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小説喫茶・メル
第七話
城に帰り、夕食と入浴を済ませたコノハは、自分の部屋で犬の【タマ】と遊んでいた。
12歳で女の子なので、自分だけの部屋をもらっているようだ。
「ねぇタマ~・・・あたし、どうしたら良いと思う?」
タマを抱っこし、ベットに寝転がる。
彼女を心配したのか、タマは「くぅ~ん」と鳴き頬をペロペロと舐めた。
それに少し励まされたのか、コノハは
「・・・うん、やっぱりこのまま引き下がってたら、あたしじゃないよね!?」
立ち上がり、タマを下ろし、部屋を飛び出した。
辿り付いた先は、スイとレイミの部屋。
扉を開け、入っていくと
「おっ?どうしたコノハ、こんな遅くに?」
スイがソファに寝転がり、本を読んでいた。
レイミの姿は見えず、彼一人である。
「パパ・・・あのね…」
おずおずと話し出す彼女を見て、スイは何かを察する。
そして彼女の肩を掴む。
「ダメだコノハ…」
「えっ?」
「おまえがパパを愛してくれるのは物凄くわかるし、パパもおまえを愛している・・・だがパパには、ママという大切な奥さんが!!」
「何言ってんのバカ親父?」
コノハの的確なツッコミを受け、スイは「うっ」と怯んだ。
だんだんレイミに似てきていると。
彼女は軽くため息をつき、再び話し出す。
「あたしに、今回の高等部の暴動の件を、調査させて欲しいの」
その言葉を聞き、ようやくスイは
「・・・なるほどね~、マルシアに何か言われたんだな」
真面目な顔になった。
なのでコノハも、彼に頼る雰囲気で続ける。
「うん・・・・・・マルシアおばさんの言う事もわかる、でもあたしは、今回の事、なんだか放っておけないの」
「・・・・・・」
「あたしにもきっと何か出来ることがあるから、だから・・・お願いパパ!!」
彼女の必死の叫びで、スイは困ったように頭をかいた。
「・・・しかしなぁ~、父親としても、おまえを危険な目には合わせたくないんだよ」
彼にそう言われショボンと顔を下げる。
(やっぱり・・・・・・ダメなのかな…)
しかしその様子と気持ちを、見逃すスイではない。
コノハの頭に手をポンと置き、撫でる。
「わかった、マルシアからは俺が言っとく」
「ほっ・・・本当!?」
目をキラキラ輝かせ笑った。
そこにスイは、念を押すように付けたす。
「ただし、条件がある」
「・・・へっ?」
次の日の放課後。
「で・・・なんで俺が…」
「ごめんねアクア~・・・・・・パパがどうしてもって言うから…」
スイの出した条件。
コノハが調査をする間、アクアが護衛をするということ。
彼は口ではダルそうに言っているが、心ではやる気である。
身内としても、コノハが危険な事に首を突っ込むのを放ってはおけない。
「まっ、こうなったらとことんやろうぜ、まずは聞き込みか?」
「そうだね、っても高等部全員となるとかなりの数だけど…」
その上先生達にも聞かなければならないので、さすがに骨が折れそうだった。
そんな二人の元に、たくさんの足音が近づいてくる。
二人がいる教室のドアを開け
「私達も手伝うよ、コノハ」
フレアが入ってきた。
「あんたは危なっかしいから、あたしが見とかないとね」
「コノハちゃん、私も頑張るから」
「私はいつでも!コノハ様の手となり足となり働きますわ!!」
続いて、スイレン、アヤメ、クローバも入ってくる。
その姿を見て、コノハは少し目が潤んだ。
「みっ・・・みんな…」
自分にはこんなにも仲間がいる。
マルシアに叱られ、落ち込んでいた自分が情けなく思った。
目をこすり、皆に向けて叫ぶ。
「ありがとうみんな!早速情報収集開始だよ!!」
一同は別々に散り、生徒と先生に聞き込みを開始した。
夕方の18時ごろになり、一同はショッピングモールの喫茶店にいた。
家には皆連絡している。
ジュースを飲みつつ、代表するようにアヤメが話し出す。
「みんなで集めた情報によりますと、あの人達は最近の暴動を起こしているグループの、リーダー格のようですね」
手に持つ資料を見つつ、続ける。
「少しやせ気味の方が【シード】さん、大きい方が【プラント】さんですね」
コノハ達は彼女の話を聞きつつ、手元の資料にも目を通していた。
基本字を読むのが嫌いなアクアも、今回は真面目に取り組んでいる。
「グループメンバーはざっと10人程度、どの方も・・・・・・成績が良くないという証言もあります…」
その言葉に、コノハは眉をピクっと潜めた。
「そして、少し気がかりな情報が、5ページからあります」
アヤメにそう言われ、一同は5ページ目へとめくる。
そこから載っているのは、火傷などの被害にあった生徒達。
「被害にあった人達のすべてが、高等部の成績、上位30人の方ばかりなんです…」
何故上位メンバーが狙われるのか、その理由はわからないが
「成績言い人が羨ましいとか、ただのひがみなんじゃないの?」
スイレンはそう認識していた。
他のみなもわからないので、本当にそうかと思うが
(・・・そういえば・・・どうしてあの時、参考書を?)
あの時話した内容を思い出すコノハ。
「・・・てめぇみたいな、血に恵まれた奴にはわからねぇよ…」
「・・・・・・」
「どうしたコノハ?」
アクアに顔を覗き込まれ、慌てて手を振る。
「ううん!なんでもないよ!!」
彼女なりに、様々な考えを張り巡らせていた。
本当にひがみだけなのか、それだけの理由でこんなことをするのかと。
(・・・やっぱり、直接聞くしかない・・・かな…?)
そう思ったが、そこまでするとマルシアに怒られるのでは?と、不安も頭によぎった。
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