小説喫茶・メル

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「OK!!」

二人はそう言い合うと、不知火は男を正面から迎え撃ち、神楽は背後へと周る。

不知火はその間右手に一本のクナイを持ち

「そら!」

シュっと男に向かって投げた。

「そんなもの効くか!」

男は走りながらそれを片手であっさりと弾いた。

そして不知火との距離を詰めた瞬間

「なに!?」

不知火の回し蹴りが眼前に迫っていた。

「ふん!」

男はその足をガシっと掴んだ。

それにより不知火は不安定な状態になるが

「神楽!」

彼の叫んだ先、男の背後に周っていた神楽が地面に片手を当て、構えていた。

「捕らえたぞ小僧」

それを少し気にかけつつ、男は不知火に空いている拳を放とうとする。

「捕らえられたのはあんたやで!」

神楽が叫ぶと、彼女の足元、二箇所ほどがボコッとなった。

それが徐々に、蛇のように男の足元に進んでいく。

ボコ

「はっ!?」

目の前で起こった出来事に目を丸くするミハエルとメル。

彼等の目の前、男の足元より

「捕獲用部隊、モグおとモグこー!」

二匹のモグラが現れていた。

一匹はピンクのリボンをしている。おそらく雌であろう。

ガシガシっと、モグラ達は男の両足を掴んだ。

「ぬっ・・・」

当然男はすぐに振りほどこうとしたが、意外に力が強く、振りほどけない。

その隙を不知火は逃さなかった。

「ほいっと!」

男の手を振りほどき、その場から遠のく。

スタっと着地し、足をバネのように曲げ

「いくでー!!」

重心を少し下げたまま、突っ込んだ。

「ぐっ・・・」

男はそのまま動けないまま

「はあっ!!」

ガ-ンと、不知火の勢いある肘鉄をおでこにくらった。

「がっ!!」

痛みを上げ、その瞬間モグラ達はボコっと地面に戻る。

そして男はふらふらとなるが

「ッ・・・まさか肘鉄が来るとは思わなかったぞ・・・」

くらった部分を手を抑えて、倒れなかった。

「かっ、頭まで筋肉で出来とんのかあんたは」

かなりのダメージと思っていた不知火は当然驚いた様子だ。

「けど脳にそんだけ振動が来たら、立ってるのがやっとってとこやろ?」

「・・・・確かにな・・・・」

神楽に言われたことを素直に認める男。

図星だったようだ。

「接近型の不知火に遠距離型の神楽との連携か、それにしてもあのモグラはなんなんだ?」

さすがのミハエルも先程のような出来事は初めてだったようだ。

戦闘中にモグラの出現、普通ではなかなかないこと。

「あぁ、神楽は訳あって動物に大人気でな、ああやっていろんな動物の力を借りれるねん」

不知火の言う訳を

「・・・・・・」

メルはわかっていたので少し表情が暗くなる。

彼女はミハエルに話そうかずっと悩んでいたのだ。しかし内容が内容なので話せずにいた。

「ふ~ん・・・つまり動物使いってことか」

「まっそゆことやな」

今度は彼女自身が答えた。

「(それにしても不知火のやつ・・・・・・さすがにこんな所じゃ全力は出さないみたいだな)」

ミハエルは戦闘中、二人の中の、特に不知火の動きを良く見ていた。

「(瞬発力や体術はかなりのもんだけど、それだけじゃないだろうな)」

「ん?なんや?」

「あっいや、なんでもない」

最近良く考え過ぎでは、と自分でも思うミハエルだった。

そうして、少女達を守っていた黒姫も来、一同は男に向き直る。

「合格やんな?」

不知火と神楽が声を揃えて言うと

「ふっ・・・あぁ・・・おまえ達なら問題あるまい」

男は観念したように、しかしどこか喜びのようなものを込めた声で言った。

「終わりか、黒姫、その4人の様子はどうだ?」

さっと次に切り替えるミハエルは、倒れている4人を守っていた黒姫に問う。

それを聞いた彼女は4人を再び見渡し。

「今の所命に別状はないが出血が皆ひどい、早くちゃんとした手当てをしなければ手遅れになる」

「そうか、じゃあみんなで町まで連れていこう」

そう言いミハエルは倒れている一人を抱えた。

それに続くように不知火や神楽も一人づつ抱える。

「立てる?」

そしてメルは一人無傷で無事だった少女に手を伸ばした。

「あっ・・・はい・・・」

少し辛そうな体を動かすため、その手をそっと握った。

「手が冷たい・・・・・・貴方優しい子なんだね」

メルのその言葉に

「えっ・・・どっ・・・どうも・・・・」

少女は少し照れて顔を伏せた。

5人は各々歩き始める。

「小僧二人」

それを男が、ミハエルと不知火を指名して止めた。

「なんだ?」

顔だけ振り返るミハエル達。

「忠告程度に言っておく・・・・・・願いと言う物はそうそう叶うものではないということを」

男のその意味ありげな発言に

「・・・あっあぁ・・・」

ミハエルは良くわからず返し、不知火は

「・・・・・・」

険しい表情で黙っていた。

そうして一同は洞窟を出た。

外は、日が沈みかけていた。
















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