小説喫茶・メル

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「ほないこか」

5人は目を覚まし宿を出ていた。

ミハエルと不知火の格好はそのままだが、メルと神楽、女性陣は服を着替えていた。

とは言っても二人とも上服であるローブやパーカーが変わっただけである。

しかし女性なのでそれだけで十分雰囲気が変わる。

そんな中黒姫だけ特に変わっていなかった。

5人が向かった先は町の中央にあるドーム。

不知火が先頭で、入り口と思われるドアを開け、中に入る。

中に入ると大広間のような場が開けた。

朝が早いせいか、ミハエル達以外の人は、バトルタワー関係の制服を着ている女性従業員達だけある。

彼女達は皆、話したり周りの器具と思われる物を掃除している。

「バトルタワー参加者ですか?」

その内の一人の小柄な女性がやってきた。

愛想良く笑顔で振舞うその表情はとても可愛らしい。

「そや、ここ最初の場所みたいやからな」

不知火がそう言うと

「では失礼します」

女性は彼等のバッジを一つ一つ、小型の機械で調べ始めた。

ピッピッと音がなり

「はい、確認終了しました」

5人を正式な参加者と認めてくれた。

それを待っていたかのように、話していた3人の女性もやってきた。

その中の一人が一歩前に出

「これよりバトルタワー予選の第一審査を始めます」

と言った。

「審査って何をやるんだ?」

ミハエルからの問い掛けを聞き、小柄な女性が口を開く。

「みなさまが最終的にバトルタワーに参加出来る力量があるか、機械を使って測定します」

「測定?」

ポカンと首を傾げるメル。その仕草がまた彼女を幼く見せた。

「はい、こちらにあります」

小柄な女性が少し先にあるパンチマシンのような物を持ってきた。

小さいというのに意外に力持ちな女性である。

それをミハエル達の前にドスンと置いた。

「では最初は誰がなさいますか?」

「俺行くわ」

女性からの問い掛けに一瞬で答えた不知火。

パンチマシンのような物の前に立つ。

「ここに手を置いてください」

小柄な女性が不知火の胸の位置にある、赤い球体を指した。

不知火はそっとそこに手を当てる。

「そこに力を出来るだけ強く放出してください」

女性はそう言うが

(これ放出出来ない人とかどうなるんだ・・・?)

ミハエルは内心でそう思っていた。

「・・・・・・」

不知火は目を閉じ、静かに力を放出する。

柔らかな光が彼より球体に注がれていく。

それにより

ブーン

球体の赤みが増し、激しく輝き出した。

「・・・・・・はい、標準以上ですね。では次の方」

小柄の女性がそう言うと、不知火は手を離した。

「標準・・・・おまえ全力込めてないだろ?」

ミハエルのその言葉に

「標準以上あれば問題ないんや、そやからそれ以上の余計な力は込めんでええやろ?」

不知火はさらっと返した。

「相変わらずやな~不知火、ほな次うちな!!」

「あいた!!」

そんな彼を払いのけて、神楽が球体の前に出る。

払われた不知火は勢いでずっこけた。

「いっくで~!」

神楽は不知火と違い、物凄い速さで力を放出した。

そのため

ギュイ-ン

壊れそうな勢いで輝き出す球体。

「すっ・・・凄い力です!!っていうかそれ以上やったら壊れるので次の方!!」

「あっ、ごめんごめん」

神楽はすぐに力を抑え、その場から後退した。

「神楽~、おまえやりす・・・・」

「次いきま~す!」

「どわっ!」

起き上がりツッコミを入れようとした不知火は、メルと衝突しまた倒れた。

そんなことを気にせず、メルは球体に触れた。

「はあーーーーーー!!」

ギュイ-ンと、神楽の時同様に球体は今にも破裂しそうに輝く。

「はいごうか~く!!もう結構です!!」

小柄な女性が急いで間に入り、止めた。

「はっはっは!どんなもんよ!!」

鼻を天狗にし胸を張って威張る。

「やるやんメル!!」

その隣で神楽は彼女の背中を叩いた。

そんな中

「これで終わりか?」

ミハエルが全員を見渡して言った。

その発言にメルと神楽が少し驚いた。

「えっ?ミハエルと黒姫は?」

「もう終わった」

「私もだ」

ミハエルと黒姫はあっさりと返した。

それに『嘘!?』と声を揃えて言う二人。

「この二人は微妙な量しか放出してへんから、はしゃいでたおまえらは気付かんわな」

不知火は二人がやっていたのを黙って見ていたので、わかっていた。

この二人が、自分以上の実力を秘めていることを。

「(この球体、俺が注いだ量分注がなあかんのに、こいつら・・・神楽とメルが気付かん程の微量を操作したんか・・・・・・大した奴等や・・・)」

そう思い、不知火は微笑した。
















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