羽根と私とフワフワと。

羽根と私とフワフワと。

ケンカ



ただの君の誤解で





俺が間違って発した言葉





そんな 些細な事





小さいはずだったのに










ケンカ






「てっ!やぁっ!とぉっ!」

静まり返った森の中で、高めの声。
金髪の髪の毛は、雨の中雫を放ちながら揺れていた。

少年、クラウドは木の枝を一生懸命振り回していた。
まだ、明け方で雨が降っているというのに、薄い青色の瞳は常に棒を見詰める。


「ふぅー・・・」


クラウドはしばらくすると、近くに転がっていた倒木の上に座った。
倒木の中から、小さな野ネズミが出てきた。
クラウドは掌に野ネズミを乗っけながら、黙り込んでいた。

すると、クラウドは言った。


「なー・・・ティファになんて謝ればいいと思う?」
ハァと灰色の空を見上げながら、クラウドは野ネズミに聞いた。
だが、野ネズミはクラウドの掌を飛び降り、もう一匹の野ネズミと倒木の中に入って行った。


問題があったのは、一昨日の夜。
クラウドがティファを近くの公園に連れて行ったときだった。


「ねぇ、クラウド。こんな時間に外に出るの、危ないよ」
「大丈夫だよ。俺がいるじゃんか」
「・・・そうだけど、パパに知られたらお外に出れなくなっちゃうよ・・・」
「大丈夫だって」
クラウドは早歩きで、ティファの腕を掴みながら歩いた。
ティファは少し抵抗しながら、歩いている。

「危ない事はしないから、大丈夫だよ」
クラウドは歩く速度をゆっくりにして、ティファと並んで歩いた。
「・・・本当に?大丈夫?」
「もちろん」


公園に着いたとき、クラウドが持っていた鞄の中から花火の山が出てきた。
クラウドはろうそくに火をつけると、ティファを呼び寄せた。
ティファは喜んでいた。だが、はっとしてクラウドを見詰める。
「ねぇ、クラウド。花火は子供だけじゃダメなんだよ」
「大丈夫だよ」


シュウウウ、と花火は火を噴いた。
そして、真っ暗な世界に光を導く。
クラウドがその花火をティファに渡すと、クラウドはクスっと笑った。


しばらく2人で花火を楽しんでいると、ティファもだんだん笑顔になってきた。
ひとつだけ、打ち上げ花火があったのでつけることにした。
ティファも大喜びしていたし、俺も調子に乗って火をつけることにした。
だが、火をつけるときに風が吹いてしまい、俺たちのほうに向かって火を噴いた。

「きゃああっ!」
「っ、ティファっ!」

とっさにクラウドはティファを抱えて避けた。
だが、ティファの長い髪に火が渡ってしまった。
クラウドは素手でティファの髪を掴み、火を消した。

「ティファ、大丈夫だったか!?」
「・・・・・・だいじょう・・・ぶ・・・・・・」
「・・・ティファの髪が長いから・・・・・・」


―――――――――だから、全部守れなかったんだ。


そう続けようとすると、ティファがクラウドをキッと睨みつけた。

「・・・あたしの髪の毛が長いから・・・・・・?だから、いけないって言うの!?」
「い・・・いや、そんな事・・・・・・」
「だってそうなんでしょ!・・・危なくないって言うからしてたのに!」
「なっ・・・そんな事言ったって、ティファだって楽しそうにやってたじゃないか!」
「クラウドが悪いんでしょ!元々子供だけでやろうとするから!」
「・・・・・・っ!」
クラウドは、歯を食いしばった。
ティファは、そんなクラウドを見もせずに走って帰って行った。

「・・・・・・確かに・・・俺が悪かったけどさ」
月明かりだけの公園で、クラウドは夜空を見上げた。


昼頃にティファを見たときには驚いた。
あの長い髪が、肩の長さまでもないくらいに髪がばっさりと切られていたからだ。
それはそれで可愛いと思っていたけど、やっぱりティファは長い方が好きだ。
でも、花火の事がまだあって話しかけられない。
眼が合っても、すぐそらされてしまうし。

「・・・仲直りって、どうやってするんだっけな・・・・・・」
クラウドは、窓から元気なティファを眺めているだけが精一杯だった。


「――――――――――ティファ」

雨の中、クラウドは俯くばかりだ。
梅雨の時期であっても、まだ明け方に加えて雨が降っているから下手をしたら風邪をひいてしまう。
そう思ったクラウドは、家に戻る事にした。


だが、案の定。


「・・・・・・熱い・・・」
「39.5℃・・・こりゃ大変ね」
クラウドの母は、洗濯物を抱えて忙しそうにしていた。
明け方はザアザアと降っていたのに、朝になってカンカンに晴れ出した。
「・・・母さん、どれくらいで治るかな」
「クラウド、お前また無茶したんだろう。今日くらい寝てな。朝方に居なくなってるのはわかるんだからね」
「・・・・・・・・・・・・」


クラウドはベットに転がって、寝ずに天井を見詰めていた。
ティファの事だけを考えていた。

「・・・ティファ・・・・・・に、謝りたい」
「無茶を言うな」
母は雑炊をクラウドの口に流し込みながら言った。
「今ティファちゃん呼んだら、熱がうつっちゃうでしょ」
「・・・・・・俺がティファの見舞い行った時は・・・?」
「クラウドにはうつらないからよ」
「・・・・・・・・・・・」
眉を八の字にさせてクラウドは黙った。

「・・・母さん、じゃあ手紙書かせて。ティファに渡してくれるだけでいいから」
「治ってからでもいいでしょ。謝るのは」
「そんなの・・・嫌なんだ・・・、早く・・・ティファに謝りたい」
「・・・・・・手紙書いたら寝るんだよ」
母は呆れて笑いながら、クラウドに紙とペンを渡した。


『ティファへ。一昨日はごめん。急に呼び出したり、怖い思いさせちゃって。
長い髪だから、って言ったのは・・・髪が長かったから、あの時全部守ってあげようと思ってたのに、守りきれなくて・・・
ちょっと、悔しかったんだ。ごめん、勘違いさせて。本当は昨日謝ろうと思ったんだけど、言いづらくて・・・ごめんな。クラウド』

「はい。母さん・・・頼むよ」
「ふむ。どれどれ」
「あああっ!見るなぁっっ!」
ドタッとベットから滑り落ちるクラウドを見て、母は大笑いしながら家を出た。


日が傾き始め、空が紫色になりかけている時に眼を覚ました。
俺は、起き上がると母さんの背中を確認した。
「母さん・・・届けてくれた?」
少し頭がぼうっとする。
だけど、さっきよりも身体軽くなった気がしている。

「ああ。それで、ほら。ティファちゃんから」
母がエプロンのポケットから、クラウドに手渡したのはティファからの手紙だった。
「・・・ティファから?」
「ああ。あの手紙の返事だと思うよ」
そわそわしながら、クラウドは封筒を開けた。
すると、小さい字が並んでいた。

『クラウドへ。大丈夫。あたしこそ、ごめんね。すごくクラウドとの花火楽しかった。
でも、ちょっと勘違いしちゃったみたいだね・・・。ムキになってごめんね。嬉しかった、お手紙。
大事にするね。クラウド、明日は遊ぼうね!早く風邪治してね!ティファ』
クラウドは苦笑いして、枕にゆっくりと頭を乗せた。
そして、手紙を抱えながらもう一度眠った。


クラウドの右手の掌には、赤い火傷の跡が残っていた。





もうすぐ来る





夏の訪れ





明日はきっと





笑顔になれるから


(~管理人のコメント~)
・・・短い?長い?
よくわかんないなぁ・・・。
ケンカって、ちょっと難しいかも;
H17/9/25


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