吠えるが犬の生まれつき

tutuji

鳥は双の翼で飛び、

 信者は胸の憶いで飛ぶ。



物語「マルズバーン・ナーメ」より。

(*作者不明)





「人間はロゴスをもった動物である」と言う。
その意味は、人間は動物性とロゴス(理性と言語)
との複合物だということである。
人間には常に必ず動物性が内在していて、決して離れることがない。
ロゴスの方もそれと全く同じで、常に人間に内在している。
外面では言葉を喋らなくとも、内面では喋っている。
常にものを言っている。
この意味で人間は泥の混じった激流のようなものだ。
澄み切った水はロゴスに当たり、混じった泥は動物性に当たる。
但し、泥は人間の本性にとって、偶有的なものにすぎない。
考えてみるがよい。
泥や外形はことごとく儚く消えて朽ち果てる。
だが一度口にした言葉、一度獲得した学問は、
良いものも悪いものも、いつまでも残る。






心の人 …*[神秘主義的達道の人] は全宇宙だ。

そういう人を一人見れば一切を見たことになる。

「狩の獲物は野獣の内臓の中にある」 …*アラビアの格言

と、言われる通り、この世のありとあらゆるものは彼の部分、

彼こそは全体である。



hasu



善も悪も、ことごとく挙げて行者の一部分

全てを内に含まぬ者は真の行者と言いかねる。



*ルーミー自作の詩



umi3



神の御書の写しなる汝よ

王者の美を映す鏡なる汝よ

この世なるすべてを内に蔵した汝よ

自らの内面にこそ探し求めよ

これぞ我がものと言いたいものがあるならば。



= クブラー派の神秘家ナジュムッディン・ラージー =







我々はこうしたい、が

 ほかのやつらはああしたい。

どちらに分があるか、この綱引き。

 運命の嘉する方の勝ちになる。



(*作者不明)



moon



月、光を夜の闇に撒き散らす時

 犬、狂おしく吠え猛る

なんとして月を責めよう

 吠えるが犬の生まれつき。

月、皎々と満天の光

 犬、何するものぞ、大地の瘴気




= ハサン・ガスナウィー =





以上、「ルーミー語録」より抜粋
邦訳・井筒俊彦


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