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第一話
アラスタのエデン学院。
アクアとフレア、そしてコノハも、ここに通っていた。
3人は12歳ということで、もうすぐに高等部となる。
これはそんな3人の、ある冬のお話。
中等部の昼休みは1時間あり、その間に食事を済ませ、余った時間は自由となる。
「コノハ!サッカー行こうぜ!!」
アクアと大勢の生徒がやってきた。
コノハとはクラスが違うため、毎日昼休みになると、誘いにきてるのだ。
「OK!すぐ行くよ!!」
彼女は男女関係無しに、誰とでも仲良く接している。
運動神経は抜群で(握力以外)、勉強もそこそこ出来る。
そのため男子からも女子からも人気があり、マルシアとはまた別な有名人だった。
「コノハスーパーミラクルエキサイティングブレイクシュート!!!!!」
「なげぇよ!!?」
彼女のプレイを見ようと、男子生徒だけでなく女子生徒まで大勢いる。
そんな中
「・・・・・・」
他の生徒と同じように、コノハを見つめている少女がいた。
普通の子より少し大人しい雰囲気を持っている。
そして、昼休みの終了を告げる予鈴が鳴り響く。
「よし!終了!!」
急いで教室へ向かうために、手洗い場の水道で手を洗うコノハ。
エデン学院は魔法の力を利用し、冬に温水が出るようになっている。
しかしコノハは、汗をかいているせいか、水で洗っている。
顔も洗い、そこで拭くものがないことに気付いた。
「やば・・・タオルないや…」
少しでもマシにするために、顔をプルプルと振っている時
「・・・あの~・・・」
先程の少女が側にやってきた。
おずおずと、自分のハンカチを差し出す。
「これ・・・どうぞ・・・・・・」
「ホント!?うわぁ~ありがとう!!」
すぐに受け取り、濡れた顔を拭く。
だがまた、行動を行ってから気付いた。
「あっ・・・結構豪快に拭いちゃったけど、良いの?」
「うん、コノハちゃんのためなら…////」
少女は照れながら顔を伏せる。
それを不思議そうに見ていたコノハだが
「ん?これ本鈴じゃん!?しまったーーーーー!!!」
慌てて校舎へと向かう途中
「あっこれありがとう!!洗濯して返すね!!」
そう少女に言い残し、入っていった。
「・・・・・・」
ボォーとしており、少女はコノハのいた場所を見つめていた。
放課後になり、下駄箱でアクア達と合流する。
そこで
「あれ?」
「どうしたのコノハ?」
「ごめん!宿題忘れたから取ってくる!!先に帰ってて!!!」
忘れ物に気付き、アクアとフレアにそう言い残し、走り出した。
仕方なく二人は先に校舎を出る。
そしてコノハは、持ち前の運動能力で、あっという間に教室へと着いた。
「コノハちゃん!?」
入った所で、ハンカチを貸してくれた少女が驚く。
彼女は椅子に座り、机に広げてある紙に何かを書いていた。
「あっえっと・・・」
クラスが違うので、名前が出てこない。
ちなみに何故か少女は、コノハの席に座っていた。
しかしそんなことを彼女は気にしていない。
「私・・・・・・隣のクラスの【アヤメ】って言います…」
「アヤメちゃん、何書いてるの!?」
宿題のことなどすっかり忘れ、彼女の元へと行く。
「なっ・・・何も書いてないよ!?」
あたふたしながら机の中へと隠した。
だがその行動は、逆効果。
「ふっふっふ・・・そうやって隠されると・・・・・・」
ゆら~りと手を伸ばしていき、一気に
「余計に見たくなるんだよね~!!!」
机の中へと手を入れた。
そして一瞬の内に引っ張り出す。
アヤメは声にならず口をパクパクさせる。
「・・・これ・・・もしかしてあたし?」
コノハが見ている紙には、漫画のように絵が描かれており、そこに自分そっくりの女の子の姿があった。
そっくりとわかるほど、絵は上手い。
「ごっ・・・ごめんなさい!!許可なく勝手に描いちゃって!!」
泣きそうな表情で、ペコペコと頭を下げるアヤメ。
「その・・・・・・私将来、漫画家になりたくて・・・それで・・・あの…」
「あたしの漫画を描いてるってこと?」
「・・・・・・・はい…」
声が小さくなり、体まで縮こまったように見えた。
しかしコノハは怒っている様子はなく
「すっごいじゃん!?こんなに絵が上手ならきっとなれるよ!!」
そう叫び、アヤメを驚かせた。
笑顔で言うので、彼女は少し安心する。
確認するように呟く。
「・・・あの・・・描いても・・・良いんですか?」
「全然良いよ!!自分が主人公の漫画なんて・・・あぁ~嬉しい~♪」
彼女はスイに似たせいか、自分大好きな性格である。
とはいえ、ナルシストなわけではない。
「その代わり、出来たら一番に見せてね!!」
そう言い微笑み、コノハは紙を返してあげた。
「・・・うん、ありがとうコノハちゃん♪」
アヤメも微笑み、二人はしばらく話し合っていた。
アラスタ城、家に帰り、フレアと共にお風呂に入っている。
大浴場なのだが、今は彼女等二人しかいない。
「でね、ストーリーも私が学園生活をおくりながら、悪い奴等を倒していくって話なんだよ!」
「ありきたりだけど、そんなに絵が上手なら羨ましいな~・・・」
湯船には完全につからず、半身浴の状態で話すフレア。
コノハは目を閉じ、湯船に顔をつける。
そしてしばらくして
「あぁーーーーーーーーーーーー!!!?」
大声を出しながら上がってきた。
「・・・どうしたの?」
「・・・・・・宿題・・・」
肝心なことを忘れており、呆然となる。
「・・・フレア、後で見せて…」
「もう・・・」
そう言い合い、二人して笑った。
続く…
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