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小説喫茶・メル
第六話
ショッピングモールに突いた4人は、クローバに案内され奥へと進む。
辿り付いた場所は、本屋。
そこの参考書コーナーが、激しく炎に包まれていた。
「ちょっと!なんで消火しないのよ!?」
入り口で待機している警備員に叫ぶスイレン。
彼等は火を消そうとせず、ただ燃えているのを見ているように見えたからだ。
「あいつらが邪魔して消そうにも消せないんだ!!」
そう言われ見てみると
「あっ・・・あいつら…」
先程の男二人が、燃えている本の山の前で立っていた。
まるで消させまいと、炎への道を塞いでいる。
「・・・なんで、なんでこんなことするのよ?」
コノハが二人へと近づき尋ねた。
その険しい表情を見ても、男達は平然としている。
やせ気味の男が、彼女の方を見言い返す。
「いらねぇだろ、こんな本なんて」
「・・・・・・どういう意味?」
彼等が燃やしているのは、漫画や雑誌ではなく、参考書。
そのせいでさらに意味がわからなかった。
「・・・てめぇみたいな、血に恵まれた奴にはわからねぇよ…」
「えっ・・・?」
ポカンとなるコノハを余所に
「早く火を消さなければ!他のところに周りますわ!!」
クローバが飛び出し、右手に水の魔力を込めていた。
そしてそれを火に向けて放とうとした時、ガクンと地面に這いつくばる形になる。
「いたっ!!なっ・・・なんですの!?」
見ると、デカイ方の男に背中から乗られ、抑えこまれていた。
「余計なことはするな」
男の低く怖い声を聞き、助けに行こうとしたスイレンは踏み止まる。
アヤメの方も怖がっており、一歩後ろに下がった。
それを見たコノハは、拳を握り締め叫ぶ。
「あんた達!!いい加減にしなよ!?」
やせ気味の男へ向け走り出し、右拳を振るった。
「・・・うるせぇよ」
しかし男は体を反らしかわす。
コノハはそれに少し驚き、反応が遅れた。
「ふん…」
そのため、男の蹴りを腹に受け、吹き飛ぶ。
まさか避けられると思っていなかったからだ。
地面に倒れそうになるのを、側転し体勢を立て直す。
「コノハちゃん!!」
「コノハ!!」
アヤメとスイレンに心配され、彼女はお腹を抑えながら呟く。
「いったー・・・ちょっと効いたよ…」
いくら強くて身軽といっても、体が丈夫なわけでないので、当然ダメージはある。
どうするか悩んでいる時、男が口を開く。
「次もし何かしたら、そいつの腕をへし折るぜ」
彼が言うそいつとは、デカイ男に押さえられている、クローバ。
彼女は両腕を後ろで組まれた状態で捕まっていた。
地面に倒れたままなので、身動きがとれない。
「コノハ様・・・申し訳ありません…」
「くっ・・・・・・卑怯者…」
クローバが人質に取られ、動くことの出来ないコノハ。
このまま火がさらに燃えていくのを、黙って見てるしかないと思うと、悔しさからか唇をかみ締めた。
それをあざ笑うかのように、にやけている男二人。
刹那
「ッ!!?なん・・・だと・・・?」
デカイ男は背中を切り裂かれ、倒れた。
「なに!?」
驚いている間に、何かが自分の背後に回ったのに反応し、振り向くが
「がっ・・・おまえは・・・・・・」
顔を見た瞬間胴体を切られ、バタリと倒れこむ。
男達を切った者は、手に込めた水の魔力を解放し、炎に向けて放った。
それにより炎は一瞬で鎮火。
呆気に取られている4人の中、コノハが真っ先に口を開く。
「マッ・・・マルシアおばさん…」
彼女等の前に立っているのは、エデン学院の女子の憧れの的、マルシア・シルファー。
コノハは毎日城で会っているとは言え、城以外で見ると不思議な感覚だった。
今目の前に立っている姿は、誰もが憧れる、凛とした女性。
長い桃色の髪を撫でながら、愛刀を鞘にしまう。
「おまえ達、無事か?」
彼女の綺麗な声を聞き、コノハ以外の3人はピンと背筋を伸ばし、「はい!」と答えた。
しかしコノハだけは、安心した様子でなく、複雑な気持ちで話す。
「マルシアおばさん・・・どうしてここに?」
それを聞き、彼女の方を見たマルシアは、少し間をおき返す。
「・・・最近の高等部の暴動は、私も聞いていた、今回も騒動を聞き、かけつけたまでだ」
「・・・・・・」
何故か表情の暗いコノハに、疑問を感じる3人。
マルシアはその理由をわかっているかのように、話し出す。
「これから先、高等部の暴動は私が取り締まる」
「えっ!?」
驚くコノハと3人だが、彼女は気にせず続けた。
「卒業したとは言え、後輩の面倒を見るのは先輩の責務だ」
そう言う彼女に、コノハはおずおずと言い返す。
「でも・・・今回のことは、たぶんあたしにも原因はあると思うし・・・だから、わざわざマルシアおばさんが出なくても…」
「コノハ」
マルシアの声色が、少し怖くなった。
その空気に、4人は飲まれそうになる。
「おまえは、学園委員長でなければ、卒業生でもない」
「・・・ッ・・・・・・」
スイレンにも同じような事を言われたのを思い出す。
「まだ子供のおまえが、今回の件に首を突っ込んで良い事ではないのだぞ」
確かに彼女の言う通り、生徒の大火傷、本屋の火事。
まだ12歳の子供であるコノハに、このような大事を任すわけにもいかなかった。
「けど・・・それでもあたしは!!」
「いい加減にしろ!」
「うっ…」
怯むコノハに、一歩ずつ下がる3人。
「さっきも言った通り、おまえは子供で、そして王族だ・・・スイや母上の許可がない限り、勝手な行動は慎め」
彼女はそう言い残し、4人の元を去っていった。
複雑な気持ちのコノハは、拳を再び握り締めていた。
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