小説喫茶・メル

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バトルタワー崩壊から一ヶ月あまり・・・



その跡地、周りの民家や店などは無事であったため、皆普段通りの生活をしている。

しかし、それでもバトルタワーの崩壊の影響は大きい。

そんな中、宿屋にて

「・・・うっ・・・う~ん・・・」

ベットに寝ている青年、ミハエルが目を覚ました。

「ようやく起きたか」

「・・・不知火?」

目を覚まし、真っ先に耳と視界に入ってきたのは、不知火の声と姿だった。

彼は和服を着ておらず、あの時戦った服装のままである。

それを見、一瞬にして今まで起こったことを思い出す。

「俺達・・・生きてるんだな・・・」

気絶したので詳しくは覚えていないが、まず助からないと感じていた。

「まっ・・・なんとかな・・・おまえは一ヶ月近く眠っとったけどな」

「一ヶ月!?もうそんなに経つのか!?」

自分自身信じられなかった、長年生きてきたが一ヶ月も眠っていることなどなかったからだ。

驚くが、すぐに今もっとも知るべきことを

「・・・あれから・・・何がどうなったんだ?」

不知火に尋ねた。

それを待っていたかのように、彼は口を開く。

「バトルタワーは崩壊した、けどカンパニーはその詳細を発表せずに、事故ってことにしとる」

「事故・・・確かにそうするのがベストかもな・・・」

「アリアは連れ去れたまま、俺等は奇跡的に生きとるが、他のみんなとは離れ離れになってもうた・・・」

不知火にそう言われ、ようやく周りにメル達がいないことに気付く。

「その上カオス達があれからどこに行ったかも不明や・・・簡単に言えば、お手上げって感じやな」

そこまで言い、頭をかきながら出口へ向かおうとする。

「どこに行くんだ?」

当然気になるのでそう尋ねるが、不知火は真剣な表情で振り向いた。

「俺はおまえ等を裏切ったんや、もう俺がおまえ等といる理由がないやろ」

どこか寂しそうな彼の声を聞き、ミハエルは少し戸惑った。

彼が裏切ったことも少し忘れていたというのに。

「・・・何言ってんだよ?」

ミハエルのその言葉の意味がわからない不知火は、思わず『はっ?』と言った。

「本当に裏切ったんなら、俺なんかほって、カオスのとこへ戻ってるはずだろ?」

「・・・・・・」

言い返せず、黙りこくる。

「けどおまえは俺が起きるまでいてくれた、今の状況も教えてくれた。それで・・・・・・裏切りなんてチャラにならないか?」

彼のいつもと変わらぬ、少し柔らかい表情と声で、不知火は戸惑った。

何故そんなことが言えるのか、何故そんな言葉が出てくるのか、彼にはそれがわからなかった。

「さてと、そうと決まればメル達を探しに行こうぜ。アリアも早く助けてやらねぇと」

ベットから起き上がり、不知火がしたように部屋を出ようとする。

そこを今度は不知火がミハエルを

「・・・みんな生きてるかわからんねんで?アリアかて今どうなってるやら・・・」

険しい表情でそう言い止めた。

普通、こんな空気を読めないことを言われれば、黙ってはいないはず。

だがミハエルは

「ば~か、メルや神楽達が死ぬわけねぇだろ?」

怒らず、笑って言った。

そしてそのまま部屋を出ていく。

残された不知火は呆然としていた。

「・・・裏切った者に対して笑顔で許して・・・・・・生きてるかもわからん仲間を生きてるって断言して・・・」

一ヶ月経っても変わらない、彼の性格に唖然となり

「なんでそうやって笑顔で言える・・・・・・なんでそんな迷いのない目で信じれる・・・」

ただ、けなすつもりもないのにそう言うしかなかった。

「・・・・・・おまえの器は・・・でか過ぎるで・・・ミハエル・・・」

そう最後に言い、不知火も部屋を出た。
















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