小説喫茶・メル

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第八話







夜になり、一同はひとまず解散していたが

「・・・ここだね」

コノハと、護衛のアクアだけはまだ帰らずにいた。

二人は今ある家の前にいる。

城下町の端っこ辺りにある家。

なんの変哲もない一軒家で、明かりはついていた。





(シードさんは現在、今回のことで停学を受け、自宅待機の状態のようです)




アヤメの言っていたことを思い出し、深呼吸をする。

そしてコンコンとドアを叩いた。

「はい?」

ドアを開け出てきたのは、一人の女性。

コノハ達より当然背は高く、大人の女性である。

「あの、シードさんはいらっしゃいますか?」

母親と判断した彼女はそう言い、アクアはその少し後ろで待機していた。

「えっ・・・あなたはコノハさん?うちの子とどういった関係が…?」

そこまで言いコノハの表情が少し険しいのに気付く。

仮にも王族なので、失礼のないよう質問に答える。

「シードなら、プラント君と少し出てくると言っていませんけど…」

「えっ?」

母親の言葉に驚き、それに対して母親も驚き返した。

「シードさんは・・・自宅待機のはずなんですが・・・」

「・・・えっ・・・それってどういう?」

そこまで言い交わし、頭に嫌な予感がよぎる。

何を思ったのか、突然後ろに振り返り、走り出した。

「おいコノハ!?って・・・失礼します!!」

アクアは母親に頭を下げ、コノハを追う。

彼女は呆然としており、何がなんだがわかっていなかった。






城下町の中央辺りにきたコノハは、目を瞑り精神を集中させる。

なので追いついたアクアは何も言わず、ただ黙って見ていた。

「・・・・・・いた…」

彼女はそう呟き、再び走り出す。

コノハはスイの娘なので、一度感じた気配を察知する能力が、人一倍ある。

アクアはそれをわかっているので、彼女に任せついていった。

向かう先は恐らく、シードの所。

数分も経たないうちに、二人はアラスタの森についた。

コノハが察知した通り、そこにはシードとプラントの姿がある。

そして二人の前で、男子生徒と思われる者が倒れていた。

「・・・・・・どうして・・・こんなことばっかりするのよ…?」

「・・・・・・」

振り返らずともコノハがいることはわかっている。

何も返さず、二人は彼女の言葉を聞く。

「その人達が・・・・・・あんた達に何をしたって言うの!?」

アクアは口を出さずに、念のため腰に下げている剣に手をかけていた。

「・・・おまえこそ、何故関係もない連中のために、そこまで怒れるんだ?」

シードの言う通り、コノハには彼等との繋がりも、被害者達との繋がりもない。

なので彼は、ただの鬱陶しい正義感と思っていた。

「わかんない・・・・・・わかんないよ・・・でも…」

感情が高ぶったせいか、何故か涙目になっている。

「おかしいよ!!どうして同じ国で、同じ学校に通ってる人を、傷つけなきゃならないの!?」

精一杯に叫ぶコノハ。

普段は同じように言い合うアクアだが、彼女がここまで高ぶっているので、口を挟むことが出来なかった。

聞いていたシードは少し間をおき、口を開く。

「・・・・・・前にも言った通り、血に恵まれているおまえには、話したって解りやしない」

「そっ・・・そんなの!?」

「俺達のことを理解出来るのは、俺達と同じ者だけだ…」

そう言い、プラントと共に姿を消した。

呆然と残されたコノハは、独り言なのか、アクアに話しているのかわからないが、呟く。

「話してくれなきゃ・・・理解したくても出来ないよ…」

「・・・コノハ…」

「諦めない・・・・・・こんなこと・・・もうこれ以上起こさせちゃダメだよ!!」







再び水曜日になり、集まったコノハ達。

今回はどうするかと、話しこんでいる時

「!?」

外、運動場でドーンと大きな爆発音が聞こえた。

何かと思い、教室の窓から外を見てみると、およそ10人程度の立っている人影と、倒れている複数の人がいる。

「コノハ様!!シード達ですわ!!」

クローバに確認するように言われ、一同は緊迫した空気に包まれる。

放っておくわけにもいかないので、窓より外へと飛び出した。

部活動をやっていたと思われる生徒達が、続々と非難していく。

慌てて教師達も駆け付け

「まだ懲りていなかったようだな」

そこに、マルシアの姿もあった。

皆を代表するように先頭を立ち、シード達の元へ行く。

「貴様等、こんなことをして、次は停学だけでは済まぬぞ?」

「・・・・・・だからなんだってんだ?」

「何?」

元々何度注意されても暴動を繰り返していたので、今更だったが、ここまで平然としているのが気になる。

マルシアの元にコノハ達も駆け寄ったのを見計らい、シードは話し出す。

「元々こんな学校辞めるつもりだ・・・・・・だがその前に、俺達が味わった痛みを、おまえ達にも味あわせてやる」

彼がそう言った瞬間

「なっ!?」

マルシアやアクア、スイレン達の周りに激しい炎が巻き起こった。

炎は皆の動きを封じるよう取り囲む。

抜け出そうと水の魔法を放つが、今回は消えなかった。

アクアが真上に飛び出そうとすると、炎はそうさせまいと上を塞いでくる。

それにより、現在身動きが取れるのは

「みっ・・・みんな!?」

コノハのみ。

皆を心配する彼女の前に、10人を代表したシードがやってきた。

他のメンバーは、炎の展開に集中しており、離れた場所にいる。

「散々俺達に付きまとったおまえだけは、俺が直接制裁を下してやる」

そう言うと彼の周りに、ボンボンと爆弾のように物が具現化し、浮き上がっていた。

「・・・ッ・・・・・・シード…」

どうしてこんなことになったのか、複雑な気持ちのコノハは、武器を構えず、ただ立ち竦んでいた。
















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