Blue Carrot

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第3期POPEYE



2人の活動休止により、

ミッチーとラッシャーは頭を悩ませた。

Saxのタカヤの加入により、ソリットな音の厚みは出たが、

空間的な音の拡がりの穴埋めは、早急の課題となった。

キーボードの欠落は大きかった。

1982年・初夏、ミッチーからすれば、

3年後輩にあたるミツコとミユキが入部し、

それぞれ同級生達とバンドを結成していた。

サザン・オール・スターズのキーボード的センスを持つミツコと、

クラシカルな安定感を持つミユキ。

2人のキーボードは、サークル内でも注目を浴びていた。

ラッシャーが「あの2人ええと思うねんけど、どう?」とミッチーに相談を

持ちかけた。

サポートメンバーとして女性(トモちゃん)の参加はあったが、

結成以来、男だけで活動してきたミッチーには妙なこだわりがあった。

「ダーティなイメージが好きなんや」

ミッチーは首を縦に振らなかった。

事実、結成当時から、他のバンドにはない、

独特の男くさい雰囲気があった。

女性メンバーの加入を頑なに拒むリーダーに、

ラッシャーは言った。

「音楽に男も女もないですよ。俺らの新しい音、作りましょうよ」。

またまたまた、ミッチーが彼女達の交渉にあたった。

「俺ら、新しい音つくりたいんや。

バラードとかも音の分厚いのにしたい。力貸してくれないか?」。

彼女達の返事は、「NO!」だった。

3年も上級生のメンバーと活動する事の不安と、

同級生達と組んだメンバーの引き抜きに対する反発の狭間にたって、

とても「YES」と言える状況ではなかったのである。

今度はラッシャーが説得にまわった。

「まず、やってみて、面白くなかったり、無理やと思ったら、

いつでも辞めてええよ。今、やってるバンドも続けてもOKや」。

数日後、2人は参加をOKした。

第3期POPEYEは、こうしてスタートした。


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