小説喫茶・メル

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【スイレン編・1】






夏休みに入っても、コノハ達委員会は忙しい。

週に2・3回、学園に来て業務をしなければならなかった。

いつものように、専用の部屋でそれぞれ仕事をしている。

「あっごめん、あたし今日買い物頼まれてるから、もう抜けるね」

スイレンがそう言い席を立ち上がり、自分が行っていた作業物をバックに詰めていった。

「スイレンさんの分も、私がやりますよ?」

「いいよいいよアヤメちゃん、あたしが甘えちゃったら、どこかの誰かさんが手抜いちゃうでしょ?」

彼女の言葉に、役一名ビクッと体を動かした人物が

「そうだよアヤメちゃん!自分の分は自分でやらなくちゃ!!!」

自分に言い聞かせるように叫び、先程より早くペンを動かし始めた。

委員長であるが、未だにコノハはこういった地道な作業が苦手である。

「そういうことで、お疲れみんな」

「お疲れ様ですわ」

「お疲れ様~」

「バイバイスイレン!!」

皆それぞれ言い、スイレンは部屋を出た。






一人森を歩き、ナルクのショッピングモールへ向かっている。

(そういや・・・【あの子】と会って・・・・・・もうどれぐらい経つんだろう…)

ふと空を見上げ、目を瞑り考え込む。

そこで思い浮かんで来たのは



「スイレンをいじめるのは・・・・・・あたしが許さない!!」



幼き姿のコノハだった。

「・・・・・・っといけない、買い物買い物」

あまり深く考えないようにし、早歩きで目的地へ向かった。






モールに着き、食品売り場で買い物籠片手に回る。

籠には肉や野菜など、かなりの量が詰め込まれていた。

その一つ一つに、良く見ると値引きのシールが貼ってある。

「まったくお母さんってば・・・これだけの量を娘一人に任すなっての…」

スイレンは武道をやっているためか、普通の女の子よりかは力があるが、それでも重い。

少し不機嫌そうな表情をしている彼女の前に

「ん?」

「あっ?」

同じく買い物籠を持った、シードがやってきた。

スイレン程ではないが、それなりの量が籠に入れられている。

それを気になったのか、思わず尋ねる。

「あんた、こんな所で何してんの?」

それに対しシードは、いつもの不機嫌そうな顔で返す。

「見ての通り、今日の晩飯の買出しだ」

「はぁ?あんた料理するの?」

疑問に思うが、良く見ると籠には、牛肉やたまねぎ、ニンジンなど、カレーに使われそうな食材が入っていた。

「今日は親が寄り合いなんでな、まぁそれ以外ではたまに作るぐらいだ」

意外な一面を見、驚いているスイレンだが、ホッとしたように胸を撫で下ろす。

「・・・良かった~あんたが料理出来て…」

「・・・・・・どういう意味だ?」

「ほら、あの子料理下手じゃない?お菓子は最近マシになってきたけど…」

その台詞に、シードは特に照れた様子もなく「そういうことか…」と肩をガクっと下げていた。

彼とコノハはあれ以来付き合っている。

シードがコノハの護衛隊長となることから、あまり公には知られていないが、スイレンやプラントなど、一部の者達は知っていた。

「ったく・・・あいつももう少し女らしい所があればな・・・・・・」

頭をポリポリかき、ため息をついているシードに

「・・・・・・シード・・・」

スイレンが少し険しい顔つきで呟いた。

「・・・あんたの事は、信用してるし・・・・・・あんたになら、あの子を任せて良いとも思ってる・・・でも…」

一呼吸し、鋭い目つきで言い放つ。

「もしあの子を泣かすようなことしたら、あたしはあんたを絶対に許さないから」

大勢の人で賑わう食品売り場なので、彼女の声は小さいものだが、シードにはハッキリと聞こえていた。

突然の言葉に、何と言おうと考えていたが、すぐに言い返す。

「・・・・・・随分あいつに対して強い想いじゃねぇか、姉妹でもあるまいし」

「・・・姉妹・・・・・・か…」

それから本の数秒だが、二人はその場に静かに佇んでいた。


















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