日常の記録

日常の記録

葬儀


13日の未明に自宅に戻ったはずだった。
それから、友達や親戚や先生や会社の人が、出入りしていた。

お父さんは子供部屋に敷いたお布団に、美佳莉と裕智は2階で寝かしつけた。
2人とも長い時間眠っていた。
私は2人と夫の間を、行き来していたような気がする。

一度だけ美佳莉が「お父さん、頑張って」と寝言を言った。

それ以来、暫く彼女は「お父さん」という言葉を口にしなかったし、人前で泣くこともなかった。
起きて泣いても、涙を引っ込め、顔を整えてから、みんなの前に出て行った。

なんとなくだけど、あの長い眠りの中で、お父さんが2人に「大丈夫なんだよ。心配することないんだよ」と教えてくれていたんじゃないかという気がすることがある。



2人が目覚めたとき、私は「お父さん、いなくなっちゃった!」と大泣きした。


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: