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8
各場所で激闘を繰り広げている中、その丁度中間に位置する所では。
「・・・ぐっ・・・まさか、ここまでの強さとは・・・」
他と違い、静かだった。
対峙していた二人だが、ジークの方は肩膝をつきよれよれの状態。
一方のラファエルは、汗も流しておらず、会った時と変わらずの様子で立っていた。
後ろの兵達に至っては開いた口が塞がらなく、呆然としている。
「・・・雑です」
予想外の言葉を言われたので、ポカンとなるジーク。
ラファエルは彼の方を見ながら、変わらぬ口調で話す。
「貴方は、我流でここまできたみたいですね」
「・・・・・・」
彼の言う通り、ジークには師はいない。
なので戦い方や武器の振りが雑なのも、仕方がなかった。
「グラディウス軍師に習わなかったのですか?」
その言葉に「えっ?」と思わず言ってしまう。
「あの人は主に銃しか使いませんが、元はすべての武器を扱っていたはずです」
初めて聞く情報。
同じ国でほぼ毎日会っているかもしれない彼のことを、そこまでは知らなかった。
何故ラファエルがそこまで知っているかも疑問に残る。
そんな微妙に臨戦状態が解けてない中、一人の兵が彼の元へ行った。
ジークには聞こえないように小さい声で話す。
「・・・わかった・・・」
そう呟き、レイピアをしまった。
「シグルズ様より緊急招集がかかりました。今回はこの辺にしておきましょう」
敵に情けをかけられたようで悔しいが、立つのがやっとという状態なので、何も言えない。
自分の実力の無さに腹が立った。
(こんなことじゃ・・・マリアを守れない・・・)
そう思う彼を少し見、ラファエルは兵を引き連れ撤退する。
しかし少し進んだ所で止まり、振り返らず呟く。
「誰かを想うことがなければ、力は生まれない」
何かと思い、耳を澄まし彼の声を聞く。
「貴方には想いがあります・・・どうか、強くなってください」
敵とは思えない言葉を残し、足を進めその場を去った。
ジークは呆然となり、よれよれでなんとか立ち上がる。
自分と相手の実力差、そしてラファエルという男を知り、複雑な気持ちだった。
エミルにより助けられた3人は、捕獲したウリエルを連れ城へと足を運んでいた。
サリアがウリエルを担ぎ、重傷のリタはエミルが背負う。
コノハはいつ敵が来ても大丈夫なように、周囲に気を配っていた。
「エミルさん・・・」
隣で歩いているサリア、まだ少し落ち込んだ様子で、彼へと話す。
「私、ずっと年上でお姉ちゃんだから、何があってもコノハ達だけは守らなきゃって思ってたんです」
彼女の話を、エミルは何も言わず聞く。
その間も足は止めず、進んでいった。
「でも・・・私も守られる立場だって、今回の事で気付きました・・・」
親がいなく、いくら助っ人が来たといっても、己の立場だけはまっとうしようとしていたサリア。
だが、それほど気負う必要はなかった。
自分もまだ、子供なのだから。
そんな彼女の言葉を聞き、エミルは優しく返す。
「誰だって・・・最初は守られる立場だよ」
言いつつ、自分の昔の事を思い出した。
「僕もマルタやリヒターさんに・・・ロイドだってリフィルさんやクラトスさんに・・・」
そこまで言い、リタを背負い直し振り向く。
「だからサリアも守れる立場になれば良い・・・それまでは僕達が、絶対に守るから」
ニコっと笑うその姿、サリアは思わず顔を赤らめた。
恥ずかしくなり、目を逸らす。
(頼りになってかっこいいなんて・・・反則だよもう///)
そう思い、彼より前を歩こうと早足になった。
周りの木々が吹き飛び、ほぼ荒れ野原状態の北東の森。
「リフィル先生!お兄ちゃん!!」
杖をつきなんとか立っているリフィルと、頭を押さえフラフラしているアクアのもとにいく。
応急処置をするために、二人に治癒術をかける。
二人の周りを優しい光が包み込んだ。
そこに
「まだだぁああああああ!!!」
全身がボロボロのガブリエルが、突撃してきた。
スピードは落ちず、無傷のフレアへと向かう。
「くっ・・・体が・・・」
治療し始めで、尚且つ大技を放った後で動くことが出来ないリフィル。
まさか倒れていないと思っていなかった。
「はっはぁあああ!!!」
ガブリエルの突進、それがフレアに当たる瞬間、一つの影が間に入る。
「フレアには触らせない!!」
「お兄ちゃん!?」
アクアが間に入り、ぶつかった。
かなりの勢いなので、二人して吹き飛ぶ。
そして見えなくなるまで飛んでいき、フレアとリフィル、二人だけがその場に残された。
気がつくと後ろにいた兵達は、いつの間にか撤退している。
「どっ・・・どうしよう・・・お兄ちゃんが…」
呆然と立ち尽くし、どうすることも出来なかった。
どこまで吹き飛んだかわからない。
自分がどこにいるかわからない。
一つわかるのは、全身が痛く動けないということ。
「・・・・・・のじゃ・・・」
(・・・誰?)
声が聞こえる。
誰かはわからないが、女性の声。
「・・・きる・・・のじゃ」
ゆっくりと意識が戻り、目をあけると
「起きるのじゃ!!」
そこには、自分と同じぐらいの女の子がいた。
倒れている自分を、上からじっと見つめている。
雰囲気はコノハに似ているが、髪が黒く長いので、少し大和撫子っぽくも見えた。
これが、アクアの運命を変える大きな出会い。
スキット:【ラファエルという男】
ジーク「軍師・・・貴方は知っていたのですね」
グラディウス「あぁ、おまえは奴をどう感じた?」
ジーク「・・・正直、あの人が敵とは思えません・・・」
グラディウス「他には?」
ジーク「剣の腕においても、すべてが他の人と違いました」
グラディウス「・・・・・・」
ジーク「彼は一体、何者なんですか?」
グラディウス「そうだな・・・おまえには話しておいてもよかろう」
【予想外】
エミル「アクアが!?」
フレア「はい・・・私を庇って・・・」
コノハ「大変!今すぐ探しに行かないと!!」
エミル「うん、僕とコノハで行くから、フレアとサリアはリフィルさんとリタを」
サリア「はい・・・よろしくお願いします」
フレア「お兄ちゃん・・・無事でいて」
エミル(本当はすぐにでも探しに行きたいはずなのに・・・強い子だね、フレアは・・・)
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