小説喫茶・メル

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11



その時、ドーンと激しい地響きが鳴り渡り、地面が揺れた。

「なんだ!?」

「地震!?いや・・・これは・・・」

ミハエルが驚き、黒姫が分析する中、不知火は外を見つめていた。

「・・・やりよったか・・・」

彼の意味ありげな言葉を聞き、一同は不知火の方を向いた。

『どういうことだ!?』とミハエルが聞く前に彼は口を開く。

「・・・・・・もうすぐこのバトルタワーは・・・崩れる」

「なっ!?」

普段落ち着いているミハエルと黒姫まで驚いた。

今起こっている現状に。

「おまえらがここに侵入してきてるのは奴等はとっくに気付いとる、ここごと俺らを押しつぶそうってことや」

「俺らって・・・仲間のおまえまで・・・」

「何言うてんねん・・・カオスは目的のためなら手段は選べへんで・・・俺を殺すことにも、何のためらいもない」

淡々と語る不知火の表情は、変わらず怖いものだった。

そんな彼を見ていたミハエルが

「・・・不知火・・・こんな時だけど、一つ聞いて良いか?」

と真剣な面持ちで言った。

その間にも地響きは収まらず、下からは人々の悲鳴が聞こえてくる。

ガラスが割れているので風ももろに入っている。

「・・・なんや?」

「おまえが・・・アリアの願いを叶えてやるって言ったの・・・アリアの願いとおまえの 本当の願いが重なったからじゃないのか?」

彼の心中察したような言葉を聞き、不知火は

「・・・・・・どうなんやろな・・・正直俺も・・・ようわからん・・・」

上を向き、黄昏るような雰囲気で言った。

その表情はようやく落ち着いてきた様子だ。

だが今度は黒姫が

「おまえ達!!話は後にして、早くここから脱出するぞ!!」

慌てて、階段へと向かった。

メルは神楽を背負い、二人の元へ足を進める。

一歩彼女が踏み出した時、ガラっと

「えっ?」

ミハエルと不知火、二人のいる足元が崩れた。

「ミハエル!?」

「ちっ!!」

メルは叫び急いで彼等に駆け寄ろうと走り、ミハエルは悪魔の羽根を出現させたが

「ミハエル上!!」

不知火がそう叫ぶので上を向こうとした瞬間

ガシャン、と、頭上にあったガラス製の電灯が彼の頭に直撃した。

「かっ・・・」

ミハエルはそれにより気を失った。

さすがの彼も頭を、それも今まで受けたことのない痛みを負ったため気絶したのだ。

「ミハエル!不知火!」

二人を助けようと飛びこむ寸前のメルを

「ダメだ!おまえまで落ちてしまうぞ!!」

「でも二人が!!」

そう話している内に、ミハエルを抱えた不知火、二人ははるか下に落ちていった。

「ミハエッ!!」

泣き顔で叫ぶ少女のお腹を、黒姫は拳で打ち、気絶させた。

「今は二人が死なないのを信じて・・・私達も生きるのだ・・・」

そしてメルと神楽、二人を抱え黒姫は窓から飛び降りた。

その直後

ドドドドと激しい音をたて、バトルタワーは崩壊した。

二人の青年、ミハエルと不知火を飲み込んで。

その上空では

「・・・・・・ふふっ・・・さようなら・・・」

一機のヘリが、見下ろすように飛んでいた。









アラスタ王国にある、異世界に行くための門、そこにマルシアとレイミの姿があった。

彼女等はミハエルに情報を伝えにいくため、昴の案内の元その世界に行くのだった。

そんな二人の元に

「マルシア、レイミ」

「母上」

マルシアの母親、レナスがやってきた。

もう人間の年で言えば30になる彼女だが、未だに全盛期の面影を漂わせる。

「黒姫って言う子の事で少し話しがあるの」

「へっ?なんでしょうか?」

珍しく母親の表情が少し強張っているので、気になるマルシア。

レイミも普段見ぬレナスの姿が気になっていた。

「ミハエル達が出会ったその黒姫って子は・・・たぶんだけど・・・・・・・・・・・・」

彼女の小さな、しかし二人にははっきりとわかる声を聞き

「えっ!?」

マルシアとレイミは驚愕の表情を隠せなかった。
















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