小説喫茶・メル

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城に戻った一同は、ジーニアスより話を聞かされ、驚愕する。

始まりの生物のこともそうだが、何より信じられないのは

「奴を倒すには・・・・・・それしか・・・ないのですか?」

サリアだけでなく、皆も同じ疑問。

「始まりの生物を倒す方法が・・・【マリアの力をすべてを注ぐ】なんて…」

彼女が言い直したことにより、再び場が沈黙する。

皆それぞれ思うことがあるが、それを無視するかのように、ジーニアスは口を開く。

「仕方ないよ、元々あれは3人の女神で封じたもの、倒すともなれば、マリアの命を捧げるぐらいじゃなきゃ」

「ッ!!ジーニアスさん!!」

拳を握り締め、アクアが彼に向けて叫んだ。

「本気で・・・本気でそんなこと言ってるんですか!?」

しかしジーニアスは、怯むどころか、冷静なまま返事をする。

「これしか方法がないんだよ、じゃなきゃこの世界はあれに滅ぼされて終わり、それでも良いの?」

「なっ・・・あんたは・・・・・・あんたわぁ!!!!」

「待ってアクア!!」

ジーニアスに殴りかかろうとしたアクアを、マリアが叫んで止めた。

思い詰めた表情で、彼の前へと出る。

「私、やります」

「!?」

ミハエル達が驚く中、アクアとジークだけ唇をかみ締め、拳をずっと握り締めていた。

フレアに至っては泣きそうになっている。

「今回のことは、私達女神が引き起こしたこと、ならそれをなんとかするのも、女神である私の役目だから」

「けど・・・そんなのって…」

コノハも納得出来ていないが、アクアがあれ以来、珍しく暴走気味なので、彼に続く感じだった。

そんな中、先程から険しい表情で黙っているジークに、ジーニアスが尋ねる。

「ジークさん、貴方は良いの?」

「えっ・・・?」

「マリアが、命を犠牲にしてあれを倒すこと」

良いわけがない。

そう言いたいが、マリアの覚悟を決めた姿を見ると、そうすぐに言えなかった。

現にそうしなければ、この世界が滅びてしまうのも事実。

だが、それでも

「おっ・・・俺は・・・・・・」

自分の気持ちに、嘘はつきたくない。

「例え世界が平和になっても・・・そこにマリアがいないなんて、俺は嫌だ!!!」

「ッ・・・ジーク…///」

彼の真っ直ぐな想いを聞き、心が揺れるマリア。

彼自身もわかっていた。

こんなことを言えば、彼女を困らせてしまうことも。

しかしそんな彼を後押しするように

「俺もだ!誰かを犠牲にして救う世界なんて、絶対におかしい!!」

「私も!!マリアがいなくなるなんて・・・耐えられない…」

「違う方法を考えようよ!?じゃなきゃこんなの・・・悲し過ぎるよ…」

「・・・ごめんなさいジーニアスさん、私も、賛成できません」

アクア、フレア、コノハ、サリア、皆それぞれの想いを打ち明けた。

それに続くように、ミハエル達も頷く。

一人悪者のような扱いのジーニアスだが

「・・・安心したよ」

何故か微笑した。

その行動にアクア達は当然驚くが、彼は平然と続ける。

「あぁ~別に、マリアの命を犠牲にする必要なんてないから」

「・・・・・・・・・はぁ!?」

4人とジークが揃えて返した。

それを見たグラディウスが、自分はわかっていたように苦笑する。

ロイドとコレットも微笑み、ミハエルや援軍組はまだ完全に理解していないようだ。

「要するに、必要なのはあれを倒せるだけのエネルギー、それを溜めることが出来るものを、僕はさっき使ったと思うんだけど?」

彼に言われ、神鳥に乗っていたメンバー(グラディウスを除く)は考え込む。

そこでサリアが「あっ」と思い出す。

「ハロルドさん専用の【封印君二号】…」

彼女に言われ、他の皆も思い出した。

現在、始まりの生物を封じ動けなくしているもの。

話を進めるために、ジーニアスは呟く。

「ここに力の込められていない【三号】があるから、これにマリアとアクアのエネルギーを、休憩を挟みながら入れていけば良いんだよ」

「えっ俺も!?」

「ワルキューレの力が無理なんて、僕言った?」

彼にそう言われ

(ッ・・・この人わぁあああああ…)

苛立ち頭をかきむしるが、事実なので落ち着こうと頑張る。

フレアやコノハも、マリアを犠牲にしなくて良いとわかったので喜んでいた。

「ロイドさんやコレットさんは、知ってたんですね…」

「まぁな」

「騙してごめんね…♪」

ここで、サリアは何故こんな回りくどいことをしたのか気になった。

「あの・・・どうして最初から、教えてくれなかったのですか?」

その言葉に、ジーニアスは少し困ったような顔をするが、返す。

「・・・知りたかったんだよ」

「えっ?」

「ジークや、君達が、女神であるマリアをどれだけ愛しているのかを」

彼に似つかわしくない言葉を聞き、リタが苦笑したが、そこはスルーする一同。

とはいえ、リフィルやエミルも驚いていた。

「これからのこの世界に必要なのは、国も種族も関係なく、皆を大切に想う心」

「それを知っておきたかったんだ、試したりして悪かった」

「ジークのマリアに対する愛は、十分に伝わったよ♪」

コレットにそう言われ、ジークとマリアはお互いを見る。

しかし恥ずかしくなり、すぐに顔を反らした。

「・・・まっそういうわけだから、今からどうするのかを説明するよ」







ジーニアス「マリアとアクアは、この封印君三号に女神のエネルギーを溜めてもらうよ」

ロイド「当然、倒れないように休憩しながらな」

ジーニアス「休憩を挟みながらだから、単純に計算して、丸二日で十分かな」

サリア「二日・・・・・・」

ジーニアス「封印君二号の効力があと22時間として、残り26時間は」

ロイド「残った俺達で、あいつの足止めをするんだ」

ミハエル「・・・なるほど、そういうことですか」

ジーニアス「姉さんとフレアは、二人の側についていてもらうよ」

リフィル「そうね・・・マリアはともかく、アクアは無茶をしかねないもの」

フレア「わかりました」

ジーニアス「他のみんなは二人から三人のチームで分かれてもらって、ローテーションで回していくよ」

コノハ「うぅ~!なんかワクワクしてきたぁ!!」

エミル「コノハ・・・」

リタ「まっ、悪くない作戦ね」

ジーニアス「それじゃ22時間後まで、みんな体を休めておいて」








スキット:【絶望から希望へ】

ジーク「マリア」

マリア「ジーク、どうしたの?」

ジーク「その・・・命をかけなくても良いからって・・・無茶はするなよ?」

マリア「わかってる、アクアとワルキューレもいるんだから、大丈夫だよ」

ジーク「・・・・・・なぁマリア」

マリア「ん?」

ジーク「・・・いやっ・・・やっぱり良いや」

マリア「何?気になるんだけど?」

ジーク「戦いが終わったら・・・ちゃんと言うよ」

マリア「うっうん…?」

フレア「・・・・・・もしかして・・・・・・愛の告白!?」







【夫婦円満?】

ミハエル「あれ?アクアはどこだ?」

メル「カノンノと一緒に外に行ったよ」

ミハエル「・・・そっか、じゃあ邪魔しちゃ悪いな」

メル「私寝るね、久しぶりに【炎帝】使ったから、疲れちゃった」

ミハエル「あぁ、おやすみ」

メル「・・・・・・一緒に寝てくれないの?」

ミハエル「ブッ!何言って・・・」

メル「ふふっ冗談だよ♪」

ミハエル「ったく・・・おまえだと冗談に聞こえないんだよ…」

不知火「いやぁ~相変わらずラブラブやなぁ~おまえら」

ミハエル「おいおい・・・あいつアクアとフレアが生まれてから、なんかたくましくなった気がするんだが…」

不知火「女性なんてそんなもんやろ」

ミハエル「・・・おまえも気をつけろよ」

不知火「・・・・・・リアルやからやめい…」






【さすがのジーニアス】

リフィル「我が弟ながら、やってくれるわね」

リタ「ホントよ、聞いててヒヤヒヤしちゃったじゃない」

ジーニアス「悪いねみんな、どうしても知りたいって、ロイドが」

ロイド「おいジーニアス、みんなで決めたことだろ!?」

コレット「言い出したのはロイドだけどね」

ロイド「コレット~…」

リオン「やはりおまえの仕業か、ジーニアスにしては変な事を聞くと思ったら」

ジーニアス「それはそれで心外だけどね」

エミル「まぁまぁ・・・とりあえずみんな無事で、希望もあるんだし良かったよ」

リフィル「そうね、今まで通り、出来ることをしましょう」
















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