古本屋で100円読書

古本屋で100円読書

素敵で安いインテリア




(注:本文、下にウェブリングがあります。もっとインテリアを知りたい方はどうぞご覧になってくださいね)


 「あのお宅のインテリアって素敵ね」と言う言葉をたまに聞くことがあります。そういわれるだけあって、確かにそのお宅のインテリアは素敵です。でも、ちょっと待ってください。それは見た目の豪華さに騙されているのではありませんか?
 誰だってお金とスペースががあれば、センスよく一流の家具を買って、きれいに仕上げることはできるはず。でも、そんなことができるのは、一部の恵まれた人に過ぎません。家のようにだんなさんの収入だけに頼る子沢山の家庭では、そんな贅沢が許されるはずはありません。だからお金持ち家庭のインテリアがいかに素敵でも、それはある意味当たりまえであって、少しも参考にならないばかりか、感心するにも及ばないと思います。

 これは負け惜しみとは違います。そういう方々のインテリアは、そのインテリアをもたらした富に感心する話だと思うからです。

 つまり、庶民には庶民のインテリアがあるさ、ということです。できるだけ安く、しかも、ちょっと踏ん張るところは踏ん張って、インテリアに挑戦してみましょう。すべて安い家具でまとめてしまわないで、自分の手が届く範囲内で最もよいものをいくつか基幹家具にするのです。そうして他を安く仕上げると、家の中がみすぼらしくならない上に基幹家具がインテリアのグレードをアップさせてくれます。これは実際より家を豊かに、美しく見せてくれる大きなポイントです。

 次に、収納。これも大切なポイントです。収納さえ上手くできれば、意外と家の中はきれいに見えるものです。100円ショップを利用しましょう。安い家具を一つ買うくらいの気持ちで100円ショップに行けば、実際にその家具を買うよりもスペースを潰さず、また、きれいに室内を整えられます。

 でも、これはあくまでも理想論です。そうできないからといって、欲求不満に陥いらないでください。そういう場合でも、家計に負担がかからないよう、少しずつ100円ショップその他で収納を改善していくのです。そうすれば家事の能率がぐんとアップして、掃除にかかる時間が節約できるのですから。とにかくあきらめないこと。そして、限界をよく理解することが大切です。

 もし現在、子育て中であったり、片付けるのが下手な家族を抱えていたら、無理をして理想のインテリアや室内を実現しようとしないほうが無難です。でないと、自分の肉体と精神に相当なプレッシャーがかかるだけでなく、家族間の不愉快な葛藤まで予想されます。なので、そういう時はすっぱりとあきらめましょう。自分の家族の限界をよく見定め、限界に達するまでは努力する。でも、その後は最善を尽くした自分を褒めて「うん、前よりましになったわ。私ってすごい」と鏡に向かって微笑むことです。だって、あくまでもインテリアの目的は家族が快適に過ごすためのもので、インテリアそのものではありませんから。

 と言うわけで、こういう私自身も子育て中であり、片付け下手な家族を抱えているので、はっきりいって、お客さんが来るとき以外は私が望むほど家の中はきれいになりません。
 おまけに、鬱がひどいときは何もしたくないので、家の中が荒れる荒れる。 もう目も当てられないくらいです。でも、収納にかなり力を入れているので、そうでなかったときに比べて、現状復帰にかかる時間は半減しました。つまり最小限の労力で、家の中に秩序をもたらし、子供に整理整頓を教えられるようになったのです。このことはインテリア本来の目的のような気がします。

 だって、スラムでさえ落書きを落とし、ゴミを拾い、はげかかったペンキを塗りなおしただけで、犯罪の発生率が激減したと聞いています。だとしたら、贅沢ではなくても居心地のよい室内で子供を育てたら、そうでないときに比べて、子供の心にも何らかのよい影響があると期待しても良いのではないでしょうか? 

 人間は好むと好まざるとに関わらず、環境に影響される存在です。もちろん完璧な環境などこの世には存在しません。ですから子供たちも、いつかは不完全な環境を克服していく必要はあります。でも、例えそうであったとしても、克服する障害が最小限度となるように、子供たちの環境を整えてあげるのは良いことではないでしょうか? そうすれば、子供たちが障害を克服するために使う無駄な力を、自分本来の目標や夢の実現に使えるようになります。そのために少しでもよいと思われること、すなわち、居住空間を快適に保つことも含めて(それが例え願いに過ぎなくても)少しでも良い環境を心がけることは、子供たちにとって良いことなのではないでしょうか?








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