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2
アリアの活躍により、不知火達はピンチを免れた。
しかしあまりに兵の数が多かったため、一同は町の前で話あっていた。
「厄介やな~、ここまでカオスの手が伸びとるとは……」
神楽を背負ったまま、シュンと顔を下げる。
それに対してマルシアが険しい表情で返す
「これでは皆を助けることが難しいな」
「どこもこんな調子じゃ、迂闊に町へ入れもしないぜ」
口元に手を当て悩んでいるマルシアだが、スイの方は意外とさらっとしていた。
そこに
「貴方達」
一人の女性が町の入り口よりやってきた。
紫のショートヘアーを軽く手で撫でているその容姿は、マルシアやヘスティアに引けをとらない美人だ。
その上彼女等より少し年上に見えるせいか、大人の女性の貫禄を漂わせる。
「ルッ・・・ルシアンさん!」
そんな彼女を見た不知火は、突然笑顔になりそう叫んだ。
当然不知火以外は皆わからないのでポカンとなっている。
スイの場合は見惚れているのだが
レイミもそれを逃さない。
顔を少しムスっとさせ彼の片足を勢い良く踏んだ。
「いってーーーー!!!」
「久しぶりね、不知火」
スイが激痛で叫ぶのをよそに、ルシアンと呼ばれた女性は話始める。
「なんで、ルシアンさんがここに?」
「訳は後で話すわ、とにかく今は町の宿へ向かいましょう」
彼女はそう言うが、兵を撃退したとはいえ不知火達は町へ入りにくい状態だ。
それを知っているのか
「大丈夫、増援なら来ないわ、私がそう手配しておいたから」
安心させるため、笑顔で語った。
「・・・不知火、信用出来るのか?」
マルシアの疑いを、不知火は平然とした面持ちで
「あぁ、ルシアンさんは俺が良く知ってる人や、心配ないで」
きっぱり返した。
いまいち信用ならない気もしたが、今はとにかく従うしかない。
一同承諾し、町の宿へと向かう。
宿の二階、一室にルシアンを含めた8人が集まった。
ルシアンは窓際にもたれ、神楽をベットに寝かせ、不知火とマルシアはルシアンの前に座り、レイミとアリアが椅子に腰を下ろし、スイとヘスティアはドアの側で立っている。
それを見渡し、説明すべく口を開く
「とりあえず自己紹介からした方が良いわね」
胸に手を当て、真剣な表情で続ける
「私の名前はルシアン、バトルカンパニーの副社長、そして……」
副社長の時点で一同驚いたため、一旦呼吸をし言い放つ。
「カオスの、実の姉よ」
その言葉に、不知火以外の者は驚いた。
スイに至っては眉をピクっと潜め表情を変えないままだが。
「カオスの・・・お姉さん・・・?」
呆然となるアリアに、ルシアンは優しく微笑む
「そうよ、ガイアのお嬢さん」
「!?」
そう言われ再び驚く彼女に向かって、さらに続ける
「ごめんなさい、私がもっとちゃんとしていれば・・・貴方を死なせずに済んだのに……」
「そっそんな・・・ルシアンさんが謝らなくても……」
頭を下げ謝罪するので困惑する。
それを気にかけつつ、マルシアは話を進めるため間に入る
「しかし、その副社長が何故私達を庇う?本来なら敵対関係であるはずだ」
彼女の的確な言葉に、ルシアンは顔を上げた。
「確かに立場上私は敵かもしれない、でも、貴方達に頼みがあるの」
「ルシアンさんが頼み?」
不知火もあまり聞いたことがないのか、驚いた様子だ。
と言ったものの、彼は彼女に会ってから表情が穏やかなままだ。
それほどルシアンは信頼がおける人物なのだろう。
そんな彼女は、少し険しい顔つきになりゆっくりと口を開く。
「カオスを・・・・・・弟を止めて欲しいの!!」
「!?」
今度はスイまでも若干驚いた。
「無責任で無茶なお願いかもしれない・・・・・・でも、もう私の力じゃあの子を止めることは出来ないの……」
顔を下げ、両手を握り合わせ、その声はとても辛そうなものだ。
弟を想う表情、それをマルシアは理解出来た。
そのため声色を柔らかくし、彼女を落ち着かせるように話す。
「カオスの目的はわかっている、私達は元より奴を止めるつもりでいた」
「そや、これ以上あいつの好き勝手やらしたら、この世界どころの騒ぎやなくなるしな」
不知火も安心させるために笑って言った。
それに落ち着いたのか、ルシアンの表情も少し和らいだ。
「ありがとう・・・本当なら貴方達を巻き込みたくなかったのだけれど・・・・・・もうカオスを止めれるのは貴方達しかいないから……」
そう言ったのを聞き
(あれま~・・・・・・こりゃ、思ってた以上に厄介になりそうだな~……)
スイは頭に手をやり顔を伏せていた。
どこかの地下施設にて
「カオス良いの?」
メル?は両手を後ろにやり、前にいる男、カオスに話かけた。
「何がだい?」
「ルシアンさん、また勝手に行動してるらしいよ」
彼女からの発言に、カオスは不敵に微笑んでいる。
その周りには異様な雰囲気も漂っていた。
「ふふっ・・・構わないよ、姉さんには特に用はないしね、それに」
カオスはメル?へとゆっくりと顔を向ける。
「あの辺りは、ヤイバの管轄だからね……」
それを聞いた彼女は
「・・・・・・はははっ!カオスってホントに・・・・・・・・エグイことするよね~」
ニヤっと笑った。
そしてカオスも
「ははっ、そうかな・・・?」
笑っていた。
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