小説喫茶・メル

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カオスとの激闘から半年後

「・・・・・・」

「何ぼぉ~と黄昏とんの?」

ふと聞こえた声に反応して思わず振り向くと、そこには神楽がおった。

俺の村で女性が着とった着物をきとる。

顔もいつもと違い化粧しとるな。

「なんでもあらへんよ」

「そか、にしても不知火、意外とスーツ似合うやん!」

カンパニー時代に着ていたせいか、スーツは着なれとったんやけど、【意外】は余計やっちゅーねん・・・。

なんで俺と神楽がこんな正装なんかと言うと

「お前達、そろそろ始まるぞ」

「二人とも緊張していないと良いけど・・・」

実は今日、ミハエルとメルの結婚式やねん。

今言ってくれたマルシアはんとレイミはんに誘われてな、是非参加して欲しいそうや。

まっ俺も神楽も、この二人の挙式には興味あったし、素直に嬉しいんやけどな。

そんなこんなで、式が開始された。





「えぇ~皆様、本日はお集まり頂きありがとうございます」

あれがミハエルの親父さんのハルさんか、凛々しい顔立ちしとる。

で、隣におる人は・・・母親のルミスさんか・・・。

俺よりちっちゃくて幼いのに、やっぱり母親って貫禄はありよるな。

「本当なら王族らしく礼儀正しく、司会進行をしたいのですが・・・」

なんや?

「やっぱ俺らにそれは似合わねぇ!!ミハエル!メル!さっさと入ってこ~い!!!」

・・・めちゃくちゃな父親やな・・・レナスさんにどつかれて当然や・・・。

あのノリがスイはんに受け継がれたんやろか?

と、主役が出てきよった。

「メル~!すっごく綺麗~!!」

神楽が褒めるのも無理あらへん、確かにいつもと雰囲気全然ちゃうわ。

ウェンディングドレス、それ一つ纏うだけでここまでちゃうとわな。

でミハエルはと・・・

「・・・動きにくい・・・」

やっぱ緊張しとるな~、まぁしゃーないか、あいつ恥ずかしがりややから。

「では皆様・・・ひとまず大いに盛り上がりください」

上手くまとめたってか、流したなレナスさん・・・。

ん?そういえばなんでメルが生きとるって?

あぁ~・・・それはな・・・





カオスとの戦いの後、脱出してから

「・・・メル・・・・・・」

ミハエルは顔を上げず塞ぎこんどった。

自分の大切な人を守れんかったんや・・・苦しいのは当然やろな・・・。

神楽は泣いとるし、マルシアはん達も必死に涙をこらえとるのがわかる。

俺かて・・・辛いわ・・・。

「レイミさん」

そんな空気の中、メルと瓜二つのマナが、口を開いた。

「・・・なんですか?」

「僕の体を使ってください」

その言葉に、誰もが「はっ?」と言った感じに開いた口が塞がらんかった。

俺かて最初ようわからんかったからな。

「僕の体は、姉さんとまったく同じです、細胞や神経、勿論心臓も」

なんとなくやけど、マナの言いたいことがわかった。

「これだけの物があれば、治療することは可能ですよね?」

「・・・あなた、自分の言ってることがわかってるの?」

レイミはんがそう返したくなるのも当たり前や。

マナが言ってることは、自分が死ぬかわりにメルを生き返らせてくれってことやからな。

「わかっていますよ・・・元々僕の命は姉さんのおかげであるんです、今更死なんて怖くありません」

パチン、その音で再び場は静まりよった。

「貴方を犠牲にして生き返らすなんて・・・・・・それでメルが喜ぶと思ってるの!?」

これは医者やからとかそういう問題やなくても怒ったやろうな。

けど

「・・・僕は姉さんのおかげで生きる意味を得ました・・・姉さんの存在こそが、僕のすべてです」

マナの決意は、本物やった。

「だからお願いしますレイミさん、僕を・・・使ってください・・・」






マナのおかげで、メルはまだ生きることが出来た。

当然、その事実を知った時は一日中泣いとったけどな・・・。

治療を行ったレイミはんも、しばらくは休んでたって話や。

「どうした不知火?」

「・・・ミハエル」

こいつは着物似合わなそうやなぁ~て言うぐらいタキシードが似合っとる。

さすがに緊張はほぐれたようやな。

「あれから、世界はどうだ?」

「おかげ様でなんとか復興していっとるよ、まぁまだまだ発展途上やけどな」

カンパニー崩壊後は大変や。

ルシアンさんとみんなの推薦あってか、今なんでか俺は王様みたいな存在になっとる。

すべてをゼロから立て直すには、統治する人が必要みたいでな。

落ち着くまでは、俺がその立場ってわけや。

「みんな、元気にやってるのか?」

「あぁ、毎日カンパニーの残党とかの世話で苦労しとるみたいやわ」

「ははっ、相変わらずって感じだな」

レオやヤイバ達は、元カンパニーの者として、兵達を説得して世界復興を行ってるんや。

初めは反抗する者達もおったけど、一番信望の厚いシグマのおかげで、なんとかなっとる。

ルシアンさんもそのおかげか肩の荷が下りた感じでな。

ツルギ達の世話しとるらしいわ。

「アリアの願い、【世界を元の緑豊な姿に戻したい】それを叶えるまでは、気ぃ抜かれへんしな」

「・・・願いか・・・・・・それを違う方法で叶えようとしてた、カオスはどうしてるんだ?」

「あいつは・・・牢でずっと座禅組んで静かにしとる」

あの後、今回の騒動の主犯として、カオスはしばらく牢に閉じ込められることになった。

それを言うとヤイバ達も、一応俺も同罪ってことやねんけど、カオスは自らの意思でも、牢に入ると言い出してな。

「静かにか・・・これで、どう変わるかだな・・・?」

あいつ自身いろいろ考えることがあるんやろな、やからこそ、一人になりたいんやろ。

「よぉ、何暗い顔してんだおまえら?」

「兄貴・・・」

「スイはん・・・」

弟の挙式や言うのに、随分飲んどるな・・・。

いやまぁめでたいからこそなんかな?

「兄さん!レイミ姉さんからお酒は控えるように言われてたでしょ!?」

このスイはんを注意した子、ミハエルとスイはんに似てるこの子は、二人の妹やそうや。

つまり、ルミスさんの第三子・・・。

「良いじゃねぇかサリア~、せっかくの日なんだからよ~」

「もう・・・怒られても知らないよ!?」

名前はサリア・シルファー

つ~か・・・ルミスさん、あの人病気って話やったんやけど・・・いつの間に・・・。

けどまっ、この二人を支えるには良い妹かもな。

ルミスさん似でしっかりしとるわ。

「あっとそうだ不知火」

「???」

「もしなんかあったらすぐ呼べよ、超頼りになる俺様が助けてやるからよ!」

・・・今思えば、一番世話になった人はある意味この人かもしれんな・・・。

スイはんのおかげで、俺は復讐を止めて、違う意味を見出すことが出来た。

普段はおちゃらけてるのに・・・凄い人やで・・・。

ホンマ、ミハエルとサリアが羨ましいぐらいにな。







「あぁ~頭痛い・・・」

「スイさんと一緒に調子乗って飲み過ぎるからや!!」

一日経って元の世界に戻って、即効この調子じゃまだまだあかんな・・・。

「あぁ~でもミハエルとメル、幸せそうやったな~・・・」

「・・・そうやな・・・」

「うちも不知火と・・・ってあかんあかん!!今は復興が先!でも・・・きゃーあかんわぁ!!」

何一人ではしゃいどるんや・・・。

まぁえぇか、はよ帰って寝よ。

「お花入りませんかぁ!?」

「・・・・・・えっ?」

一瞬、我が目を疑ったわ。

「あっ、そこのお兄さん!どうですか一つ!?」

・・・こんな偶然、いや・・・必然なんか?

「これなんか、彼女にあげると喜ぶと思いますよ?」

この花は・・・・俺がアリアにあげた・・・。

「・・・それもらうわ」

「ありがとうございま~す!!」

運命、そんなもん俺は信じてなかったけど、不思議なもんやな・・・。

「へっ?あの・・・」

「似合っとるで、せっかく売るんやったら自分もつけとき」

「あっ・・・ありがとうございます・・・」

アリア・・・おまえの意思、心は、ちゃんと残ってるってことやな。

おまえの願い、俺が必ず叶えたる。

「本当にありがとうございます、不知火さん」

「・・・ははっ・・・」

「あれ・・・?どうして私名前知ってるんだろ・・・?」

すべては、ここからや。

さて、これから忙しくなりそうやな。














    FIN















どうもルミです。
なんとか終わることが出来ました。これもここまで見てくださったみなさんのおかげです。
微妙に納得出来ない方、良かったと思う方、今までご愛読ありがとうございました。
本編はこれで終わりますが、もし良ければこれから書いていこうと思う番外編などもよろしくお願いします。
ではまた、次回作でもあればその時に。
それでは~


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