sachipon40歳からはじめる子育てとその生活

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産む選択


私は悩んでいた。それは子どもを産むなら、もうタイムリミットだと
いうことだ。夫は子どもが好きだと知っていた。が、私は子どもを産んで
育てる自信が無かった。自分は家の中であまり幸せでなかったように
思うし、子どものころいつもなんだか死にたかった。そんな子どもを
増やしていいのか?と。

夫は二人でも楽しい。子どもがいても楽しい。だからどっちでも
いいよ、と言ってくれていた。このまま二人でもいいかなあとも。

が、この夏、本当に決心しないと、時間切れになりそうだ。
悩んだり、迷ったりすることは、私が子どもをどこかで産みたいと
思っていることではないかと思った。
あの時こうしていればよかった、という後悔はしたくない。
そして、産む決心をした。が、年も高齢だし、ちゃんと妊娠するかは
わからない。夫に「半年、40歳までに出来たら、産むよ」と
宣言した。夫はとてもうれしそうだった。

それでもやっぱり迷っていた。
友達とご飯を食べに行った帰り、子どもを産む決心について
少し話しをしたら、泣けた。友達に話しを聞いてもらって
心が軽くなった。人前で泣くのは本当に何十年ぶりくらい。
友達は、夫と結婚して、私がいい人からやさしい人になったと
言ってくれた。その夫がついていてくれるんだから、大丈夫と。
そして「勇気いるよね」とわかってもらえてうれしかった。
得るものと失うもの。それがバランスというものだ。

そして、それから基礎体温をつけ始めた。とりあえず3ヶ月
データーをとらねば、排卵日がわからない。
それから2ヶ月。3回目の生理が遅れていた。そして、体が風邪っぽい。
仕事は忙しく、土曜日休んで日曜日仕事して次の日曜日まで
休みがなく、毎日残業という日が続いていた。こんなんで妊娠する?
というような状況のなかたまちゃんはひっそりと、私のところに
来てくれた。
それは2003年10月の終わりだった。


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