小説喫茶・メル

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不知火は前より来る風を受けながらそう言った。

「そんなに羽根って珍しいもんかね~」

頭に小さな朱雀、昴を載せて先頭を飛んでいるミハエルは、羽根は特に珍しいものではなかった。

悪魔は皆黒い羽根を生やすことが出来る、そのため見慣れているのであろう。

彼等は今空を飛んで移動している。

羽根のないレイミはマルシアの背中に、そして不知火はミハエルの背中にいた。

「昴、あとどれぐらいだ?」

「え~と・・・あっあれです!!あの長い建物です!!」

親である朱雀のエネルギーを感知出来る昴は、早く会いたのだろうか、ミハエルの頭で暴れている。

「いてて!!わかったから暴れるな!!」

「空からでは敵に見つかりやすい、ひとまず降りて岩陰にでも隠れるぞ」

マルシアは皆に言うと、そのまま急降下していった。

それにミハエルとヘスティアも続く。

周りの地形は少し草木が生えた荒野である。

マルシアが言った通り、所々に大きな岩も見える。

一同はそのうちの一つ、縦横5メートルほどの岩に隠れた。

「・・・あの建物、バトルタワーに似てるな・・・」

岩陰よりこっそり覗き見るミハエル。

その後ろで不知火も見ていた。

「あれは・・・カンパニーの第三ビルやな」

「・・・さすがは元バトルカンパニーのもんだな」

「嫌味かそれ?」

「元って言っただろ、今は、俺達の仲間だろ?」

ミハエルがにかっと笑って言うので、不知火はまた妙な気分になった。

彼はこの笑顔が苦手なのか。

「・・・どうやろな・・・」

何故かこんな風に言うしかなかった。

悩んでいる自分に嫌気もさした。

「さて、敵のビルとあれば、問題はどうやってメル達を助け出すかだ」

本題に入るようマルシアが口を開いた。

相変わらず腕を組んでいる。

「正面の入り口には何人か警備がいるな・・・俺等はたぶん奴等にとって敵だろうし、迂闊に出ていくわけには行かないな」

「でも・・・他に入り口なんて・・・」

おずおずと困った顔で言うレイミの言葉を聞いて

「・・・関係者以外立ち入り禁止の裏口があるで」

不知火が静かにそう呟いた。

「・・よし、じゃあそこから入ろうぜ」

特に深く追求せず、一同は頷いた。

そしてゆっくりと不知火が足を進めようとする。

「はっ・・・はっくちゅん!!」

その時昴が大きなくしゃみをした。

「ん!?誰だ!?」

それに反応した何人かの警備の者達が近づいてくる。

青い兵士のような格好した彼等は、いかにも警備らしい。

「やばい・・・バレたぞ・・・戦うか?」

「いや、おまえ達は裏口に行け、ここは私とレイミに任せておけ」

そう言いマルシアとレイミは岩陰より出ようとする。

「・・・マルシア・・・」

少し不安そうに妹を見つめるヘスティア。

だがマルシアは

「大丈夫です姉上、私は・・・貴方の妹ですよ?」

彼女なりの精一杯の微笑みを送った。

「・・・わかった・・・だが、無理はいかんぞ?」

「えぇ、わかっております」

また笑顔で返し、レイミと共に岩陰より飛び出した。

「よし!いくぞ二人とも!」

それと同時にミハエル達も、不知火を先頭に走り出した。

「怪しい奴等め!捕らえている奴等の仲間かもしれん!ひっとらえるぞ!」

警備の者達は敵意を剥き出しにし、彼女等を迎え撃った。

そしてミハエル達は

「ここや・・・」

ビルの丁度裏側、太陽の光を防いでいる。

そこに、小さな扉があった。

「鍵かかってるんじゃないか?」

「いや大丈夫や、ちょい待ち」

そう言い、ドアに手をかける。

すると

ガチャっと扉が開いた。

「えっ?なんで?」

当然訳がわからないミハエルとヘスティア。

そんな二人に説明するように、不知火は口を開く。

「このドアはカンパニーのもんにしか開けられんようになっとるんや、指紋認証がなんちゃらゆうとったな」

「まあ開いたんならなんだって良いや」

「・・・そか・・・」

また妙な気分になった不知火であった。

だがとりあえず中に入る。

中のフロアは小さくもなく大きくもなく、上へ登るための階段があるだけの部屋だった。

すぐにその階段へ向かおうとする一同。

「考えてること昔からもろバレなんだよ、不知火」

そんな彼等の耳に、少し甲高い声が聞こえた。

その方向に視線をやる。

階段の上へ

「・・・久しぶりやな・・・レオ」

「おまえ・・・」

不知火とミハエル、それぞれ出会ったことのある彼に目をとらわれた。
















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