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昨年参加して印象的だった清里の原のワインランチパーティー2018(そのときのブログ)。今年も参加するために小淵沢・清里に行ってきました。 小淵沢と清里は何度も来ている場所だけに、今回は初訪問の中村キース・へリング美術館へ。こちらは医薬業界で財をなした中村和男氏が設立した、世界唯一のキース・ヘリング専門の美術館。小淵沢駅からタクシーで10分ほど。 こんな感じの売店 くつろぎスペース? いよいよスタート。一部撮影禁止で、7割くらいは撮影可能。 31歳で夭折したキースへリング。日本も好きで毎年のように来ていたとか。 こちらは特別展で別の作家 天気がよかったこともあり、自然豊かで、なかなか楽しめました。 こんな感じの緑豊かな場所にあります。写真を取り損ねたけれど、美術館のとなりに建設されたホテルキーフォレスト北杜は高いけれど素晴らしいと評判。 づづく。
2019.06.01
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サンフランシスコのダウンタウンにあるサンフランシスコ近代美術館へ。北米では、かなり評判の高い美術館とのこと。常設展は$25で、このときはマグリットの特別展をやっていたので、特別展込みのチケットはプラス$10くらいしたかも。マグリット展日本でも最近みかける、テクノロジーと組み合わせたアート。こちらは常設展建物も美しいなんだか直島と似た雰囲気若冲のタイル絵にも似た面白い作品ウォーホールこちらにはリキテンシュタインがたくさんありました。実物を見ると美しい!マティスなど20世紀の絵画があるエリアは、入り口が別で分かりづらい。事前に調べていたから、探せたものの、知らなかったら見過ごして帰ってしまうかも。今回こちらが一番の目的だったりします。ホッパーマイケルさんです写真のような絵デュシャンの泉。オリジナルは紛失したらしいからレプリカなのかな。評判通りすてきな美術館でした。
2018.10.24
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前回の続き。モネの庭トマス・ゲインズバラ「犬を抱き壺を下げる少女」。注目してしまうかわいらしさ。少年だと思ったら、少女だった。すべすべ肌のアングル一時期はもっとも好きな絵だったマネ「フォリー・ベルジェールのバー」。ロンドンのコートールド・ギャラリーまで見に行ったけれど、美術館の落ち着いた雰囲気もあり、実物は1時間でも眺めていられる名品。やっぱり好きなルソー。ロンドンまで特別展を見に行ったのは、いまでも宝物の体験。楽園のカンヴァスはルソーをテーマにした傑作小説。フィクションなのに、ノンフィクションと勘違いしてしまう巧妙さ。楽園のカンヴァス (新潮文庫) [ 原田マハ ]価格:723円(税込、送料無料) (2017/10/12時点)絵画をテーマとした映画は退屈なものが多いけれど、こちらは面白かった。そして実話なのがびっくり。黄金のアデーレ 名画の帰還【Blu-ray】 [ ヘレン・ミレン ]価格:1944円(税込、送料無料) (2017/10/12時点)ヒュー・ゴールドウィン・リヴィエール「エデンの園」Hugh Goldwin Riviere - Garden of Eden大塚でも屈指の人気作品で、彼氏にしたい男性No1だったような。他の人もブログで書いているけれど不思議な絵で、英語で探してもほとんど情報が無いのに、逆に日本語で探すと大塚で見たという結果がたくさんヒットする。彼の作品を調べると、ほとんどが肖像画で歴史画が少し。それなのに、他の絵とは違うテーマと「エデンの園」という暗喩めいたタイトル。「最後の晩餐」と名付けられたメニュー。ワインorブドウジュース付きで1800円。リッジがたっぷり盛りで、ワイン付きはお得。ゴッホ作品は品ぞろえが寂しい。「星月夜」「夜のカフェテラス」「糸杉と星の見える道」あたりが欲しいところ。ちょうど、この日は結婚式をやっていました。有名人では水野真紀や白鵬などもこちらでやっています。2日間楽しんだ大塚国際美術館も、これで終了。初日は9:30-16:30、2日目は9:30-15:00までたっぷり満喫。4つのツアーに参加したこともあり、時間は足りないくらい。おかげで時間が余ることも無く十分楽しめました。ガイドツアーの感想・ガイドツアー(2時間):→満足・近代現代ガイドツアー:→イマイチ ガイドのかたがお年を召していることもあり、話が途切れ途切れで聞きづらかった。・もっと知りたい!アートツアー「気になる怪画」:→微妙 ガイドは今回一番若い女性で大変聞きやすかったけれど内容が薄っぺら。 テキストの内容を見直すべき。・人気作品ベスト10:→断片的に聞いただけなので未評価 重複作品が多かったので断片的に参加。ヒュー・ゴールドウィン・リヴィエールを 知れたのはよかった。この美術館を楽しむヒントこの美術館が苦手な人がいるのは知っているけれど、価値観の違いなのでなんとも。隅々を気にするよりは、全体でとらえる人のほうが楽しめるかも。そして、より楽しむためには、これらを満たすことがオススメ。・2時間のガイドツアーに参加すること。・十分な時間を取ること。最低でも5時間、できれば開館から閉館まで。・長時間歩いても大丈夫な靴で来ること。改善して欲しいこと大好きな場所だけれど、いくつか改善要望を挙げます。・オーディオガイドがつまらないので、台本描き直し&声優変更。ガイドツアーに参加する人は不要。・展示スペースの問題もあるけれど、いくつか絵を追加して欲しい。いっそのこと募集をかけてみては。 - グイド・レーニ「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」 - アンリ・ルソー「眠るジプシー女」「私自身、肖像=風景」「夢」 - ゴッホ「星月夜」「夜のカフェテラス」「糸杉と星の見える道」 - ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「いかさま師」 - アルチンボルドの「四季」と「四大元素」の8点全部 なぜ計4点×2では無いのだろうと思い調べてみると、元々の絵のほうに複雑な事情があるようだ。それぞれ複数バージョン存在し(ミュンヘン版、ウィーン版など)、なかには失われているものや、作者が怪しいもの(工房作品含む)もあるらしい。とはいえ、セットになっていたほうがわかりやすいので、注釈付きでも全部展示して欲しいな。次回へ><前回へ
2017.10.04
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前回の続き。部屋から見る朝焼け。部屋には立派なお風呂があるけれど、こちらは温泉の共同風呂。朝食は、夕食とは別の部屋。おかずがたくさんあり、ついご飯が進んでしまう。朝食としては最高!食事処まで車で送迎してもらっていたけれど、帰りは歩いてみました。下りということもあり、意外な近さにびっくり。★3つで満点部屋:★★★(満足)料理:★★(サプライズが欲しい。朝食はGood)接客:★★★(満足)今回はアルコールも含めると1人8万円近く使っているいるだけに、評価のハードルも上がってしまう。値段が跳ね上がったのは、お酒を飲み過ぎていることも原因なのだけれどね...。またセンチュリーで送ってもらいました。土曜日なのでけっこうな行列。わたしが2004年に初めて行ったときは、オープン前に待っていたのは一人だけでした。平日かもしれないけど。東京都美術館に来ていたのとは違う「バベルの塔」。大好きなブリューゲルの「ネーデルランドのことわざ」ドメニコ・ギルランダイオの「ジョヴァンナ・トルナブオーニ」。ルネッサンス時代のもっとも美しい肖像画の一つ。マドリッドのティッセン・ボルネミッサ美術館にあるらしい、と思って確認したら訪問してた。汗(そのときのブログ)。プラドのきら星のような絵を見たあとに行ったから見逃してしまったのかも。プラドにあるボス「快楽の園」。こちらがいいのは、すいているからじっくり見られること。天才カラヴァッジョ。昨年、西美の特別展がよかったので、知名度が上がっているかも。ジョルジュ・ド・ラ・トゥールはいいのに、上の絵の展示方法がもったいない。「いかさま師」も展示して欲しいな。こちらも大好きなレンブラントの「放蕩息子の帰還」。こちらは本物に全然負け。エルミタージュの雰囲気はすごいからね。スペインの至宝ベラスケスの「ラス・メニーナス」。次回へ><前回へ
2017.10.03
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前回の続き。当初は近くのルネッサンスリゾートナルトに泊まる予定だったけれど、ネット検索していたら「ホテルリッジ」を発見。カリフォルニアのワイナリー「リッジ」の名前を使っていることからわかるように、大塚製薬グループが関わっているホテル。1泊2食で1人5万円オーバーと高額ながら、ゴージャスさと「リッジ」という名前に引かれ、清水の舞台から飛び降りる気持ちで泊まってしまいました。美術館からホテルまで送迎してくれました。昔のブログを見るとリムジンが写っていたけれど、今回の車はトヨタ・センチュリー。それとシボレー・アストロ(スター・クラフト)にも乗りました。22万坪、東京ドーム約1.5個分の広大な敷地に、全10室と食事処などいくつかの建物。こちらの入り口も部屋ごとに占有。高級感があり、落ち着く部屋。冷蔵庫は飲み放題。スパークリングのハーフボトルがあるという情報があったのに現在は無し。残念。アルコールはスーパードライのみ。広いバスルーム食事処まで歩いて行けるけれど、こちらも送迎付き。昭和初期 or 大正時代の建物を移築したらしい。夜はわからなかったけれど、ゆがんだ昔のガラスが一部残っていました。お品書き先付 季の物 グラスシャンパーニュでスタート。銘柄は失念。椀物 土瓶蒸しアルコールの品ぞろえは、ビール、日本酒、焼酎、ワインなど。ワインはリッジだけかと思ったら、フランスなどもあり、全部で15種類くらい。リッジに来てリッジ以外のワインを飲むのも何なので、白は日本酒を選択。1合2000円前後。リッジはシャルドネの評価も高いけれど、こってり系だったら合わせづらいのでスキップ。造り 鳴門鯛 鰹お酒ごとに酒器を選ばせてもらえました。結局4合くらい飲んだかも。石焼き あおりイカの酒盗焼き。右のイカを石で焼きます。ここの料理は全体的に器が大きく、スタッフが大変そう。そして赤はリッジ。リストを見ると以下の通り。モンテベロは小売価格とあまり違わないこともあり、ホテルに大盤振る舞いした勢いでモンテベロ2012を注文!ガイザーヴィル、リットン・スプリングス:12,000円モンテベロ:30,000円2012と2013があって、2012年を注文したけれど、2013年の評価がすこぶるいいのにびっくり。とはいえ、大塚国際美術館の売店にあったような、レア銘柄やバックビンテージは無くて残念。こちらにも飲みごろのワインを置いて欲しい。[Decanter100点]リッジ・ヴィンヤード ”モンテベロ” サンタクルーズマウンテン[2013]価格:28944円(税込、送料別) (2017/10/12時点)トップキュヴェ&若いこともあり、ボディはしっかりしているけれど過剰でない。とはいえメドックのようなエレガンスを持ってるかと聞かれれば微妙。また分かっていたことだけれど飲みごろは先。オーパスのオールドビンテージでは、何度も当たりを引いているし、熟成してなんぼのものかも。復習のために、帰ってからガイザーヴィルとリットンスプリングスを久しぶりに買ってしまいました。【正規品】リッジ リットン スプリングス[2013] Ridge Lytton Springs[2013]価格:6990円(税込、送料別) (2017/10/12時点)肉料理 阿波一貫牛食べ終わると「福」の文字が現れます。焼き八寸 季の物煮物 瀬戸内穴子 海老芋食事 キノコご飯水菓子おいしいけれど、とくに印象に残るような皿は無かった。京都で2万円も出したら食べられそうな感じ。料理は季節によって違うので一回で決めつけられないけれど、ここの真骨頂は、サービス陣の心地よいサービスと、ゆとりのある雰囲気かも。飲みきれなかったワインは部屋に持ってきていただけました。次回へ><前回へ
2017.10.02
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前回の続き。徳島駅から電車とタクシーを乗り継ぎ、鳴門の大塚国際美術館へ。こちらは10年ぶり4度目。2004年、2006年(ブログ)、2007年(ブログ)に訪問済み。2004年に訪問したときは、ガラガラだったことが懐かしい。とくにピカソやそれ以降の作品が展示されている上のフロアは、ほとんど人がいなかった。その後トリップアドバイザーで高評価されてからは、だいぶ観客が増えているもよう。この日は平日で十数人が開館待ち。そして運よく一番手で入場。ミュージアムショップは大人気こちらは大塚製薬グループの美術館で、特徴はすべて陶板&実物大で再現したものが展示されていること。古代から現代まで1000点以上の作品が展示。すべて見てまわると全長4キロ以上で、とても巨大なことに驚くはず。入場料3,240円は高いという人がいるけれど、ガイドツアーが無料であることや、丸一日いられることを考えると、全然高いとは思わない。今回はいろいろなガイドツアーに参加することもあり、2日連続で入場。2日券を作って欲しい。まあ、わたし自身も2日来たのは初めてだけれど。大塚製薬が所有するリッジのワインが売ってます。美術館限定のワインがあり、またどれも古めのビンテージ。システィーナ礼拝堂のレプリカ。本家にも行ったことがあるけれど、こちらの方がきれいに見えてしまう。音声ガイドもあるけれどイマイチなので、ガイドツアーがオススメ。今回は2時間のガイドツアーに参加。2日間いたこともあり、結局これだけのツアーに参加しました。・ガイドツアー・近代現代ガイドツアー・もっと知りたい!アートツアー「気になる怪画」・人気作品ベスト10エル・グレコの祭壇画イタリア スクロヴェーニ礼拝堂。何度も見ているから驚かないけれど、本当に美しい。こちらは発色が悪かったので作り直したとのこと。ガイドさんの話では、作り直している作品がけっこうあるらしい。一階上から見るシスティーナ礼拝堂は、ハッとする美しさ。ライティングの影響が大きい。フランダースの犬のネロが最後に見たうちの一つ、ルーベンスの「キリスト昇架」この日はけっこうな雨。美術館にあるレストランで海鮮丼。施設内にしては1200円とリーズナブル。こちらもエル・グレコの名品「オルガス伯の埋葬」。こちらはトレドのサント・トメ教会でも見ました。トレドの教会や美術館にはたくさんのエル・グレコ作品があるけれど、こちらはほぼこれだけ。以前は無かったモネの「印象 日の出」。関連会社から特別貸し出しという形で、ここ数年展示しているとか。大塚の作品を見ていると、あれっと思うものが抜けていることがあり、権利関係でうまくいっていないのかな。マルモッタンの作品はこれだけだし。こちらも実物より、きれいに見えてしまうダヴィッド。人気のゲルニカ。わたしも最初に見たときには、その迫力にびっくりしたことを思い出す。結局そのあとマドリッドのソフィア王妃芸術センターまで実物を見に行きました。ちなみに実物はスーパー厳重な警備。そのときのブログはこちらだけれど、撮影禁止で画像無し。年代ごとのゾーン以外に、テーマごとの展示もあります。エドヴァルド・フォン・シュタインレ(Eduard von Steinle/Edward von Steinle)のローレライ。無名だけれど、ローレライの表情がすごい。調べてみると19世紀のドイツ人画家で、ミュンヘンのシュレック・ギャラリーにあるらしい。ほとんど日本語ソースが無い絵画が選ばれるのには驚き。アップ画像ヤーコブ・ヨルダーンスの「王様が飲む」。このあたりは飲み屋や食事風景のエリア。テタンジェ・コレクションにもなったリキテンスタイン青の時代のピカソムートン1993のエチケットになり、アメリカで問題が発生したバルテュス(児童ポルノ扱いでNG)。エチケットになったのは違う絵だけれど、少女絵画の画家だったことに気づく。そして奥さんは日本人!ポール・デルヴォー「ローマへの道」アートコスプレフェス。みんな楽しんで衣装を着ていました。ティントレットの受胎告知。マリア様の驚きの表情がすごい。パルミジャニーノ「長い首の聖母」は美しい。ウフィツィにあるから、実物を見たことあるかも。これで大塚1日目は終了。2つかのツアーに参加したこともあり、全部は見られなかった。次回へ><前回へ
2017.10.01
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前回の続き。高松に戻り、特急を乗りついで徳島駅へ。徳島駅に来たのは3度目だけれど、こんなに栄えてたっけ? 今までは泊まるだけだったから気づかなかったのかも。今回は直島と鳴門で高いホテルに泊まるので、それ以外では節約する方針。ビジネスホテルのフロントで紹介してもらった「月の花れ」へ。300円均一という安すぎる値段に躊躇しながら入店。日本酒やスダチサワーを飲みまくり。お刺身桶盛り1,000円。盛りのよさにびっくり。東京ならば2千円、3千円はしそう。阿波尾鶏つくね鯛のかぶと煮徳島ラーメンはじめは安さに躊躇したけれど、最終的には満足でいい店でした。つづく。次回へ><前回へへ
2017.09.30
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前回の続き。直島の宮浦港から隣の豊島(てしま)へ移動。直島にアート施設が集中しているけれど、豊島や犬島にもアート施設が広がっています。30代以上ならば、東京に住んでいても豊島と聞いてピンとくる人もいるはず。20年くらい前に産廃問題で話題になった島です。その後いろいろあり、現在は回復しているもよう。こちらはバスの本数が少ないので、レンタサイクルを利用。電動で4時間1000円。ロード乗りとしては「電動いらねー」と思ったけれど、豊島美術館方面はかなりのアップダウンがあるので電動がオススメ。というか電動だけのお店がほとんど。島内には約35のアート施設があり、それぞれを見て回ります。旅行から帰って気づいたけれど、こちらのサイトに全アートの簡単な解説があります。数が多いので、訪問場所を絞って計画を立てるのがオススメ。今回は漠然と考えていただけだったので、あたふたしてしまった。豊島シーウォールハウス。初めてでよくわからなかったこともあり入場せず。いま思うと入っておけばよかったかも。豊島では、1施設あたり300円から500円かかります。それぞれの施設で支払う形式。ストームハウスネットでいい評判を見つけ期待していたストームハウスはクローズ中。平日(木曜)でも9月だから大丈夫と思っていたのが甘かった。このあと怒濤のごとく閉館中に遭遇。開館情報を確認できるWebサイトを用意して欲しい!!!檸檬ハウスもクローズ。このあたりにはいろいろなアート施設が集まっているのに、ほぼ全滅。また食事処&アート施設の島キッチンは満席で入場できず。豊島美術館手前の美しい景色。閉館の連続で心が折れかけていた中、この景色と天気に救われた。豊島美術館白いのが入り口。展示作品が一つなのに(建物と作品が一体化)、入場料は1540円と高額。だけれど今回入場した中で、唯一よかったのがココ。水が織りなす景色。京都の美しい庭が飽きないのと同じく、こちらもずっと眺めていても飽きない。時間の都合もあり滞在時間は30分くらいだったけれど、このような天気ならば1時間以上いられる人もたくさんいるはず。逆に天気が悪かったり、冬や真夏だったりすると厳しい。豊島美術館の全景こちらはカフェ&ミュージアムショップ。帰りに島キッチンによると空いていた。でも時間不足で断念。「あなたの最初の色」ピピロッティ・リスト。よくわからず。「空の粒子/唐櫃」青木野枝豊島横尾館前のお店豊島横尾館 狂気&ビビッドなカラー満載のアート群。横尾作品が好きな人ならば。「あなたが愛するものは、あなた…」トビアス・レーベルガー駐輪場の看板もアートしてます。港近くの食堂の前には、ネコがいっぱい。豊島にはソフトバンク・グループが投資しているのでPepperがありました。レンタサイクル&バイクの瀬戸内カレンの運営もソフトバンク・グループ。豊島で見たのは、これだけ。・豊島美術館・「あなたの最初の色」ピピロッティ・リスト・豊島横尾館・「あなたが愛するものは、あなた…」トビアス・レーベルガー4時間あればもっと回れるはずだけれど、閉館の影響が大きい。「豊島八百万(やおよろず)ラボ」スプツニ子に行きたかったけれど、時間不足で断念。スプツニ子さんは情熱大陸で知ったけれど、なんだか面白げ。こちらのアート「運命の赤い糸」は映像化されていてYouTubeで見られます。豊島美術館は素晴らしいけれど、閉館が多かったのと、わからないものが多かったので、かなりイマイチな豊島体験になってしまいました。Webか港には、開館情報の一覧を載せて欲しい。いちど直島に戻って、高松に行くフェリー待ち。これで直島・豊島も終了。次の目的に徳島へ。次回へ><前回へ
2017.09.29
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前回の続き。朝の家プロジェクトツアーに参加。こちらは事前申し込みが必要で、施設入場料以外に970円かかります。集合場所に行ってみると、昨日のミュージアム ギャラリーツアーと同じ学芸員のかた。話が面白い人でよかった。こちらは屋号の表札。同じ名前が多いため、名字ではなく、家の屋号で呼ぶ習慣が残っているとのこと。角屋護王神社外観はアートそのものだけれど、神社としての機能も残っていて、神事があると神主さんが、この階段を上るらしい。昨日とは全然違う天気さらに上に登ったところにある八幡神社。こんな存在は知らなかった!八幡神社随身門随身門に飾ってあるのは、上原三千代さんの「いつかは眠り猫」。南寺こちらは家プロジェクトではなく三分一博志設計の直島ホール。公民館のようなものらしい。こちらが直島ホールの内部。こちらも三分一博志設計の個人住宅「直島の家-またべえ-」。なかには部屋や井戸があり、天井を見るとジェームス・タレルのよう。直島町役場こちらもアート。ちょうど中央付近に横一列で、拡大画像じゃ無いとわからないくらい小さな文字で「いしかわかずはる」。この作者さんです。家プロジェクトツアーガイドのかたには感謝。いろいろなことを知ることができました。これで直島観光は終了。直島まとめ:今回行った場所:・ベネッセハウス ミュージアム・家プロジェクト・安藤ミュージアム・李禹煥美術館・直島銭湯「I湯」・宮浦港やベネッセハウス周辺の屋外作品今回参加したツアー:・ベネッセミュージアム ギャラリツアー・ベネッセハウスパーク アートツアー・朝の家プロジェクトツアー →全部宿泊者限定だけれど、家プロジェクトツアーは一般向けもあり。ツアーはどれも参加してよかった。ほとんどのアートは過去2回経験しているので、驚きは無かったけれど、家プロジェクトや直島銭湯「I湯」は好き。逆に、安藤ミュージアムや李禹煥美術館はもういいかなと言う印象。地中美術館は過去2回行ったことがあり、今回は入場せず。また地中美術館の「オープンスカイ・ナイト」プログラムは以前参加して、理解不能だったので参加しなかったけれど、ネットにはよかったとの評判を多数発見。その理由を読んでみると、行ってみたくなってしまった...。それ以外では、「きんざ」:前回入場したけれど、まったく理解できず。蔡國強「文化大混浴 直島のためのプロジェクト」:前回は予約して入浴。現在は入浴不可。直島に行くかたへのオススメ・ベネッセハウスに泊まるべし。明確な格差待遇あり。初めてならばミュージアム。 →株主優待を使うと3割引。ヤフオクやチケットショップで入手可能。・最低でも1日、できれば2日滞在したい。・ガイドツアーはどれもオススメ。参加したことが無い地中美術館の有料ツアーに興味あり。・レンタサイクルに乗っている人が多いけれど今回は困らず。ベネッセハウスに泊まると、2種類のバスに乗れるのは心強い。そしてオススメのアートはこちら。・ベネッセハウス ミュージアム・地中美術館・家プロジェクト全部・直島銭湯「I湯」・屋外アート群つづく。次回へ><前回へ
2017.09.28
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前回の続き。昨日から一転、とてもいい天気。5日間の旅行で、この日が唯一の晴天だった。これで買ったばかりのNikon D500が活躍しそう。とはいえ、以前使っていたD300と少し操作が違うこともあり、いろいろ苦労したのだけれど。【新品】NIKON(ニコン) デジタル一眼カメラ D500 16-80 VR レンズキット [ブラック] 家電価格:250001円(税込、送料別) (2017/9/30時点)ベランダからの風景こちらが宿泊したパーク棟パークの前の広場にはいろいろなオブジェが展示されています。こちらはスマホ画像。適当に撮ったわりにはいい感じ。朝食は昨晩と同じレストラン。ミュージアムにある和食にするつもりだったけれど、こちらの朝食ブッフェの評判が高かったのでこちらに。あらためて来ている人を見ると半数くらいは外国人のよう。ベネッセで働くには英語必須。品数はかなり充実。愛媛が近いのでポンジュース。フルーツとパンプディングミュージアムの近くにある屋外作品を見ながら散策。つづく。次回へ><前回へ
2017.09.27
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前回の続き。夕食は、同じパークにあるテラスレストラン「海の星 Etoile de la mer」。タテルヨシノがプロデュースしていると噂あり。料理は原則2つのコースから選択。注文したのは高い方のデギュスタシオンコース(税・サ込み13,068円)。ワインはそれなりにしっかりした値付け。ボトルにするかグラスにするか迷って、結局シャンパーニュ込みの泡・白・赤コース。足りないかなと思ったときもあったけれど、これでよかった。泡はシャンパーニュ・ドゥーツ・ブリュット・クラシックドゥーツ・ブリュット・クラシック 750ml (正規代理店商品)価格:4980円(税込、送料別) (2017/10/6時点)赤と白は、それぞれ2種類から選択。白は、カリフォルニアのボーグル ヴィンヤーズ シャルドネ。もうひとつは失念。赤は、ボルドーのメルローとムートンカデから選択で、前者。パテ・ド・カンパーニュ 写真を並べると、これだけビストロ料理で違和感。小豆島産のオリーブオイルは絶品アワビ何のスープだったっけ。肉用のナイフは、いろいろな色から選ばせてくれます。和牛ランプ肉のロースト、時季の野菜を添えて。モンブラン。料理と比べるとパティシエの力が入った一品。こちらはお土産にもらった小菓子前回からプロデュースが変わって、だいぶ印象はよくなったけれど、東京基準で考えるとふつう。観光地として考えればいいほう。このお店の最大の売りは雰囲気かな。今回のように、海のサンセットを眺めながら食事をできるフレンチなんてめったに無いし。ただし今回は満席&2回転ということもあって、サービス陣の機械的な接客が気になったところ。また皿出しも遅かった。料理がなかなか出なかったこともあり、8時からの「ベネッセハウスパーク アートツアー」には遅刻して参加。美術館スタッフでは無く、ホテルのスタッフが解説してくれました。杉本博司氏の作品が大量に展示。左の写真は、現在開催されている安藤忠雄展でも再現展示されている「光の教会」。これで直島の1日目が終了。ふー。つづく。次回へ><前回へ
2017.09.26
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前回の続き。宿泊者向けギャラリーツアーに参加するためにベネッセハウス ミュージアムへ。昔はベネッセハウス宿泊者ならば入れたオーバルは、現在はオーバル宿泊者だけが入場可能。昔のブログには写真が残っています。そのとき撮影したのがこちら。こちらはツアーとは関係ない屋外作品。毎回参加している夜のツアーは楽しい。今回案内してくれたのは昔からの学芸員さんで面白かった。室内は撮影できないので、屋外で撮影可能なところだけを紹介。杉本博司「タイム・エクスポーズド」(壁に貼っている写真)写真を紫外線防止のアクリルに入れたところ全然色あせない。そんなこともあって、通常のアクリルに入れて、さらに厳しいところに置いたのが、左奥の崖中央にポツンと見える四角いもの。実物はずいぶん大きいとか。安田侃「天秘」。安田さんの作品は六本木ミッドタウンにもあります。石に寝そべると、天井はタレルのような空間。オープンエアー。ちなみに泊まりで行くならば、高いけれどベネッセハウスがオススメ。昔ほどでは無いけれど、ベネッセハウス宿泊者と、そうで無い人には明確な差別化政策があります。ベネッセハウス宿泊者: 島内全域で専用バス運行。レンタサイクルもベネッセ敷地に乗り入れ可能。ベネッセハウス宿泊者以外: ベネッセエリア外は町営バスで、ベネッセエリア内はベネッセ場内シャトルバス。 レンタサイクルはベネッセ敷地に乗り入れ不可。町営バスは100円と安いけれど、 どれだけアクティブに動けるかが重要だと思うので。バスの本数が多くないだけに、両方の選択肢があるのは便利。10年前は、町営バスの本数は少ないし、宿泊者以外が乗れる場内シャトルバスが無かったので、そのときよりましだけれどね。おもな宿泊者特典まとめ・宿泊者専用バス。おもな交通手段。また運転手に宿泊棟を伝えれば部屋まで荷物を輸送してくれます。・朝と夜のガイドツアー(家プロジェクト、ミュージアム、パーク)・ベネッセミュージアム無料(宿泊費込み)・南寺の事前予約つづく。次回へ><前回へ
2017.09.25
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前回の続き。家プロジェクトのある本村からバスに乗って李禹煥美術館へ。2010年開館なので初めて。李禹煥美術館(り・うーふぁん びじゅつかん)この鉄板も作品。外観は面白いけれど、内部には作品数が少ないし、わたしには難解なアート群。うーん。入場料がかからない、外を見るだけで十分かな。ちなみに入場料は1,030円。直島も豊島も、入場料だけでもかなりの金額がかかります。2時のオープンが近づいたこともあり、次は宮浦港に行き「I湯」へ。直島銭湯「I湯」大竹伸朗実際に入浴できるのがすごいところ。内部の作りがしっかりしているので、銭湯をリニューアルしたのかと思ったら、古民家を改装したものだとのこと。大竹伸朗さんの狂気の世界が見られます。オススメ。レンタサイクルのディスプレイには水玉の自転車青いのが「BUNRAKU PUPPET」ジョゼ・デ・ギマランイスで、左奥に見える白いのが「直島パヴィリオン」藤本壮介。こちらは駐車場に止まっていた一般車。翌日黄色バージョンにも遭遇。宿泊先のベネッセハウス パークへ。一番のオススメはミュージアムだけれど、2回泊まったことがあるのと、経費削減のため、こちらにしてみました。部屋のタイプはパークデラックス。2階なので天井は、こんな感じ。壁にはジェームス・タレルの作品。館内散策へ。半地下部分は薄暗い照明でいくつかの作品が展示。こちらはラウンジ。無料でコーヒー類が飲めます。つづく。次回へ> <前回へ
2017.09.24
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前回の続き。ちなみにわたしは現代アート苦手派。だけれど2006年に、この島のアートに驚き、今回で3回目の訪問になりました。ほとんどが撮影禁止だし、他のところにもいろいろ書かれているので、内容はあまり書きません。ブルースリーの名台詞「Don't think. FEEL」じゃないけれど、感じるものを伝えるのは難しいので。民家の塀の上のアート。こういう小作品が多いので、家プロジェクト近辺は徒歩で回りたい。「南寺」ジェームズ・タレル初回に入場。2006に初めて来たときには「これが体感する現代アートか!!!」と驚いたことを思い出す。この日は天気が悪かったこともあり、すぐに目が慣れた。逆に天気がいいと目が慣れるのに時間がかかるのだ。家プロジェクトでは一番人気。南寺も、このトイレも安藤作品。以前は無かった安藤ミュージアム。これまでの軌跡が展示されています。翌日のツアーで聞いたところ、こちらはミュージアム開館前からあった壁画。アマチュアのかたが作成したこともあって、痛みが激しいのだとか。木の外観なのに、中は安藤さんのコンクリートむき出し。「角屋」宮島達男家プロジェクトでは南寺とともに好きな場所。奥に座ってじっくり眺めたい。家プロジェクトのある本村地区の中心施設「本村ラウンジ&アーカイブ」。「碁会所」須田悦弘 解説が無いと、スーパー難解なアート。この先に「石橋」千住博。写真撮り忘れ。こんな感じのカフェがあちらこちらに。直島町役場漁船の浮きを使ったアート「はいしゃ」大竹伸朗 現代アートの中には解説が無いと理解しづらいのもあるけれど、大竹さんのは好きか嫌いかは別にして「どうだ!」と言わんとばかりのタイプ。ある意味、岡本太郎の太陽の塔。個人的には好き!「あいすなお」というお店でランチ。けっこうおいしくてオススメ。たしか850円。町営バスも草間彌生カラー。バスの本数が少ないので、ベネッセハウスに泊まっていると宿泊者専用と町営の両方に乗れるのは便利。結局、町営バスに乗ったのは1回だけだった。つづく。次回へ><前回へ
2017.09.23
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前回の続き。ベネッセハウス宿泊者専用バスで家プロジェクトへ。バスの話は後ほど説明。開館の10時前に着いたので近所を散策。10年ぶりだけれど意外に土地勘が残っていた。10年前とはだいぶ違う。お店は増えているし、おしゃれ感もアップ。以前訪問したときは、だいたいこんな印象。2006年:観光客は少なく、外国人もほとんどいない。ランチのお店や宿泊施設もほとんど無し。家プロジェクトは「角屋」「南寺」「きんざ」「護王神社」だけ。この年には新しい家プロジェクトが完成しているのだけれど、訪問したあとだった。2007年:観光客はそこそこ。外国人も少々。ランチのお店はそれなりにあった。とくに印象的だったのは2006年の出来事。家プロジェクト近くのソフトクリーム屋で食事を食べられるお店を聞いたところ「このあたりに住んでいるのは年寄りばかりで外食しないからお店も無いよ」と言われたこと。そのときとは隔世の感がある現在。そして今回驚いたのは、外国人の多さと(とくに欧米人)、アート施設スタッフの変わりっぷり。外国人比率の高さは驚くほどで、場所によっては半分以上かも。また10年前の家プロジェクト受付は、近所のおじさんがイスに座ってやっていたけれど、現在は若い人が中心。英語ができないと厳しいからね。今回の観光方針は、はじめての施設を中心に回って、あとはギャラリーツアーに参加。翌日はとなりの豊島(てしま)。オープン前だったので、建物に入らなくても見られる護王神社に行くことに。こちらもアート。遠方に見えるのは直島町役場。「護王神社」杉本博司光学ガラスで作った階段。高そう!中に入るのは有料。つづく。次回へ><前回へ
2017.09.22
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夏休みに香川、徳島、倉敷、京都に行ってきました。最初の目的地は「ベネッセアートサイト直島」。東京駅から高松に向けて高速バスで出発! スキーツアー以外の夜行バスは初体験。3列シートで居住スペースは広いし、早割で6千円アンダーという料金はよかったけれど、問題だったのは車内の雰囲気。20時50分出発と遅くないのに、みんなカーテンを閉め切り、静かにしなきゃいけないプレッシャーがビンビン。われわれ以外はほとんど誰も飲み食いしていない。われわれは平日の会社帰りと言うこともあって、デパ地下でお総菜やお酒を買いこんだけれど、かなり気を遣いながらの食事。まだバスタ新宿にも着いてないんですぜ。大きな声を出すつもりは無いけれど、このプレッシャーはきつかった。このような雰囲気になったのは、平日で乗客のほとんどが年配のかただったことにも起因しているかもしれない。なかなか寝付けなかったけれど、耳栓をしたらようやく寝れた。そうこうしている間に、翌朝6時半くらいには高松駅に到着。駅前にあったうどん屋へ突入。...。金比羅さんの参道と同じ体験。一般に想像するコシのある讃岐うどんとは違う。高松丸亀町商店街だと、おいしい店はたくさんあるのになあ。高松駅前お土産屋に入ると、うどん関係のものが目立つ。讃岐ワインも発見。旅の帰りならば買って帰りたかった。こちらもアート。フェリーで直島へ。直島に行くのは10年ぶり3度目。以前は2006年と2007年で、2006年は過去ブログにあり。そしてフェリーが草間彌生カラーでびっくり。数年前に竣工した船らしい。1時間弱で直島に到着。ベネッセアートサイト直島は、その名の通りベネッセ(旧・福武書店)が手がける現代アートの島。こちらの草間彌生の作品。つづく。次回へ。
2017.09.21
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東京国立博物館で開催されている「禅 心をかたにち」に行ってきました。白隠はいいと思うものの、それ以外はあまり心に響かず。アートは好みが分かれますからね。帰りぎわに上野公園を通ると「TOKYO 数寄フェス」というイベントがやってました。シャボン玉がすごくて、人もく集まっていました。そしてこちらは伊藤園のブース。いろいろなお茶の試飲をしていました。帰りは、上野駅前のワインバーで軽めに飲んで終了。絵画については、それなりに詳しいつもりだけれど、やっぱり好みが重要ってことを再認識。
2016.10.23
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前回アンリ・ルソーを取り上げたので、ルソー展を見るためにイギリスのテートモダンに行ったときの写真を紹介します(2006年)。ロンドン橋ロンドン ナショナルギャラリー イギリス最強の美術館であり、世界でも屈指のコレクション。バッキンガム宮殿 ちょうどパレードが行われていたターナー作品をたくさん持っているテート・ブリテンサー・ジョン・ソーンズ美術館小さな個人美術館。だけれど、ここにはイギリス人で一番好きな画家「ウィリアム・ホガース」の作品をたくさん所蔵している。イギリス人画家はターナーが圧倒的に有名だけれど、ホガースもそれに匹敵。美の巨人たちを見て好きになりました。とはいえ見てきれいな絵ではなく、内容に意味がある絵なので、美の巨人たちで紹介されなかったら巡り会えなかっただろうなあ。美の巨人たち「ウィリアム・ホガース」(前編)「放蕩息子一代記」美の巨人たち「ウィリアム・ホガース」(後編)「当世結婚事情」 こちらはナショナルギャラリーコートールドギャラリーマネの代表作「フォリーベルジェールのバー」。こちらももっとも好きな絵の一つ。ソファーがあってゆっくり眺められるようになっていたので、久しく鑑賞していました。ビッグベンワインを買いにBBR本店にも行きました。そしてルソー展が開催されているテートモダンへ。世界中からほとんどのルソー作品が集まっていた。これほど大規模なものは日本に来ないだろうなあ。コッツウォルズへ。田舎だと思っていたら、意外に観光地化されていた。イギリスに行ったので、イングリッシュティーとスコーン、クロテッドクリームフィッシュアンドチップスも、もちろん食べました。ここの料理はかなりおいしかった。ハリー・ポッターの食堂の撮影に使われたクライストチャーチカレッジ。大英博物館久しく海外旅行に行っていないので、また行きたくなってしまった。
2012.12.05
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アンリ・ルソーを題材にして今年大ヒットした「楽園のカンヴァス」。アンリ・ルソー展を見るためにイギリスまで行くほどの大ファンなのに、今ごろになって読んでみました。歴史的事実をベースとしたフィクション(ミステリー)。ルソーに対する愛に満ちた著者の文章には引き込まれます。読み終わったあと、温かい気持ちになれる。一日で読んでしまいました。おすすめです。代表作の「夢」に酷似した「夢をみた」という作品の真贋鑑定を中心に繰り広げられる物語です。「夢をみた」という絵の存在は著者のフィクションなのですが、本当にあるのかと思ってしまいました。【送料無料】楽園のカンヴァス [ 原田マハ ]価格:1,680円(税込、送料別)今回の題材となった「夢」。個人的には、それほど注目していなかった絵なのですが...。実物を見たことあるんだけどね。ルソーの最高傑作の一つ「ヘビ使いの女」→美の巨人たちへのリンク国立新美術館のオルセー展で日本にも来た「戦争」。右下のカラスにつつかれているひげの男は、ルソーの恋敵だとか(笑)。こちらも代表作の「私自身:肖像=風景」。めちゃくちゃな遠近感はルソーの得意とするところ。左下の人は、まるで小人です。そして足首を描くのが苦手なので、どうもおかしい。ヘビ使いの女では、草で隠しちゃってます。眠るジプシーの女ライオンの食事これを見ておかしいところに気づきますか?木の先端が全部ストンと切り落とされています。なぜかといえば、パリの植物園で写生したから(笑)。ルソーは、若いころ入っていた軍隊のメキシコ遠征で見た密林の風景に触発されて緑を描くようになったと友人たちに話しています。でも実は遠征はしていなかったんですね。後生の研究家が解き明かしました。行ってなかったからこそ、パリの植物園で写生に励み、本の写真なんかも題材にしています。植物園は屋根があるせいで仕方なく木の先端を切り落としていました。でもルソーはそれを知らずに、こんな木だと思ってしまったんですね。かわいいオヤジです(笑)。ロンドンのテートモダンで開催されたルソー展では有料のセミナーに参加しました。その講師曰く「ルソーの絵は、素直な心で、微笑みながら鑑賞するのがポイントよ」と言っておりました。
2012.12.04
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丸一日空いていたので、両親のおもりもかねてグアム一周のオプショナルツアーに参加してみました。グアム島で最大の激戦地スペイン古橋 歴史はあるのかもしれないけれど、あまりにも小さくてびっくり。島の南側にあるソレダット砦タロフォフォの滝横井さんが発見されたのは、この近く。本物は崩れてしまったようで、これはレプリカらしい。フィッシュアイマリンパーク恋人岬ツアーとは別に、週に2回(?)開催されているナイトマーケットホールではライブ。ボーカルの人はうまかった。たこ焼き大人気気が向いたら投票お願いします→
2010.05.11
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東京都市大学(旧 武蔵工業大学)で開催されたキャンパスイルミネーション 2009に行ってきた。このイベントは昨年初めて見て感銘を受け、心待ちにしていたものだ(昨年の様子はこちら)。昨年と同じカメラとレンズで撮影。でも今年はイマイチの写真が多くてセレクトに困った。一番の失敗は露出アンダーの写真が多すぎたこと。こまめに露出とホワイトバランスを変えていたのだけれど、暗闇のなかで見る液晶モニターは、実際の画像よりも明るく見えることが多く、-1.0EVくらいにして失敗している写真が多かった。自転車熱が上がりすぎて写真の腕が落ちたのか?使用機材は以下の通り。三脚不使用。暗い場所での撮影ではISO感度自動制御が便利ですぜ。Nikon D300Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6Gそういえば最近D300sが出ましたね。とはいってもマイナーチェンジで一安心。当分デジカメを買う予定はないけれど、これから買うならオリンパス・ペン E-P1や、コンパクトだけれど防水のμTough-8000が欲しいな。【送料無料!】《新品》OLYMPUS(オリンパス) PEN E-P1ボディ シルバー【キャンペーン対象】オリンパス ミュー μ TOUGH-8000 [シルバー]で、そんなことはさておいて本題です。このイルミネーションは工学部建築学科の生徒が主体となって毎年開催しているイベントで入場無料。プチプチに包んだLEDライトがちりばめられている。これを適当に投げて遊んでいいらしい。滝を表現しているらしいLEDライトが釣り糸でつるされている。実物のホタルよりきれいかも。露光間ズームを試してみました。手持ちだとちょっと苦しい。燃料電池車体験コーナーとしてシャッタースピードを15秒にして、好きな文字や絵を書くというのがあった。うまく書くのは難しかったけれど、出来上がりを見たスタッフの方に「自転車ですか」と言われて一安心。今年も楽しませていただきました。関係者のみなさんありがとうございます。また来年も期待しています。気が向いたら投票お願いします→
2009.10.11
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Part1からの続き。続いて星の王子さまミュージアムへ。計画当初は、あまり興味がなかったのだけれど、念のためにと予習で「星の王子さま」を読んだら、行きたくなってしまった。現在では著作権が切れているため、いろいろな訳が出ている。もっとも有名なのは内藤濯の訳なのだけれど、軟弱なわたしは、読みやすいといわれている新潮社の河野万里子訳を読んだ。ワイン好きが「サン・テグジュペリ」と聞いて思い出すのはボルドーのマレスコ・サン・テグジュペリ。著者のアントワーヌ・サン・テグジュペリとは直接関係ないけれど、親戚筋が関わっていたシャトー。シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリ [2004] 750ml宇宙船のように見えるのが星の王子さまの星ものすごくチープな可能性を危惧していたのだけれど、意外にちゃんとした展示。フランスの田舎町っぽい町並みが再現され、映像館と展示館、チャペルがある。とくに展示館には著者のサン・テクジュペリに関する資料がたくさんあり、ひとつひとつ見ていたら2時間以上はかかりそう。映像館では15分程度の映像が流れているけれど、ダイジェスト過ぎるので30分くらいだとうれしい。あまり期待していなかったわりには、今回訪問した4館中3番目の評価。ここのレストランもおいしそう。時間不足のため名残惜しみながら通過この日の最後は、一番の目的のポーラ美術館へ。ここは仙石原にありながら、ちょっと離れた山の上にある。星の王子さまミュージアムからは2キロくらいなので当初は歩いていこうと思ったけれど、バスで行って正解。ずっと登り坂なのでけっこうきつい。このときはシャガールわたしの物語2008/3/27-9/7という特別展が行われていた。約30点でシャガールの特別展としてはまあまあのクオリティ。わざわざ来たかいはあった。また常設展も充実している。19世紀から20世紀初頭にかけての有名画家による西洋画、日本画が充実している。常設展はときによって特定画家の作品ばかりになってしまうこともあるようだけれど、今回は「ポーラ美術館の絵画」というテーマでいろいろな作品を見れてよかった。またここのオーディオガイドは秀逸。特別展だけでなく常設展も含めボリュームたっぷり。最後は「ジャズで奏でるシャガールの物語」というイベントに参加。ところが意外に趣味に合わないというか、自分自身の疲れもあってあまり楽しめなかった。終了後は、終バスに間に合わせるため、高速バスのバス停までダッシュ。急な下り坂を約1.5キロ。下り坂の怖さは知っていたつもりだけれど、日ごろの運動不足がたたり3日くらい筋肉痛が残ってしまった。仙石楼バス停付近まとめ:6時起きで7時のバスに乗り、自宅に着いたのは21時前。途中ほとんど休憩も取らずに、意欲的なスケジュールで4つもまわってしまった。正直なところ、楽しみに行ったというよりは、疲れに行ったという気がしなくもない。おかげで翌日のChar@diaryさんとの飲みではヘロヘロになってしまった。とはいえ、たくさん見れたのは収穫だった。次回行くときにはできれば泊まり。日帰りならば食事なども楽しみながらゆったりと過ごしたい。今回訪問した私的ランキング1. 箱根ラリック美術館2. ポーラ美術館3. 星の王子さまミュージアム4. 箱根ガラスの森美術館気が向いたら投票お願いします→
2008.05.10
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箱根へ美術館巡りに行ってきた。きっかけは、箱根ポーラ美術館のチケットが当たったこと。それで調べてみると、入場者向けのジャズコンサートが開催される日があったので、この日に行くことにした。あいにくこの日は雨。 最近の休日は天気が悪い。箱根といえばロマンスカーだけれど、今回使ったのは小田急の高速バス。これだと箱根の美術館付近まで直通なので便利がいい。箱根にはたくさんの美術館があるけれど、とくに仙石原と呼ばれる地域には密集している。今回訪問した美術館も全部その地域。最初に訪問したのは箱根ラリック美術館。ガレと並ぶガラス工芸で有名なルネ・ラリックの美術館。2005年開館と新しい。調べてわかったのだけれど、箱根の美術館の入場料はいずれも\1,500前後と高い。チケットショップや前売り券、割引券などを活用したい。今回、都内のチケットショップではほとんど見つけることができず、割引券や前売り券を利用した。ラリックについてはローソンのLoppiで\300引きの前売り券を購入できる(Lコード:39049)。箱根ラリック美術館緑あふれる豊かな場所で、敷地には美術館棟のほかに、雑貨屋のような大きな土産物屋やレストランなどがある。レストランや土産物屋にはチケット無しでも入れるようだ。今回は入らなかったけれど、ここのレストランはおいしそう。また土産物屋(雑貨屋)はとても充実している。奥に見えるのが美術館棟展示品は、香水瓶や花瓶などのガラス工芸品を中心に、貴金属の宝飾品なども展示されている。新しい美術館らしく、とても美しい内装&展示が印象的。作品点数も多いので60分はゆうにかかる。ガラス工芸は日ごろ見慣れていないこともあって、今回訪問した美術館では一番印象的だった。オリエント急行レストランの横にはヨーロッパから輸入したオリエント急行の車両が展示されている。7年くらい前までフランス=トルコ間を走っていた車両。なぜあるかといえば、内装をラリックが手がけているから。別途\2,100払うと、中に入ってお茶を飲める。高いとは思いつつも、めったに来ない場所なので入ることにする。時間ごとの入れ替え制で45分間。内容は以下のとおり。・ポットサービスのコーヒーor紅茶、ケーキ・説明映像・係員の説明イスやテーブル、スタンドライトなどすべてオリエント急行で使用していたもので、内装や塗装も一切いじっていない。列車とは思えないゆったりさを満喫できる。ただしお茶とケーキがついているとはいえ\2,100は微妙。美術館の入場料と合わせて考えると\3,600もしてしまう。せめて\1,000-\1,500くらいにして欲しいところ。美術館の敷地は緑にあふれていて美しい箱根ラリック美術館はお勧め。オリエント急行に入場しない場合でも2時間の余裕は持ちたい。続いて、箱根ガラスの森美術館へ。ここはヴェネツィアをイメージした美術館で、伝統的&現代ヴェネツィアン・グラスが展示されている。また今回は「愛の扉をひらく指輪展」という特別展も開催されていた。上記写真のアップこれからだけれどあじさいの散策路があるミュージアムショップ1展示室と同じくらいは言い過ぎかも知れないけれど、相当大きなミュージアムショップがある。それまでまじめに見ると1時間以上はかかりそう。また併設のカフェではカンツォーネの生演奏がある。ヴェネツィアングラスに興味のある方はどうぞ。とはいえ、わたし自身はそれほど興味がないこともありいまいち。また建物が人為的でヴェネツィアとは違うような...。とはいえ、特別展の「指輪」はけっこう面白かった。Part2へ続く。気が向いたら投票お願いします→
2008.05.09
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パリのシャルル・ド・ゴール空港で友人と別れて、一人でパリ市内へ。パリには2泊3日の滞在。■無計画すぎたこれまでパリの行動は具体的に立てていなかったので、フィレンツェからパリへの飛行機のなかで考えていた(遅すぎる!)。行ったことがないところだと、ベルサイユやアンヴァリッド、ようやく修復が終わったオランジュリー。さらには2年前にたっぷり見たルーブルやオルセーにも行ってみたい。2泊ということで余裕を持っていたのだけれど、帰りの日や夜入りであることを考えると実質1日半しかない。しまったー! というか間抜けすぎ。それで考えたのが以下の予定。とてもタイトなスケジュールになってしまった。はたして予定通りに回れるのだろうか。おぼろげながらイメージしていたシャンゼリゼやモンマルトルの散歩はすでに消滅。Day1.ベルサイユ宮殿アンヴァリッドオランジュリー美術館買い物Day2.朝市ルーブル美術館オルセー美術館■ストは突然にで、シャルル・ド・ゴール空港の話。パリには2回来たことがあるのだけれど、一人で来たのは初めて。今まではツアーバスか、友人まかせのタクシーだったので、自力で市内に行ったことがない。でもロワンジーバスがホテルの近くまで行っていることがわかったので、何とかなるだろうと思っていた。でも、しっかりトラブりました。ロワンジーバスは、空港からオペラガルニエまで直通で、20時以降は20分おきに走っている。バッゲージ・クレームで荷物をとるのに手間どってバス停に着くと、タッチの差で出発。この時点では「20分待ちくらいたいしたことない」と思っていた。だがいくら待っても次が来ない。30分以上たって、それらしきバスは来たのに通り過ぎていった。通るバスは、エール・フランスのリムジンバスばかり。列に並んでいた人も次第に離脱していく。わたしも離脱したかったけれど、離れた瞬間に来たらどうしようとか、ほかのルートを考えていなかったこともあり、待つことにした。それにしても寒いし不安になる。また夜の11時に近づくと、ほかの公共交通手段も終わりに近づくので時間も気になる。ついにブチ切れたのは並んでから1時間半後。念願のロワンジーバスが来たと思ったら、ドライバーは「チッチッ」と人差し指を振るジェスチャーで通り過ぎていった。もう我慢ならん!タクシーも考えたけれど、それは最後の手段。ほかのバスもあてにならないと思い、電車のホームに向かうことにした。ところがである。切符を買おうと自動販売機に行くとどうもおかしい。まったく動かないのだ。旅行者らしい美しい金髪のお姉さんも自動販売機と格闘している。警備員らしき人に聞いてみると「スト中で電車が少ないうんぬん」。次の電車はすぐ出るとのことだったので、切符を買わず(買えず)に突入。自動改札はそのまま通れるようになっていた。結局電車(RFR)に乗ったのは11:13。最初のバスを乗り過ごしてから2時間後の出来事だった。30分弱でGare du Nord駅に到着。ここからホテルまでは1キロ強。歩いても行ける距離だけれど、荷物はあるし夜遅いということで地下鉄に乗ることにした。こちらもスト中らしく自販機は動いてなく、自動改札も自由に通過可能。乗ってほっとしていると、こんどは電車が停電。ガーン!こんなのあり?非常灯の薄明かりのなか、フランス語のアナウンスが流れてくる。フランス語がまったくわからないわたしには理解不能。何が起こっているのか、いつ回復するのか、まったくわからない。あきらめ状態で呆然としていると10分程度で回復。ようやく発車。乗り継いで、目的の地下鉄12号線のSt-Georges駅に到着。ここまで来れば大丈夫だとは思いつつも、不安がないわけではない。チェックインが遅いので他の人に貸して空き部屋がないとか、夜遅いので正面玄関にカギが閉まっているとか、というトラブルもあり得る。前金で支払っているから大丈夫だと思いつつも不安になる。ホテルに到着すると、ドアも開いていたし、フロント係も愛想よくあいさつしてくれた。ここでようやく安心。結局ホテルに着いたのは夜の12時30分。9時にはシャルル・ド・ゴールに着いていたのに!明日以降の滞在中もストに悩まされるのであった。ストのインフォメーションに群がる人々超タイトスケジュールで、こんなのばかり食べていましたPart12へ続く。Part10へ戻る。気が向いたら投票お願いします→
2007.12.10
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いよいよイタリア最終日。昨日は少し雲が出ていたけれど、今日はまた快晴。映画「情熱と冷静のあいだ」の舞台にもなったドゥオーモのクーポラへ。屋上まですべて階段で登れるようになっている。朝の開門と同時に行ったら一番乗り! そしてほかの客もいなかった。途中の追い越しが困難なだけに後続者がいないのは気が楽だ。階段の途中に、いろいろなものが展示されている階段は上りと下りが別々になっている。途中まではらせん階段で垂直に登り、半球状のドーム部分からは、屋根の形に添って大きな渦を巻くように登っていく。ある程度垂直に登っていくと途中からドゥオーモ内の通路に出る。天井画の鮮やかさに「おー!」と声を上げると係員に「シッ!」と怒られてしまった。帰りに撮った写真。丸い窓の下に、上り用の通路があり人が見える。窓の上の通路は下り用。これを半周したあと、この天井画と天井の間にある階段で登るようになっている(つまり天井は二重構造になっている)。最後まであと少しドーム状の天井に沿ってぐるりと登ったあと、最後のラストスパート。ここだけは直線になっている。転げ落ちたら死にそうな階段。天井のラインが少し弧を描いているので、ドームを登っていることがわかるはず。このあたりに来るとだいぶ息も切れ切れ。休憩しながら。それにしてもハイシーズンで込んでいたら、後ろからのプレッシャーが怖いのではないだろうか。今回は人がいなくて助かった。約10分で到着!屋上の扉360度のパノラマ。ここに立つとフィレンツェが盆地であることがわかる。それにしても朝の空気は気持ちいい。登ってよかった。高いところが弱いわたしはフェンスに近づけず、腰が引けながら撮影(涙)。しばらく見たあとは下り。天井画の近くまできたところで、しばらく絵を鑑賞。天井画のアップ。最後の審判出口登るのが大変ということで、当初ちゅうちょしていたドゥオーモの屋上。でも登って正解。朝ということもあり、とても気持ちが良い。続いてメルカート・チェントラーレ(中央市場)へ。まわりには露店がたくさん。生ハムが安い。トスカーナ産プロシュートD.O.Pは12euro/kilo。でもチンギアーレ(イノシシの生ハム)は47euroフレッシュのポルチーニも日本に比べればはるかに安いヴェキオ橋からの風景妙に青いと思った方正解です。ホワイトバランスの設定が間違ってました。イタリア最後のランチ。事前にチェックしていたカミッロへ。ホテルのフロントに場所をきくと、あの店はおいしいよと言ってくれたので一安心。ヴェッキオ橋を渡ってすぐに右折し、細い道を数百メートル行ったところにある。今まで行った店のなかでは比較的大きな店で50人くらいは入りそう。Cammillo(カミッロ)Borgo San Jacopo 57/rTEL +39. 055-21242712:00~14:30,19:30~22:30火曜、木曜休ヴェキオ橋の南側生ハムと水牛のモッツァレラ今まで食べた水牛のモッツァレラで一番おいしいかも。脳髄まで響く鮮烈な味。モッツァレラは新鮮さが命と言うけれど、それを実感。ボッタルガのパスタ麺がノビ気味だけれど、ボッタルガの触感がおいしい。リボリータポルチーニのグリル?タコのグリル。奥に見えるのが花ズッキーニのカッテージチーズの詰め物フィレンツェは内陸なので毎週金曜日(?)しか魚が入荷しないとのこと。それで金曜日は魚介のメニューが並ぶ。サービスは面白いおじさんでした念願のビステッカ・アッラ・フィオレンティーナキアナ牛の炭火焼き。1キロ。焼き上がった骨付きの固まり肉を、目の前でカットしてくれる。女性陣は「ランチではビステッカ・アッラ・フィオレンティーナは無理」と言ってたのにみんなパクリ。いやーうまいッス。このときからブロック肉かぶりつきたい症候群にかかってしまった。白トリュフのパスタ?ビスコッティとヴィンサントここでもヴィンサントをいただく。フィレンツェでは習慣みたいなものなのかな。飲んだワインは以下のとおり。5人で4本。フレスコバルディのスパークリングとハウスワイン赤。このフレスコバルディの泡が、なぜか、ものすごくうまい。今回飲んだ泡ではNo.1。キレがあって鮮烈。2001 Cantinino(Castello Sonnino)今回の旅行ではそれほど高価なワインを飲んでいないこともあるけれど、滞在中に飲んだなかではもっとも印象深かったもの。サンジョベーゼ100%のトスカーナIGT。お店で30euroくらい。ビンテージが違うので公平ではないけれど、アンティノリで飲んだ高額スーパータスカンよりも印象的。日本に輸入されていないか調べたところ、まったく同じ作り手の別のワインはあった。サンレオーネ ソンニーノ[1999]この店は、今回訪問したなかでは高めで、また値段のわりにポーションは小さめ。料理によって完成度のばらつきはあるけれど、全体的には満足度が高い店だった。とくにビステッカはお店の看板料理でもあるのでぜひ。ワイン&料理ともに、締めにふさわしいおいしい店でした。出発まではもう少し余裕があるので、マザッチョの壁画で有名なサンタ・マリア・デル・カルミネ教会へ。この教会は変わっていて、礼拝堂は数十分間隔でクローズされる。またミニシアターのようなものがあり、そこで1時間近い映像を見るようになっている。するとお酒を飲んだこともあり、友人とともに爆睡。気がつくと集合時間が迫っていた。ヒー! あせって礼拝堂を見学。左の柱にあるのがマザッチョの「楽園追放」バスでフィレンツェの空港へ。6日間もフィレンツェに滞在するのは最初で最後かもしれない。楽しいときでした。さようなら、フィレンツェトランジット先のパリまでは友人と一緒で、そこからは一人でパリへ。このあとパリではトラブルに見舞われるのだけれど、それはまた次の話。Part11へ続く。Part9へ戻る。気が向いたら投票お願いします→
2007.12.06
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狩野永徳の初めての回顧展が京都国立博物館で開催されたので行ってきました。紅葉ど真ん中のハイシーズンということで、朝9時前からバス停は激込み。おかげで今回はタクシーをよく使いました。9時過ぎに到着すると、かなりの行列。とはいえ、ちょうど入場を開始したばかりで順調に進む。開催終了前日という若冲展と同じ条件ながらも、25分待ちで入場。予想の範囲内で入場できてラッキー。特に前半は込んでいる。そしてその最高潮が洛中洛外図屏風。列を作らず「どこからでもいいですよ」と係員がガイドしているため大混乱。20分近く並んだけれど時速ゼロ。一番前に並んでいる人さえ、身動きできずに困っている。相国寺で行われた若沖展もそうだけれど、これはやめて欲しい。車イスの人などはまったく近寄れません。参考にして欲しいのは新国立美術館のフェルメール展。並ぶ列は1列だけにして、じっくり見たい人は後ろのスペースから。屏風絵と油絵では、絵の大きさも違うし見方は違うけれど、まったく進まないような行列には耐えられません。よかったのは唐獅子図屏風と花鳥図襖。唐獅子のほうは、今回のポスターにも描かれているのに、なぜかゆったり見れた。前半でみんな精根尽き果ててしまったのか。今回の特別展には永徳以外の狩野派も展示してあったけれど、やはり永徳の筆は光る。元信、探幽とならび、狩野派の中で特別視されているのはわかる。東京でも巡回展やって欲しかったなあ。それと宮内庁の三の丸尚蔵館が保有しているものが意外に多い。宮内庁のホームページをこまめにチェックしろということか。その後は6月に続き祇園花霞でランチ(6月訪問時のブログ)。・蓮根の饅頭・タイのお造り・ぶりの柚庵焼き・ご飯・味噌汁・お新香・水菓子あと2品くらいあったけれど失念。鯛のお造りは、熟成させて少し柔らかくなった身を厚めにスライスして絶妙の歯ごたえ。絶品。締めの味噌汁以外は薄めのだしで、相変わらずわたしのストライクゾーン。とはいえランチは、その後の予定もあって忙しいので、次回は夜に訪問予定。ゆっくりした方がくつろげます。---祇園花霞 京都府京都市東山区祇園町北側279-13 14番路地 075-525-2726 11:30-13:30(LO), 17:30-20:30(LO) 昼\4,500、夜\8,000~ http://www.gion-hanakasumi.com/その後は河井寛次郎記念館へ。歩いている途中にポスターなどでよく見かける八坂の塔を発見。こんなところにあったとは知らなかった。祇園から徒歩20分弱。河井寛次郎記念館は、五条坂交差点から少し入ったところにある。自宅を改装した小さな建物なのに、年間パスポートが設定されている不思議な場所。表通りから1本入っただけなのにとても静か。ちょっと二条城に立ち寄る。Part2へ続く。気が向いたら投票お願いします→
2007.11.17
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今回の友人は、フィレンツェに来たことのある人ばかりだったので、1日フリーの今日はシエナへ行くことにした。シエナは、フィレンツェから南へ100キロほど行ったところにある都市だ。シエナ県の県庁所在地であるほかにも、大学などがあり、学問と芸術の町らしい。ホテルのフロントの人には「シエナはスリが多いからパスポートはホテルに置いていけ」と言われた。さすがスリが多いイタリア。フィレンツェからシエナへは、SITA社のバスで1時間15分ほど。サンタ・マリア・ノヴェッラ駅近くのバスステーションから出ている。後ろの座席には落書きがいっぱい写真はないけれど、シエナへ行く途中、高速道路からはブドウ畑やオリーブ畑が見える。イタリアの風景らしい。予定通り1時間15分でシエナへ到着。まずは町の中心地カンポ広場(Piazza del Campo)へ向かう。このトンネルをくぐるとカンポ広場カンポ広場シエナの中心的存在がカンポ広場。扇型というか、浅めのすり鉢を半分にしたような形。中心部に向かって傾斜している。さらにその中心に位置するのがプッブリコ宮(市庁舎:Palazzo Pubblico)。現在は、市立美術館(Museo Civico)とマンジャの塔(Torre del Mangia)として解放されている。プッブリコ宮(市庁舎)ここで塔に登るグループと、美術館に行くグループに分かれることにした。あまり高いところのは得意じゃないわたしは、もちろん美術館組(笑)。塔の上から見たカンポ広場。扇型になっているのがわかる。美術館は、まあまあかな。驚いたのは↓の写真にもあるワールドカップ。15世紀前後の絵画や壁画のなか、いきなりイタリアのワールドカップが展示されていた。館内は撮影禁止だけれど、ここだけは暗黙の了解とういか、イタリア人っぽい人たちも写真撮りまくり。警備員の人は微動だにしないで退屈そう。ジェラートの本場だけに、おいしいそう!次にドゥオーモへ向かう。ここは大聖堂だけでなく、美術館や付属施設などいろいろあり、大聖堂に登ることもできる。チケットも、それように周遊チケットも販売されている。ローマの建国者ロムルスとレムスが狼の乳を飲んで育ったという伝説に基づくモザイク画大聖堂の上に登る。途中階があり、そこでは絵を描いている人がいた。最頂部まではさらに細い階段を登る。市庁舎のマンジャの塔と、それほど違わない高さ。360度のパノラマ。写真では表現しづらいのが残念。あまり柵が高くないので、けっこう腰が引けてました。他にも付属美術館や洗礼堂など、いくつかを回ってから、市内散策。なお、こちらの付属美術館は、著名画家の作品こそ少ないものの、作品のクオリティ&希少性という意味でけっこうすばらしい。市立美術館よりも、だいぶ良いと感じた。イノシシの看板が出ているのはハム屋さんこれらのハム屋さんではワインもグラス売りをしていて、生ハムをつまみながら店頭で飲むこともできる。そうしているかっこいい人たちもいました。竹の自転車?と、思ったけれど、よく見ると偽装しているだけ。そりゃ、竹のフレームじゃしんどいよね。写真を整理していて気づいたけど、こちらのお店にも猪が。途中解散して散歩していると少し迷子になってしまった。そのとき見かけた風景。ドゥオーモが上方に見える。ふー。これでシエナ終了。またバスでフィレンツェまで戻って今日の行事は終了。あとはディナーなのだ。 本日のディナー夕ご飯は、フィレンツェの中心部からは少し離れたTre Panche(トレパンケ)へ。Osteria delle Tre Panche / オステリア・デッレ・トレ・パンケ住所:Via A.Pacinotti 32/R交通:バスで10分ほど電話:055.583724時間:日休白トリュフのパスタ白トリュフとクリームのラビオリフリットパッパ・アル・ポモドーロ(トマトのパン粥)ポルチーニの牛タリアータトリュフのカルパッチョ 今日は白トリュフづくしなのだ。このお店はチーズケーキが有名。ふわっとした独特の食感がおいしい飲み込んだワインたちトレ・パンケのオーナー夫妻3テーブルで15人くらいしか入らない小さな店だけれど、食事、接客ともに満足のいくお店だった。お勧め。Part4へ続く。Part2へ戻る。気が向いたら投票お願いします→
2007.10.28
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■フィレンツェ到着フィレンツェまでは、エール・フランスのパリ経由を利用。トランジットの待ち時間も少なく、成田から約16時間ほどで到着。空港から中心部へはバスかタクシーで。ここまでは順調だったけれど、ここで痛恨のバス待ち1時間。夜は1時間に一本バスが走っているのだけど、発車時刻ギリギリにバス停に到着。やったー! ギリギリセーフ。などと思い待っていても全然バスが来ない。う~む。15分を過ぎたあたりからおかしいと思い始め、タクシーにしようと思ったけれど、そのときにはタクシー待ちも長蛇の列。結局は40分くらい待ってやっとバス到着。このときにはタクシー待ちの列も解消。どっちに乗るか迷ったけれど、悔しいのでバスに乗車。でも、なかなか発車しない。そしてやっと定刻2~3分前に発車。今回の旅では他の中長距離バスも乗ったけれど、こちらのバスは時間前に発車することもあるらしい。「時間に不正確=遅れる」というイメージがあったのだけれど、基本的にはアバウトってことみたい。この日は夜も遅かったので、ホテルで少しだけ晩酌して就寝。■まずはウフィッツィ美術館へホテルは、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅近くのPalazzo Vecchio。天井が高くなかなか快適。朝はウフィッツィ美術館(Galleria degli Uffizi)へ。フィレンツェは2度目なのだけれど、前回はチェントロといわれる中心部にしか行かなかったので、こんなに近くに大きな駅があるなんてビックリ。サンタ・マリア・ノベッラ教会。この向かいに駅がある。ドゥオーモが見えるとフィレンツェに来た気分になる。早朝のシニョリーア広場。朝8時だと人影もまばら。ウフィッツィ美術館に到着するとうわさ通りの待ち行列。日陰ということもあってとても寒い。このときの気温は最低気温10度、最高気温20度くらい。感覚的には10度より少し寒いかんじ。おかげでショール売りのお姉さんが繁盛していました。ウフィッツィ美術館の待ち行列はじめは順調に進んだけれど、途中から進まなくなり、結局は2時間半待ちで入場。1人で並んでいたわけじゃないので、それほど苦痛ではなかったのだけれど大きなタイムロス。ちなみにウフィッツィ美術館はこちらのサイトで予約できます。でも今回はギリギリまで忘れていて、直前になって予約してみると、申し込み→1~2日以内に可能/不可能の返答というプロセスのため時間がかかり、結局出発日までには予約を取れませんでした。ウフィッツィに行かれる方は、余裕を持って予約を取ることをお勧めします。ただしネット予約は通常料金より7ユーロくらい高いです。ウフィッツィ館内からヴェッキオ橋を見るウフィッツィ美術館は写真撮影禁止だけれど、館内から外に向けては撮影できます。ガラス越しに撮影しているので左上に写り込みがある。ウフィッツィのBARには眺めの良いテラスがあるこんなに行列していても館内はそれほど混んでいなくて快適。名画を堪能しました。前回来たときは、展示はワンフロアだけだったけれど、今回は2F?、中間のフロアにも展示スペースがあった。こちらは知らない人が多いこともあってか、かなりがらがら。カラヴァッジョや特別展の絵画がありました。見学終了。工事のフェンス兼ベネトンの看板夜のために昼はパニーニ次は、フィレンツェの街が一望できるミケランジェロ広場へ。ミケランジェロ広場からヴェッキオ橋まで歩き、さらにピッティ宮殿(Palazzo Pitti)にあるパラティーナ美術館(Galleria Palatina)へ向かう。対岸から見たウフィッツィ美術館(中央の建物)。左側にあるのがヴァザーリの回廊。ヴェッキオ橋。よく見ると増築しまくりですな。■素晴らしいパラティーナ美術館(Galleria Palatina)こちらも待ち行列があってあせったけれど10分ほどで入場。奥には大きな公園があるすばらしい!の一言に尽きる。こちらはウフィッツィほど有名でないこともあって、館内はすいている。ラファエロやティツィアーノの名画を、ほぼ1人で独占して見てしまった。夕暮れのパラティーナ美術館一部工事しているらしく、それっぽく塗装した囲いが付いていた。ヴェッキオ橋 本日のディナー初日はみんな疲れていたので、ディナーはホテルから近いイ・トスカーノ(I'Toscano)へ。地球の歩き方に載っていたせいかアジア系観光客が多い。イ・トスカーノ / I'Toscano住所:Via degli Alfini 78/r交通:中央市場から徒歩3分電話:055-284019時間:12:00-14:30, 19:00-22:45ポルチーニのブルスケッタこちらのワインリストには白や泡が載っていないか、載っていてもほんの少しだけ。いつもは人数×1.2~1.5本飲むメンバーなのに、今回は6人で4本。旅の疲れなのか。NV Montresor Chardonnay Blanc de Blancs2006 Campo al Mare Vermentino di Toscana(Ambrogio e Giovanni Folonari)ポルチーニのグリルパッパ・アル・ポモドーロ(トマトのパン粥)その他もろもろ。写真はないけれど、パスタがおいしかった。2005 Vernaccia di S.Gimignano(Montenidoli)2005 Rosso di Montepulciano Pancole(Fattoria Torcalvano Gracciano)Part2へ続く。Part1へ戻る。気が向いたら投票お願いします→
2007.10.27
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昨年も訪問した徳島の大塚国際美術館に行ってきました。たぶんこれで3年連続の訪問。昨年のブログでも書いたので詳しいことは省略するとして、今回のトピックは、システィーナ礼拝堂のレプリカである「システィーナホール」の天井画完全復元。前売り券を買っていたので一番乗り!まずはスクロヴェーニ礼拝堂のレプリカへ。かすかにグレゴリオ聖歌が流れていて、少しひんやりとした雰囲気が敬虔(けいけん)な気持ちにさせる。大塚でもっとも好きな場所。昨年訪問時のシスティーナホール現在のシスティーナホール 色味の違いは無視するとして、天井画が完全に復元されている。また天井画の一部が参考のために下に置かれているのだけれど、間近で見るとその大きさにビックリ。実物の人間よりも相当大きい。ミケランジェロすごい!美術館内のレストランでランチ。今回は和食で。グラスワインは、大塚なのでリッジ。昨年は600円くらいで、下のクラスが出てきたような気がするけれど、今回は1,000円だった。ずいぶん値上げしたと思ったら、リットンスプリングス(?)が大ぶりのグラスにたっぷり注がれてきた。これなら納得というか定価より安そう。ただしキンキンに冷えて出てきたのは残念。古代の壁画。ポーズが面白い。時代順に並べるとジョットの偉大さは際だつ今回は18-200 VRを使ったのだけれど、周辺部がけっこう歪曲している。うーむ。ラファエロ「大公の聖母」 やっぱりラファエロ好きなんだよなあ。ティントレット「受胎告知」 この受胎告知では、マリアがとても驚いている。はじめて見たときは、その驚きっぷりに驚いた。ブロンズィーノ「愛の勝利の寓意」 実物を見たこともあるけれど、何とも不思議な絵ヒエロニムス・ボス「快楽の園」 この頃のネーデルランドの画家は好き。カラヴァッジョ「聖マタイの召命」レンブラント「放蕩息子の帰還」 おそらくもっとも好きな絵のひとつ。これは実物のほうがはるかによい。エルミタージュにまた見に行きたい。ルーベンス「キリストの昇架」 フランダースの犬において主人公のネロが見たがっていた絵。途中階から眺めたシスティーナホール途中階から眺めると、よりライトアップの効果が印象的で見とれてしまう。もっと知られて良い美術館だと思うけれど、あまり込みすぎてしまうと、現在の落ち着きが無くなってしまうので悩ましい。ホガース「放蕩息子一代記」美の巨人で取り上げられて、すっかりはまってしまったイギリスのホガース。ホガースの真骨頂は物語性にあるので、この絵だけを見ても良さはわかりづらい。わたし自身は、あまりにもつぼにはまりロンドン・ナショナル・ギャラリーとサー・ジョンソーン美術館まで見に行ってしまった。美の巨人のなかでも「有名ではないけれどターナーと並ぶ」と賞されていたし、また漱石の言葉として「ホガースという人は疑いもなく一種の天才である。恐らく古今独歩の作家かもしれない」と引用していた。美しい絵好きには勧めないけれど、絵の意味をかみしめたい人にはお勧め。トマス・ゲインズバラ「犬を抱きつぼを下げる少女」 何回も行っているのにはじめて見たような気がする。美しい顔が印象的。ジャック・ルイ・ダヴィッド「皇帝ナポレオン一世と皇后ジョセフィーヌの載冠」アンリ・ルソー「蛇遣いの女」毎年来ているのに毎回楽しい。圧倒的な巨大さ。実物大の迫力。ペース配分は心得ているつもりなのに、またもや最後は早足になってしまった。絵画好きにはとてもお勧めの美術館。一度来れば、本物じゃないとか、入場料が高い(\3,150)とか思わないはず。だって、これだけたくさん名画を実物大で見れる機会はないし、無料のガイドツアーが充実しているのも素晴らしいし、オーディオガイドも中身たっぷり。時間があれば2日滞在したい。今までも土日のいずれかに来ているのだけど、今年が一番込んでいた。まあそれでも東京の美術館に比べればはるかにすいているのだけどね。気が向いたら投票お願いします→
2007.10.07
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昨日の続き。午後は、宇治の平等院鳳凰堂へ。とはいえ、けっこう食べてしまったので、すぐに自転車に乗る気も起きず、2時少し前に出発。宇治へ向かう。宇治は京都の南東十数キロのところにある。今回もGPSを利用。京都市内の場合、GPSが無くても大丈夫だけど、ある程度距離の離れたところに行くのには便利。今回も大活躍しました。わざわざ地図を見なくて良いのは楽なのだ。Garmin Edge 305宇治川。たぶん観月橋(かんげつきょう)。ようやく宇治が見えてきた。遠方には宇治線の陸橋が見える。宇治川は、思っていたのと反対に流れている。加茂川は北から南に流れているけれど、宇治川は南から北に流れて、桃山あたりで西に急旋回している。京都は盆地なので、宇治のほうがだいぶ標高は高いのだ(だから加茂川とは南北逆向きに流れている)。宇治の中心部にかかる宇治橋宇治は遠かった。祇園から宇治までは17∼18キロなのだけど、1時間10分もかかってしまった。小径車なので時間はかかると思っていたけれど、予定より15分以上かかった。ゆるい登りというのもあるし、使わないレンズ3本と若冲の図録は重いし、まわりの町並みも途中から面白くなくなるし...いろいろな要因で少し苦痛だった。帰宅後に空気圧をチェックすると、これまただいぶ低め。ただでさえペダリングがつらいのに、あー失敗した。ロードバイクはしょっちゅうチェックしているのに。それにしても簡単に輪行&ポタリングができる快適な自転車が欲しい。実は↓が欲しいのだ。自転車屋の知り合い曰く「いくら売ってもメーカーが儲からない、もっとも製造コストの高い自転車」。でも\215,000もするんだよね。BRIDGESTONE/MOULTON(ブリジストン/モールトン)BSM-S18平等院の参道入り口。お茶の香りがあたり一面漂う。人気のお茶屋さん。清水寺に比べれば圧倒的に寂しい参道なのだけど、このカフェは満席だった。ようやく正面入り口鳳凰堂以外にもいくつかの建物がある。この中には仏像などが展示されている。橋の向こうに見えるのが鳳凰堂さらに追加料金を払うと鳳凰堂の中に入れます。もちろん入りました。現在大修復作業中なので公開は6/3まで、ということでギリギリセーフ。50人の入れ替え制で、係の人が案内してくれる。10円玉のデザインにもなっている鳳凰堂ちなみに鳳凰堂は俗称。俗称の由来は、池のほうから見ると建物に両翼があるように見えるからとか、屋根に鳳凰の飾りがあるからといわれている。仏像の顔の部分だけは金網に穴が空いている鳳凰堂の由来にもなっている屋根の鳳凰像鳳翔館という美術館があるこの美術館はお勧め(入場料を払っていれば入れます)。鳳凰堂内部に飾られているものの実物や、鳳凰堂内部の復元CGが見られます。現在は退色してしまっているけれど、創建当初は極彩色だった。この鮮やかさは見事!美術館出口のスペース。みんな疲れたのかくつろいじゃってます。平等院では60枚以上撮ったけれど出来はイマイチ。どうしても人が写り込んでしまうし、天候もイマイチ。晴れた日の朝イチがいいのかなあ。そろそろ、いい時間になったので戻ることにする。自転車で戻ろうと思ったけれど、また1時間近く自転車をこぐと思うと面倒になり、帰りは電車で。駅には宇治らしい郵便ポストがあった輪行バッグはコインロッカーに入れてきたので、そのまま自転車を持ち込む。鉄道規則だとダメだったような気がするけど、まあすいていることだしいいでしょ。それにしても簡単に折りたためるのが折りたたみ自転車のいいところ。京都駅までは30分。やっぱり電車は楽だ。とはいえ、電車の待ち時間や、京都駅内での自転車の持ち運びを考えればあまり変わらなかったかも。午後は、もう一カ所寄ろうと思っていたけれど、これでタイムアップ。緊急に決めた京都行きだったけれど、とても充実&満足した一日だった。始発ということもあって、若冲展がうわさほど込んでいなかったのに助けられた。次に京都に来るのはいつになるだろう。紅葉の季節は込むけれど、やはり来てみたい。気が向いたら投票お願いします→
2007.06.06
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前回からの続き。ランチは、4月にも行った祇園花霞へ(そのときのブログ)。前回は夜だったけれど、今回は昼の\4,500のコース。12時に到着して一番乗りだと思ったけれど、5分ほどでカウンター7席は満席。2日前に予約しても大丈夫だったのは、ほかのみんなが二人組だったためだろうか。店主の話を聞いてみると、若冲展による人出がすごいとのこと。それは単に相国寺が込んでいるということではなく、全国から大量の人が集まってきているらしい。おかげでお店も忙しいとのこと。恐るべし若冲展の経済効果。若冲展のレア度もさることながら、たった22日間という短い会期も影響しているだろう。写真はFinePix F31fdとD80の混合。ピンの甘いものや色合いが良くないものがあるけど許してね。食前酒と先付食前酒は、梅酒と日本酒。竹筒に入っているのが日本酒。先付は、くず餅みたいなものに、じゅんさいの入った葛餡がかかっている。出汁はうまみを感じるギリギリの薄さで絶妙。水なすのお椀最後に搾った柚がきいている。さっきとは違う種類の出汁。こちらもギリギリの薄さ。先付と同じく絶妙な薄さなのだけれど、出汁の種類を変えていてコントラストを楽しめる。向付:中トロと山芋(?)わたしの中では、京都とマグロは結びつかないのだけれど相変わらずおいしい。いさきの焼き物緑色のはキュウリの餡。その上にレモン風味の葛餡が薄くかかっている。初めは不思議だったキュウリの餡も水っぽくなくて、レモンの餡がさわやかさを演出。焼き魚はうまいなあ。たこの柔らか煮と里芋の炊き合わせ口に入れた瞬間ほろほろと溶けるタコ。初めての経験。ご飯と味噌汁一組ごとに土鍋で炊いてくれるご飯。よそった瞬間、おそろしく良い香りが漂う。香り米でも使っているのかと思ったら、地元大原のササニシキとのこと。なんでこんなに良い香りがするのだろう。そして味噌汁はきっちり出汁が効いた赤だし。これも前半とのコントラストの妙で、バシッと効いた出汁の味噌汁は締めにふさわしい。甘夏のシャーベットシャーベットとは言っても、トルコアイスのように少し粘性があるもの。最後までおいしくいただけました。ごちそうさまでした。食事中、隣に座っている人たちと話してみると、どうやらカウンターに座っている人は、ほとんど若冲展のために京都に来たらしい。金曜日の午前中に行っても1時間待ちだったとのこと。また内部も異常に混雑していたらしい。こういう人の話を聞くと、つくづくラッキーだったと思う。その後は、午後の行程へつづく。気が向いたら投票お願いします→
2007.06.05
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前回からの続き。当初は12時に予約したランチに間に合わなかったらどうしよう、とかなり心配だったけれど、予想外に早く入場できてしまった若冲展。「結構並ぶプラン」と「超弩級並ぶプラン」しか考えていなかっただけに時間が余ってしまった。そこでガイドマップを見て検討。今まで行きそびれていた哲学の道と、それから平安神宮に行くことにした。今出川通を東へ。哲学の道へ向かう。普段バスや電車を使っていると、京都の内部は平坦だと思っていたけれど、いざ自転車で走るとアップダウンがあることに気づく。賀茂川の合流地点にかかる賀茂大橋。水遊びの姿が目立つ。銀閣寺手前の哲学の道へ到着。ここがスタート地点。川沿いに、石畳があり、その隣りには砂利道がある。銀閣寺寄りには、ところどころカフェやみやげもの屋が点在している。また落ち着いて散歩できるため、散歩している人も目立つ。原則、車両通行不可なので自転車も走りやすい。ただ、舗装路は一部だけなのでロードバイクには向いていない。もちろん歩行者の邪魔にならないようにゆっくりと。南側は木が生いしげり日よけになる。マイ自転車"DAHON JetStream XP"。実は新しいヤツが欲しかったりするのだけど...。GPSの高度計を見ると約80m。中心部より20mほど高い。南禅寺(蹴上)の手前で、哲学の道は突然終了。約1.5キロの行程でした。思っていたよりも短い。つづいて平安神宮へ。前を通り過ぎたことはあったけれど、中に入ったのははじめて。ほかの著名寺社と比べるとすいている。夕方にイベントがあるらしく会場の設置中だった有料で入場できる庭があるようだ。三脚、一脚の持ち込みは2千円とあった。ヒー! とはいえ、持ち込み不可の場所がほとんどなので、ありがたいといえばありがたいのか。まあ非三脚派なので関係ないけど。今回は時間不足で入場せず。予約の12時も近いし祇園に向かう。国立近代美術館横の白川。こんな街のド真ん中で釣りをしている。行列の一澤信三郎帆布。東山駅を過ぎて、東大通を南下していると行列を発見。ラーメン屋かと思ったら、相続で大もめした一澤信三郎帆布があった。相続問題の元凶、お兄さんの一澤帆布はどこだと思って見回すと、道の反対側、数十メートル離れたところにあった。誰も並んでいなかったので近寄ってみると定休日とのこと。だいぶおなかも減ったところで祇園に到着。つづく。気が向いたら投票お願いします→
2007.06.04
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早起きは三文の得前回からの続き。チケット売り場に近づくと、思ったより並んでいなさそう。はじめからテントのある部分に並べた。係員のアナウンスを聞いてみると、本来の開館時間は10時だけど、わたしが着いた時点(8:50)で、すでに入場しているとのこと。ラッキー!幸運だとは思いながらも、開館時間を早めないと夕方パニックになるよねとも思う。わたしは、並んでから10分ほどでチケットを購入できた。その後クロークに荷物を預けて入場の列に並ぶ。その後もぐんぐん進む。結局並んだ時間は、チケットもぎりの入り口までだと20分。第一室まで5分ほどかかったので、それを入れても25分。土日の若冲展としては、最短に近い時間なのではないだろうか。当初は、9時前に並んでも、最低でも90分、場合によっては120分以上待つと思っていただけに、うれしい誤算である。承天閣美術館入り口ここまでで20分会場は第一室と第二室に分かれている。第一室は、鹿苑寺(金閣寺)の屏風絵など、若冲の水墨画を中心に展示している。内部は思ったより混雑してなくて、東京ではいくらでもありそうな雰囲気。身動きがとれないなんてことはなくて、ある程度身長のある男子であれば、余裕で後ろから鑑賞できる程度。その後、みなさんおすすめの第二室に進む。こちらには今回のメインテーマである、釈迦三尊像と動植綵絵が展示されている。自動ドアが開くと、極彩色の絵が突然目に入ってくる。180度全面極彩色動植綵絵30幅と釈迦像3幅が、展示室の左右と正面に並んでいる。それにしても、なんと表現したらよいのだろう。緻密で鮮やか。あまり空白を持たせずに、圧倒的な書き込みによる迫力。そして完璧な保存状態。250年近くたっているものとは思えない美しさ。昨年修復が終わったばかりということもあるけれど、相国寺から宮内庁という由緒正しき伝来、お金持ちだったゆえに良い画材を使えた環境、相国寺時代も年に一度しか一般公開していなかった、など複合的な要因もあるのだろう。やっぱり来て良かった。それぞれの絵をぐるりと2回見て、あとは入り口付近に立って180度全面を広角的にとらえる。10分以上そうしていただろうか。満足して会場をあとにする。承天閣美術館の出口。満足満足。図録を購入して会場を出る。途中、若冲のお墓という看板が目に付いたので行ってみることにする。相国寺の敷地は一万八千坪もある広大さ。浴室。妙心寺の浴室に似ている。この先を左折したところにお墓がある。墓地の入り口には、こんな石碑があった。御所が近いので、いろいろあったのだろう。墓地に入ってキョロキョロしていると、墓参りに来た地元の人に「若冲のお墓はそこだよ」と教えてもらう。お墓は、入り口のすぐ左にあった。すると若冲だけでなく、藤原定家、足利義政のお墓と並んでいた。さすが京都。これだけのビッグネームが並んでいるとは。ちなみに相国寺は、金閣寺や銀閣寺を含む臨済宗相国寺派の大本山です。帰りぎわ、行列を見るとだいぶ長くなっている。10時すぎで、つづら折りの状態。一時間違うだけでだいぶ違う。出口の南門通り過ぎるとき「これだったら明日(日曜日で最終日)は4時間待ちになるんじゃないの」という警備員同士の会話が聞こえてきた。ブログを見ても180分待ちという人もいたようなので、あながち嘘じゃなさそう。ヒー。当初はすぐに昼食の予定が、予定外に早く終わって時間が余ってしまった。うれしい悩みである。残りの時間は、これまで行っていない哲学の道と平安神宮に行くことにした。つづく。気が向いたら投票お願いします→
2007.06.03
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プロローグ京都の相国寺承天閣美術館で開催されている伊藤若冲の若冲展釈迦三尊像と動植綵絵に行ってきた。きっかけは、昨年に東京国立博物館で開催されたプライスコレクション展である(そのときのブログ)。そこで若冲に感銘を受け、皇居の「宮内庁三の丸尚蔵館」に動植綵絵を見に行った(そのときのブログ)。ところが三の丸尚蔵館はスケールが小さく、いくつかの期間にわけて、少しずつ展示しているだけだった。これでは欲求不満。動植綵絵が一同にそろうのを見てみたいし、このような出来事はハーレー水星並みの珍しさということで、だいぶ前からチェックしていた。とはいえ、気づいたら会期末。ものすごく込んでいるようだし、4月に京都に行ったばかりだし、と思い訪問はあきらめていた。ところが古酒鳥さんやbyson1さんの訪問記を読んで「行くぞパワー」が爆発。日帰りで京都に行くことにした。今回利用したのはJR東海ツアーズの京都日帰りプラン。東京-京都の新幹線往復チケットと3千円相当のクーポンがついて\19,800。ふつうに買うと、新幹線だけでも2万7千円近くするので、とてもお買い得なのだ。ただし、出発は6時台の新幹線に限られることや、予約した列車を変更できないという制限はある。今回は、若冲展がえらく込んでいることや、6時台の新幹線にしか乗れないこともあって6:00東京発の「のぞみ」に決定。今回は、もう一つの目的がある。それは新幹線での輪行。折りたたみ自転車を持って行くことにした。そのため予約時には一番後ろの席を指定。ここだと楽に自転車をおける。カメラと自転車の荷造りをすませて、目覚ましを3つセット。2時に就寝。出発しまったー!予定通り4時に起きたのに、思いっきり二度寝してしまった。5:18の電車に乗らなければならないのに、現在は5時。駅までの時間を考えれると、5時8分には出発しなければならない。あわてて着替えてすぐに出発。今回は自転車とカメラ、パソコンで20キロ近い荷物があるだけに走ることもできない。競歩選手のようにがんばって歩くことにする。ギリギリで駅に到着。フー。とりあえず一安心。だって乗り過ごしたら、行きのチケットが無効になっちゃうんだもん。こういうのが格安プランチケットの怖いところ。その後は順調に進んで8:16には京都に到着。自転車を組み立てて不要なものをコインロッカーにしまい、さあ出発。相国寺へGO!烏丸通りには自転車専用レーンがあるなどと思いつつ走行。烏丸通りを北上する。それにしても「京都御所はデカイ」などと思っていると、20分ほどで相国寺に到着。現在8:50。南門を入り、うわさの劇込みを想像しながらチケット売り場に向かう。だいぶ長くなったので、次回につづく。南門を入ったところ気が向いたら投票お願いします→
2007.06.02
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10,000文字オーバーのため前回からの続き。 この美術館では、作品に応じて3種類の展示方法をおこなっている。古代や中世、ルネサンス、バロック、近代、現代など時代ごとの「系統展示」。システィーナホールに代表される「環境展示」。だまし絵や家族など特定の主題にフォーカスした「テーマ展示」がある。 好きな絵はたくさんあるのだけど、うまく撮れた写真の中で、好きなものを紹介する。古代の系統展示ルーム。ポンペイやローマ時代などの壁画などが復元されているとりあえず 写真はないけれど「最後の晩餐」は、修復前と修復後が展示されている。修復前がとても汚かったことがわかる。ちなみに本物が展示されているミラノのサンタマリア・デッレ・グラッツィエ教会は、精密機械工場のクリーンルームのような雰囲気。部屋に入る人数も25人程度に制限されている。ルネサンスの三大巨匠の中では一番好きなラファエッロティッツィアーノの描く女性はエロティックなところが魅力的ピーテル・ブリューゲル「ネーデルランドのことわざ」 この絵が収録されている美の巨人DVDを持っている。ネーデルランドの画家は独特の雰囲気がある。ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」も展示してあった。暗すぎて写真は断念。プラドの本物は、奇妙さと超精密描写がみごとな絵。ブロンズィーノ「愛と時間の寓意」。美しさと奇妙さが同居している ブロンズィーノは、どこかで見たことがあると思ったらロンドンナショナルギャラリーだった。ロンドンナショナルギャラリーは、好きな美術館ランキングが相当高い。パルミジャニーノ「長い首の聖母」。ウフィッツィにあるらしいけれど全然記憶にないレンブラント「放蕩息子の帰還」。エルミタージュでもっとも感動した絵。もちろんレンブラントの中でも一番好きフェルメール「真珠の耳飾りの少女」。実物が見たい!中庭には、オランジュリーの「モネの大睡蓮」を復元したものがある。この池の内側に陶板が並べられているこれも中庭。建物の遠方左側に、少しだけ頭が出ているのが鳴門大橋。ここから途中退場して鳴門大橋まで行けるようになっているゴヤ「カルロス4世の家族」 ゴヤは、プラドに行って目覚めた。ゴヤは、この写真のような一般作品以外にも、環境展示として黒い絵が集められた部屋がある。2年前に、ここで黒い絵を見たときには気味が悪いと思ったけど、目覚めてからはそれなりに見れるようになった。ゴヤのような皮肉いっぱいの絵は解説がないとわかりづらい。アングル クールベなどからは批判されることもあったアングルだけど、個人的には新古典主義の画家って好きなんだよね。ダヴィッド「皇帝ナポレオン一世と皇后ジョセフィーヌの載冠」 この美術館で、ダヴィッドの戴冠式を見たときには、あまりの美しさに感動した。そして期待してルーブルで実物を見たら、意外に平凡でびっくり。大塚の説明員は「本物よりこっちの方がきれい見える」と言っていたけれど激しく同意。今回あらためて見直しても、こちらの方がきれいに見えた。 理由はおそらく2つ。ライトアップと、まわりの絵とのバランスだと思う。一般的な美術館では、フラットな照明が理想とされているのに対し、ここでは絵の劣化を気にする必要がないので、積極的にライトアップが行われている。またルーブルでは、まわりに大きな絵がたくさんあって目立たないのに対し、こちらでは、この1枚だけをフィーチャーしているのでとても目立つ。ターナー あるブログに、ターナーは実物と全然違うと書いてあったけど、ふつうの鑑賞距離から見る限りでは、それほど違わないように思える。いちおう半年前に実物を見たばかりなのだが...。まあ横に実物を並べれば違うのかもしれない。マネ「フォリー=ベルジェールのバー」。マネで一番好きな作品。 これは本物に圧倒的な軍配が上がる。ロンドンのコートールドでは、最高値で購入した絵ということもあって、落ち着いた雰囲気の部屋の真ん中に飾られている。ということは、雰囲気が大切なのかも。アンリ・ルソー「蛇遣いの女」。ルソーの代表作。 わたしのもっとも好きな画家がルソーだ。ルソーのために、ロンドンのテートモダンで開催された特別展を見に行ってしまった。「蛇遣いの女」をはじめとするジャングルシリーズもいいけれど、もっと下手な絵の方が好きだ。それにしてもジャングルシリーズは、ルソーの緻密さを最大限に発揮してしまった奇跡的ともいえる作品。ピカソ「ゲルニカ」。ピカソはゲルニカにつきる。キュビズム以降の作品はあまり得意ではないのだが、はじめてここで見たときには驚いた。 マドリッドで本物も見た。わたしが見たなかで、ガラスケースに収められていない作品では、もっとも警備が厳しかった。両端に警備員が配置され、周囲には柵が張り巡らされている。柵に触るくらい近づくと怒られる。ダリシャガールうず潮ビール大塚国際美術館は本当に大きい! 途中何度か休憩を挟んだけれども、帰るときにはへとへとになった。 大塚国際美術館については、入場料が高い(\3,150)とか、実物と色やタッチが違うとか、しょせんレプリカ、などの批判があることは承知している。 たしかに陶板(大きなタイル)なので、継ぎ目は見えるし、マチエール(絵肌)のはっきりした絵は苦手だとは思う。とはいえ、個人的には、とても好きな美術館である。一番の魅力は実物大の存在感だ。それ以外にも・古代から現代まで作品の幅が広い・スペースが広くて美しく展示されているということもある。また無料のガイドツアーが秀逸なことも忘れてはならない。今回は3つのツアーに参加してしまった。ふつうのガイドツアーもよかったのだが、今回は人数が多すぎた。夕暮れ時のギャラリートークが光った。- ダ・ヴィンチ・コードツアー- 通常のガイドツアー(50分×2)今回はロングバージョンに参加したが、50分バージョンもある。- 夕暮れ時のギャラリートーク そして、これだけの展示を行うためには、数々の著作権問題をクリアしなければならない。そのため20世紀の巨匠マティスは展示されていない(絵画の著作権は作者の死後50年間有効)。関係者の苦労には頭が下がる想いである。 もう一つ、おそらく著作権問題で残念だったのは、モネの「印象 日の出」がなかったこと。モネの亡くなった時期を考えれば一般的な著作権はクリアしているが、マルモッタン美術館の許可が下りなかったためだと思う。全作品リストを確認すると、マルモッタン美術館の収蔵作品は一点もない。 なんだか大塚製薬の関係者であるかのような発言になってしまったが、ひとりの絵画好きとして、このような名画を実物大で見ることのできる環境があるのは素晴らしいことだと思う。とくに学生や、これから絵画を見始める人の、きっかけになればよいと思う。帰りは徳島空港から羽田へ。約1時間で到着。いやー本当に早い。あっという間に現実に引き戻された。まとめ 今回の旅は、天候に恵まれなかったものの楽しく過ごせた。あらためて見直してみると、美術館では撮影が制限されていたこともあり、料理の写真の比率がとても多い。アートの旅ではなくて、食べ歩きの旅のようにも見える。そんなこともあって、歩いたわりには、やせるという野望は達成できなかった(笑)。 また今回は、一眼レフカメラの技術向上という目的もあり、そのため初心者向けの「オート」を含む機能はあまり使用しなかった。そして光量不足に悩まされたこともあって、結構失敗してしまった。思い返すと反省点はたくさんある。 帰宅して1週間後、注文していた手ぶれ防止機能付きレンズNikon AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6Gが到着したとカメラ屋から連絡が入った。これがあったら、もう少し成功率は上がったのに! ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。<完><パート9に戻る<パート1に戻る気が向いたら投票お願いします→
2006.07.25
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いよいよこの旅もフィナーレ。きょうは最後の目的地「大塚国際美術館」へ。2004年に続き2度目の訪問だ。 この美術館では、陶板(巨大なタイルに絵を焼き付けたもの)で実物大に復元された、古代から現代までの絵画や壁画1000点以上が展示されている。プロフィールは、大塚国際美術館から直接引用した方がよいだろう。「大塚国際美術館」は、大塚製薬グループが創立75周年記念事業として徳島県鳴門市に設立した日本最大の常設展示スペース(延床面積29,412平米)を有する「陶板名画美術館」です。館内には、6名の選定委員によって厳選された古代壁画から、世界25ヶ国、190余の美術館が所蔵する現代絵画まで至宝の西洋名画1,000余点を大塚オーミ陶業株式会社の特殊技術によってオリジナル作品と同じ大きさに再現しています。 大塚国際美術館は、いろいろな意味で大きな影響を受けた美術館である。わたしにとっては、美術館巡りを始める一番のきっかけになった美術館だ。わたしが絵画に興味を持ち始めたのは、2000年に放送開始された「美の巨人たち」である。ただし番組自体は好きだったものの、美術館に行くようなことはほとんどなかった。 その後、大塚国際美術館を舞台にした「美術はたのしっ!」というテレビ番組を見て、この美術館を知り、ついには2004年の秋に訪問することになった。そのとき実物大の迫力に驚き、またいろいろな絵画を知ることができた。それがきっかけとなり、ほぼ1年のあいだに、サンクトペテルブルグ、イタリア、スペイン、パリ、ロンドンと、世界各地の美術館巡りをしてしまった。 ということで今回は、実物を見たうえでの再検証という意味合いもある。 大塚国際美術館は、JR鳴門駅から7キロほどのところに位置する。ちょうど渦潮で有名な鳴門大橋の手前である。JR鳴門駅やJR徳島駅などからは路線バスが出ている。ただし本数が少ないので注意すること。前回訪問したときは平日用の時刻表しか見ていなかったため、えらい苦労した。 バスの時刻表は、大塚国際美術館のWebページに載っている。念のために、鳴門市営バスや徳島バスの時刻表や路線図も入手しておいた方がよいかも知れない。朝撮り忘れたので夕暮れの入り口。巨大なエスカレーター。入り口部分がB5F相当なので、展示室のあるB3Fに向かう。大塚国際美術館定期的に開催されるガイドツアーは必見。それ以外にもいろいろなイベントを開催しているので、事前にWebでチェックすること。Webにはバーチャルツアーもある。住所:徳島県鳴門市国立公園内時間:9:30 - 17:00(夏季は延長あり)休日:月曜(祝祭日の場合は翌日) 1月正月明けに連続休館有、7・8月無休料金:小・中・高生 520円/大学生 2100円/一般 3150円 オーディオガイド \500URL:http://www.o-museum.or.jp 建物は、地上2F、地下5Fという構造になっている。このような構造になっているのは、国立公園の敷地内なので高い建物を建てられなかったことが原因らしい。長いエスカレーターを昇ったところが地下3Fで、ここから上の階が展示スペースになっている。 エスカレーターを降りると、正面には大塚国際美術館のシンボルともいえるシスティーナホールが現れる。システィーナホールの存在感は圧巻。はじめて見たときには驚いた。この美術館でユニークなのは、システィーナホールのように、古代遺跡や教会などの壁面をそのまま再現した「環境展示」があることだ。システィーナホールは、システィーナ礼拝堂の「最後の審判」と「天井画の一部」を実物大で再現したもの。下にある椅子から大きさがわかるはず。2006年末から来年の3月にかけて天井画を全面復元するらしい。 そういえば群馬県の「伊香保システィーナ美術館」や栃木県那の「とりっくあーとぴあ那須」には、3/5スケールのトリックアートがある(平面なんだけど、立体的に見える)。 日本最大の常設展示スペースを誇る美術館らしく、とにかくデカイ! 開館時間の9:30から通常の閉館時間17:00まで見て回っても、全部見れるかどうかだと思う。今回は10:00から19:00(夏季特別延長で21:00まで開いていた)までいたが、いくつかのガイドツアーに参加したこともあり、一部は駆け足になってしまった。ちゃんと見るなら2日は必要だろう。 実物のシスティーナ礼拝堂は昨年訪問した。たしかに全面彩色されていて美しいのだが、作品保護のため薄暗く、また心ない人のために異常に騒がしく、期待に反して興ざめてしまった。本物には本物の良さがあるとは思うが、システィーナホールの静けさを伴った美しさには、また別の魅力がある。ジョットによるスクロヴェーニ礼拝堂の壁画。システィーナホールと比べると小ぶりだけど、青が美しい。 耳を澄ますと、かすかにグレゴリオ聖歌が聞こえてくる。なんといえない雰囲気の良さ。スクロヴェーニ礼拝堂の本物はイタリアのパドヴァにある。実物に行ってみたい。聖ニコラオス・オルファノス聖堂壁画現在は存在しないグレコの祭壇の復元。額縁類はイタリアなどに発注して作ったもの。額縁だけでも相当な金額らしい。10,000文字オーバーのため次に続く。パート10に続く><パート8に戻る気が向いたら投票お願いします→
2006.07.24
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翌朝、荷造りをしていると、見慣れない物体がテーブルにあった。はじめは灰皿なのかと思ったけれど、カードらしきものが添えられているので読んでみる。「お食事です。直島の夜のひとときをごゆっくりお過ごし下さいませ。」 どうやら夜食らしい。昨日の夜からおいてあったようなのだが、気づかなかった。さすがベネッセ。ランチボックスもアートしている。小振りなおにぎりが入っている。 きょうは徳島県鳴門への移動日。朝は散歩がてらに屋外作品を見て回り、その後はフェリーで高松に向かう。高松までは約1時間の旅。高松の港は、市内の中心部に近いこともあって、ものすごく都会の雰囲気。直島とのギャップが大きい。高松は経由地だけのつもりだったのだが、計画より早く直島を出発することになったので、高松市内を散策してみた。高松港 まずは本屋に突入しガイドブックを確認。その結果、栗林(りつりん)公園が名所らしいということが判明。そのまえに、まずは腹ごしらえ。讃岐といえば「うどん」。たしかに都内のハンバーガーショップ並みに乱立している。「かま玉」を食す。はじめから味がついていておいしい。 高松の中心街だと思って写真を撮ったら、ここは車の中央通りで、これと平行して全長1キロ以上の巨大なアーケード街がある。そちらが人の中心地。徳島よりもはるかに都会である。 その後、栗林(りつりん)公園へ。高松駅からは2.4kmくらい。バスや電車が出ている。栗林公園の歴史をたどると17世紀にまでさかのぼることができ、高松藩の庭園として利用されてきた。明治5年に県立公園となり、現在は国の特別名勝に指定されている。特別名勝に指定されている庭園の中で最大の広さで、東京ドームの3.5倍の広さを持っている。栗林公園オフィシャルWebサイト 次の目的地「鳴門」までは、JR特急うずしおに乗って池谷(いけのたに)乗り換え。JR鳴門線で数駅。待ち合わせがよければ全部で約1時間半の旅。待ち合わせが悪いと2時間以上。地方では忍耐が必要なのだ。池谷駅の風景。実は反対側に町があるのだが、こっちの方がアングルが良いので。 鳴門に到着。どこか食べるところはないかとガイドブックを調べる。駅から20分程度歩いたところにある「味処あらし」tel 088-686-0005を訪問した。土曜日ということもあってか、6時前だというのに地元の人でいっぱい。わたしが入った10分後には、満席になり待ち行列が出来ていた。 ボリュームと内容を考えればたしかにコストパフォーマンスがよい。ただし天然鯛は旬を外しているので、別にふつうといったところか。翌日も含めて、鳴門では鯛をたくさん食べた。赤いかの定食。\1500なり。たしかに安い。定食の付属品別注文の鳴門の天然鯛パート9に続く><パート7に戻る気が向いたら投票お願いします→
2006.07.23
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遅れを取り戻すために1日2回更新。 宿泊施設について説明したい。近畿中国地方にお住まいの方は日帰りでも来れると思うが、できればゆったりと一泊したい。宿泊施設としては、ベネッセのホテルと、一般の旅館や民宿がある。予算さえ許すならばベネッセのホテルがお勧めだ。なぜならばベネッセの開発した施設だけあって、あらゆるところに宿泊者優遇措置があるからだ。もちろん安藤忠雄氏設計のホテルが素晴らしいということもある。 優遇措置の一端を紹介すると、各施設を巡回しているベネッセのバスは宿泊者しか乗車できない。町営のバスもあるようだが本数が少ない。また地中美術館は、宿泊者は1度入場券を購入すれば宿泊中は何度も入場できるのに対し、それ以外の人は1日券になってしまう。ホテル近くの私道は、宿泊者の車しか入場できない。などである。 まあ若者は徒歩とレンタサイクルでがんばれと言いたいが、30半ばを過ぎた年代には、いろいろな意味でベネッセのホテルをお勧めする。 ベネッセのホテルは4棟ある。ミュージアムとオーバル、ビーチ、パークだ。それぞれ場所や値段が違うので、自分にあったものを選ぶことになる。ミュージアムは、ベネッセハウスのことで、わたしが宿泊したところ。オーバルは、ミュージアムからケーブルカーで5分ほど登ったところにある。またビーチとパークは、ミュージアムから1キロ程度離れたところにあり、前回のブログの草間彌生「南瓜」などが近くにある。 全部泊まったわけではないのだが、お勧めはミュージアムだ。続いてパーク。ビーチは、パークと同じ場所にあるのだが全室スイートなので予算のある方はどうぞといったところか。ミュージアムを勧める理由は、いろいろな物事の起点になっているので便利なことが多いからだ。それに部屋も十分美しい。オーバルは、ケーブルカーに乗る必要があるのでマイナス評価。宿泊した部屋。ミュージアムの201号室。Webで予約するときは部屋番号まで予約できる。また部屋の奥には窓がついたバスルームがあり、そこから瀬戸内海を一望できる。外を見やすいように、わざわざバスタブが高い位置に設置されている。シンプルなテラス。隣の部屋との境が、棒1本なのは安藤氏の意向らしい。テラスからの風景 オーバルに行くためにはベネッセハウス(ミュージアム)からケーブルカーに乗る。片道約5分。ただし1台しかないので反対側の建物にあると、それを呼び寄せなければならないので5分×2。出発したばかりだと5分×3。泊まっている人に聞いたら面倒くさいと言っていた。オーバルの建物。オーバル(楕円形)というように楕円形になっている。濃いグリーンの長方形が各部屋の扉。全6室。 ベネッセハウス下の海岸にはプライベートの桟橋がある。滅多にないとのことだったが、直接ここに船を着ける客もいるらしい。 桟橋に到着したときホテル群を一望できるようにしたい、という安藤氏の設計コンセプトのため、桟橋からはベネッセハウス(ミュージアム)とオーバルを一望できる。左上にちょこっとだけ顔を出しているのがミュージアムで、右上にあるのがオーバル。左手前の大きなコンクリートは、屋外作品の屋根。 次に家プロジェクトを紹介したい。ろくに事前調査をしないで行ったので「家プロジェクトとはなんぞや?」という気分だったのだが、とても面白かった。 家プロジェクトとは、古い家屋を改修し、アーティストが家の空間そのものを作品化したものである。2006年7月現在、角屋、護王神社、南寺、きんざがある。ただしきんざは事前予約が必要。また家プロジェクトの近くには、本村(ほんむら)ラウンジ&アーカイブという資料館のようなものがある。家プロジェクトのチケットは、バス停近くのたばこ屋で売っている。1日券が\500なり。 まずは最初のアプローチポイントの角屋へ。暑い中、切符きりの地元住民らしき人がいる。天気によっては大変そう。人が来ないときもあるだろうし。位置的に最初に入ってしまいがちだが、南寺の次に入ることをお勧めする。暗闇に目が慣れると、見えなかったものが見えてくる。1日何回も入れるので、2回入っても良いだろう。角屋。ここにはいくつかの作品があり、面白かったのは真っ暗なプールに点灯するデジタルの数字。空調のほどよい涼しさと水のマイナスイオンでずっと見入ってしまう。 小高い山を登っていくと護王神社がある。この上にも神社があるのだが、この社を改修するときに作品化したらしい。ほかの作品のように露骨な現代アートっぽさはないが、下には真っ白な石が敷き詰められ、階段はガラス(プラスチックの樹脂?)で出来ている。護王神社。階段部分に注目。角屋近くの風景。突き当たりが護王神社の登り口。 南寺は、これだけ新しく建てた建物。お寺の隣にある。内部は光が全くない漆黒の世界。係員に案内されながら、壁伝いに中に入る。そして用意された椅子に座って目が慣れるのを待つ。それにしても、ここまで暗い空間を経験したことははじめてかもしれない。なにしろ目の前に手をかざしても、まったく見えないのだ。おかげで椅子に座るまでは人にぶつかったり、よろけたりと、まるで生まれたての子鹿のよう。 それでも10分から15分もするとだいぶ目が慣れてくる。それでもかなり真っ暗なのだが、正面にぼんやり青白く光る長方形が見えてくる。目が慣れてきて歩ける自信がついたら、そこまでゆっくり歩いてゆく。これも空間系の不思議な感覚を味わえる。地中美術館のタレルの作品に似ていると思ったら、これもタレルの作品だった。 ということで家プロジェクトはとってもお勧めである。南寺の入り口 屋外の作品は、1∼2キロの区間に10作品が点在している。前回いくつか紹介したので残りを紹介したい。地図には、それぞれの位置が記されているのだが、ものによっては見つけにくいものもあり、オリエンテーリングやアドベンチャーゲーム的おもしろさもある。ジョージ・リッキー「三枚の正方形」。遠くから見るとわからないが、それぞれが風にたなびくように動いている。蔡國強「文化大混浴 直島のためのプロジェクト」。中央部がジャクジーになっているジョージ・リッキー「フォー・ライオンズ」。ミュージアムのカフェから見えるのだが、草が生い茂って近づくのは大変だった。大竹伸朗「シップヤード・ワークス 船尾と穴」。半分に切断した船の船尾を加工している。片瀬和夫「茶のめ」。これが一番見つけづらかった。ウォルター・デ・マリア「見えて/見えず 知って/知れず」ホテル前から海を眺める。 今回は午前中の早いうちに入ったことと、施設がすいていたため、ゆとりを持って行動しても、ほぼ1日でだいたいまわってしまった。ただし観光バスの団体客と鉢合わせになると、家プロジェクトの「南寺」や地中美術館は、ものすごい待ち行列になるらしい。パート8に続く><パート6に戻る気が向いたら投票お願いします→
2006.07.22
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今日の目的地は瀬戸内海の直島だ。直島とは、瀬戸内海のほぼ真ん中、岡山県玉野市と香川県高松市のあいだに浮かぶ島である。この島の南部に、ベネッセアートサイト直島と呼ぶ、ベネッセ(旧福武書店)が開発した一大現代アート&建築群が存在する。ベネッセアートサイト直島オフィシャルWebサイト わたしは現代アートが苦手である。これまでも、パリのポンピドゥーセンター(※)で、ガイドがついていたにもかかわらず理解に苦しみ、東京都現代美術館でもこれまた理解に苦しんだ。もちろん興味を引く作品もあるのだが、19世紀以前の絵画と比べると、その差は歴然である。※ポンピドゥーセンターは、パリの現代アート中心地。 であるにもかかわらず、直島に行くことにしてしまった。当初行く予定はなかったのだが、・岡山から徳島に行く途中にある・サーチエンジンで調べると推薦している人が多いという理由だけである。ホテルが高くて少し悩んだが、夏休みということで奮発してしまった。宇野から直島まではフェリーに乗る。約20分で到着。これまたひどい雨。 船着き場からホテルまでは、ベネッセのホテル宿泊者向けに専用の送迎バスが来ている。あとで書くつもりだが、ここではベネッセのホテルに泊まっていないと何かと不便なことが多い。 さて、ベネッセアートサイト直島について簡単に説明する。ベネッセアートサイト直島には、いくつかの施設がある。これらを見てまわることになる。ベネッセハウス安藤忠雄設計の美術館兼ホテル。現代アート作品が四十数点展示されている。地中美術館モネの大作「睡蓮」をはじめ、空間系の作品が数点ある。ここも安藤忠雄設計。建物も凝った設計なので、建物自体が芸術作品といえる。家プロジェクト古い家屋などを改修し、アーティストが空間を作品化している。現在は4棟だけだが、今後は増えるらしい。屋外アート作品10点ほどの作品が屋外に展示されている。ベネッセハウス入り口。ここに美術館と宿泊施設(ミュージアム)がある。 まずはベネッセハウス。この中に美術館とホテルがある。というか、この美術館の中に、少しだけ泊まるため部屋があるといった方が適切かもしれない。わたしは角部屋だったこともあり、扉を出て10歩も進むと美術館エリアになった。 難解な作品も多いが、わかりやすいものもある。ガイドツアーに参加するとより理解が深まった。ウルトラマンの人形を使った作品は見た目も面白いし意味も深い。ベネッセハウス美術館兼ホテル。この中には約40点の現代アートが展示されている。宿泊者向けに毎日、それ以外にも週末はガイドツアーが開催されている。ぜひ参加することをお勧めする。時間:9:00 - 21:00休日:年中無休料金:\1,000(ベネッセ宿泊者は無料)URL:http://www.naoshima-is.co.jp/concept/art/benesse_house.html 次は地中美術館へ。名前の通り全体が地中に埋まっている。ここも安藤忠雄が設計。ベネッセハウスには、絵画やオブジェが展示されていたのに対し、ここには空間系のアート作品がある。またモネの睡蓮が5点ある(うち1点は借り物)。 ベネッセハウスはガイドツアーに参加するまで、あまり良さを理解できなかったが、ここの空間系の作品は面白い。 面白かったのはジェームス・タレルの作品。体感するものなので説明は難しいのだが、奥行きがまったくわからない青紫に光る空間があり、そこに靴を脱いで入っていく。すると360度光に包まれて何とも不思議な感じを味わえる。宇宙遊泳とは違うが、何となくふわっとした感じを覚えた。 いちおう目玉はモネの睡蓮ということになっている。オランジュリーの大装飾画に関連するシリーズらしい。ただし個人的には、モネは思い入れのある画家ではないし、パリのマルモッタンにある睡蓮の方が好きだ(オランジュリーは改修工事中で訪問経験なし)。もちろん「印象 日の出」は大好き。地中美術館時間:10:00-18:00(3月1日~9月30日) 10:00-17:00(10月1日~2月末日)休日:毎週月曜日(祝日の場合、翌日休館)料金:\2,000。ナイトプログラムは別途\500必要。URL:http://www.chichu.jp/ 地中美術館のチケット売り場と地中美術館のあいだには、モネが愛した植物を配した「地中の庭」と呼ばれる庭がある。今回の旅は睡蓮と縁が深い。大原美術館にもあったし、これから訪れる大塚国際美術館にもあった。 ベネッセパークにあるイタリアンレストランでランチ。建物だけでなく、内装や什器も美しい。窓からは瀬戸内海が一望できる。 ベネッセパーク前の海岸沿いには、屋外作品が点在している。カレル・アペル「カエルと猫」。左奥のガラスの扉のようなものも作品。魚眼レンズで撮影してみた一番左の人っぽいのが作品。 屋外の作品では、おそらく一番人気のある草間彌生の「南瓜」。この作品をはじめ、屋外作品を見た当初は不思議な感じがしたけれど、見慣れてくると面白いし、それほど違和感も感じなくなる。草間彌生「南瓜」これも魚眼レンズ 夜は、地中美術館のナイトプログラムに参加した。このナイトプログラムは、ジェームズ・タレルの「オープン・スカイ」という作品、誤解を覚悟で言うならば天井がガラスルールになっているような部屋、の中でずっと天井(空)を見つめるものである。 夜空が美しければ楽しいのかもしれないが、この日は小雨で、空は一面曇り。明かりを消した部屋の中、おぼろげに見えるのは、かすかな雲だけ。そして徐々に暗くなり、ついには黒一色になった。はじめの30分くらいは部屋の照明がわずかに明るくなったり暗くなったりするものの、基本的には変化なし。もちろん空も変化なし。美術館のガイドの説明も全くなし。 この異常に退屈な事態に落ちる人が続出。わたしも何度か気を失いそうになった。 解説もなく、星空投影もない、プラネタリウムを想像して欲しい。これが1時間近く続くのだ。 後半になると、屋内の照明が青くなったり、赤くなったり多少は変化するものの、退屈さは相変わらず。終了間近、星が一つだけ見えたときには、少しは助かったと思った。しかし、たいした変化もなく、見上げる首の疲労とともに終わったのであった。少なくとも星が見えないようなときには時間の無駄だと思う。 ディナーは、ミュージアム内のレストランにて。パークにあるイタリアンとどちらにするべきか迷ったが、和食の方が地方色のある料理が多いと思って選択した。箸付(左):豆乳和らぎ仕立て抹茶風味旬菜(右):無花果、白ズイキ、赤田楽味噌、がら海老、ウニ煎餅、グリーンアスパラ向付:瀬戸内海のマナガツオ、シマアジ椀盛:銀杏豆腐、イサキ焼き目、求肥昆布、つる菜、梅白玉、新蓮根葛打ち、柚子替り鉢:ハモの彩り寿司、酢取り茗荷焼きもの:きざみ塩焼き、さざえ旨煮、白瓜土佐和え焚合せ:賀茂茄子、白子、おくら、椎茸、焼京ねぎ、水引人参、針わさび、とろろ昆布酢肴:真鯛の叩き作り、水菜、パプリカ、そーめん瓜食事、香の物:焼きおにぎり茶漬けデザート:岡山のマスカット、サクランボ、黒豆、ペパーミントゼリー、白ワインジュレ 決して安くはないし、びっくりするほどおいしいものもないのだが、品数や内容、観光地であることを考えれば許容範囲か。パート7に続く><パート5に戻る気が向いたら投票お願いします→
2006.07.21
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今回は番外編。今回の旅は、美術館やお寺などアートを中心としているのだが、倉敷ではブログで知り合った3glassesさんを訪問した。当初は単に飲むだけのはずだったが、諸般の事情があって、3glassesさんの主催するワイン教室のゲスト講師を務めることになった。 そのときの3glassesさんのブログはこちら。 ワイン教室は、10人程度のアットホームな雰囲気。訪問する前は、何を話せばよいのだろうかと少しだけ悩んだが、その場になれば何とかなってしまった。内容については多少後悔があるものの、まあよしとしよう。 飲んだワインは以下の通り。シャンドンのコルトン・ブランとウンブレヒトのクロ・サンチュルバンは、わたしが事前に送ったもの。それを中心にワインを組み立てていただいた(?)。送ったものは古いものが多かっただけに飲むまでは不安だった。2004 Bourgogne Blanc(Domaine Sabre)ブルゴーニュ・ブラン(ドメーヌ・サーブル) 自然派らしいピュアさがある。課題はコストパフォーマンスか。写真なし。2001 Pernand-Vergelesses 1er Cru Ile des Vergelesses(Chandon de Briailles)ペルナン・ヴェルジュレス プルミエ・クリュ イル・ド・ヴェルジュレス(シャンドン・ド・ブリアイユ) ピュリニやシャサーニュよりも、コルトンに近いタイトな感じ。ペルナンの白は、これで3回目くらいだけれど難しいものが多いような気がする。 1987 Corton Blanc(Chandon de Briailles)コルトン・ブラン(シャンドン・ド・ブリアイユ) ドメーヌ訪問時に88年をテイスティング済み。88年は素晴らしかった。でも、これは日本で買ったものだし、古い白ということもあって不安だったが、見事当たり。コルトンらしい硬質なミネラルとナッツのような熟成香。88年と比べると凝縮感に劣るが、比較しなければ素晴らしいワイン。シャンドンのコルトン・ブランを探す>1997 Alsace Riesling Grand Cru Clos Saint Urbain RANGEND DE THANN(Zind Humbrecht)アルザス リースリング クロ・サンチュルバン ランゲン・ド・タン(ツィント・ウンブレヒト) リリース後に購入して半ケースほど飲んでいるクロ・サンチュルバン。アルザス普及のためによく利用しているワイン。美しい黄金色で、リースリングらしい石油香。若いときとは違った魅力がある。アルザスらしいふくよかさもあり素晴らしい。今となっては高くなってしまったが購入時は\4,000-5,000だっただけに掘り出し物だった。ウンブレヒトは、もっと安いクラスだとピノグリVVもお勧め。ウンブレヒトのワインを探す>2005 Bourgogne Rouge(Domaine Sabre)ブルゴーニュ・ルージュ(ドメーヌ・サーブル) ポマールほどではないけれどビオっぽさがある。今日飲んだサーブルの中では白が一番よかったかな。2004 Pommard(Domaine Sabre)ポマール(ドメーヌ・サーブル) 漬け物のようなビオ香満開。う∼ん。う∼ん。別にまずいわけじゃないけれど、飲み手を選ぶワインだと思う。パカレを飲むなら、サーブルじゃなくて、パカレのプルミエ以上が安定していると思う。まあその分、出費も覚悟しなきゃいけないんだけど。1994 Corton Les Bressandes(Chandon de Briailles)コルトン レ・ブレッサンド(シャンドン・ド・ブリアイユ) 赤の主役なのだが、94年という難しいビンテージのためか、内向的で中途半端な印象。古酒というほど熟成していないし、果実味が表に出ているわけでもない。これだったら10年くらい熟成させて、古酒として楽しんだ方がよいかもしれない。 ここからは3glassesさん夫妻と近所のイタリアンレストランで二次会。ペルドリのエシェゾーはわたしの持参品。1999 Echezeaux(Domaine des Perdrix)エシェゾー(ドメーヌ・ド・ペルドリ)1996 Clos de la Roche(Dominique Laurent)クロ・ド・ラ・ロッシュ(ドミニク・ローラン) 対照的なスタイル。クロ・ド・ラ・ロッシュが華やかで外向的なのに対し、ペルドリは心が定まった黒系果実。ペルドリはエシェゾーの中でもよい区画だけに素晴らしい。スタイルがあまりにも違うので、わたしは優劣をつけることができなかったが、3glassesさんはペルドリが良いと言っていた。 ペルドリは個人的に思い入れのあるワイン。今ではだいぶ有名になってしまったけれど、はじめて飲んだころは有名じゃなくて、96年のNSG 1er Cru Aux Perdrixは1ケース買ってしまった。ペルドリのワインを探す>ドミニク・ローランのクロ・ド・ラ・ロッシュを探す>2000 Condrieu Grands de Camille(Domaine Cheze)コンドリュー グラン・ド・カミーユ(ドメーヌ・シェズ) コンドリューの甘口とはセンスが良い。このあたりになるとだいぶ記憶は怪しいが、キュイロンとは違うスタイルだったことは記憶している。ゴルゴンゾーラ(?)のニョッキ。写真はないけれどパスタもあった。パンチェッタ(?)が美味。だいぶ食べちゃったけれど、5等級(一番上の等級)のなかでも最上級の牛肉。さすがにおいしい。 訪問したイタリアンはお勧めというだけあって素晴らしい! ごちそうさまでした。またいろいろコーディネイトしていただいた3glassesさん、ありがとうございます。パート6に続く><パート4に戻る気が向いたら投票お願いします→
2006.07.20
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昨日は午後から晴れたと思ったら、今日はまた雨。今日の目標は、倉敷の大原美術館だ。新幹線で岡山に移動。まずはJR岡山駅からほど近い岡山県立美術館へ。 岡山美術館は、駅から歩いても行けるし、岡電という路面電車でもすぐ。ここには宮本武蔵の絵がある。武蔵好きとしては外せないということで訪問することにした。岡山駅前の風景 雨の中、岡山美術館に到着。それにしても関西の駅にはエスカレーターやエレベーターが少ない(もしくは無い)。今回はカメラ機材やパソコンを持っていたため、1週間の旅行としてはかなりの大荷物だったのでこたえた。ハンディキャップのある方や外国人旅行者にとって大変なのではないだろうか。 武蔵がない! てっきり常設展示しているかと思ったのだが違うようだ。また特別展の準備期間中で、1Fは閉鎖されていた。入館料よりも高い、駅コインロッカー代\400と電車の往復代\200を使ったわりには残念な訪問だったが、国吉康雄の絵は印象的だった。岡山県立美術館交通:JR岡山駅から徒歩15分 もしくは路面電車/東山行「城下」下車徒歩3分住所:岡山市天神町8-48時間:9:00 - 17:00(入館は16:30まで)休日:月曜日(祝日の場合は翌日)料金:\300URL:http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kenbi/kenbi.htmいよいよ倉敷へ 気を取り直して山陽本線で倉敷へ。まずはホテルにチェックイン。宿泊先の倉敷国際ホテルは、大原美術館の訪問客のために建設されたホテルで大原美術館に隣接している。ロビーの天井には、棟方志功の大作が展示されている。 大原美術館のあたり一帯は、倉敷美観地区といい、旧家の町並みや大原美術館、アイビースクエアなど、いわゆる観光地が集まっている。倉敷の町並みは美しい。鳥の種類はわからないが、大きい鳥が1羽だけいた。 大原美術館の成り立ちを説明すると、もともとこの地にあった倉敷紡績(現在のクラボウとクラレ)の二代目社長大原孫三郎が、洋画家であり美術品収集家の児島虎次郎のパトロンとなり、児島虎次郎がヨーロッパで買い付けてきた美術品が基となって設立された。その設立は1930年(昭和5年)であり、日本初の西洋近代美術館である。 ヨーロッパも同じだけれども芸術にはパトロンの存在が欠かせない。 まずは知り合いから勧められていた児島虎次郎記念館のあるアイビースクエアへ。アイビースクエアは倉敷紡績の跡地を再開発した場所で、児島虎次郎記念館やオルゴールミュゼ、ホテル、レストランなどがある。 散策してみると倉紡記念館など、ほかの施設もあった。児島虎次郎記念館と倉紡記念館、アイビー学園のセット券が\700だったので、三カ所訪問することにした。アイビースクエア 児島虎次郎記念館は、小さな美術館だけれど、児島虎次郎の業績を知るうえでは興味深い。倉敷紡績記念館は、その名のとおり、倉敷紡績の歴史を紹介したもので、その当時の風俗がわかりそれなりに面白い。 つぎにアイビー学園へ。変な名前だとは思っていたがちょっとひどい。世界の絵画を写真で説明しているということだったが、全部赤茶けてしまい、原画の色が完全に失われている。同じレプリカであっても、これから訪問する大塚国際美術館とのギャップが大きい。これだったらない方がよいのではないだろうか。 ということでベストチョイスは、大原美術館と児島虎次郎の共通券だ。児島虎次郎記念館 いよいよ本命の大原美術館へ。大原美術館の収蔵品は、印象派の絵画を中心としているが、目玉はエル・グレコ「受胎告知」である。ただし今回は、8月から東京近代美術館で開催される特別展のためにエル・グレコを除く有名作品の多くは貸し出されているようだった。 まあ東京の特別展は見に行けるのでよしとしよう。 エル・グレコの「受胎告知」は、日本にある西洋絵画の中ではマスターピースともいえる重要な存在だが、やはりエル・グレコの絵は教会が似合う。まあ宗教画なので当たり前なのだけど...。トレドの教会で大量のエル・グレコを見たことがあると、物足りなさを感じることは否めない。大原美術館の本館 大原美術館は、本館以外にも分館や工芸館、東洋館などが同じ敷地内にある。大原美術館の仕組みでよいと思ったのは、入場のチェックはそれぞれの入り口だけで、1日間は自由に何度も入退場可能なこと。敷地内の飲食施設は、レストランが1件あるだけなので、必然と外に出て行くことになる。地域全体で活性化するという姿勢に好感が持てる。 今回見た中で印象的だったのは、著名な西洋画が貸し出されていたこともあって、棟方志功の作品群だ。これだけの作品群を見たのははじめてということもあって印象的だった。 それにしてもこれだけの施設を作り上げた大原孫三郎をはじめとする関係者に敬意を表したい。別館中庭は日本庭園のようになっている 大原美術館の隣にある喫茶店「エル・グレコ」。1959年創業の老舗。レア・チーズケーキが人気らしい。エル・グレコのレプリカがあると情報誌に書いてあったので期待して入店。するとA4程度の、ものすごく小さな白黒の絵(写真?)が数点飾ってあるだけだった。もともと大きい絵が多いエル・グレコだけに、ギャップが大きい。はっきり言って、これだったら飾らない方がよいのではと思ってしまった。なおレア・チーズケーキはおいしかった。エル・グレコエル・グレコのチーズケーキパート5に続く><パート3に戻る気が向いたら投票お願いします→
2006.07.20
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たまりにたまったので連続更新。 この日は美術館だけでなく寺社もまわった。銀閣寺と詩仙堂の次に行こうと思っていたのが、洛西にある妙心寺。2年ほど前に訪問して、探幽の天井画にとても感動したので、今回もぜひ訪問しようと思っていた。 京都は有名寺院もよいが、妙心寺や詩仙堂のようなマイナーな方が人が少なくて落ち着ける。 妙心寺は、臨済宗の大本山で、東京ドーム3.5個分の敷地を持つ広い寺院だ。また妙心寺の敷地には、塔頭と呼ばれる子寺が46ヶ寺あって、ふつうに見るとお寺の集合体のように感じる。その中の一つに狩野探幽の天井画がある。妙心寺の南門南門から見る境内総受付のある大方丈の庭 妙心寺の拝観は一般的な寺社と異なり、20分ごとに係員が案内してくれる。はじめは狩野探幽の天井画がある法塔(はっとう)に向かう。 係員の説明に従っていろいろな角度から天井を見上げる。西洋絵画のトロンプルイユ(だまし絵)のように、見る角度によって見え方が違う。相変わらず、ここの落ち着いた雰囲気は好きだ。探幽の天井画がある法塔(はっとう)。この渡り廊下をすすむ。これは入場時にもらえるパンフレット。この絵がドーンと天井にある。 法塔を見たあとは、光秀風呂を案内される。光秀風呂は、明智光秀を弔うために建てられた現代のサウナのような蒸気風呂だ。光秀風呂 これで妙心寺を去る予定だったが、ガイドブックに写真スポットのマークを発見。同じ妙心寺の敷地にある退蔵院にも拝観した。退蔵院の入り口「元信の庭」と呼ばれる、狩野元信の手による枯山水庭園これはまた別の庭造園家 中根金作氏の手による「余香苑」 次は洛央に戻って二条城へ。二条城は風景も良いし、御殿の中も結構好きだったりする。昼過ぎからは、ようやく明るくなってきた。 今回の旅行のために、せっかくPLフィルタを購入したのだが、朝天気が悪かったためホテルにおいてきてしまった。しまったー。広角レンズ用の大口径のものは高かったのに! なんかカメラについては失敗ばかり。二条城 東大手門二の丸御殿入り口これも二の丸御殿二の丸御殿庭園本丸櫓門前 それにしても今回は渋滞に悩まされた。二条城から国立博物館まで1時間近くかかってしまった。時間を短縮するためには電車を活用すべきか。 時間が変わって、これは夜。訪問時は祇園祭の最中で、山鉾巡行の翌日。翌日だったためおみこしは出ていなかったが、四条烏丸付近の商店跡に飾ってあった。祇園祭のおみこし。この2枚だけFinePix30によるもの。 この夜はハモを食べまくり。たくさん歩いてやせるはずが...。パート4に続く><パート2に戻る気が向いたら投票お願いします→
2006.07.19
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今日も小雨。いよいよ本命の美術館巡り。京都国立近代美術館、京都国立博物館、細見美術館、河井寛次郎記念館をまわった。 タクシーの運転手と話していると、藤田展が会期末ということもあって、とても込んでいるらしい。休日は何十分も待っていたとか。国立博物館からまわる予定だったのだが、急遽変更。朝だったら少しはましだろうと先に国立近代美術館へ。京都国立近代美術館 平日の午前中ということもあって行列はできていなかったものの、かなり盛況だった。そしてもちろん満足度は高かった。 エコール・ド・パリ時代の初期の画風から、乳白色の時代、日本に帰国してからのもの、従軍画家時代、そしてパリに再び舞い戻ってからの最晩年のもの。それぞれ特徴があり、乳白色の先入観が強かったわたしにとっては驚きでもあった。 個人的に好きなのは、日本在住時代と、晩年にパリに渡ってからのもの。また藤田の描く、おでこが広くつり上がった目の子供の絵は、現代のアーティスト(名前を忘れた!)に何となく似ているような気がする。細見美術館 常設展示を見たあとは、近くの細見美術館へ。細見美術館は、日本美術を中心とした個人美術館だ。ここも知り合いからお勧めといわれていたところ。館内は静かで落ち着いた雰囲気。ゆっくり鑑賞できるように、移動可能な椅子が各部屋に置いてある。 今回訪問したときは「珠玉の日本美術 細見コレクション リクエスト展」という企画展をやっていた。小さな美術館なので20分もあれば全部見て回れるが、ここでは腰を落ち着けて、気に入った作品を眺めたい。 また驚いたのは若沖(じゃくちゅう)なかでも、かなりの上物が数点あったこと。ちょうど今、東京国立博物館で若沖展を開催しているので、日本国内からも集めていると思ったのだが、そうではないようだ。たしかに東京国立博物館の若沖展は、サブタイトルがプライスコレクション(アメリカの収集家、プライス氏のコレクション)になっている。 細見美術館 こぢんまりとした美術館だが、宗達や光悦、大雅などの作品や、平安・鎌倉の重要文化財まで、質の高い作品が展示されている。また、ここのミュージアムショップは一見の価値あり。気の利いた小物がたくさん置いてある。住所:京都市左京区岡崎最勝寺町6-3時間:10:00-18:00(最終入場17:30)休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)料金:\700URL:http://www.emuseum.or.jp/ 鑑賞後は、同じ建物にあるカフェでランチ。このカフェは美術館以外の客も入れる。そんなこともあって、結構お客がいたにもかかわらず、平日の昼間からワインを飲んでいたのはわたしだけだった。前菜は、塩分がしっかりしてワインがすすむ。思わずワインをおかわりしそうになってしまった(笑)。カプレーゼは、ちゃんと水牛のモッツァレラを使っている昼間からワインを飲む幸せ 続いて河井寛次郎記念館へ。河井寛次郎は、1890年生まれの日本を代表する陶芸家の一人。「釉の寛次郎」と呼ばれ、みごとな釉薬の使い方で知られている。 ただし一般人のわれわれからすると少し変わった人物で、30代半ばから柳宗悦らとともに日本民藝運動をはじめると、作品に「銘」を入れなくなる。また陶芸家や陶芸作家と呼ばれるのがいやだったらしい。親の職業欄になんと書くべきかと子供に聞かれると、「『陶磁器製造業者』と書いておきなさい」と言ったとか。 河井寛次郎のことは最近まで知らなかったのだが、先日テレビ東京の「美の巨人たち」で2回にわたって特集されて、なかなか面白そうだったので訪問した。美の巨人たち 河井寛次郎(前編) 河井寛次郎(後編) 記念館は、京都の五条坂交差点近く、京都国立博物館と清水寺のあいだに位置する。住宅街の中にあるので、あらかじめ知らないと訪問できない場所だ。河井寛次郎記念館。竹矢来が美しい。看板は交流のあった棟方志功によるもの。 この記念館は、河井寛次郎自身が設計した住宅兼工房を、そのまま利用している。間口はそれほど広くないが、奥行きがあって結構広い。建物は、横長のコの字型になっていて、家の奥には窯もある。内部には、陶器や椅子、木彫などが展示されている。 ただし、ここは展示されている作品を鑑賞するというよりも、寛次郎が過ごしたこの空間を楽しむべき場所だと思う。ここには独特の空間的魅力が存在する。展示されている陶器の数は、大原美術館のほうが多いような気がするし、それ以外のものも展示点数は多くない。 1階と2階には寛次郎の作成した椅子があり、また2階には畳敷きの部屋もある。詩仙堂で雰囲気を楽しんだのと同じように、ゆっくり楽しみたい。できれば、1階でお茶を飲めるとよいのだが...。 ここで不思議なのは年間パスポート(\3,000)があること。年4回展示替えが行われることもあるが、やはり熱狂的なファンがいるのだろう。二階の一室。写真に写っている部屋には入れないが、手前の畳敷きの部屋には入れるようになっているので、ゆっくりするには最適家の奥にある窯河井寛次郎記念館 寛次郎の「寛」の字は、儿の部分に点ありが正しいのだが、ブログでは機種依存文字として入力できなかった。シフトJISではFAAA。住所:京都市東山区五条坂鐘鋳町569時間:10:00 - 17:00休日:月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館) 夏期休館(8月11日頃~20日頃) 冬期休館(12月24日頃~1月7日頃)料金:\900URL:http://hcn.plala.or.jp/fc211/sagi/ 続いて京都国立博物館へ。京都国立博物館を訪問するのは数年前の雪舟展以来。 今回は会館110周年を記念して「美のかけはし」という特別展を開催していた。地味めの特別展ということもあり館内はすいていた。詳細は国立博物館のWebサイトを見ていただくとして、京都の文化財保護という博物館の生い立ちにまつわるものが展示されている。 国宝26件、重要文化財37件という銘品の数々のなか、個人的によかったのは俵屋宗達の「風神雷神図屏風」。今まで好きだったのだが、おそらく見たことがなかった。また岩佐又兵衞の絵巻物の超精密描写はみごとだった。京都国立博物館の正門ロダンと本館 この日はほかに寺社もまわったのだが、それは次回へ。パート3に続く><パート1に戻る気が向いたら投票お願いします→
2006.07.19
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そうだ京都に行こう! JRのキャッチコピーのように突然思い立ってしまった。 とはいえ、何も理由がなかったわけではなく、一番の理由は京都近代美術館で開催されている藤田嗣治展を見るためだ。東京でも開催されていたのだが、見に行こうと思っているうちに京都に巡回してしまったのだ。 また京都好きということもある。最近は2年に1回のペースで訪問している。 そして、わざわざ京都に行くならば、倉敷の大原美術館にも行きたいし、徳島の大塚国際美術館にも行きたい。さらに調べると瀬戸内海の直島にベネッセアートサイトという美術館の島があることも発見。 結局6泊7日の旅行を決めてしまった。 それにしても欲望のパワーは恐ろしい。今回は転々と移動することもあり、プランニングは大変だったのだが、各種予約も含めて1日でほぼすべてを終えてしまった。スイッチがONになったときと、OFFのときのパフォーマンス差が大きいことをあらためて実感。仕事でもつねにスイッチをONにできるようになればよいのだが...。<初日> きょうは寺社巡り。今回は美術館巡りがおもな目的なのだが、月曜日が祝日だったので、火曜日は休館日。そのため寺社巡りをすることにした。まずは有名寺社では一番好きな銀閣へ。銀閣寺の参道 ファインダーを見ると中央が少し白くなっている。レンズ表面を見ると、大きな指紋がべったりと付いている。あーー。レンズクリーナーは部屋に置いてきてしまったので、これで標準レンズは活躍するまもなく戦力外。あとはTokina AT-X124PROに。このレンズを持っていて命拾い。教訓「レンズクリーナーはつねに持ち歩くべし」銀閣寺入り口銀閣寺入り口2 下の写真で、右上と左下に黒く見えるのはレンズフード。広角レンズを使っていたので視界に敏感なのだが、レンズフードが完全にセットされていなかった。しまったー。ファインダーを見ていて途中で気づいたのだが、このあともレンズ交換ののちに、同じ失敗をしてしまった。教訓「広角レンズを使うときには、レンズフードが完全にセットされていることを確認すべし」 大人になってはじめて向月台と銀沙灘を見たときには驚いた。とにかく素晴らしいの一言。何回も見ると驚きはなくなるが、好きな庭の一つである。縁側(?)に腰をかけて眺めると癒やされる。ちなみに、はじめて銀閣を訪問したのは中学生の修学旅行ときなのだが、向月台と銀沙灘はまったく記憶がない。向月台銀沙灘雨の銀閣展望台から 次は詩仙堂へ。詩仙堂は銀閣寺から北に2キロ弱行ったところにある。今回訪問するのは初めて。友人からお勧めといわれて訪問することにした。 表通りから詩仙堂に行く途中には、宮本武蔵と吉岡一門が決闘したといわれる一乗寺下り松がある。周りは立派な家が多いながらも、これだけぽつんと存在しているので何か不自然な感じは否めない。一乗寺下り松詩仙堂へ向かう京都の地名はかっこいい詩仙堂入り口 詩仙堂の本堂はふすまが全面開放されていて庭を眺められる。みんな座り込んで眺めていて、まさに心が洗われるよう。ずっと動かない人もいたので、ここに何時間もいる人もいるのではないだろうか。 いやー、良いところを教えてもらった。 詩仙堂の内部は撮影できないが、部屋の中から庭を撮影できる。ポスターは、もっと引いた広角画像で美しい。人が写ることを覚悟して、同じアングルにチャレンジすれば良かったかも。雨に濡れる木々 部屋から庭を眺めたあとは、細い道を通って庭に移動。庭は思ったより奥に広がっている。庭に続く道庭には、池や小さな竹やぶがある あまりに雨がひどく、今日は2カ所だけで帰還。帰路の途中に、錦市場のそばにある扇子の専門店「宮脇賣扇庵(みやわきばいせんあん)」へ。ここにはセンスの良い扇子がおいてある。宮脇賣扇庵 晩ごはんは和食にしようと思っていたけれど、あまりの天気の悪さに外出する気が起きない。するとホテル内のフレンチに、宿泊者向けの特別価格コースがあることを発見。フレンチに方向転換。2004 Thornbury Sauvignon Blan Marlboroughソーンベリー ソーヴィニョン・ブラン マールボロMarlborough, New Zealand 目鼻立ちくっきりのソーヴィニョン・ブラン。こういう蒸し暑い日にはこういうのも良いかも。それにアペリティブに妙に甘いカクテルを飲んでしまったので、ソムリエのリコメンドに従ってよかった。このワインを探す>2002 Chablis(Francois Servin)シャブリ(フランソワ・セルヴァン) ビラージュとしてはかなりイケてるシャブリ。ソムリエの説明によると古木らしい。かなりお勧め。このワインを探す>2002 Ch.Lagrangeシャトー・ラグランジュ 久しぶりのラグランジュ。ラグランジュってこんな味だったっけ? これまたおいしい。飲み過ぎて二日酔いになりそう。アミューズカルパッチョ(何の魚か忘れた)と京都地野菜の取り合わせハモの落としと賀茂茄子・夏野菜のマリネをガスパッチョとともにメダイ(?)のポワレとオマールのソースレモンのグラニテ備長炭で焼き上げた国産牛フィレいろいろな茸のソテー添え、トリュフのソースパート2に続く>気が向いたら投票お願いします→
2006.07.18
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8日目 マドリッド散策、そして帰国へ 今日も晴れ。ウェリントンの朝食ブッフェは僅差で過去最高。外国でメロンを食べると味気ないヤツが多いけど、このメロンは高級な味がする。またフレッシュオレンジジュースは明らかに濃い。他にも牛肉の煮込みがあったり、ハムを豚モモの固まりから直接サーブしてくれたりする。さすが5つ星。 午後のフライトなので午前中はあそぶことにする。最初のターゲットは、プラド美術館前にあるティッセン・ボルネミッサ美術館。個人では世界有数の絵画を持つティッセン男爵の所有する絵画をもとに、92年に開館した新しい美術館。プラドのあとということもあって、特に目玉はないけれど、ルネッサンス期から現代までまんべんなくそろっている。ラファエロやエル・グレコ、ピカソなどの巨匠作品もあった。ティッセン・ボルネミッサ美術館。ティッセン・ボルネミッサ美術館Museo Thyssen-Bornemisza交通:(M) BANCO DE ESPANA(L2)住所:PASEO DEL PRADO, 8時間:10:00 - 19:00休日:月撮影:不可料金:4.80ユーロURL:http://www.museothyssen.org/ 最後はマドリッドに3店(?)あるエル・コルテ・イングレスというデパートの本店へ。ここのワイン売場は充実している。ワインを1本購入して終了。1999 Rioja Reserva Privada(Marquis de Vargas) 40 EUR帰国後すぐに飲んだところ、かなりのポテンシャルだったが、あきらかに早飲みしすぎ。もっと熟成してから飲めば良かった。・エル・コルテ・イングレスのWebページ イギリスの国旗をクリックすると英語表示になる。マドリッドの風景。街路樹や公園など緑が多い。 帰りはロンドン・ヒースロー経由で東京へ。これで日記を終わるはずが、ヒースローのターミナル3で有名なワイン商BBRを発見。品ぞろえは少ないけれど、BBRらしい秀逸なセレクション。誘惑に負けて2本購入。2001 Cornas Granit 60 V.V(Vincent Paris) £ 18.652002 Bourgueil V.V Le Grand Clos(Yannick Amirault) £10まとめ: 前回のイタリアツアーと比べてゆったりしていたこともあって、とても満足の9日間だった。また、それほど疲労もなかった。 バルセロナは天候が悪かったこともあって印象はうすい。マドリッドは本命なので、もちろんすばらしい。 予想以上によかったのは2大都市以外。優劣をつけるのは難しいけど、パラドールに泊まったトレド、アルハンブラ宮殿のグラナダ、街中オレンジの香りのセビーリャとコルドバ。宿泊したところはすべて印象深い。 ほかにもスペインの良いところは、電車がわかりやすくて明るいこと。ミラノの暗くてわかりづらい電車とは大違い。また都市部では、流しのタクシーが過剰とも思えるほど走っているので便利。 もう一度行くとしたら南をまわってみたい。 また今回あらためて痛感したのはちゃんとしたガイドの重要性。絵画を含む歴史的なバックグラウンドを持つものは、ガイドの有無の差は大きい。オーディオガイドやガイドブックのような無機質なものと、人に説明されるのではぜんぜん違う。 ということで、少なくとも美術館に関しては、個人旅行のときでも日本人ガイドを雇うか、もしくは現地の日本語ツアーに参加した方がよいと思う。もちろん英語に堪能であれば、英語ツアーでもよいのだけどね。 あと治安については書かなかったけど、2004年3月に発生したマドリッド列車爆破テロ以降は警備が厳しくなり、治安は相当よくなっているらしい。実際にマドリッドの主要な広場には、ほとんどすべて白バイ警官がいた。・スペイン政府観光局のWebページ(日本語) スペインの日本語情報が詳しい。おみやげ:1999 Rioja Reserva(Heredad Ugarte) 16 EUR1999 Rioja Reserva Privada(Marquis de Vargas) 40 EUR1989 Vouvray Cuvee Constance(Huet) 123 EUR2001 Cornas Granit 60 V.V(Vincent Paris) £ 18.652002 Bourgueil V.V Le Grand Clos(Yannick Amirault) £ 10ヴェガシシリアのハチミツサフランおわり。<パート1に戻る。
2006.04.20
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7日目 首都マドリッドへ パラドールを名残惜しみながらもトレドを出発。約1時間でマドリッドに到着。高地なので寒いかと思ったけど、やはり昼間は暑い。 念願のプラド美術館。今回の日本人ローカルガイドはすばらしい! 軽妙にして洒脱。画家の面白い裏話が満載。絵に興味のない人も納得の時間だったと思う。 最大の収穫はゴヤを少しは理解できるようになったこと。今までゴヤに対して興味があったわけでもなかったし、とくに晩年のゴヤは苦手だった。ところが、このガイドの話を聞いて、すっかりゴヤ好きになってしまった。 あまりにも感動したのであとで聞いてみると、もともとは美術学生としてスペインに留学していたとのこと。2時間しか見れなかったけど、主要なものはしっかり見れたし、優秀なガイドの説明もあって満足度は高い。 意外だったのは、プラドの大きさ。大きいことは大きいけど迷うほどでもないし、端から端まではたぶん300メートル以下。そう思うとルーブルやエルミタージュは別格なのだろうか。プラド美術館の入り口。ラファエロ。ゴヤの「着衣のマハ」と「裸のマハ」。プラドの至宝、ベラスケスの「ラスメニーナス」。プラド美術館Museo del Prado訪問する前には開館情報のチェックを忘れずに。交通:(M) Banco de Espa駅(L2)もしくはAtocha駅(L1)住所:Paseo del Prado s/n. 28014 Madrid時間:9:00-20:00(最終入場19:30)休日:月曜日撮影:可料金:6ユーロURL:http://museoprado.mcu.es/home.html 昼食は日本食。内容としては、幕の内弁当プラス・アルファ。「何で日本食?」と思ったけど、いざ食べてみると、ホッと落ち着く味。今まで恵まれない昼食と夕食だったこともあるけど、日本人である自分のルーツを再確認。 その後、ゲルニカのある国立ソフィア王妃芸術センターへ。現代美術が苦手なわたしでも、ゲルニカはすばらしいと思う。このすばらしさは実物大でないとわかりづらい。昔は防弾ガラス越しに遠くから眺めていたようだが、現在は直接見れるようになっている。とはいえ警備は厳しく、両端に警備員を配置。3メートル以内には近づけないようになっている。囲いの棒に少しでもふれると警備員から注意される。国立ソフィア王妃芸術センターMuseo Nacional Centro de Arte Reina Sofiaピカソやミロなどを筆頭に、絵画、彫刻、映画、写真など様々な分野の現代スペイン美術作品を所蔵。交通:(M) Atocha駅(L1)住所:Santa Isabel, 52 28012 Madrid時間:10:00 - 21:00, 10:00-14:30(日曜日)休日:火撮影:不可料金:3.01ユーロURL:http://www.museoreinasofia.esスペイン広場。ここにもドン・キホーテの像がある。それにしても「スペイン広場」とは世界中に何カ所あるのだろうか?スペイン王宮前の広場 自由時間は散策。マドリッド市内はそれほど大きくないので歩いて結構回れる。また地下鉄網も発達しているし、流しのタクシーもあるので、とても観光しやすい。デパート(エル・コルテ・イングレス)に行ったらウニコを作っているワイナリー「ヴェガ・シシリア」のはちみつを発見。ヴェガ・シシリアのはちみつ。これは大きい(500ml)けれど、おみやげ用の小さい瓶の詰め合わせも売っていた。 さらに散策すると、パリにもあるワインショップ「LAVINIA(ラヴィーニャ)」を発見。どうやらマドリッドとバルセロナにもあるようだ(というかラヴィーニャはスペインが本家ということを帰国後に知った)。なぜかフランスワインを購入。1989 Vouvray Cuvee Constance(Huet) 123 EUR 今日の宿泊は5つ星のウェリントン。入り口にはかっこいい制服を着たベルボーイが立っていて立派。しかし部屋はふつうで、それほど広くもない。街の中心部にあることが、とりあえずのメリットか。宿泊したウェリントンホテル。次回パート8に続く。><パート6に戻る。
2006.04.19
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6日目 トレドへ 今日も晴れ。北上して、ラマンチャとトレドへ。約300キロ以上の長旅だ。一面に広がる平原。牧草地やオリーブ畑が美しい。 ドン・キホーテで有名なラマンチャに立ち寄りランチ。西部劇に出てきそうな荒涼とした雰囲気の街。町中には、ドン・キホーテの像がいくつか立っている。ドン・キホーテの像が所々にある。これはレストランの前。ここにもドン・キホーテ。中心部の駐車場。壁にはドン・キホーテとサンチョ・パンサの絵。 その後、風車のある丘へ。バスで丘の上に登ると地平線まで360度を見渡せるパノラマ。爽快感。写真では、この爽快感を表現できないのが悔しい。 面白かったのは現地のおみやげ屋。丘の頂上でバスから降りていると、小さい車が近寄ってきた。何だろうと見ていると、中年のおじさんが降りてきた。「お母さんきれい、お姉さんもきれいね。絵はがき、おみやげいろいろあるよ。風車の中は1ユーロ」 なんとも愛嬌のある呼び込み。そして風車に近づいたと思ったら、カギを開けて見学者を招き入れる(見学は1ユーロ)。ひととおり客がいなくなると、さらに一言。「儲かった、儲かった、さらばじゃ」 なんとも流暢な日本語で風のように去っていった。一体誰があんな日本語を教えたのだろうか。それとも自分で覚えたのか。また、バスを見つけて追っかけてくる素早さは、どこかにセンサーが仕掛けられているのかと勘ぐってしまうほどだった。バスの近くにある小さな白い車が怪しい親父の車。風車の近景。今ではまわっていない。 その後トレドへ。トレドは有名な風景そのもの。ちょうどカタツムリのような形の丘に、これでもかというほど建築物が密集している。対岸から見るトレドの街の風景(旧市街)。手前に流れるのがタホ河。タホ河。タホ河にかかる大きな石橋。 トレドでは、大聖堂とサント・トメ教会、エル・グレコの家を見学。大聖堂には絵画室と宝物室が内部に併設されている。特に絵画は秀逸で、エル・グレコやティツィアーノがたくさんあった。そういえばセビーリャの教会にも同様の絵画や宝物の施設があった。イタリアの教会には見られない構造なので、これがスペイン教会の特徴なのだろうか。ちなみにスペイン教会の一番の特徴は、祭壇が中央にあること(イタリアは一番奥にある)。トレドの大聖堂。中にはエル・グレコの絵がたくさんあり見所いっぱい。 自由時間中の出来事。見学料2ユーロと聞いていたエル・グレコの家に入ろうとすると、チケット売場のお姉さんが文句を言ってくる。よく聞いてみると、「フォルティ」と言っているようだ。「フォルツァ」はイタリア語でガンバレだよな、と考えつつも断念して持ち合わせの小銭を全部出すと40セント取られた。どうやら彼女は「forty」と言っていたようだ。日本人の英語もなまってるけど、ヨーロッパ人にありがちな母国語読みをされるとつらい。大聖堂Catedralエル・グレコやヴァン・ダイク、ティッツィアーノ、ラファエロなど必見。住所:Plaza del Ayuntamiento時間:10:30 - 18:30, 14:00-18:30(日曜日)料金:4.80ユーロ(美術館)サント・トメ教会Iglesia de Santo Tomeエル・グレコの最高傑作と言われている「オルガス伯の埋葬(El entierro del Conde Orgaz )」がある教会。この絵画しかないとっても小さな教会。住所:Plaza del Conde, 1 y 4時間:10:00 - 18:45休日:1/1, 24/12 (from 1.45pm), 25/12, 31/12 (from 1.45pm)料金:1.20ユーログレコの家Casa Museo de El Grecoエル・グレコの家という名前だが、エル・グレコが住んでいたわけではないらしい。サント・トメ教会のすぐ近くにある。大聖堂とサント・トメ教会、そしてこのエル・グレコの家は、とりあえず訪問すべき場所。住所:Samuel Levi時間:10:00-14:00, 16:00-18:00, 10:00-14:00(日曜日)休日:public holidays料金:2.40ユーロURL:http://www.geocities.com/soho/museum/8225/サンタ・クルス美術館Museo de Santa Cruzもともとは病院だった建物を改装した美術館。エル・グレコやゴヤ、リベラなどがある。住所:Cervantes, 3時間:10:00 - 18:15, 10:00-14:00(日曜日)休日:1/1, 4/1, 12/25, etc料金:無料・トレドの観光ガイド(日本語)・トレドの観光ガイド(英語) 美術館情報は、こちらのほうが詳しい。 その後は、トレド旧市街の対岸に位置する待望のパラドールへ。パラドールとは、古い城や邸宅を改造した国立のホテルのこと。スペインの各地にある。今日の宿泊は、このパラドールだ。建物が美しいだけでなく、内部の調度品も現代のホテルにはない落ち着きを持っている。 喧騒を離れた部屋のテラスでハモンイベリコをつまみながらワインをなめる。なんともいえない充実感。1週間くらいゆっくり泊まりたい。トレドのパラドール入り口。パラドールは、タホ河を挟んだ対岸の高い位置にある。部屋は美しくクラシックな作り。ドアノブなど、いかにも古めかしくて素敵!バルコニーからパラドールの中庭を見る。遠方に見えるのがトレドの旧市街地。バルコニーで、ハモンイベリコをつまみながらワインを飲む。至福のとき。画像のセレクトに迷ったので2枚UP。ワインを強調するなら上だけど、こっちのほうが荒涼感があるかな。 パラドールの夕食は期待していたけど、品数が少ない特別メニューということもあってか平凡なもの。またサービスも荒い。 夕食前に飲み過ぎたせいもあって、部屋に戻るとベッドのうえですぐに爆睡。 夜中、何か呼ばれていると思いドアの方を見ると、ホテルの人と添乗員がのぞいている。何だろうと思って話してみると下の部屋に水漏れしているらしい。あわててお風呂を見ると、風呂場内の床は水浸し。部屋にも少し浸食している。どうやら給湯しながら寝てしまったことが原因のようだ。 どっひゃー! あわてて給湯を止めて状況を説明。とりあえず事態は収集。結局部屋の清掃をするため、真夜中にも関わらず他の部屋に移動することになった。今思うと、服を着たまま寝ていてよかった。裸だったらさらに大変なことになっていたと思う。 数ヶ月後、旅行保険のパンフを見ていたら、お風呂をあふれさせたときの保証の話が載っていた。そのときはまったく気にしていなかったけれど、一般的には請求されるものなのだろうか。迷惑をかけたことは申し訳ないと思うけれど、修理代を取られなくて良かったー。次回パート7に続く>。<パート5に戻る。
2006.04.18
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5日目 セビーリャ、コルドバ 今日も澄み切った晴れ。街並みもアメリカ西海岸をほうふつさせる太陽光の強さ。今日の予定は、セビーリャの大聖堂(カテドラル)とスペイン広場を観光後、コルドバへ移動。スペイン広場。1929年にスペイン・アメリカ博覧会の会場として造られ、1992年には万国博覧会の会場にもなった場所。近景。壁面にはモザイク画がたくさある。 続いてセビーリャの大聖堂。セビーリャの大聖堂は世界で2番目の大きさ。とはいえ、バチカンのサンピエトロ寺院とそれほど変わらないように感じる。きっと微妙な差なのだろう。入り口にはギネスブックの賞状があり、"IN THE LARGEST AREA"と書いてあった。ここには中庭もあるので、それを含めた床面積では最大なのかもしれない。 大聖堂にはスロープがあって(階段ではない!)、最上階まで登れるようになっている。スロープになっているのは馬車で登れるようにしたため。頂上までは時間にして8分くらい。上まで登るとセビリアの街が一望できる。 セビーリャもコルドバも、アンダルシアでは街中オレンジの木がいっぱい。青々と葉が茂り、実をつけている。圧巻なのは開花している白い花。とくにセビーリャ以降、街中には白い花ビラが舞い、オレンジの花の香りが満ちあふれている。セビーリャの大聖堂。巨大戦艦のごとき畏怖堂々の存在感。右の塔が、ヒラルダの塔。地上70メートル。ヒラルダの塔からセビーリャの町を望む。大聖堂の内部。この大聖堂にも絵画を収蔵している宝物室がある。セビーリャを流れる川。こんなに陽気だとワインじゃなくてビールかな。ちなみにビールのことはスペイン語で「セルベッサ(cerveza)」。 バスでコルドバに移動。セビーリャ以降ようやく暖かくなったけど、寒暖の差が激しい。朝は12-13度で肌寒いけど、午後は25-30度。服装のチョイスが難しい。 コルドバでは、メスキータと呼ばれるモスクを改造したキリスト教寺院やユダヤ人街を見てまわる。メスキータは、もともと8世紀にイスラムの寺院として建造されたが、13世紀にキリスト教の時代になって改修されたという特異な歴史を持つ建造物。和洋折衷というか、イスラム・キリスト折衷なので、独特のユニークさがあって面白い。メスキータ内部1。薄暗くて幻想的。メスキータ内部2。アーチが美しい。宝物室には絵画と黄金の品々。聖歌隊席。同じ建物なのに、こちらはキリスト教風。というか強引にキリスト教風に作り込んだ。メスキータの中庭。オレンジの香りが充満している。ユダヤ人街にある有名な花の小格。またパティオ(中庭)も美しい。 自由時間ではデパートと商店街を散策。南スペインというと小さな街が多いというイメージだったが、中心部に行くとセビーリャもコルドバも大きい街であることがわかる。コルドバの中心街はプチ銀座のよう。エル・コルテ・イングレス(El Corte Inglès)というデパートではコルドバ産のオリーブオイルを購入。グレープシードのような緑色。オレンジの蜂蜜がおいしいと聞いていたけど、すっかり買い忘れた。 スペインにきてワイン専門店を探しているけど、車窓から見かけることはあるものの、いざ自分で街歩きをすると見つからない。高級ワインを飲む趣味はあまり無いのかもしれない(大きなスーパーやデパートには、たまにウニコあり)。 ユダヤ人街の町並みは美しいけど、迷路のように道が入り組んでいるので注意が必要だ。方向音痴の人が入ったら抜け出せないかもしれない。方向感覚には自信があったわたしも迷ってしまった。 夕食のメインはポークソテー。イタリアのツアーでは鳥肉が多かったけど、スペインはポークが多い。あとは付け合わせのフライドポテト。この2つはかなりの高確率で登場した。 夜はライトアップされたメスキータ周辺を散策して、ばたんキュー。晩酌のためのワインを飲む時間がない。花の小格の夜景。上の写真との対比。メスキータのアルミナールの塔。ローマ橋。グアダルキビール川にかかる橋の1つでローマ時代に築かれた。ホテルからメスキータを見る。朝焼けのメスキータ。次回パート6に続く>。<パート4に戻る。
2006.04.17
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4日目 さらに南へ。ミハス、ロンダをめぐる。 グラナダから南下。アフリカ大陸との接点ジブラルタル海峡方面に向かう。晴れているけれど、風が強くて、とても寒い。おそらく体感温度は10度以下。みんなもぶるぶる震えていた。まずはミハスへ。 ミハスは、別名「白い街」とよばれる小さな街。海から少し離れた高台にある。山腹にへばりつくように、白くて美しい家々が並んでいる。ミハスの風景。ミハスの街からアフリカ方面を望む。天気が良いときにはアフリカ大陸が見えるらしい。ジブラルタル海峡は右の方。観光用のロバ。アーモンドを砂糖でコーディングしたお菓子が名物。見た目はチープだけど意外においしい!ミハスの闘牛場。日本のCMでもよく使われるミハスの小道。 ミハスの次はロンダへ。ロンダは、ミハスと比べるとだいぶ大きい街。見どころは、ゆうに100メートルを越える巨大な石橋。こんな田舎に巨大な橋を作った、いにしえの人々は偉い。というかそれを作るだけの絶対敵権力者が存在した証拠か。 ロンダのローカルガイドは日本語ペラペラだ。聞いてみると、かつて東郷青児の弟子として、日本に10年間滞在していたとのこと。新宿の損保ジャパン東郷青児美術館には、この人が手伝った作品もあるらしい。馬の絵をよく書いたといっていた。ロンダのレストラン。ミハスと比べるとずいぶん大きな街。ロンダの街は崖の上にある。崖を渡る巨大な石橋。この橋の下には、ローマ時代の橋も残っている。橋の上の道。橋を渡った対岸の街。 さらにバスに乗ってセビーリャへ。今までの寒さがウソのよな暑さ。温度計を見ると26度。それにしても日没が遅い。サマータイムなので夜明けが遅いこともあるが、21時くらいまではかなり明るく、完全に暗くなるのは21時半すぎ。これまで気温のことを頻繁に書いてきたが、それができるのは街中にたくさん温度計があるから。こんなに温度計があるのは、真夏になるととんでもなく暑いからかもしれない。 夜はフラメンコ・ディナー・ショー。当初思っていたよりもずいぶんまとも。こちらの方が美人でスタイルがよくイケメンが多い。雰囲気の違いもあって昨日との優劣はつけられないけど、今日のは楽しく踊っている感じで、昨日は魂で感じる踊り。どちらがよいかは好み次第。 びっくりしたのは日本人の多さ。これまでバルセロナでも、それほど日本人には出会わなかったのに、3百~4百と思われるキャパシティの9割は日本人のようだ。セビーリャに、こんなに日本人がいるとは! 街中を歩いているときにはほとんど誰にも出会わなかったのが不思議。欧米人が少ないのは、もっと遅い時間に見に来るかららしい。セビーリャのフラメンコショー。結構楽しい。21:00の明るさ(4月中旬)。21:30になってようやく暗くなる。夜空もきれい。 睡眠不足と疲労が重なって日記も書かずに爆睡。次回パート5に続く>。<パート3に戻る。
2006.04.16
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3日目 アンダルシアへ 7:00起床。今日は空路でバルセロナからアンダルシアのグラナダへ(スペインの南一帯をアンダルシア地方と呼ぶ)。標高が高いので少し寒いけど、アメリカ西海岸にも似た青い空とまぶしい日差し。 グラナダは国際線の乗り入れもある空港なのに、とっても簡素な空港だ。飛行機からターミナルまでのバスは無く、滑走路の端を歩くようになっている。また荷物も、建物の外にあるコンベアに乗せると、建物内部に出てくるという、犯罪の余地もないようなシンプルさ。日本の地方空港も見習う必要があるかもしれない。バルセロナの空港。ロシアにもあった、荷物のぐるぐる巻きサービス。シンプルな作りのグラナダ空港。青い空が美しい。 グラナダは南の街だけあって他の地中海の街とも共通する独特の雰囲気だ。この街の観光名所は、世界遺産にもなっているアルハンブラ宮殿。スペインでイスラムがもっとも栄えたときの宮殿である。そんなに繁栄していたグラナダもキリスト教徒によるレコンキスタ(国土回復運動)によって1492年に王朝は滅亡。その後は破壊され、長い間ジプシーのすみかになっていた。 その後、注目されるきっかけになったのが、ワシントン・アーヴィングの「アルハンブラ物語」である。19世紀アメリカの外交官アーヴィングは、アルハンブラ宮殿を訪れたときの出来事を、昔から伝わる幻想的な物語と織り交ぜ、叙情あふれる紀行文として出版。この「アルハンブラ物語」の世界的大ヒットによって、ふたたび注目され、現在のように改修された。ワシントン・アーヴィング「アルハンブラ物語(上)(下)」アーヴィングのアルハンブラ物語はお薦め。叙情的で幻想的な情景描写は見事。透き通るような青い空。ホテル前からシェラネバダ山脈を望む。 ホテル到着後、さっそく山の上のフェネラリーフェ離宮とアルハンブラ宮殿へ。当時の2/3の大きさらしいのだが、とんでもない大きさである。なおフェネラリーフェ離宮は夏の宮殿である。また庭も緑がいっぱいで気持ちのよい場所。すばらしい!アルハンブラ宮殿の向かいにあるフェネラリーフェ離宮。崖を挟んで向こう(左)側に見えるのがアルハンブラ宮殿。フェネラリーフェ離宮にある噴水。電気がない時代に、山の上に噴水を作った古人の力に感嘆。細かい彫刻の壁が美しい。いよいよアルハンブラ宮殿へ。建物の入り口。この美しさは、もっと大きい写真じゃないとわかりづらいかも。イスラムのお題目が書いてあるらしい。なんと書いてあるかは失念。有名な獅子の噴水。アルハンブラ宮殿の端にある、アーヴィングの書斎跡近くから市街地を望む。アルハンブラ宮殿が、ずいぶん高いところにあることがわかる。 観光後はホテル近くのスーパーを探索。このスーパーは東京ドームくらいありそうなとんでもない広さ。チーズも直径20センチくらいのブロックのまま売っている。また生ハムも壮観。ざっと数百本がつるされている。量り売りはもちろんのこと、1本単位でも売っている。楽しくて1時間も滞在。ワインも安い。ほとんどが2-10ユーロ。 今日のホテルはモダンでおしゃれ。期待してレストランに行くと最近の旅行では最悪。のびきって味のしないパスタ。塩胡椒で焼いただけのチキンとフライドポテト。ジャガイモ以外の野菜は無い。さらにデザートはカップに入ったままのヨーグルト。やる気のない料理の連続には驚いた。 これまでの「良いホテル=おいしい食事」の法則が崩された。結構きれいなホテルの部屋。 今日はこれで終わりのはずだったが、添乗員からツアー外の「フラメンコ」を勧められる。ツアーにもフラメンコは含まれているけど、それは食事をしながらのショーアップされたもので、本物とは違うとのアドバイス。 参加することに決定。 お店の送迎バスで細い山道を登って到着。入り口にはマフィアのような顔立ちの親方が鎮座。部屋はカマボコ型の洞窟のような形(タブラオと言うらしい)。壁を背にコの字型に観客席がつくられている。収容人数は50-60人くらいで日本人客も1割くらい。 ダンサーは部屋の真ん中で踊り、客はドリンクを飲みながら鑑賞。ダンサーはすこし年をとっているし(おばあさんも一人)、踊りもタップを中心として派手さはない。でも魂を振り絞るような気迫は観客を圧倒するものを感じた。タブラオの入り口。タブラオの内部。美男美女ではなかったが魂の踊りには感銘。前に立っているヒョードル似のポーランド人が邪魔。タブラオのあるアルバイシン地区からライトアップされたアルハンブラの夜景を見る。 ホテルに戻ったのは夜の12時過ぎ。風呂にも入らず爆睡。パート4へ続く>。<パート2に戻る。
2006.04.15
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