小説喫茶・メル

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第十五話








ナルクのショッピングモールは毎日大盛況である。

特に土日は人が多く、昼から夕方にかけては、働いている者にとっては大忙し。

一階の食品売り場にて、買い物をしているレイミとコノハ。

普段の夕食はルミスが担当なのだが、買い出しは彼女以外がローテーションで行っていた。

「・・・あっ!!」

お菓子売り場にて、おまけ付きお菓子の一つに反応するコノハ。

「カービィのぬいぐるみだ~!可愛い~♪」

彼女が見ているのは、もはやお菓子がおまけに思える、ぬいぐるみが付いたものだった。

ささっと手を伸ばし、レイミの元へ持っていく。

「ママ!これ良い!?」

「ダメ」

即答され、どよ~んとテンションが下がった。

「どうして~…?」

「小遣い前だからって、どさくさに紛れて買ってもらおうと思わないの」

スイがコノハに甘い分、レイミは少し彼女に対して厳しい。

しかしそれも、愛情あってこそである。

「うぅ~・・・ごめんねカービィ~…」

とぼとぼと歩いていき、元の場所に戻した。







夜、サリアと共にお風呂に入っているコノハ。

先に湯船につかり、体を洗っているサリアに話しかける。

「サリアお姉ちゃん、お金を稼ぐのってやっぱり大変?」

突然の内容に少し戸惑うが、あまり間をおかず返す。

「どうしたの急に?」

「う~ん・・・・・・あたしやアクア達はまだお小遣いだから、いまいちピンとこなくて」

湯船の端に行き、両手を出しだらんとさせながらそう言った。

サリアの方は体の泡をシャワーで落とし、タオルを洗う。

「そうねぇ~・・・確かに大変ではあるけど、仕事によってはそれが楽しみでもあるからね」

「ママみたいな?」

「レイミ姉さんの場合は少し違うけど、自分でやろうと決めた事だから、頑張れるんだと思う」

彼女の言葉に、ぶくぶくと口まで沈み黙り込むコノハ。

そして数秒、サリアが湯船へとやってきた瞬間

「決めた!!」

ザバーンと音を立て飛び出した。

「サリアお姉ちゃん!明日あたしにバイトの手伝いをさせて!!」

「・・・・・・へっ?」

ポカンとなり、持っていたタオルを落とした。







次の日

朝早くからショッピングモールへとやってきたサリアとコノハ。

二人は一階のフードコートの一つ、喫茶店にいる。

ここはサリアがバイトをしている場所で、コノハ達4人組が拠点ともしている所だった。

従業員専用の部屋で、店長らしき女性に会う二人。

「ということで・・・今日一日だけお手伝いをさせて頂きたいのですが…」

理由を話すサリアは、ダメ元のような雰囲気だった。

元々バイトは15歳以上で学園を卒業した者が出来ることで、まだ12歳のコノハが出来るはずもない。

しかし、店長は頭をポリポリかきながら

「あぁ、別に良いよ」

あっさりとそう言った。

どこか気ダルそうにしているこの女性は、そのまま奥へと入っていく。

「えぇ!?良いんですか店長!?」

「ありがとうございま~す!!」

驚くサリアに、頭を下げ礼をするコノハ。

やる気満々の彼女の元に、制服らしき服がバサっと飛んできた。

上手くキャッチし、やってくる店長の方を見る。

「とりあえずそれ着ときな、Sだからギリ入るよたぶん」

そう言い、また奥へと入っていった。

「イエイ!!お姉ちゃん、あたし頑張るね!!」

「・・・はぁ~・・・まっ、なるようになるか…」

諦めたように肩を落とし、彼女を更衣室へと連れていった。






着替えが完了し、厨房へとやってきた二人。

制服はいかにもファミレスといった感じで、ミニスカートにエプロンというものだった。

しかしコノハは小さいので、ミニではなくなっている。

「それじゃ、コノハに調理は難しいだろうから、ウェイターをやってもらおうかな」

「はい!先輩!!」

【先輩】という言葉に、お姉ちゃんよりむずかゆくなるサリア。

彼女は一番下のため、後輩はいなかった。

だがすぐに調子を戻し、厨房に来た仲間より、注文を受ける。

しばらくし、料理が完成した。

「じゃあこれを3番テーブルにお願い、番号が書いてるからすぐわかると思うよ」

「了解しました!!」

サンドイッチとコーヒーが乗ったトレイを受け取り、ゆっくりと足を進める。

それを心配そうに見つめるサリア。

コノハは周りに気をつけながら、テーブルへと到着した。

「おまたせしました~♪」

そしてにこやかに笑い、ゆっくりと置く。

「あら?あなたは確か・・・」

席に座っている主婦らしき女性に、当然のようにバレる。

サリアが働いているので、王族なのはあまり驚かれないが、コノハはまだ働けない。

そこに疑問を持つ主婦だが、彼女はぺコリと頭を下げ、立ち去っていった。

「ふぅ~・・・なんとか大丈夫・・・・・・かな?」

サリアの心配を余所に、コノハは仕事を着々とこなしている。

元々なんでも教えれば出来る方なので、重たい物が持てないこと以外は、問題はなかった。







夕方になり、もう時期に終わる頃

「おまたせしました~!!」

未だ元気一杯の彼女は、順調に行っている。

トレイに乗っているコーヒーを、テーブルへと置いた。

「・・・何やってんだおまえ?」

その席に座っていたのは

「あれ?シード!!」

一人でやってきていた彼だった。

呆然と、少しダボダボの制服姿の彼女を見つめる。

「・・・・・・似合ってねぇな…」

「ムカッ!これでも男のお客さんには、可愛いって褒められたんだよ!?」

自信満々に胸を張り、腰に手をやった。

それに半分呆れるシードは、静かにコーヒーを一口飲む。

「一人で来たの?」

「いや、プラントと一緒だったんだが、あいつはまだ買い物をしているからな、俺はここで休憩だ」

そう言い、砂糖を一本足した。

まだコノハが側にいるので、厨房の方をチラっと見呟く。

「戻らなくて良いのか?」

それを聞き、慌ててトレイだけをさげる。

「いっけない!?じゃまたねシード!!」

急ぎ足で厨房へと戻るコノハ。

その際他の店員とぶつかりそうになるが、持ち前の瞬発力と脚力で避ける。

シードは軽くため息をつき、コーヒーを再び飲んだ。

「ったく・・・・・・いつも騒がしい・・・・・・いや、元気な奴か…」

訂正し、少しだけ微笑む。

そうしてあっという間に時間は過ぎた。







アップの時間になり、サリアとコノハは着替えを済ませる。

「はいこれ、今日働いてくれた分」

店長より、給料が入った紙袋を渡された。

「あっ・・・ありがとうございます!!」

礼をし受け取り、感激のあまり目を輝かせる。

生まれて初めて自分で稼いだお金。

それを横目で見ていたサリアは、口元に手をやり微笑んだ。

「どう?これでお金を稼ぐって言うのが、少しはわかった?」

「うん、サリアお姉ちゃんは、ほとんど毎日こういうことをしているんだね」

「そうよ~、今日だけならともかく、毎日となると大変なんだから」

彼女がそう言う理由として、コノハはまったくと言って良いほど疲れが見えない。

スタミナの多さからして当然で知っているのだが、少し悔しい気分でもあった。

「よし!じゃあこれでカービィー買ってこよ~うっと♪」

スキップして部屋を出ていく姿を見て、サリアと店長は頭を下げ呆れていた。
















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