小説喫茶・メル

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警戒しつつ、ロイドを先頭に入り、奥へと進んでいく。

そこで、手足を鎖で捕えられているレナスを発見した。

「母上!!」

慌てて叫び走り出すマルシアだが、ロイドに肩をつかまれ止められる。

「ロイド殿何を!?」

「前を良く見ろ」

彼に言われ、見てみると

「ふふふっ、ようこそいらっしゃいました」

レナスの背後より、全身をマントで、顔を仮面で隠している男?が現れた。

不気味な雰囲気を漂わす彼は、そっとレナスに寄り添い、頬を撫でる。

「ッ!貴様!母上に触るな!!」

腰に下げてあるクライシスを手にし、威圧するマルシアだが、男はそんなことは気にせず、微笑む。

「大切な大切な歯車、もしそれが欠けたら、どうなるかな?」

遠回しな言い方をするので、何かと考えるが

「・・・まさか!?」

逸早く気付いたクレイが、猛スピードで彼へと迫る。

その刹那

「・・・嘘・・・だろ・・・?」

ロイドは目の前の出来事が信じられず、膝をつき肩を落とした。

クレイの方も、構えた金剛剣を地面に落とす。

「そんな・・・レナス・・・・・・さん・・・」

彼等の目の前で、起こったこと。

レナスの胸が、男のレイピアによって貫かれていた。

その位置は丁度、心臓。

どう考えても、即死だった。

血が流れ出しており、レナスはピクリとも動かない。

「レナスーーーーーーーーーーー!!!!!!」

ロイドの悲痛の声も虚しく響き渡り、男は不気味な声で笑い続ける。

だが

「騙されてはならぬ!!」

一人、先程から黙って何も言わなかったマルシアが叫んだ。

初めは強がりかと思っていた二人だったが、彼女の行動に驚く。

服の右肩辺りを破き、普段見ぬ彼女の綺麗な肌が現れる。

「マルシア・・・何を?」

「・・・私の右鎖骨辺りには、ホクロがあるのです」

彼女の言葉に、「はっ?」と首をかしげる二人だったが、とりあえず続きを聞く。

「それが、母上にも同じ個所にあります」

そう言われレナスの方を見てみるが、鎖骨辺りは判断出来るが、ホクロまでは確認出来ない。

しかし、彼女にはそれが確認出来た。

「ロイド殿に良く見ろと言われ、咄嗟に開いた【神眼】が、役に立ちました…」

目が赤くなり、通常の5倍程の視覚を持った彼女にとって、ホクロの見分けをつくなど簡単なこと。

胸を貫かれているレナスには、そのホクロがなかった。

それにより、偽者だと判断したロイドとクレイは、再び目に希望が満ち溢れる。

「ふ~ん・・・良くわかったね、さすがは娘というべきなのかな?」

先程まで笑っていた男は、少しおもしろくなさそうに、顔を歪めていた。

といっても仮面越しなので、ロイド達にはわからないが。

(しかし、先程まで感情が高ぶっていたはずなのに・・・対した切り替え能力だ)

頭の中でそう感心するが、あまりの感づかれても厄介と判断し、平然とする。

「ご名答、これは人形だよ」

レイピアよりポイっと抜き捨て、人形は地面を転がる。

「でも、今回のことで良くわかっただろう?」

「何?」

「君達にとって、レナス・シルファーという存在は、何よりも大切なものだということが」

彼の言葉に、ロイドは眉を潜め、険しい表情になる。

現にハルとマルシアは暴走し、皆バラバラになりかけた。

レナスという、皆にとって大切な存在だからこそ、いなくなった時の衝撃は大きい。

「言うなれば、レナス・シルファーは君達の原点、中心にある心臓の役割を示している」

それを崩そうとしたこの男。

一体何を考えているのか、見当がつかない。

しかし、それでも言えることがあった。

「・・・おまえ、勘違いしてるだろ?」

ロイドは声色を普通に戻し、語るように話始める。

「俺達は、【レナスだから】助けにきたんじゃない」

クレイとマルシアは側で黙って聞いている。

二人とも、想いはロイドと同じなのだから。

「確かにレナスは、俺達にとって大切な仲間だ・・・けど、それはみんなにだって言えること」

呼吸を整え、何も言ってこないので続ける。

「レナスだけじゃない、大切な仲間は、誰一人欠けちゃいけないんだ」

ロイドは側にいる二人をチラっと見る。

二人とも彼に同意するように、コクっと頷いた。

「俺も、クレイも、マルシアも、みんな大切な【繋がり】があるから、今ここにいる」

3人はゆっくりと自分の武器に手をかけ、構えていく。

そしてロイドは、右手に握る剣を、男に向けた。

「レナスは返してもらう、俺達の繋がり、切れるもんなら切ってみろ!!」

その叫びと共に、ロイドは真正面から突っ込んだ。
















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