小説喫茶・メル

小説喫茶・メル



朝になり小鳥がさえずる中、ミハエル達一同は目を覚ましていた。

「しっかし神楽もそうだが、一番驚いたのはアリアだな……」

ミハエルとメルが知っているのは幼いアリア。

だが今目の前にいる女性は成長した姿。

驚くのも無理はない。

「そうですね、私自信まだあまり実感がないもので」

「私もだ、未だに子供の頃の感覚が残っているようだ……」

記憶の戻っていないヘスティアだが、体はやはり覚えているようだ。

皆久々の集合に話しは耐えない。

「あれ?メル背ぇ伸びたんとちゃうか?」

「そうかなぁ?あんまり実感ないんだけど……」

「マルシアを徹夜で看病なんて、随分無理するな」

「これも医者の務め、あの毒意外に強力だったし、途中で治療を止めたら アニーさんの教えに反するわ」

「医者が倒れたら元も子もない気がするが・・・おかげで私は早く復帰することが出来た、改めて礼を言う」

「スイの奴、夜に帰るとは急だな」

「おもしろい方でしたのに、残念です…」

などと会話をしている時

「ところで」

ミハエルが皆を注目させるように呟いた。

「これからどうするんだ?」

集合したのは良いものの、肝心の目的に何をすれば良いのか、彼は知らなかった。

彼とメル以外は大体を把握している。

そのため説明しようとアリアが口を開こうとする。

「ルシアンさんに連絡取るわ」

それを一つの声が遮った。

ベットで眠っていた、不知火が起きたのである。

「不知火さん!まだ寝ていないと!!」

彼もマルシアと同じ毒を食らっているので、レイミの治療の元安静にしていなければならない。

ただ話しをスムーズに進めたいのか進行させたいのか、少し無理をして口を開いていた。

「平気や・・・毒には普通の人より慣れとる・・・・」

と言いつつも、頭を押さえている。

そんな状態で話そうとする彼を

「副社長ならカオスにさらわれたぜ」

今度は同じく男の声が止めた。

その声は、ミハエルと不知火、そしてヘスティアは知っている。

まだ夜は肌寒いというのにタンクトップにジャケットだけ、そして背中に大きな剣を背負う。

「・・・レオ・・・・」

バトルカンパニーで、不知火の師匠のような兄のような存在。

ミハエルと不知火と戦闘を繰り広げた男が、そこにいた。

「久しぶりだな不知火、それとミハエルだったか」

「おまえ、なんでここに?」

突然、しかも窓から現れたので疑問に思う二人。

メルと神楽救出時以来なので、懐かしくも思う。

「・・・今言った通り、副社長がさらわれたことを教えに来たんだよ」

「ルシアンさんが・・・なんでや?」

メル達は知り合いではないので、極力口を挟まないようにしている。

その為会話を進めるのはレオと不知火とミハエルの3人。

レオはそれを分かりつつ続ける。

「詳しい理由はわからねぇ、ただこれでこの世界の人達が全員カオスに拘束されたのは間違いないだろうな」

「あんた、なんでそこまで知っとるんや?」

ここで神楽が疑問に思ったことを口走った。

「レオは元々情報収集が主な任務やったからな、自分なりにいろいろ調べたんやろ」

それに答えたのは不知火。

彼を良く知っているせいであろう。

「良くわかってるじゃねぇか、俺はおまえにやられた後、カオス達から逃れながらいろいろやってたんだよ」

レオは不知火にやられた、そして彼に対する感情も他とは違った。

だからこそカオスがそれを放ってはおかない。

彼は今日までカンパニーから追われていたのだ。

「けどなんでや、なんで俺等にそんな情報を教えてくれる?」

その言葉に少し戸惑うレオだが

「お前等を、信じてみようと思うんだよ・・・・・・」

険しく少し声色を優しく言った。

「情けない話だが、俺じゃどう足掻いてもカオスには敵わない、けどお前等なら」

「それってただの寝返りちゃうん?」

神楽の悪気のない言葉に困惑するアリアやレイミだが、彼は特に変わらなかった。

「都合が良いのはわかってる、だがお前等にこうやって情報を教えることが、俺の・・・師匠のせめてもの罪滅ぼしだと思うんだよ……」

「・・・・・・」

黙り込む不知火。

彼自身、敵であった時から特にレオを悪く思ったことはない。

カンパニーにいれば仕事なので仕方のないこと、それは彼も良くわかっていた。

なので彼を攻める気などないのだが

「そか・・・・」

こういうのは本人の気持ちの問題。

ひとまず納得出来そうなことを呟いた。

それを感の鋭いミハエルは感知したのか

「じゃあレオ、ルシアンさんの居場所はわかるのか?」

話しを進めるよう彼に問う。

「あぁ、ここから北にあるバトルカンパニーの本社だ」

「やっぱそこか」

不知火は大方予想はついていたが、彼の言葉で確信した。

バトルカンパニーは東西南北に拠点とするタワーがある。

一つはミハエル達の戦いで崩壊したが。

その核たる場所が、さらに北にある本社に当たる。

「ただ気をつけろ、奴の計画が終わりに近づいているせいか、タワーの周りの警備は厳重だぜ」

普通の4塔ならさほどの警備はない、マルシアとレイミ二人で片付けられたのもその例だ。

「騎馬部隊に竜騎部隊までいるみてぇだ、数は半端じゃねぇぞ」

「竜騎までおるんか・・・厄介やな」

アリア以外はその単語については大体わかっている。

名前の通り馬や竜に乗っている兵達である。

「でシグマとヤイバ、カオスの両翼を倒したのは良いが、まだ奴にはアルセウスとそこのガキそっくりの奴もいるからな」

メルを見ながらそう言ったが、肝心のメルは『ガキ』と言う単語ではなく『そっくり』の部分に反応していた。

自分と瓜二つ、双子と思える存在の少女。

そしてヘスティアもアルセウスに反応している。

この二人は彼女等にとって決着をつけなければならない相手。

「・・・とまぁ俺が知ってるのはこのぐらいだな、後はお前等に任す」

「なんだ、一緒に戦ってくれるんじゃないのか?」

てっきり、と思っていたミハエルは拍子抜けした。

「俺が行っても、正直邪魔なだけだ・・・・・・影ながら援護ぐらいはするつもりだがな」

「ちっちゃい奴やな~、男やったらドンと『任しとき!』ぐらい言われへんのか?」

「神楽、もう良いんや」

不知火の言葉に彼女は黙る。

そしてレオへと向き直った。

「情報ありがとなレオ、後は、俺等に任しとき」

「・・・・・・悪いな不知火・・・本当に・・・すまねぇ」

そう最後に言い残し、レオは窓より飛び去った。

ミハエル達はきっちりとした目的が出来た。

今すべきこと、やらなければならないこと。

それが、カオスとの決着をつけることになるということ。

「・・・あいつ自身、さんざん迷った結果だったのかもな」

「・・・・・・そやな・・・なんだかんだ言っても・・・俺にとっては良い師匠や」

ミハエルと不知火、お互いに言い合い、最終決戦に向けての覚悟を決めた。
















© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: