小説喫茶・メル

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先程ミハエルがいた場所、受け付け辺りに不知火と神楽の姿があった。

「なあ不知火、さっきの子等誰なん?」

休憩室に入って早々不知火を引っ張り出した神楽は、ミハエル達のことを良くわかっていなかった。

それを十分理解している不知火は

「あの二人で、決まりや」

と彼女だけにわかるような言葉で言った。

声のトーンは高くも低くもなく普通で、機嫌などは悪くないようだ。

その証拠にさっき買ったコーラの残りを美味しそうな表情で飲んでいる。

「決まり・・・・・・えっ!?まさかあの二人をメンバーに!?」

すぐに彼の言うことを理解した神楽は驚きの声をあげた。

エントランスは広いため、響きすぎることはなかった。

「そや、俺とおまえ、ミハエルとメル、ほんで黒姫で5人揃った」

「ちょっ!ちょっと待ちや!!黒姫はともかくあの二人のことはまだなんも知らんのやろ!?」

唐突に決める不知火に対して激しく講義をぶつける神楽。

それもそうである。

いきなり出会ったばかりの者に重要な役割を任せようと、彼がしているのだから。

「大丈夫やて、あいつらは信用出来る思うねん」

口調はともかく顔は迷いのない表情をしていた。

「・・・・・・ホンマなんそれ・・・」

当然すぐには信用出来ない神楽。

そんな二人の元に

「決まったようだな不知火」

落ち着いた、しかしどこかハッキリとした声が聞こえた。

「あぁ、これでバトルタワー予選参加のメンバーが揃ったで・・・・・・黒姫」





休憩所で休んでいたミハエルだが、メルがようやく起きたので出ることにした。

「へぇ~・・・・それでそのバトルタワーってやつに参加するの?」

寝起きの髪をいじりながらミハエルの隣を歩いていくメル。

隣に並んでいると良くわかること、彼女の背は完全にミハエルに負けていた。

すずと同じように彼女もあまり背が伸びないようだ。

カムルもさほど大きくないのでなおさらである。

「せっかく来たんだし、出たいって言えば出たいかな」

隣で歩いているミハエルは前を向いて淡々と話す。

「ふ~ん・・・・・・まっ、ミハエルが出たいなら良いけどさ」

そんな彼にいつも通りの感じでメルは返した。

髪が気になるのかまだいじっている。

そんなこんなで歩いていると、先程の受け付けまで着いた。

そこでピタっと止まる。

「どういうものか聞いてみるかな・・・」

そう言い受け付けの女性の元に向かおうとする。

メルも後に続き、話しかけようとした時

「参加する決意がついたようやな」

背後よりさっきまで聞いていた関西弁が聞こえた。

その声に反応し、ゆっくりと振り返り

「まだハッキリ決めたわけじゃないぞ、不知火」

落ち着いた声でそう言った。

その隣でメルが

(この人が不知火・・・・・・見た感じは確かに忍びっぽいけど・・・)

不知火という言葉が忍者の中で火影という意味なのを知っているため、まじまじ観察するように彼を見つめていた。

「えっと、メルちゃんやったか?不知火がどうかしたん?」

メルが不知火をずっと見ているので思わず聞いてみる神楽。

「あっいや・・・」

すぐに我に返り視線をそらす。

先程の4人が再び集まった中に

「ってあれ?その人誰だ?」

一人綺麗な女性が混じっていることにミハエルが気付いた。

少し灰がかかった黒い髪、見つめられると見惚れてしまいそうな紅い目、少し影を思わせる黒いコート。

雰囲気的にマルシアに似ているとミハエルは思った。

「あぁ、紹介してへんかったな。俺らの仲間の黒姫や」

不知火がそう言うと、黒姫と呼ばれた女性は一歩前に出た。

そしてミハエルとメルを見

「黒姫だ、よろしく頼む」

一言そう言った。

ミハエルや不知火より背が高いので思わずミハエルは見上げそうになった。

「あっ・・・あぁ・・・」

いきなりだったのでぎこちない返事する彼に対して

「よろしくお願いしま~す!!」

元気良く答えるメル。

そんな彼女を見た不知火と神楽は

「プッ・・・・おもろい子やなぁ!!」

同時に笑った。

それに対して頭をかいてメルは照れている。

「それで不知火、本題は?」

「せっかちなやっちゃなー、まっええわ、説明したる」

ミハエルが急に本題に移ったため、少し口を尖らせて言う不知火。

あれからミハエルにさらに落ち着きが増えたと思われるのは確かになった。

これもルミスの血なのだろうか。

少なくともハルのだけではここまで落ち着くことはない。

「バトルタワーって一見戦うだけの名前に思えるけどな、実際はそれあんまないねん」

「どういうことだ?」

想像もしていなかった事を聞いたので当然聞き返す。

「バトルタワーに参加したい選手はまず、5人集めてチームを作らなあかんねん」

「それで5人集めたら予選に参加する権利を得られるっちゅーわけ」

不知火の後に神楽が付け足した。

そのまま話しは続く

「予選をクリアしたチームは、ここに戻ってきて、戦い中心の本選に出れるわけや」

「その本選を見事勝ち上がったチームが優勝となり、なんでも願いが叶うってことやな」

「最後のはまだ噂やっちゅーねん」

神楽のなんでも願いが叶うという所にツッコム不知火。

彼もまだやはり完全には信用していないようだ。

「なるほどな・・・・・・それで俺らに参加を求めてたのか」

先程の不知火の勢いを思い出し、一致した。

「そゆことやな、参加するには5人必要なわけやし、別にええやろ?」

「・・・・・・良いか、メル?」

隣にいる彼女に確認を取る。

するとメルは

「うん」

と軽く微笑んで言った。

「決まりやな、ほな登録しよか」

そう言い先頭に立ち受け付けの女性に話しかける。

「お姉ちゃん、この5人で登録頼むわ」

「では一人一人お名前の方を」

そうして各々名乗っていき、しばらくして

「はい、ミハエル様、メル様、不知火様、神楽様、黒姫様、登録完了いたしました」

5人はバトルタワーの正式なメンバーとなった。

「それでは皆様、このバッジをお受け取りください」

女性はミハエル達に白い星型のバッジを渡した。

「これは?」

「バトルタワー参加者の証明書となるものです。再発行は出来ませんのでお気をつけください」

そう女性に言われると、5人は胸にそれをつけた。

「バトルタワーに特に期限はありません、まずはここより西にある街へ向かってください。そこに最初の予選会場がありますので」

最初という単語が気になったミハエルだったが、特に気にしないでおいた。

「ほないこか」

不知火を先頭に、一同はバトルタワーを出た。










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