小説喫茶・メル

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3章・1







24:決意






アクアをカノンノに任し、一人シグルズと対峙しているリオン。

どちらも互いを見つめ、攻める様子はない。

確認するように、シグルズが口を開く。

「君もウェルギリウスの者か?」

それに対しリオンは、さらっと返す。

「そんなこともわからないほど、バカなのか貴様は?」

「・・・言ってくれるね、人間ごときが」

頭にきたのか、有無を言わさず、手に持つ数本のナイフを投げつけた。

リオンはそれらを上空へ飛ぶことによりかわす。

しかしそこに

「空中では回避が出来ないだろう!?」

先ほどの倍以上のナイフが迫ってきていた。

真っ直ぐと向かってくるわずかの間に、黒い闇の術式を展開。

そして右手を上げ、そこより黒い光を発している槍が出現した。

彼はそれを、ナイフに向かって放つ。

「デモンズランス・ゼロ!!」

一本だった槍が、砕け散ったように分裂し、小さな無数の槍となる。

ナイフと全て相殺し、打ち消した。

「やるね・・・・」

そう言い空中を見てみると、リオンがいない。

すぐさま真横に気配を感じ振り向く。

だが遅かった。

「ぐっ・・・」

ザシュっという斬撃音と共に、シグルズは胸を切り裂かれる。

確認したリオンは、一歩下がり距離を空けた。

一方切られたシグルズは。

「・・・貴様・・・・」

先程と、どこか様子が違う。

徐々にだが、黒い禍々しい光が出てくるのがわかった。

「私を・・・切ったなぁああああああああああ!!?」

血迷ったような叫び声を上げ、突撃してくる。

その間に、腰に下げてある宝剣のような剣を抜いた。

そしてそれを、リオンに向けて振り下ろす。

ガキーンと、二刀の剣で防ぐが

「なっ・・・・重い・・・」

ゆっくりと、押されていく。

「絶対に許さんぞ、貴様ぁああああ!!!!」

「ちっ・・・それが貴様の正体というわけか」

そう言い、足腰に力を入れ、彼の剣を一気に弾いた。

仰け反るシグルズ。

リオンの剣は、弾いた際に赤紫色の炎を纏っていた。

両剣を、交差させるように振るう。

「浄破・・・滅焼闇!」

二つの炎に包まれたシグルズは、悶え苦しみながら倒れ込んだ。

それを見ていたリオンは、何も言わずその場から立ち去る。

ようやく炎が消えていき、立ち上がった。

「許さん・・・・貴様達の血、何がなんでも食らい尽くす!!」

誰もいない中そう叫んだシグルズは、闇夜へと消えた。






城内で、四天王二人と戦闘を繰り広げているグラディウスとエミル。

ドーンと銃声が鳴り響く。

「うっ・・・さすがですね・・・」

ラファエルの右腕が、グラディウスの銃弾によって貫かれた。

小さな穴とは言え、かなりのダメージ。

優勢に思われる彼だったが、彼にも少しばかり切り傷があった。

一方エミルとガブリエルも

「くそっ、くそくそくそがぁあああああああ!!!!」

エミルが優勢だった。

彼の周りにいる、格属性のセンチュリオン達。

彼等のおかげからか、エミルは無傷。

ガブリエルの方は、火傷や切り傷、凍らされた部分など、ボロボロに見える。

「もうやめよう、これ以上・・・僕は貴方を傷つけたくない」

その言葉にカチンときたのか、ガブリエルは叫びながら突撃してくる。

右手の爪を振り下ろす。

剣で受け止めようとしたその時

「!?」

二人の間に、何かが割って入った。

それは白い球体のようなもので、お互いの攻撃を防いでいる。

ガブリエルは最後のあがきだったのか、何も言わず倒れこんだ。

そんな彼を、球体より現れた男が抱える。

その姿を見て、エミルは驚いた。

「ミハエル!?」

この世界で、謎の失踪を遂げ、行方がわからなくなっていた男。

サリア達に気付かれるも、帰ってこなかった男がそこにいた。

少しの間戸惑っている内に、ミハエル?の側にラファエルが寄る。

「君がここに来たということは、シグルズ様がお戻りになるということだね」

彼のその言葉に、驚くエミル。

さすがのグラディウスも、険しい表情をしていた。

二人とも察している、アクア達に何かあったのだと。

「エミル、城へ戻るぞ」

グラディウスに言われ、確かにそうするしかないと判断する。

ここに来たのはアクア達の救出。

しかし彼等に何かあった以上、ここにいる意味はない。

ただ、一つ気がかりなのは

「ミハエル・・・君は一体、何を考えているの?」

勿論彼のこと。

しかしミハエル?は、何も言わず顔を逸らした。

彼のことも気になるが、まずはアクア達のことなので、グラディウスと共に城を出る。








森の中を、静かに歩くアクアとカノンノ。

会話はせずに、ただ歩き続けている。

しかし、その沈黙を

「カノンノ・・・・」

アクアが破る。

カノンノの方は何も言わず、彼の次の言葉を待つ。

「俺・・・・・・強くなりたい・・・」

彼の声が、涙声なのもわかっている。

それでもまだ何も言わずに、聞く。

「みんなを・・・誰も犠牲にならないように、強く・・・なりたい…」

一緒にもらい泣きしそうになるが、心の強い彼女は、我慢している。

そしてここにきてようやく、一言返す。

「なれるよ」

短いが、それだけでアクアにとっては、心に響く一言だった。

それをわかっているのか、カノンノは続ける。

静かに、彼の手を握りながら。

「ワルキューレのためにも、強くなって・・・今度こそ・・・」

握っている手に、少し力を込める。

「みんなを・・・・・・私を守って」

彼女の言葉を聞き、アクアは涙を拭く。

何かを決意したように、ゆっくりと夜空を見上げた。






スキット:【咄嗟の判断】

シャルティエ「坊ちゃん、何故奴を捕らえなかったんです?」

リオン「おまえは何も感じなかったのかシャル?」

シャル「えっ?」

リオン「あのまま奴と戦っていれば、間違いなく僕はただでは済まなかった」

シャル「まさか!?坊ちゃんの奥義を受けて尚、何かしてくると?」

リオン「そう判断したから、退いたんだ」

シャル「シグルズ・・・奴は一体何者なんでしょう?」

リオン「・・・・・・」






【親心】

パニール「カノンノ、これを持っていきなさい」

カノンノ「食材がいっぱい・・・どうしたのこんなに?」

パニール「アクアちゃんは育ち盛りでしょ?たくさん食べさせてあげないと」

カノンノ「もうパニール、アクアばっかりひいきしちゃダメだよ」

パニール「あらごめんなさいね。将来の息子と考えるとつい♪」

カノンノ「パニール!!気が早すぎるってば///」

パニール「おほほほほほ~」

ロイド「・・・頑張れアクア・・・」
















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