金剛石/ダイヤモンド
ダイヤモンドと云う石。
和名は金剛石と云う。地球の深い深い地下マントルで生まれる宝石。
自然な結晶としてのダイヤモンドは、八面体や十二面体結晶として出来る。
その他にも六面体の基本形結晶とそれらを組み合わせた各種の晶相を示す。
又、その結晶が湾曲したり形状がゆがんだり双晶に成ったりと
色々の形状で産出する。
色としては、無色(カラーレス)を基準とし後ファンシーカラーの黄色
褐色 青色 緑色 オレンジ色 ピンク色 赤色
鋼灰色等多彩な色を有する。
モース硬度は10 ヌープ硬度は5500~6950
ダイヤモンド結晶の中の結晶
インクルージョンとしては、これ又色々な石を取り込む。
ガーネット オリビン(ペリドット) ダイオプサイト等の結晶
ダイヤモンド結晶がインクルージョンとして他の宝石の中に内包されると云うような
事は、まずあり得ない。
でも先きに生成されたダイヤモンドの小さな結晶片を後から追い越した
早い生成の別のダイヤモンドがソレを包み込む事は有るそうだ。
そして、その両方の境界線=インクルージョンの輪郭が
明確にその中に認められる事が有る。
これが、ダイヤモンドの中のダイヤモンド インクルージョンと云う事。
初生的な生成で、生まれたものである。
これらのインクルージョンは八面体か、
壁開原石(三角)又は、変形した歪んだ結晶での内包
で有る事が観察される。
ダイヤモンドで作られた窓
アメリカの航空宇宙局(NASA)は、1978年 金星探査の為に打ち上げた
人工衛星2個を続いて打ち上げた。
2個目の人工衛星「マルチ プローブ衛星」には通常の衛星の観測窓に
赤外線ラジオ メーターに入る光線の赤外線域の波長を妨害無しに
正しく調節する為にダイヤモンド製の窓が着けられた。
この窓のダイヤモンドは、1セント銅貨を2個重ねた大きさで
重量が約13,5ct。予想通りの機能を発揮したと云う。
このダイヤモンドの窓は、NASAからヒューズ社が
受注して研磨したのは宝石の研磨で有名なアムステルダムだと云う話。
ダイヤモンドの色
ファンシーカラーの青色とピンク色はは人工着色のものが多い。
昔は、青色(特徴的な蛍光ブルー色)だけが、人工着色と云われたが、
近年ピンク色のダイヤモンドも人工着色が可能に成ったと云われる。
人工着色では無い青色のダイヤモンドは電導性が有る為
簡単に判別が出来ると云う。
地球上で一番硬い石
モース硬度の真実
硬度が10のダイヤモンドと次の硬度が9のサファイヤの差
一様に、9から10は直ぐ其処...と思えるけれど実のところは、
ダイヤモンドとサファイヤの硬さは約140倍の硬さの違いが有る。
宝石の標準硬度は7のクォーツそれからみると
ダイヤモンドは、11,666倍!吃驚
ダイヤモンドは何処から来た?
地球の奥深くから、出て来るマグマはその時通り道にあるダイヤモンドを
運んで地上近くに出て来ると云われる。
地上近くに出たマグマは、特殊な火山岩と成りダイヤモンドを含む
噴出物が火山岩の周りに散らばる。
火山から出た噴出物は、雨風に浸食されて砂礫と成る。
昔は、その中からダイヤモンドを採掘していたそう。
でも、時代も後に成って火山岩にも
ダイヤモンドが含まれている事が判り
大量のダイヤモンドが採掘される様に成りました。
現在露天掘りで採掘されているのは、主に火山岩中のダイヤモンドだと云われ。
ダイヤモンドの輝き
宝石のダイヤモンドの輝きは屈折に因るもの。
太陽のプリズム(虹色の分解光)で、光が赤から紫に分かれる。
これと同じ事がダイヤモンドの中でも起こる。
光が通過する時短い波長である紫色は強く長い波長の赤色は弱く屈折する。
ダイヤモンドの屈折率は2.417と非常に高い屈折率を持つため
紫色から赤色に分散した虹色光が一面に出て来る為なの。
画像は、ダイヤモンドの結晶と、加工されたブローチ
これは、「ターゲット ブローチ」と云い、ダイヤモンドの輝きを出す為に
複雑なカットが施されている。
1910年頃の作品/アルビオンアート蔵
ダイヤモンドと云う名前
ダイヤモンドの名前は、万物最高の硬さを意するギリシャ語の
”征服しがたい”と云う「a+damaeim」に由来する。
参考資料/天然石と宝石の図鑑/塚田雅広 宝石宝飾大事典/近山晶編著 世界の天然無処理宝石図鑑/柏書店「無処理宝石図鑑」編集室編