小説喫茶・メル

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劇場版・序章








アラスタへ続く森は、夜になって真っ暗になることはなく、月の光で明るい。

その中を突き進む、一つの影。

「もう・・・クレイさん達が来てるなら、もっと早く帰ったのに…」

アラスタ王国王妃・レナス・シルファー。

彼女は一人夜の森を、木から木へと飛び移り移動していた。

そんな時

「宿命、運命、デスティニ-」

妙な声が、森中に響き渡る。

何かと思い足を止め、周りに気を配ると

「歯車取る、機械止まる」

目の前の木の枝にぶら下がる、おかしな仮面をつけたピエロのような者が現れた。

全身も派手な虹色で、真っ赤な鼻をしている。

(・・・誰?)

このような者はアラスタにいないはず。

そういった疑問から、警戒のために腰に下げてある愛刀に手をかける。

刹那

「えっ・・・?」

頭がクラっとなり、意識が徐々になくなりそして

「運命逆らえない、すべて終わり」

レナスはゆっくりと地面に倒れこんだ。







夜遅い中、アラスタ城のハルとルミスの部屋では

「遅いですね、レナスさん・・・」

異世界からの客人、クレイがハル、ルミスと共に酒をかわしていた。

といっても軽く飲んでいるだけなので、キリっとした容姿は保っている。

「そうだな・・・あんたらが来てるとわかったら、すっ飛んで帰ってきそうなんだが」

「カイト君と蓮ちゃんは、もう寝ちゃったけどね」

二人はミハエル一家の部屋で世話になっており、夜遅いので皆眠っていた。

そんな中、さすがに心配になったハルが立ちあがる。

「俺ちょっと見てくるわ」

そして一人、窓より外へ飛び出した。






森へ入り、周りを見渡すように進んでいると、驚くべきものを発見する。

「なっ・・・こいつは・・・」

レナスの愛刀、セイレーンが地面に落ちていた。

嫌な予感が胸をよぎり、思わず叫ぶ。

「レナスーーーー!!!どこだーーー!?」

叫ぶが、返事は来ない。

直感的にまずいと感じた彼は、急いでアラスタへと戻った。







どこかもわからない場所。

そこに浮いている一つの宮殿。

西洋のお城をイメージさせるその中に

「捕獲、拘束、準備、完了」

先程のピエロの姿があった。

ステンドガラスより放たれている光の中心にいる人物。

「これで、最高の果実が手に入る…」

全身をマントで隠し、ピエロと同じく仮面をしている謎の男?

その背後に

「楽しみだねぇ~・・・みんなの、レナス様」

両手両足を鎖で繋がれた、レナスの姿があった。








劇場版第四弾【運命の歯車・レナス】
















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