Romance夢紀行

廃妃は再び玉座に昇る　 はるおかりの　読了

​​廃妃は再び玉座に昇る　耀帝後宮異史【電子書籍】[ はるおかりの ]​＜あらすじ＞「おまえを廃位する。しかるのち、極刑に処す」　花婿である皇帝、司馬雪峰から突きつけられた言葉は、幸せな結婚を夢見ていた劉美凰の心を容赦なく引き裂いた。残虐非道な稀代の悪女と呼ばれる凶后の姪で、その寵愛をほしいままにしていたがゆえに、美凰は婚礼の夜に起きた政変で断罪され、天下万民の怨敵として刑場に引っ立てられた。​　そして十年の歳月が流れ、雪峰の崩御後に皇帝となった司馬天凱は、廃妃劉氏ーー美凰が幽閉されている離宮を訪ねる。都で猛威をふるう鬼病を鎮めるため、彼女の身に宿る奇しき力が必要になったからだ。幼き頃、姉弟のように過ごした二人はふたたび邂逅し、美凰はいまだ怨憎が煮えたつ禁城に舞い戻る。こたびは紅の面紗をかぶった天子の花嫁ではなく、白き喪服をまとった、皇太后としてーー。中国っぽいですが、架空の国の後宮を舞台にしたお話。この作家さんはコバルトで各巻読み切りの同じく中華風のシリーズもありましたが、新シリーズでした。中国宮廷絵巻ドラマの「宮廷の諍い女」や「瓔珞」「如懿伝」とか少しでも観ると、本当に煌びやかな生活、衣装、地位の裏側はドロドロの人間関係、権力闘争が繰り広げられています。皇帝は至高の存在だけど、その気持ちひとつで人生が左右されてしまうそれ以外の人たちの運命の一寸先は闇。皇帝の気持ちほどあてにならないものはないと、↑のドラマをみると思いますね！　でもその不確かなものに縋るしかない立場というのが、どれだけ贅沢していても哀れというか・・・。作中ではつけ爪とか、皇太后への妃たちの挨拶とか、中国ドラマとオーバーラップするシーンが沢山あり、華やかな場面を想像しながら読むのは楽しかったです。まだ序章という印象で、これからもっとブラックへつき進むのか、それともスイートな方向へ進むのか気になります。ロマンス本のヒーローは、最終的には改心するか、少なくとも歩み寄りをみせたり、何らかの好ましい変化があり、ハッピーエンドですが、たまにロマンス本以外で人生の春夏秋冬を表現していたり、恋や愛の終焉、もしくは関係の終焉、史実の再現性など違うことを表現で追及している作品だと、わたしの希望とは違う方向へ展開していってしまうことがままあり。それでまたロマンス本に戻っちゃいます。わたしにとっては居心地よいホームはロマンス本。・・・余談になりますが、韓国ドラマですがヒロインが中国の皇后になった「奇皇后」もヒロインは女性であることを隠して武術の達人として王子の側近になって、女性ということがばれてからはスパイとして宮女として活躍して妃になり権力闘争に巻き込まれつつ宮中でも出世していくお話（盛りだくさんだけど、実際はもっと設定盛り盛り）で、最初ヒロインが女の子だと知らないで好きになってしまったみたいだどうしようとか悩む真面目な王子ヒーローがすごく可愛く、最初は身分差、次はこじれにこじれた立場の差が彼らの間を割いていて、恋路を邪魔する別の国の王もいて、すっごく面白かったのですが、終盤まさかの（ヒーローが亡くなり、殺したのはヒロインの夫、さらに理由は子供の本当の父親がばれたら彼女が殺されてしまうからという展開）嗚咽、号泣させられ、私の頭の中ではH＆Hが恋人同士になったところで終わりになっています（爆）​。歴史ものとしてはあるかもしれないな、という展開ではあり、史実も踏まえている部分もありましたが・・・ヒーローがすごく好きだったので、余計つらい展開でした（涙）。​コンパクトセレクション 奇皇后 DVD全5巻セット​