羽根と私とフワフワと。

羽根と私とフワフワと。

なくしたくないもの







当たり前のように





君は居た ずっと 隣に











なくしたくないもの





優しい微笑み。

自分が殺したかもしれない、君。

自分の憧れだった人間が、大切だった君を殺した。

―――――どうして、君が殺されなきゃいけなかったんだ?・・・エアリス・・・・・・。


突然、目の前で、殺されていく。

自分になど、関わってしまったばっかりに。

まだ、沢山・・・話もしたかった。傍にいたかったのに・・・・・・


「―――――――――――クラウド?」


ああ。

愛しい、君の声。


俺はだいぶうなされていた様だ。
眼を覚まして、重い身体を起こした。
すぐ隣には、ティファが心配そうな顔をしてこっちを見ていた。
「大丈夫?もう、お昼なんだけど・・・」
「あ・・・ごめん。みんなは?」
「みんなは、それぞれの用事で出かけて行っちゃった。夕方には戻るってさ」
「そうか」

とりあえず、シャワーを浴びてから昼食をとることにした。
頭が重い。
昨日、アルコールなんて入れたっけ?

シャワーを浴びてから、キッチンに行った。
すると、ティファの作りたてのスープが出てきた。
はいどうぞ、とティファは笑顔を向ける。

「美味しい?」
「うん」
ちょっとドキドキしながら、スープを飲んでサラダをつまむ。
なんだか、夫婦のやりとりみたいで嬉しいんだけど、顔を崩さないようにするのが大変だ。


「でも、どうしたの?夢でも見た?」


スプーンをゆっくり皿に置く。
カチャンと金属音が部屋に響いた。

「・・・エアリスが・・・居た・・・・・・」
小さく、俺は言った。
すると、ティファは眼を見開いて、泣きそうな顔をする。
「・・・・・・そう・・・」
ただ、それだけ言うと、食器を集めて洗い出した。


そう。
いつ、誰がいなくなるかわからない。
俺だってティファだって、何時死ぬかわからない。
他の仲間たちも、何時死ぬかわからない。
でも、そんなのは誰だって一緒だ。
誰が何時死ぬかなんて、誰にもわからない。


だから 一緒にいたいと思う


だから なくしたくない


だから 愛しい


ぎゅっ、とティファを後ろから抱きしめた。
いつも冷たい態度しかしていなかったけど、やっぱり好きだ。
まだ、好きなんて言ってはいないけど・・・でも、ティファならわかってくれると思ってた。


「―――――ティファ、好きだ」

俺は無意識に、腕に力を入れる。

「・・・ごめん・・・・・・」
「なん・・・で、謝るの」

細い身体が震え出した。
ティファが俺の方を向いて、ぎゅっと背中に手を回した。


「あたしも好きだよ、クラウド――――」


少し、頬が緩んだ。
ほっとした。


ティファも、俺との想いが一緒だったんだ。


「クラウドが・・・大好きだったエアリスみたいに、急に消えちゃうなんて嫌・・・」


一緒の事、考えてた。


「・・・俺もだよ。だから、傍に・・・いてほしいんだ」
優しくティファのおでこにキスをする。
涙を流していたティファが、少し頬を赤くした。
「ちょ・・・クラウド・・・・・・」
「居てほしい」
今度は唇にキスをする。

優しく、優しく。
それでも、強く求めた。
ティファを。大好きな、大切な君を。


もう、なくしたくない。

大切なものは。



(~管理人のコメント~)
キスさせてしまった;(ぁ
たまには、ほのラブも。(ぇ
H17/9/1


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