小説喫茶・メル

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戦闘が開始し、徐々に押されていくウェルギリウス軍。

いくらジークやサリア達がいても、ここにきて兵力差が現れる。

「くっ・・・コノハ大丈夫?」

「さすがのあたしも・・・はぁ・・・ちょいキツイです…」

エミルや、体力のあるコノハまでも、疲労を隠せなかった。

別の場所でも

「これで・・・大丈夫で・・・す…」

「フレア!?」

何十人目の治療だろうか、フレアは力が抜けたように倒れた。

いくら治療だけとはいえ、ここまで続けて行っていたら当然の結果。

その証拠に、彼女を抱えるリフィルも、辛そうな表情をしている。

さらに、サリアとリタも。

「はぁ・・・・ファイアー・・・ボール・・・」

魔力が尽きそうなのか、放つ魔法が弱々しくなっていた。

前衛で戦っていた兵達も、バタバタと倒れていく。

「ここ・・・までか・・・」

ジークまでも、膝をつき倒れそうなっていた。

そんな彼等を見ていたグラディウスが、城壁の上より飛び出そうとした時

「!?」

戦場の頭上、そこで大きな光が発生した。

何事かと、敵味方含めてそこに目を奪われる。

光はゆっくりと小さくなっていき、そこより人影が見えた。

リフィルに抱えられているフレアは、閉じていた目をゆっくりと開ける。

その目には

「おにい・・・ちゃん・・・?」

兄、アクアの姿が映っていた。

しかし、パッと見ただけでは彼とはわからない。

今のアクアは、髪が逆立ち、全身より光を発しており、何故か紫のマントまでしている。

その上、背中には

「あれは・・・悪魔の羽根?」

右側は黒い羽根、左側は白い羽根と、対照的な姿をしていた。

地上にいる誰もが呆然となる中、彼は大きく息を吸い込み、叫ぶ。

「両軍とも、戦いをやめてください!!」

もう一度吸い込み、言い放つ。

「この戦いは、皇帝シグルズの意思ではありません!!」

その言葉に、両軍の兵達は驚く。

特に帝国側にとっては、信じがたい言葉。

「この戦いは仕組まれています!真に戦うべき相手は、他にいるんです!!」

彼の精一杯の叫び、ウェルギリウス軍は、仲間の言葉なので信じるが

「騙されるな!あんなガキの言う事!!」

当然、帝国軍が簡単に信じるわけがなかった。

アクアの言う事を無視し、よれよれのサリアに襲いかかる。

術式を展開させるが、もう間に合わない距離。

だが、敵の刃は彼女に届かなかった。

「アクアは、戦いをやめろと言ったはずだが?」

兵の剣は、リオンの剣によって防がれている。

彼はそのまま剣を弾き、蹴りを入れる。

兵は勢い良く吹き飛び、気絶した。

「ったく・・・遅いのよバカ・・・」

安心したのか、両膝をついて座り込むリタ。

さらに違う場所でも、兵達が攻撃を再開し始めた。

救護場所であるリフィル達の所までやってきたが

「もうやめてください、同じ世界の人々で、傷つけあう必要なんてないはずです!!」

何も構えず、無防備な少女、カノンノに止められる。

「これがシグルズ様の意思でなく、誰の意思だと言うのだぁあああ!?」

大勢の兵が、彼女へと襲いかかる。

一人の兵が剣を振り下ろそうと構えた瞬間

「はぁ!!」

カノンノの勢いある膝蹴りを顎にくらい、一発で倒れこむ。

続けてくる兵も、デコに肘鉄を受け吹き飛ぶ。

さらに真正面から来た兵は、顔面にもろに回し蹴りをもらい、地面にひれ伏した。



地上での戦いが止まらないので、再び叫ぼうとした時、背後に気配を感じた。

「よえぇくせに生意気なんだよクソガキー!!!!」

ガブリエルである。

彼は叫びながら爪を構え、空中にいるアクアに向かって飛んでくる。

刹那

「ッ!?」

腹を、拳で殴られていた。

「なっ・・・てめえ・・・いつの間に…」

まさに一瞬、何が起こったと考えてる彼の顔目掛けて、アクアは蹴りを放った。

「ぐあぁああああああああああ!!!!!」

物凄いスピードで吹き飛び、地面に激突する。

アクアは何事もなかったように振り向き、再び叫ぶ。

「戦いを・・・やめてください!!!」

ガブリエルが一瞬でやられたこともあってか、今度は

「・・・・・・」

止まった。

それを待っていたかのように、グラディウスが飛び出す。

戦いの丁度中央辺り、救護場所へ行き、全軍に聞こえるよう大声を発する。

「帝国軍兵士達よ、私は軍師グラディウスだ!」

アクアに向けられていた視線が、彼へと集まる。

「貴様達の主、シグルズについて全てを話す!奴を操り、妹であるワルキューレの命を奪った者のことを!!」

彼の発言に、帝国側だけでなく、ジーク達も驚いた。

いつの間に彼は、真相を知っていたのかと。

上空にいたアクアは、戦いが止んだのを確認し、地面へと降り立った。






スキット:【アクアの力】

リフィル「本当に・・・あのアクアなの?」

リオン「当然だ、あいつ以外に誰がいる?」

リフィル「でも・・・この短期間で、どうやって・・・」

リオン「・・・どうせ全員、同じ質問をするだろうから、後で話す」

リフィル「・・・・わかったわ・・・」






【奥の手】

マルシア「ミハエルは、まだ戻らないようだな…」

メル「・・・・・・」

マルシア「メル、やはりおまえ自らが行った方が良いのではないか?」

メル「・・・私は・・・」

???「どうしてもって言うんやったら、俺が行くで」

マルシア「おまえ・・・いつアラスタに?」

???「ついさっきや、久々に遊びにきたら、何や面倒なことになっとるみたいやな」

マルシア「あぁ、だが本当に良いのか?」

???「水臭いな~マルシアはん、俺はあいつを親友やと思っとるんやで?」

メル「そうだね・・・親友の貴方が行くなら、私も行かなきゃ」

???「そや、俺等で目覚ましに行くんや」

マルシア「決まりだな。頼んだぞメル、そして不知火」

メル「うん」

不知火「了解や!」
















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