小説喫茶・メル

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城の庭にて、特訓を開始する二人。

「とりあえずいつも僕達がやっているランニングを、一緒にやろうか」

エミルに言われ、コノハとアヤメは体を軽く動かす。

そして彼が走り始めると、後ろに続くように走り始めた。

コースは庭の外周。

3人が走っている間、スイレンとクローバはカードゲームのようなものをしていた。

「マナを8つ支払い、ユーリ・ローウェルを召喚ですわ!!」

「うげっ・・・そんな強カード持ってるんだ…」

ベンチに並べてあるカードには、ユーリやロイド、数々の英雄達の姿がある。

自身満万に出したクローバに対し、困惑するスイレン。

一方特訓組は

「はぁ・・・・・・はぁ…」

5週目ほどの所で、アヤメが息切れをしていた。

「アヤメちゃん大丈夫!?」

前を走っていたコノハは、慌ててペースを落とし、彼女の横にいく。

「大丈夫・・・・・・じゃないかも・・・」

そう呟き止まり、両手を膝に置いた。

顔を下げ呼吸を整える。

それを少し前で見ていたエミルは、ゆっくりと二人へ近づき話し出す。

「少し無理させてごめんね、どれぐらいの体力があるか知りたくて」

「いえ・・・少し落ち着いてきました」

コノハに背中をさすられ、なんとか体を起こした。

「コノハ、マラソンって何キロ走るの?」

「えっと、あたし達は高等部の下だから、今年は10キロで~す」

10キロというが、コースは登りのある山、足場の悪い場所などである。

エミルは表情を少し険しくし、続ける。

「今10分の1の1キロ走って、この様子だと1,5キロで限界かな…」

彼に言われ、アヤメはしょぼんと顔を下げた。

コノハも複雑そうに、声をかけれずにいる。

しばらく沈黙が流れていたが、やがてエミルが口を開く。

「いきなり体力をつけるのは無理だから、ひとまず速く走れるフォームをマスターしようか」

それからしばらく、彼による指導が続いた。







夕方になり、スイレンとクローバは帰り、アヤメは城に泊まることになった。

食事を済ませ、コノハと一緒に風呂へ入る。

「はぁ~・・・・・・今ならこのまま眠れそう…」

湯船につかり、ぶくぶくと口まで沈む。

「アヤメちゃん・・・ホントに大丈夫?」

側でつかっているコノハが、心配そうに尋ねると、彼女は口を出し壁にもたれかかった。

「大丈夫~・・・・・・これぐらいで根をあげちゃ、完走なんて出来ないから…」

そう言い、屋根を見上げる。

しばらくボォーとし、口を開く。

「コノハちゃんはやっぱり凄いね・・・・・・今日以上の事を、ほぼ毎日やってるんだよね?」

「・・・・・・うん、まあ一応…」

事実なのだが、こういう時は何とも言えない。

特訓を開始したことを、少し申し訳なくも思っていた。

「でもほら!あたしはアヤメちゃんみたいに、女の子らしくないし・・・・・・料理も下手だし…」

そこまで言いアヤメの方を見てみると

「・・・・・・」

のぼせている。

「ちょっ!アヤメちゃん!?しっかりして!!!」

慌てて抱きかかえ、外へと向かった。

脱衣所でタオルをかけてあげ、自分もタオルを巻き飛び出す。

走ってレイミとスイの部屋へと向かった。






「あなた程鍛えてない子が、同じぐらいつかっていたらこうなるわよ…」

レイミはそう言い、ベッドで寝ているアヤメに布団をかけてあげる。

彼女が今寝ているのはコノハのベッドである。

「ごめんなさい…」

自分の責任と感じ、しょぼんとなるコノハ。

それを側で見ていたスイが

「ホントにびっくりしたぜ、いきなりタオル一枚で来るもんだから、てっきり俺を誘って…」

「エロ親父ぃいいいいいーーーーーー!!!!」

呟いた瞬間、コノハに顔面を蹴られた。

「ぐはっ!!」

しかしこれも、彼女を元気づけるための、演技。

それをわかっているレイミは、ため息をつき微笑した。


















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