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2
ブリュンヒルドに一太刀入れたアクアは、フレアとカノンノの前に行き、構えなおす。
背中より白と黒の羽根が出現し、周りに小さな光が漂う。
「ワルキューレが死んだ時とは別人だな・・・貴様一体何をした?」
切られたというのに、傷は気にせずアクアへと向き直るブリュンヒルド。
一方アクアの方は
「死んでない」
【死】という言葉に反応したのか、はっきりとした声で言い返す。
「ワルキューレは、今も俺の中で生きてる」
それを聞いた女神は、少し驚いたような様子だった。
「そうか・・・貴様ワルキューレの力を…」
何故彼がここまでの力を得たのか、納得する。
自分より劣るとはいえ、女神の力を手にしたのだから。
「しかしだからと言って、私に勝てるなど勘違いしてもらってはこま…」
言い切る前に、ドーンと銃声が鳴り響き、頬より血が出てきた。
「ブリュンヒルド、貴様の話は、シグルズの体より出て行ってからゆっくりと聞いてやる」
この中での唯一の銃使い、グラディウスの攻撃である。
有無を言わさぬ行動に、ブリュンヒルドの顔が歪む。
「・・・そこまで死にたいのなら、今すぐ全員あの世へ送ってやろう!!」
声と共に発せられる圧。
皆それを肌で感じつつも、引かず構える。
アクアはチラッとカノンノの方を見
「カノンノ、フレアを頼むよ」
そう言い、彼女がコクっと頷くのを確認すると、ブリュンヒルドへと突っ込んだ。
それと同時に、ほぼ真横で待機していたグラディウスが、二発の銃弾を放つ。
女神はステップすることによりかわし、向かってくるアクアにナイフを投げつけた。
「はぁっ!!」
だがその程度で彼は止められない。
剣でナイフを叩き落し、勢いを殺さず迫る。
「小僧が、いい気になるな!!」
腰に下げてある剣を抜き、アクアの剣とぶつかった。
つばり合う形となり、お互い一歩も退かない。
しかし
「らぁああああああああ!!!!」
徐々に、アクアが押し始めた。
「なっ・・・ここにきて力が上がっただと!?」
あまりの出来事に、いなすように剣をずらし、アクアの体勢を崩す。
バランスを崩した彼に、突きを放つが
「!?」
剣を握っている手に銃弾が当たり、怯んでしまう。
その間にアクアは距離を空け、体勢を立て直した。
「ちっ・・・子供に任せて自分はちまちまと援護か・・・天才軍師よ?」
そう言うが、今の攻撃はチャンスを潰されたので、内心イラッときている。
それを見透かしたように、彼は口を開く。
「貴様程度に、私がわざわざ致命的な攻撃をする必要などない」
彼の言う事にさらに苛立ちを覚えたのか
「よかろう、ならば貴様から殺してやるわ!!!」
ターゲットを彼へと変え、向かってくる。
だがグラディウスは動こうとせず、また武器を構える様子もない。
女神の剣が彼を切り裂く瞬間
「・・・ッ・・・小僧…」
アクアが間へ割って入り、防いでいた。
再びつばり合うが、すぐに押し返し、ブリュンヒルドの剣を弾く。
自らの剣を高速で、交差させるように振るい、十字型の斬撃を繰り出す。
「臥竜戦孔!!」
そこに空いている手で獅子の形をした闘気を加え、吹き飛ばした。
防ぐことの出来ない女神は、まともに受ける。
壁に激突しそうになるが、足を擦りなんとか止まった。
(まさか・・・ワルキューレの力だけで、ここまで…)
はっきり言って、予想外と認めるしかない。
それほどまでに、アクアの力は上がっていた。
(・・・しかし、あれほどの出来事があって・・・何故平然としていられる?)
目の前でワルキューレを手にかけたというのに、疑問が生まれてくる。
(今こいつを支えているのはなんだ?)
アクアが攻めてくる様子がないので、周りに目を配る。
そして、気付いた。
「そうか・・・貴様か…」
「・・・・・・」
自分の方を見てそう言ったのを、カノンノは確信した。
フレアに一歩下がるように促し、剣をいつでも抜けるよう手を添える。
「・・・ふっ・・・」
ブリュンヒルドはアクアに向けて、数本のナイフを放った。
しかしそれと同時に、カノンノとフレアの元へ突撃する。
「!?」
迫ってくるナイフを弾き、彼女等が狙われていることに気付いた。
「貴様にとって大切なものを、再び壊してくれよう!!」
女神より発せられた圧で、カノンノは剣を抜くのが一瞬遅れる。
その隙にブリュンヒルドは近づき、剣に力を込め振り下ろした。
だが
「・・・馬鹿な・・・」
またしても、アクアによって防がれていた。
「あの位置から・・・間に割って入るなど、不可能のはず…」
ナイフによる牽制で、動きまで止めていたというのに。
それが信じられなかった。
確実に、先程より速くなっていると。
「あなたは、アクアの力を、ワルキューレのものと勘違いしてるようだけど」
アクアの後ろで、抜きかかっていた剣を戻し、呟くカノンノ。
「それだけじゃない、今あなたが感じている力は、アクアとワルキューレ、両方の力だよ」
「なん・・・だと・・・?」
疑問に思うブリュンヒルド。
視線が彼女の方へ向いているので、腹に蹴りを入れる。
「ぐっ・・・」
それにより仰け反り、後退した。
「アクアの力は、【想う力】」
彼女が話す間も、彼は体術で攻撃をし続ける。
「みんなを守るために、もっと力強くなりたい、もっと速く動きたい、そういった想いが強ければ強い程、アクアはどこまでも・・・」
剣に光が宿り、それを勢い良く振り下ろすことにより
「強くなれるんだよ」
剣先より、白き波動が放たれた。
【奥義・ワルキューレ】
波動をもろに受けたブリュンヒルドは、光に包まれ壁に激突する。
そのあまりの威力に、フレアは当然のこと、グラディウスも少し驚きを隠せなかった。
スキット:【浮気じゃない】
リタ「ねぇリオン」
リオン「何だ?」
リタ「いくら弟子だからって、技名まであんたみたいにしなくても良いんじゃない?」
リオン「カノンノから聞いたか?」
リタ「そうよ、ちょっと不機嫌そうにしてたわよ」
リオン「別に悪くはないと思うがな、アクアはその辺の事はわかっていないだろう」
リタ「・・・まっ・・・そりゃそうだろうけどさ…」
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