小説喫茶・メル

小説喫茶・メル








帝国兵は真実を知らされたこともあり、皆困惑状態で戦うことはなかった。

そのため何の問題もなく、グラディウス率いる一同は、城へと着いた。

正面の扉を開け、城の中へと入る。

ここは奥行きの広い場所のため、まず最初に大きめの広間へと出た。

「シグルズは恐らく地下の祭壇だ、そこへと向かうぞ」

推測とは言え、軍師の言う事なので間違いないと感じる。

先へ進もうと足を進めた時、突然目の前の、奥へと続く扉が開き

「来ると思ってたぜ、クソ野郎どもがぁああああああ!!!?」

四天王の一人、ガブリエルが突撃してきた。

両手の爪を突くように構えている。

瞬時に全員が身構えた。

「なっ!コノハ!?」

実際に彼の爪を止めたのは、いきなり全員の前へと出たコノハ。

剣を爪の間に挟むようにし、自分の顔に刺さるギリギリの位置で止めている。

その状態で、彼女は口を開く。

「こいつは私に任せて、先に行って!!」

言いながら、その間もガブリエルが力を込め押してくるので、負けじと耐えていた。

それを見かねたアクアが叫ぶ。

「バカ言うな!コノハ一人でどうにかなる相手じゃ・・・」

「アクアの!!」

途中で彼女に叫び返され、怯む。

「アクアの力は・・・こいつじゃなくて、向けるべき相手がいるでしょ?」

そこまで言い、流すように体を反らしさばいた。

それによりガブリエルは体勢を崩したので、蹴りを入れようとするが、バックステップで避けられる。

距離が空いたことで、さらに話し続ける。

「あたしなら大丈夫、こいつ一人ぐらい、どうにかして見せるから」

「なら私も残って!!」

とフレアに言われるが、首を横に振る。

「あたしはエミル師匠だけじゃなく、マルタ師匠の弟子でもあるんだよ・・・」

剣を降ろし気味で構え、ユラユラと体を揺らす。

回避重視の舞【桜花】へと移るためだ。

「だから、負けん気の根性だけは、人一倍あるのよ!!!」

そう叫び、消えるように素早く動き仕掛けた。

止めようと思わず手を伸ばしたフレアだが

「まったく・・・アクアと一緒で、言い出したら頑固なんだから…」

サリアが一人足を進めているので、おずおずと下ろす。

それに続くように、ジークやグラディウスも奥の扉へと向かった。

「今は、コノハを信じよう」

「お兄ちゃん・・・」

初めは止めようとしていたアクアも、彼女の本気の表情を見て、諦めた。

しかし、良く考えて見ればわかること。

先に行ったサリアも、ここに来て出会ったジーク達も皆、コノハを信頼している。

だからこそ、彼女に任せることが出来るのだと。

仲間を信じる気持ち、それを肌で感じたフレアは、アクアとカノンノ、二人に促され足を進めた。






残ったコノハとガブリエル。

彼女はふと、先に行った者達を、あっさりと通した彼に疑問を持つ。

「俺が他の奴等を通したのが、おかしいかぁ!?」

それを見透かしたように、ガブリエルは叫んだ。

突撃はしてこず、その場で低い姿勢となり爪を構えている。

「俺はなぁ、誰でも良いんだよ!」

「???」

「てめぇだろうがジークフリートだろうが、あのクソガキだろうが、本気で殺し合いが出来たら誰も良いんだよバカがぁ!!?」

「まさか・・・そんな理由で…」

呆気、その一言で立ちすくむ。

ここまでの戦闘興だとは思っていなかった。

そのため、次の疑問が生まれる。

「じゃあ、あんたがシグルズに従ってる理由って・・・」

「あぁそうだ!あいつの側にいれば、こうしていろんな奴との戦いが楽しめるからさぁ!!!」

またしても呆気に取られた。

どちらの国にいても、この男は危険過ぎると。

「あんたは・・・あたしが止める!!」

【桜花】からの連携で、背後より剣を突く。

だがガブリエルは反応速度が速い。

そのためかわされ、反撃の爪の薙ぎ払いを受けそうになる。

しかし速さならコノハも負けてはいない。

彼女はあのメンバーの中で、誰よりも速い自身があった。

そのため、さらに速い動きで彼を翻弄する。

そして今度は目の前より接近。

「良い度胸じゃねぇかぁ!?」

ガブリエルは両手の爪を交差させるように、彼女目掛けて切り裂く。

(ここだ!!)

その瞬間、脅威の瞬発力で飛び上がり、ガブリエルの頭目掛け

「疾風煌塵!!」

かかと落としを放った。

見事炸裂し、彼の動きが止まる。

その間距離を空け、様子を待った。

「手応えは・・・あったけど…」

「くくっ・・・くはははははははっ!!!!!」

顔を上にし、甲高い声で笑うガブリエル。

蹴られた頭を少し押さえ、彼女の方を見る。

「よえぇなぁ!?頭を狙ってこれかよ!?良いのは動きだけじゃねぇかぁ!!!?」

彼の言う事は、当たっていた。

コノハは元々、その速さを活かし、相手の死角より攻撃をするタイプなので、急所などを狙い易いのだが。

「・・・ッ・・・」

ガブリエルのように、打たれ強い相手に弱い。

女性であり尚且つまだ子供。

いくら形や勢いが良くても、力だけはどうにもならない。

その証拠に、彼女が使っている剣も、レイピアのように軽いものだった。

「そんな力じゃ、てめぇは俺を倒せねぇ!!!」

叫び、突撃してくるので、【桜花】を使い回避の構えとなった。







スキット:【強がり】

ジーク「信じて任せたものの、やっぱり心配だな・・・」

サリア「大丈夫よ」

アクア「姉ちゃん・・・」

サリア「アクアが修行してる間、あの子だって頑張ってたんだから・・・だから…」

アクア「・・・・・・」

サリア「あんな奴に、負けるわけないわ」

ジーク「・・・そうか、サリアがそう言うんなら、心配ないかな?」

グラディウス「ふん・・・強がっているのがバレバレだ」






【弟子を信じて】

マルタ「ふ~んじゃあ、修行は順調なんだね」←通信中

エミル「一応ね、コノハは根性凄くあるし」

マルタ「ホントだよ・・・何度私が根をあげたか…」

エミル「ははっ、やっぱり来なくて正解?」

マルタ「うん、なんかそっちも全然問題無さそうだし…」

エミル「・・・ミハエルの事はまだ、未解決なんだけどね」

マルタ「だけど、今はコノハ達を信じて待つってことだよね」

エミル「うん、僕達の自慢の弟子だからね」
















© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: