小説喫茶・メル

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アナザーストーリー








アクア達が帰り、1週間が過ぎた頃。

ウェルギリウスの復興が終わり、明日には帝国側の復興が始まる。

夜、ブリュンヒルドによって崩壊した城や城下町に、一人の男の姿があった。

城下町から城へと、ゆっくり足を進める。

しばらく歩き、城の中庭だった辺りに着くと

「はっはぁー!!!ようやく外に出れたぜー!!」

瓦礫の山を押しのけて、四天王の一人だった、ガブリエルが現れた。

体中は傷だらけだが、全身を動かしピンピンしているように見える。

「あのクソガキ・・・・俺をここまで追い詰めやがるとは、気に入ったぜぇ!!」

一人で叫ぶその姿は、怪しい以前に不気味で、とても近寄り難い。

「!?」

ドーンと銃声が鳴り響き、反射的に後ろへと飛んだガブリエル。

銃弾が飛んできた方向を見てみると

「てってめぇは・・・グラディウス!!」

一丁の銃を構え、銃口をこちらに向けている、グラディウスの姿があった。

平然とした様子で、彼は口を開く。

「やはり生きていたかガブリエル、わざわざ足を運んで正解だったようだな」

「はっ!俺の生死を確かめにきたのか!?」

そう叫び両手に爪を付けた。

こんな状態でも、彼はいつでも臨戦体勢である。

対してグラディウスは、落ち着いて、ゆっくりと弾を銃に詰めていた。

「貴様だけは、生かしておくわけにはいかぬからな」

弾を詰め終え、銃口をガブリエルへと向ける。

「天才軍師ともあろう者が、たった一人の男を殺すために自ら手を出すとはな!!!」

「・・・・・・」

「所詮てめえも!俺となんら変わらない、狂気を持った人間ということだぁ!!!」

猛スピードでグラディウスへと接近し、片手の爪で切り裂く。

しかし爪は空を切り、その勢いでバランスを崩しそうになった。

そしてどこに消えたかと、背後に振り向いた瞬間

「ッ・・・・・・あぐっ・・・」

ドーンと、心臓を銃弾で貫かれた。

全身から血が引いていき、バタリと地面に倒れこむ。

「この俺様が・・・まるで・・・・・・赤ん坊・・・扱いとは・・・・な…」

動くことも出来ず、体をばたつかせることもない。

「これが、てめえの・・・本来の実力・・・・・・かよ?」

「・・・呆れたか?」

「あぁ・・・・・・こうも清々しく、死ねるとはな…」

そう言い、静かに目を閉じていった。

あれだけ暴れまわっていた者が、満足したように眠りにつく。

「・・・・・・やはり私には、軍師が一番合っているようだな…」

銃をしまい、グラディウスはその場から去っていった。






彼が軍師になった理由。

圧倒的な力を持つ彼は、戦場で本気の戦いをすれば、全ての敵を皆殺しにしてしまう狂気に囚われる。

戦闘に勝利出来ても、それは苦しく、心の弱い者なら一気に押し潰される。

だからこそ彼は、軍師となり、自ら戦うことを控えた。

それでも戦場に出る時は、当然本気を出さない。

出す相手は、ガブリエルのような、完全な戦闘興に対してのみ。

「・・・お疲れ様…」

「ウェスタ・・・コーヒーを頼む…」

「・・・・・・本当に、損な役回りね」

鉄で出来ていそうなグラディウスだが、それでも、弱い所を見せる時もある。

「ジークやマリアに、こんなことを任せるわけにはいかぬだろう」

珍しく疲れたのか、ソファに座り込んだ。






力を持つからこそ、辛い過去がある。

彼もその一人。

しかしこれからも彼は戦い続ける。

汚れ役を背負ったとしても、軍師グラディウスとして…







スキット:【グラディウス】

ジーク「そういえばラファエルさん、軍師とは長い付き合いなのですか?」

ラファエル「・・・そうですね・・・あなたより少し長い程度ですけど」

ジーク「昔の軍師は・・・・・・どういった人だったのですか?」

ラファエル「・・・・・・」

ジーク「ラファエルさん?」

ラファエル「すみません、私の口からは・・・」

ジーク「???」

ラファエル(これからの未来を担っていく者に、出来ればお教えしたくはない…)

ジーク「・・・・・・」

ラファエル「大丈夫ですよ、例えどんな場合であっても、グラディウスさんはグラディウスさんです」

ジーク「そう・・・ですね…」
















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