたいと言われて、ここには君のお母さんのために城をたてよう、もしも戻ってくるのを日曜と祝日だけにしてくれるなら、親戚たちの家も建ててもいいと提案し、エリザベスはなんて言っていいかわからないわといって二人はキスを交わします。

エピローグ
城に落ち着いたエリザベスは、ダーシたちともよい関係を築き、周囲を居心地のよいものにして、ロテールは幸せを感じていました。ハロウィンの今日は、彼女に乗せられてロテールに夢中の弟ジョシュアといとこ8人をダーシの城に招くことを了承させられ、いまや彼らは城内をトリックオアトリートと練り歩いています。毎晩ロテールはエリザベッタと血の交換を行い、狂気はもう遠いものとなっています。エリザベッタが血を飲んで得るその日のロテールの記憶がいつも耐えられるものであるように行動して欲しいし、行動するというのが二人の決まりになりました。ロテールはエリザベッタをみて思います、彼女こそ私の究極の生きる目的、これからもずっと。

2人が結ばれるために協力してくれたニクスに報いたいと思い、ヴァルキュリーの女王の行方を捜索するのを手伝うと伝えようとロテールは探していましたが、エリザベッタを助けに行った朝別れたあと、誰からも見られていません。

母の遺言であるホルドの王位奪還については、正当な王位継承者がクリストフとエマラインの二人。暗殺しましょうかとトレハンの提案がありましたが、待機させておき、彼自身がクリストフに会いに行くことにします。彼がエリザベスの首に賞金をかけたことは許しがたい。その反応次第で決断しよう・・・。赤ん坊の時は殺そうと思ったのに、自分の方へ手を伸ばしてきて殺せなかった。オブラク山の自室で窓の外を眺めるクリストフに忍び寄り、ロテールは背後から剣を首に突きつけます。「やあ、弟よ」(終)


【覚書】
デメストリュー=ロテールの叔父フィヨードル(つまりエマラインはロテールの姪、クリストフは異母弟)
エリザベスの愛称:エリー、エリザベッタ、リザベッタ

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​それぞれの種族が否応なく巻き込まれ、種族の滅亡がかかる争いとなる大決戦が近づいている!? ローアを舞台にしたこの一連のシリーズをもっと読みたいですね!
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